No.221526

桔梗√ 全てを射抜く者達 第4射

黒山羊さん

髭にラーメンの汁が浸み込んでいるのか、髭がチクチクして、時々髭が豚の味する今日この頃皆様いかがお過ごしですか。
私は酒飲んでるか、ラーメン食ってるか、小説書いてるか、勉強しているか、寝ているかのどれかです。

最後になりますが、
現在私は2本長編作品を書いています。

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2011-06-08 22:25:39 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:6843   閲覧ユーザー数:5318

 

桔梗√ 全てを射抜く者達   第4射

 

 

 

 

視点: 一刀

 

俺はBarrettM82A1を布袋に入れて肩に担ぐ。リュックサックを持って行くと目立つので自作の布袋を作る。

いつもの軍服や制服も目立つので、一般の民が着ているような服を着る。ブーツはさすがにまずいので、草履を履く。タクティカルベストのポケットに入れている双眼鏡や耳あてとかも布袋に入れる。桔梗さんが糒を持たせてくれたので、食料も困らなさそうだ。

この姿なら目立たない。まあ、BarrettM82A1がデカ過ぎて違和感は多少あるがな。

護身用のナイフとマガジンを懐に入れていて、何時でも抜けるようにしている。

BarrettM82A1の布袋もある紐を引っ張れば、布が捲れてすぐにBarrettM82A1を構えることが出来るように作った。おかげで5秒あれば撃つことが出来る。

 

それより、ああ、どうしよう。この糒。桔梗さんが持たせてくれた糒。

食べるのが勿体ない。でも食べないと保存食として役割を果たしていない。それはそれで勿体ない。

桔梗さんは俺が腹減ったら駄目だと思ってせっかく持たしてくれたのだから、他に食べる物が無く、腹が減って死ぬ3秒前に食べよう。そうしよう。餓死3秒前、空腹と言うスパイスで最高に美味いんだろうな//////

 

桔梗さんの糒も大事だが、諸葛亮の三顧の礼も大事だ。

三顧の礼。

劉備が荊州北部新野に居城を構えていた時に、徐庶から諸葛亮の事を知ったらしい。

ただ、諸葛亮の事を徐庶は『諸葛亮は私が呼んだぐらいでは来るような人物では無い』と言った為、劉備は諸葛亮の家に三度足を運び、やっと臣下になったという。

時代、場所、軍略に通じた賢人というキーワードから俺は諸葛亮と予想した訳だ。

 

俺は徒歩だけでは体力的につらいので、ヒッチハイクをしながら新野へと向かった。

糒はまだ食べるような状況に陥っていないので、木の実を取って食べている。

サバイバル訓練も受けていたおかげで食べられる木の実を知っていたので助かった。

 

5日ほど掛かって新野のある村に着いた。確か情報ではこの村だ。人が少ない。人口が少ないのもあるが、人口密度が著しく低く、活気に乏しい。家屋は多いのに、道を行き来する人が少なすぎる。屋台も少ない。

とりあえず、情報収集が必要だな。俺は適当な店に入った。文字からしてどうやらラーメン屋のようだ。

 

「すみませーん。ラーメン1つ。」

 

「はいよー。」

 

店長は厨房へと入った。俺は店長に話しかける。

身分は偽って旅人としてこの村の事について聞いた。

何でも内乱が続いているせいで、男手を取られてしまっている。いきなり荊州の有力者が来て、兵士となりえる男を奪って行く。そんなことがここでは日常茶飯事だそうだ。だから、この村の男はあまり外にであるかず、村の櫓から見張りをしているのだという。俺も気をつけるように言われた。

この店主も足が無い。以前戦に連れていかれて、戦場で左足を失ったらしい。義足を着けていた。

だから、こうやって堂々と屋台の店主をやって居られるという訳だ。

 

で、肝心のこの村の近くに居ると噂されている諸葛亮について店主に聞いてみた。

店主曰く、ここから東の山の中に庵があるらしく、そこに変わった引きこもりが住んでいるというのは知っているが、その者の名が諸葛亮かどうかは知らないと言う。

結構有名人らしい。豪族や有力者がたくさんこの村に訪れるので、その者の噂が流れた為らしい。

どんな人物なのだろう。

 

俺は店主に道を教えてもらったので、その庵へと向かった。情報料としてチップを置いて店から出た。

俺は東の山へと向かう。道は険しく、獣道のようだ。丈の高い草が顔に当たり、抜かるんだ地面が俺の脚を持って行こうとする。本当にこの先に諸葛亮の住んでいる庵があるのだろうか?

