No.220038

真恋姫無双 天遣三雄録 第十話

yuukiさん

遂に覚醒北郷一刀!
その名は天に轟いた!

2011-06-01 19:07:15 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:4902   閲覧ユーザー数:3754

 

始めに、主人公を始めとした登場人物の性格にズレがあるかもしれません。

 

そういうものだと納得できる方のみ、ご観覧ください。

 

 

第10話 働かざる者食うべからずなの~ by沙和

 

 

敵はすぐそこまで迫っていた。俺達は街に籠り防衛する。籠城戦だ。城じゃないけど。

兵士たちは連戦の疲れを見せていた。義勇兵もまた困惑の色が見える。

 

「ちっ。軟弱な奴らだ。この程度で疲れを見せるか!不抜けやがる!」

 

「落ち着いてください。左慈。人は働けば疲れるものです。義勇兵の方々だって、此処まで多くの敵には対したことがないのでしょう?」

 

「は、はい。自軍より多くの敵と戦ったことはあまり。不甲斐ない限りです」

 

左慈は顔を顰める。于吉は左慈を宥める。楽進は顔を俯ける。

 

「てりゃ!、、どりゃあああ!!」

 

「へっ?」

 

「がはっ!」

 

楽進の頭を叩く。

 

「俯くなっていったろ?せっかくの可愛い顔が台無しだぞ?笑ってろ、女の子の一番の化粧は笑顔だ!!」

 

「かっ、可愛い、、、」

 

赤くなる楽進。うん、可愛い。

 

「待て。北郷。俺は何故、殴られた。しかも思いっきり!!」

 

「俺の楽進ちゃんを苛めたからだ。楽進ちゃんを苛めるなんて、季衣ちゃんを苛めるのと同罪だぞ!つまりそれは、人が犯し得る最低最悪の罪だ!神が許しても俺が許さねえ!!」

 

「はあ~。凪ちゃん、何時の間に北郷さんの物になったの~。抜け駆けはずるいの~」

 

「なっ、わ、私は別に何もしていない!」

 

「はは、兄さんは本当に面白いな。どうしてそんなに元気なん?敵、ウチらより多いのに」

 

楽進、李典、于禁の三人が俺を見る。于吉と左慈は笑みを浮かべている。俺達はわかってるよって顔か?うざいな。

 

「上に立つ奴が暗かったら、下の奴らも暗くなる。みんな暗かったら面白くないだろ?上に立つ奴は、何があっても笑ってなきゃな。たとえ、自軍より多い敵に対しても。兵に不安を与えないようにさ」

 

 

もっともらしいことを言ってから、兵士たちの前に立つ。兵士も、義勇兵も多くの目が俺を見る。

俺は叫んだ。

 

「みんなに聞きたい!お前達は何のために戦っている!国の為か、家の為か、親の為か、夫の為か、妻の為か、子の為か、自己の為か。愛した者の為か!愛した者を、持ってはいるか!!」

 

兵士たちの目が変わる。思い浮かべたか?自分の守る者たちを。

 

「愛した者がいるのなら、それは素晴らしいことだろう!俺にもいる!俺との約束を信じ待っている童女がな!!その子の為に、勝たなきゃならない!生きなきゃいけない!お前達も、そうだろう!!!」

 

俺は拳を握り、天に掲げた。

 

「俺には武は無い。智も薄い。だが、お前達の御旗になれる!迷うな、怖がるな!俺という御旗が倒れない限り、お前達が負けることなどあり得ない!!なぜなら俺が、天の御使いだからだあああああ!!!!」

 

「「「「ううおおおおおおおおおおおお」」」」

 

「言え!『これぞ神にして唯一神、神にして永遠なる者!生まず、生まれず、覇王の他に並び立つ者はいない!』俺の名を、言ってみろおおお!!!!」

 

「「「「御使い様―――――――!!!!」」」」

 

ハイパーハイテンションモードが味方にもうつった。これだけ勇者がいれば、お化けキノコなど敵じゃないだろう。

にしても、自分のことを神よばわりはちょこっとだけやりすぎたかな?華琳に怒られるかな?

 

 

 

 

演説の後、于吉達の元に戻る。

 

「まったく、恐ろしい人です。一刀君。そのカリスマは、私の智や左慈の武の百倍は脅威ですよ」

 

「流石は俺様の幼馴染だ!最高の演説だったぞ!しかし、最後の部分は類まれなる悪役のセリフじゃなかったか?」

 

「良いんだよ。ジャギ様のカリスマも半端なかっただろ!強さ的には全然相手にならなかったけど!誰よりも記憶に残る男だったろうが!!」

 

俺は自信満々に言う。左慈もそれを聞いて頷く。

 

「あの~、北郷さん。今噂の、天の御使い様なの?」

 

「あれ、言ってなかったっけ?」

 

「聞いてないー。なんでそういう大切なこと、早く言ってくれんの?」

 

「そうです!言っておいてくだされば、自分も、もう少し早くあなたに全てをお任せしていました」

 

楽進の目が未練がましい。

 

「別に良いだろ。嘘なんだし」

 

「「「嘘!?」」」

 

やべ。

 

「というのが嘘だ。ほら、敵は来てるんだ!行くぞ!おい、お前達、俺の名を言ってみろ!!」

 

勢いで乗り切ることにした。

 

「北郷!」

 

「一刀君!」

 

「北郷さん!」

 

「兄さん!」

 

「北郷様!」

 

「「「「御使い様―――!」」」」

 

戦いは、始まった。

 

 

 

 

「北郷!西側の大通りの防柵が三つまで破られた!」

 