 

途中に渓流があった。水質は良く、透き通っている。魚が見える。俺は布袋からペットボトルを取り出し、水を入れる。これで当分水には困らなさそうだ。三顧の礼は長期戦だから水の供給源が確保できるのは良い事だ。

後は食料だが、野草、果物で食べられる物は知っていたので、大丈夫だ。

たんぱく質供給源が欲しかったので、自作で木をナイフで削って銛を作ってみたが、上手く魚に刺さらないので諦める。

哺乳類や鳥類を捕獲出来れば良いのだが、哺乳類の『ほ』の字も無いので無理。小さい鳥は見つけたのだが、BarrettM82A1で撃ったらミンチになってしまう。

さすがに南米の原住民族のように虫を食べる勇気は無いので、あの木にいる芋虫は却下だ。

カメの捌き方は知らないので、あそこにいるスッポンらしき動物もパスだ。

まあ、何か居たら捕まえて食べようという感じで良いだろう。果物や木の実で腹を満たした。

当たりもあったが、ハズレもあった。林檎らしきものを見つけたが、一般的に食べられている林檎に比べてひとまわり小さく、渋みが酷く、甘みが少なかった。出来るなら、もう二度と喰いたくないな。

果物で物持ちのよさそうな物を適当に選び、布袋に入れて、再び獣道を行く。

 

 

 

 

 

獣道が急に開けた。どうやら広場のようだ。

広場の奥に庵のようなモノがある。あれか?どう見ても廃屋にしか見えない。

草が大量に生えている。丈が高く、塀が見えない。おまけに藁ぶきの屋根にまで草が生えている。

 

だが、注意深く周りを観察してみると人が此処を通ったという痕跡が数多く残っていた。

まず、広場にたき火の跡があった。炭となった木が組まれ、その周りに石が並べられている。だが、炭の周りに灰は無かったことから、たき火があった時から雨があったのだろう。雨が灰を流したのだろうな。

地面は湿っていないことから、灰を流した雨は最近ではなさそうだ。

だが、かなり前と言うわけでもなさそうだ。かなり前ならこのたき火から草が生えているはずだが、ペンペン草の一本も生えていない。おそらく何カ月も前のたき火の跡という訳では無いな。

他にも人の痕跡はあった。足跡がある。しかもかなり最近の物だ。足跡の大きさはそんなに大きく、沈み具合もそこまで深くないことから、この足跡の人は大きな人でも太った人でも無いようだ。

靴のサイズ的に女の人?違う女の子だな。足跡の模様からして履いている靴はおそらく革靴だろうな。

足跡を辿れば、行きつく先はやはりあの廃屋だった。

さらに、廃屋の玄関付近に草は生えていない。生えていても踏まれた跡がある。

と言うことはおそらく、この廃屋には女の人が少なくとも一人は住んでいるな。

 

諸葛亮は女の子なのか?まあ、厳顔、魏延が女性だったのだ。あり得ない話では無い。

 

「すみませーん。誰か居ませんか?」

 

俺は廃屋の扉を数度叩いた。

しかし、反応は無い。この廃屋から出ていこうとしている足跡とこの廃屋に入ろうとしている足跡が1つずつあるということはこの廃屋の中に現在進行形で人が居るはずなのだが……。

俺はもう一度扉を叩きながら、声を張り上げる。

 

「すみませーん。誰か居ませんか?」

 

相変わらず、反応は無い。さて、どうしよう?

強引に侵入して中の人を拉致するようなことはしたくない。

そんなことをして桔梗さんの臣下になってもたぶん諸葛亮は手を貸してくれないだろう。

それにそんな方法で軍師を手に入れても桔梗さんは喜ばないだろうし、俺も諸葛亮さんも良い気分では無い。

だが、これが意図的に無視をしているのならある程度強引に行かなければ、ずっと相手して貰えない。

 

まずは座り込みだな。

家から出ることがあるということは家を出なければならない要因があるということだ。

だとすれば、そこを突けばよい。だからこそ、玄関前で座り込みだ。

 

座り込みをするのだが、正直暇だ。さてどうしよう?

1.昼寝

2.脳内で桔梗さんとのデートのシミュレーション

3.脳内で桔梗さんとのエッチのシミュレーション

4.その他

 

『1』は却下。人を待ち伏せしているのに、寝てどうする?

 

『2』……桔梗さんとデート……デート…………デート//////えへへへへへ//////

どういうところに行ったら桔梗さん喜んでくれるのかな?酒屋かな?あの時すごく楽しそうだったな。

服屋とかはどうなんだろう?桔梗さんって服に興味あるのかな?

まあ、アクセサリーとかも付けてるんだし、桔梗さんなりの拘りってものがあるんだろうな。

桔梗さんの普段着ている服は肩や胸、脚が露出していて男性を魅了する作りになっている。

実際俺なんてかなりメロメロだ。だから、その何だ。余計な虫が来ない様にそういう所は隠してほしいが、あの服こそ桔梗さんらしくてとても良いと自分は思う訳ですよ。要するにジレンマだ。とりあえず、服は保留だな。

他は……アクセサリー屋とかどうだろう?桔梗さんは髪飾りをつけている。

自分のプレゼントした髪飾りを桔梗さんがしてくれると滅茶苦茶嬉しいのだが、果たして気に入って貰えるだろうか?まず、桔梗さんの好みを分析する必要があるな。

えへへへ//////デートデート//////

 

『3』………//////

………エホッ…ゴホッゴホッ!!鼻血が逆流して喉に来た!口の周りや顎が血まみれだ。

うわぁーー、血の味がする。…………ところで、俺は何を考えていたのだ?思い出せん。

何故、俺の思考はフリーズした?

しかし、鼻血が止まらない。このままでは失血死してしまう。俺は止血剤を取りだし鼻の中に塗った。

なんとも、気持ち悪い。人生で初めてだ。いや世界初だろう。軍用の止血剤で鼻血を止めようとしたのは。

もう、俺が何を考えようとしていたのか考えるのを止めた。

 

『4』……とりあえず、筋トレするか。巴郡を出てから筋トレをして居ない。

筋トレは怠れば、すぐに筋力が落ちてしまう。そうなると狙撃やCQCにも支障が出る。

俺は任務を遂行しながら、筋トレを始めた。

 

 

「もう夜か。」

 

日が沈み辺りが暗くなる。木に囲まれている為、暗くなりやすい。俺はたき火を始める。

諸葛亮は廃屋から出て来ない。さてどうしよう?このやり方で合っているのか?

まあ、気長に待つか。

 

 

 

 

視点:??

 

また来ました。袁紹、袁術に続いて今度は誰ですか?

男の人が一人。人攫いじゃなさそうです。人攫いなら強引に入ってくるはずです。私を勧誘しに来たのでしょうか?まあ、強引に入ってこずにこの家の前で私が出てくるのを待つというのは少し見どころがありますね。

昨日からずっと私の家の前に座り込みをしています。

一人で来ているということはおそらく武官ですね。文官だと身を守ることできませんし。

 

あの偉そうで君主として見どころ無しの袁紹や袁術より全然良い。

袁紹や袁術は強引にこの家の中に入り込んできました。私はイラッときて、袁紹や袁術に怖い話をすると帰って行きました。話の内容は私と関わると呪われるというお話をしただけなのに。

なんて情けない。これぐらいのことを怖がっているような君主に明日は無いです。

私や朱里、雛里が仕えるに値しないです。あの袁紹と袁術の怯えた時の顔は良かったわ♫

きゃわわ♬ 無様だったです♪ああ、もっと虐めたかったなー。欲求不満。

 

それにしても、あの時は失敗したと思いました。袁紹や袁術を引き止めて利用して、ボロ雑巾みたいに捨てれば良かった、あの計画を実行するための手駒が欲しかったわ、とあの時は後悔しました。

アイツら馬鹿だけど勢力はあるものね、利用するには丁度よかったのに。

 

だからといって、今ここであの男に会いに行って協力を仰ぐのも面白くないです。

でも、あの男に対して興味があるからこそ、少し虐m…試験を課してみましょう。

それで耐えることが出来たら、私はあの計画を手伝って貰い、あの男の下に就くかどうか考えてみるのも良いでしょう。これで逃げだすようなら、私が仕えるに相応しくありませんし、あの計画を実行するに当たって駒になりません。だから、これは試験です♬

 

まずは、明日まで此処に居られるか試してみましょう。

今夜は満月。ここら辺一帯は蛇が多くて、満月になると何故かこの広場に集まります。

それでも明日の朝、生きてこの広場に居たら次の試練を与えてみましょう。

とりあえず、明日の朝まで待ってみましょう。

 

 

私はあの武官がどういう者か知らないが、作戦を立てる。

あの男が剣士だった場合の策、槍の遣い手だった場合の策、弓兵だった場合の策、色々考えました。

考えた策は竹簡に書いて行く。この策なら成功する可能性が非常に高い。

絶対と言わないのは現場では何が起こるか分からないから。だから、まだ書き続ける。

何が起こっても良いように、私が思いつく全ての事象を織り込んで策を私は考える。

 

ふと思ったのですが、あの男が試験に合格しなかったら、私の考えた策の全てが無駄になってしまいます。

ま、いいか。試験を合格できなかったら、出来なかったで、孫策か曹操にでも降って頼めばいい。

 

朱里と雛里を助けてくれと……。

 

 

 

 

視点:一刀

 

気が付いたら、辺りは暗くなり始めていた。もう夜か。

しかし、充実した筋トレだった。程良く疲れている。今日はぐっすり眠れそうだ。

 

うん?なんだ?草の擦れる音が聞こえる。音は小さい。小動物か?

俺はたき火の中で燃えている薪を持ち、音源の方へと行った。

 

「蛇!?」

 

そこには蛇がいた。数は多い。2,3匹なんてレベルじゃない。

何十匹…いや百……千はいる。地面は蛇で埋め尽くされていた。

蛇同士が絡み合いながらこちらに向かってくる。俺は退き、反対側から脱出を試みたが、反対側も同じような状況だったし、塀の上に逃げようと思ってもそちらの方はもう駄目だった。つまり俺は蛇に囲まれた。

 

俺はブーツに履き替えた。ブーツだったら、走りやすいし、分厚いので噛まれても、毒牙が足まで届かないだろう。装備を整え、バンダナを頭に巻く。俺は近くに大きくて、登りやすい木は無いか探した。

あった!あそこだ。あれだったら、俺が登っても折れないし、登りやすい。

俺は木の方に燃えている木を投げ、BarrettM82A1を構えその木の方へと走って行く。

 

「蛇にかまれて、死んでたまるか!」

 

俺はBarrettM82A1を地面に向かって乱射していく。

弾が着弾した所は着弾の衝撃で蛇が宙を舞う。そして、俺はその中を走って木の方へと向かった。

対物狙撃銃を手に持って乱射しているのだ。当然手が痺れてくる。

ったくよ。これギネス載るんじゃね?『蛇が降っているところを何m走れるか』とか有ったら載りそうだ。

 

何とか木に辿り着き、俺は銃を担ぎ、木に飛び乗る。

だが、俺の手は滅茶苦茶痺れていて、力が上手く入らない。ヤバイこのままじゃ落ちそうになるので、俺は鉄棒の技『布団干し』をした。これなら大丈夫だ。

手のしびれも収まってきたので、木の枝に乗る。改めて見ると凄いな。広場が蛇まみれだ。

俺は木の上で一夜を明かした。

 

 

朝になると蛇はほとんどいなかった。

俺は腹が減ったので、蛇を数匹殺して血抜きをし、一昨日作った銛に刺して、たき火で焼く。

蛇には寄生虫がいるので、焼かないとヤバイ。

とあるゲームで出てきたスネークというおっさんが蛇を生で食べて、寄生虫はよく噛んで食べれば問題ないと言ったが、俺には到底そんな真似できない。

 

「もうそろそろ良いよな。」

 

俺は蛇の素焼きを食べる。サバイバル訓練で蛇の食い方は習った。

あの時は蛇を食う機会なんて訪れないだろうと笑ったが、今こうして食べている。世の中分からないものだ。

しかし、塩が欲しいな。ぜいたくを言うなら醤油。鶏肉のようで美味いんだが、塩っけが無い。

蛇を食べていると後ろから足音が聞こえた。

 

 

 

 

「きゃわわ…蛇……美味しいですか?」

 

声は俺の後ろから聞こえた。声質からして少し引き気味だ。

振り返るとそこには女の子が立っていた。女性と言うには少し背が低い。女の子だ。

黒のミニハットを被っている。ミニハットには水色の大きなリボンが付いていた。

髪は茶髪長めのストレート。瞳は濃いめの赤紫だ。

上の服はレース襟と袖の白のインナーで、丈が短く、袖の先が広がっている黒の上着を羽織っている。

腰には水色の腰紐を付けていて右側でリボンをしている。この腰紐長く、両端が地面につきそうだ。

スカートを3種類穿いているようだ。内側から白のボリュームのあるスカート、黒のスカート、白のレースのスカートだ。すまない。表現するのが難しい。黒のニーソックスを穿き、茶色の革靴を履いている。

 

「すみませんが、塩有りませんか?醤でも良いです。味付けが出来て美味しくなると思うのですが」

 

「……そうですね。貴方が何故此処に居るのか分かったら、考えても良いですよ。」

 

「おっと!蛇の上手い食べ方を考えるのに一生懸命で任務を忘れていた。

俺の名は北郷一刀。性が北郷、名は一刀。益州巴郡を治めている厳顔様の遣いの者だ。キミの名前は?」

 

「自分から名乗るとはそれなりに礼儀と言うモノを分かっていますね。私の名は徐庶です。

性が徐、名が庶、字は元直です。」

 

アレ?三顧の礼って諸葛亮じゃないのか?

徐庶が出て来たということは俺が勝手に三顧の礼だと勘違いしていたようだ。

しかし、徐庶か。また豪い人物が出てきたな。

 

「で、徐庶さん、俺今日で三日目だけど、どうして初日に出て来なかったのかな?」

 

「徐庶と呼び捨てで構いません。

以前此処に袁紹と袁術が来ました。2人は君主としての資質が乏しいと思った為、私は彼女らに試練を課しましたが、情けなく1つ目の試練で彼女達は帰って行きました。

それで、貴方にも試練を課しました。」

 

「なるほど。君が出てくるまで俺は此処で待っていられるか否かっていう試練を俺に課したという訳だ。」

 

「はい。ですが、試練はそれだけではありません。

昨日が満月で、ここの蛇が満月の晩に広場に集まって来るのは知っていましたので、貴方の腕を試しました。」

 

「ちょ、おま、マジで!……はぁーーー。で、合格だったわけ?」

 

「怒らないんですか?」

 

「君には考えが有って俺を試したんだろう。そして、俺は生きているわけだし。

それに、俺がちゃんと此処の蛇は普通の蛇で、毒蛇じゃないと冷静に判断できていれば、俺が慌てることも無かったという訳だ。俺が反省する理由はあるが、君に怒る理由も無いよ。」

 

「では、合格です。」

 

「はい?」

 

「2つ目の試験は窮地に立たされた貴方が冷静でいられるかどうかを試しました。

そして、貴方はあの時暗い中で正確に状況を把握できませんでしたが、身を守れました。それに事後ですが、状況を冷静に判断でき、反省をしましたので、合格です。ちなみに貴方の腕を試すと言ったのは嘘です。」

 

「人が悪いな。徐庶という人物は。」

 

「少し人を虐m…試すのが好きなだけです♬」

 

「今、虐めって言ったよね!」

 

「気のせいです♪ところで、それなんですか?」

 

あ、BarrettM82A1を出しっぱなしだった。

 

「これか?これは俺の弩だ。」

 

「見たこと無い弩ですね。そういえば、昨日の夜に轟音が鳴り響いていましたが、その弩ですか?」

 

「ああ、まあちょっと高性能だが、五月蠅い弩なんでね。」

 

「ふーん、そうですか。

では、最後の3つ目の試練です。これを合格すれば、貴方の所に行っても良いです。」

 

「よっしゃ、次で最後か。で、何だ?」

 

「私の友人を助けて下さい。」

 

「友人?」

 

「諸葛亮と鳳統です。

二人は私が留守の時にこの近くの有力者に連れていかれました。二人は今この荊州北部の内乱の手伝いをさせられています。私達三人は世の中の苦しんでいる人を助ける為に知識を身につけたのに、世の人を苦しめる内乱に加担させられています。私は二人を助けたいんです。」

 

「分かった。で、俺は何をすればいい?」

 

「まず、貴方の力がどういうものか知りたいです。どういうものか見せて下さい。

貴方の力量が分からないと実行する策が決定できません。」

 

「了解。じゃあ、何か壊れても良い物ってあるかな?頑丈な物の方が威力を知ってもらうには良い。」

 

「丁度ヒビが入って使いものにならない壺があるからそれで良いですか?」

 

「じゃあ、その壺此処まで持ってきてくれ。」

 

徐庶は家の中へと入って行ったので、俺は着替える。

いつものズボンを穿き、黒のロングTシャツを着て、ボディアーマーとタクティカルベストを装備。

喉が渇いたのでペットボトルの水を飲みながら、蛇を一気に食べた。

やはり、何か物足りない。今度から塩を携帯しておいた方が良いな。

そうこうしていると徐庶が壺を持ってきた。一斗缶ぐらい大きさだ。結構重そうだ。手伝えば良かったな。

 

「これで良いですか?」

 

「ああ、十分だ。じゃあ、あの丘に行くか。」

 

「??」

 

俺は約500m先にある丘を指し、歩きだす。徐庶も俺の後に続く。獣道を通り、丘に着いた。

 

「此処に来て何をするつもりですか?北郷さん。」

 

「なあ、もし此処からさっきの徐庶の壺を粉微塵に出来たら、徐庶の言う戦力として俺は認められるのかな?」

 

「きゃわわ!此処から弩の矢が届くというのですか?」

 

「はい、これ。耳あて。五月蠅いからこれで耳を塞いだ方が良いよ。

それと静かにしてもらえると早く終わるのと、絶対俺の前に立たないで誤射するかもしれないから。」

 

俺は耳あてを渡す。徐庶は受け取るが、着け方が分からないようだ。俺は耳あてを着けてあげる。

ミニハットが邪魔してヘッドバンドを頭の上に持って行くことが出来ないので、顎下に持って行き、手でイヤーパットを抑えてもらうことにした。

俺はいつも通り地面にフラッグを立て、寝そべって狙撃体勢に入る。

徐庶は俺をジロジロと見ている。俺は徐庶の視線が気になったが、狙撃に集中する。

風向きは4時の方向から風速4m。修正……っと。俺は引き金を引いた。

 

 

 

 

視点:徐庶

 

北郷さんに何かを貰いました。半球が2つあり、それが弧のような形をした棒で繋がっています。

最初は着け方が分からなかったのですが、着け方を教えてもらいました。

私は耳に当てて、北郷さんをじっと見ます。

北郷さんは地面にうつ伏せに寝転がり、弩を持ち、何やら弩を弄っています。

いじり終わると、弩を両手で持ち、弩の上にある筒を覗き込みました。

私は北郷さんをジロジロと見ていると耳あてを抑えるのを忘れてしまいました。

 

轟音でした。

昨日の夜、家の前で聞いたような音が聞こえました。ただ、間近で聞いたから、音が大きいです。

きゃわわ!私は吃驚して後ろにこけてしまいました。

 

「大丈夫?だから、ちゃんと耳当てしていないとって言ったのに。立てる?」

 

「北郷さんは大丈夫なのですか?」

 

「ああ、俺は聞き慣れてしまっているから、大丈夫。でも出来るなら耳あてが欲しかったな。

ま、俺のことはどうでもいいや。じゃあ、今ので、壺が割れているかどうか見に行こうか。」

 

北郷さんは私の手を掴み、私を立たせようとします。

でも、さっきの轟音で私は腰が抜けて立てなかったので、私は北郷さんに運んでもらうことにしました。

北郷さん曰くこの運び方は『お姫様だっこ』と言うそうです。私と北郷さんは私の家の前に行きました。

 

「これで良いかな?」

 

北郷さんは壺の欠片を私に見せます。本当にこれ私の壺のかけらなのと疑い、壺を置いた場所を見ます。

私が持ってきた壺を置いた所には何も無く。周りには壺のかけらが散らばっていました。

きゃわわ♪これなら、にっくきあの男もグチャグチャの挽き肉ね♬ああ、楽しみ。あの男どうなるのかな?

私の大事な朱里と雛里を攫った恨み、晴らさせて貰います。きゃわわ♫笑いが止まらないです。

 

「徐庶さん?」

 

「どうしたんですか?北郷さん?」

 

「どうして笑っておられるのでしょうか?」

 

「あの社会を腐らすクズ…いやカビ野郎から私の大事な友人二人を取り返すことができて、カビ野郎を挽き肉にして、燃やせるゴミになるんですから、楽しくて仕方がありませんよ。

出来るなら、あのカビ野郎捕まえて、拷問して殺したいですが、北郷さんの弩の威力から考えるとおそらく無理ですね。私の手でひき肉にするのは我慢しましょう。カビ野郎が生まれ変わるまで、我慢♫

爪と肉の間に薄い竹べらを入れたり、歯と歯茎の間に竹べらを指しこんだり、ありとあらゆる関節に釘を打つって拷問も折角考えましたが、今回は無駄になってしまいました♩

これまで、民を苦しめた罪と朱里と雛里を拉致して二人の手を汚させた罪を死んで償うと良いのです。

あ!でも、あんなのと一緒にされると燃やせるゴミさんが可哀想です。きゃわわ♪」

 

「………。」

 

「あれ、北郷さん、何怖がっているんですか?きゃわわ♪」

 

「そんなこと無いですよ。怖がってなんかいませんよ。(アセアセ)

 

「だったら、いいですよ。きゃわわ♫」

 

「………軍師選ぶの間違えたかな?(ボソッ」

 

「あのカビ野郎を挽き肉にする策を説明するので早く家に上がって下さい。北郷さん♬」

 

私は楽しくて仕方がなかった。

きゃわわ♪

 

 

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。

 

どうだったでしょうか?第4話は?

え?前回朱里登場って予告したじゃないかって?

朱里の登場を期待した読者さん、ごめんなさい。よく読んで下さい。『朱里?』になっているはずです。

ごめんなさい。どっかの女性週刊誌みたいな手を使ってしまいました。

まあ前回「朱里?」としたのは悩んだんですよ。朱里を桔梗陣営に入れてよいかと…。

 

それで悩んだ挙句、ラウンジで朱里か徐庶かアンケートを実施しました。アンケートの結果、徐庶派が多かったので、徐庶ということになりました。

 

当然、原作には徐庶は出て来ないので、オリキャラになります。

朱里や雛里と仲が良いということは、「あわわ」か「はわわ」に近い何かが必要だということになりました。

そして、幼女でツルペタ。でも、朱里や雛里との差別化の為に二人とは別の属性が必要だなと悩みました。

そこで、アンケートで追加属性と○わわの○内部について聞きました。

属性については腹黒と言うのもありましたが、ドSが多数。

○に当てはまるものについては「にゅわわ」「ひゃわわ」「ほわわ」「わわわ」「いわわ」「うわわ」「えわわ」…等が有りました。

で、ドSには「きゃわわ」が良いかなと思いました。

慌てた時に使う「きゃわわ」と、ドSな時に使う「きゃわわ♪」と便利だったからです。

ってか、ドS属性を描くのが初めてで結構苦労しました。

徐庶のドSモデルが居るわけでして、インデックスのミサカワーストを自分なりにイメージしました。

 

徐庶の服装についてですが、黒のミニハットに朱里の帽子に着いているようなリボンがあります。リボンの色は朱里のみたいにロングで、色は緑がかっておらず、純粋な水色です。

上半身はローゼンメイデンの銀様をイメージしました。

腰紐は雛里みたいにロングで、スカートは朱里や雛里と同じ感じです。ただ違うのは色ですかね?で、黒ニーソに茶色の革靴です。

ごめんなさい。イメージ難しいですよね。俺も描けません。誰か助けて下さい!

 

 

近況報告。

最近、無鉄砲のスタンプラリーが始まりました。

関西にある5店舗全てに行って、スタンプを貰って本店に行ったら、先着25人にTシャツが貰えるとありました。無鉄砲Tシャツが!これは制覇しなければ、5日スタートでもう2店舗行きました。

明日もう1店舗行き、土曜日か日曜日に大阪の店に行って、最後に京都の本店に行く予定です。だから、15日にはTシャツゲットの予定です。

まあ、問題は奈良から難波まで電車賃が高いことです。

 

では、最後になりますが、いつもので閉めましょう。

それでは、皆さま御唱和下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°

 

 


 
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