「そうか、防柵はあと二つ。どれくらい持つかな?李典」

 

「せやなぁ、、、応急で作ったもんやし、あと一刻持つかどうかって所やないかな」

 

「、、、微妙だな。華琳ちゃん達が間に合えばいいんだけどな~」

 

防衛戦が始まり、結構な時間が立つ。この人数相手に、善戦している方だが、正直厳しい。

 

「しかし、北郷様や于吉様の指揮がなければ、我々だけでは此処まで耐えることはできませんでした。ありがとうございます」

 

「いや、それはこっちも同じだろ。楽進ちゃん達がいなきゃ、数に押されて敗走してたよ」

 

「いえ、それも北郷様達の指揮があってのこと。いざとなれば後のことはお任せします。自分が討って出て、、」

 

「左慈、敵に突っ込んできてくれないか?もう、なりふり構わず一直線で、一人で特攻してこい。ああ、援軍も策も無いけど頑張れよ」

 

「いや、それは、、、やったら死ぬんじゃないか?」

 

「(笑)」

 

「(笑)!?ふざけんなよ!そんな掛け声で命張れるか!!北郷は俺が死んでもいいのか!?」

 

「いや、悲しいけどさ。でも、まあ、お前ならやってくれるだろ?『あばよ、ダチ公』とか臭いセリフ言ってさ♪さあ!盛大に死んでこい(笑)」

 

「くっ、、、、苛め、、かっこ悪いぞ。、、、北郷の馬鹿」

 

涙ぐむ左慈。俺は笑顔で楽進を見る。

 

「えっと、何か言いかけてたかな?楽進ちゃん」

 

「い、いえ、、なんでもありません」

 

首を振る楽進。そうだよね~、流石に(笑)で死地に送り出されるのは嫌だろう。

まったく、手がかかる。楽進は忠犬キャラなのか?こんな可愛い子を死地に行かせられる訳がないだろ。

 

「北郷さんー!東側の防壁が破られたのー。向こうの防壁はあと一つしかないの!」

 

「、、、あかん。東側の最後の防壁って、材料が足りひんかったからかなり脆いで。すぐ破られてまう!」

 

「あちゃー、、仕方ないな。西側は防御部隊に頑張ってもらおう。全員で東側の侵入を押しとどめる。于吉、悪いけど俺の代わりに全体の指揮をとっておいてくれ」

 

「一刀君も出陣ですか?」

 

「ああ、人手が足りない。お前よりは戦えるしな。安心しろ、危なくなったら下がってくる。俺は御旗だし、死ぬわけにはいかないからな」

 

「お気を付けて。死んではいけませんよ」

 

制服を脱いで、于吉に預ける。于吉は受け取った制服を握りしめていた。

 

「先陣は俺様が行く!だから安心しておけ、于吉。北郷に傷一つすら付けさせん!!」

 

男が男にそう言うセリフを言うと、気持ち悪いな。嬉しくはあるけど。

 

「私も行きます。私と左慈様の火力を集中させれば、相手の出鼻はくじける筈です!」

 

「わかった。死ぬなよ、楽進ちゃん。左慈もな、さっきのは冗談だ」

 

「はっ!」

 

「わかっている!」

 

前を見る。顔は俯けない。李典、于禁も俺に続く。

 

「みんな、此処が正念場だ!力を尽くし、なんとしても生き残るぞ!」

 

「わかったの!」

 

「おう!死んでたまるかいな!」

 

「報告です!街の外に大きな砂煙!大部隊の行軍のようです!」

 

「なんやて!」

 

「えー、また誰か来たの?」

 

李典と于禁の顔が沈む。敵かな?敵だったら流石にまずいんだけどなー。

 

「お味方です!旗印は曹と夏候!曹操様と夏候惇様です!」

 

「しゃあああ!やっと来たか、マイハニー!!左慈、旗を振れ!俺達の健在を知らせてやれ!李典、楽進、于禁、行くぞ!反撃の時は来た! 」

 

「おう!」

 

「はい!」

 

「はっ!」

 

「行くの!」

 

何とか、生き残れたみたいだな。よかった、よかった。

 

 

 

「さあ、華琳!俺の胸に飛び込んでおいで!!、ぐはっ!」

 

華琳は飛び蹴りで飛び込んできた。超飛び蹴りだ。

 

「なにするんだよ!角を使った頭突きじゃない分、痛くないけどさ!!幾らなんでも酷いだろ!それが旦那に対する態度かよ!!家庭内暴力か!?」

 

「っっ、、貴方がふざけているから悪いのでしょう!こんな公衆の面前で!!何時から一刀は私の夫になったのかしら!?」

 

「前世から」

 

「左慈みたいよ」

 

「うわっ、マジかよ。すごい傷ついた。華琳、思っても言っていいことと悪いことがあるだろ!?」

 

「どういう意味だ!?北郷!?」

 

マジか?俺、左慈みたいだったか?うわ、すごい凹む。

 

「でも、まあ。全員無事で何よりだわ。少ない手勢で、よくやったわ」

 

華琳は笑みを浮かべる。俺も笑顔で返す。

 

「まあな、この子たちもいたし。最小限の被害で済んだよ。街の住民もみんな無事だ」

 

「この子達は?」

 

華琳は楽進、于禁、李典を見る。

 

「誘われたのだから浮気ではない」

 

真顔で言う。二度目だ。

 

「北郷。黙っていろ」

 

「ごめん、秋蘭」

 

秋蘭に怒られた。何回目だろう?

 

「我々は大梁義勇軍。黄巾党の暴乱に対抗するため、こうして兵を上げたのでが、黄巾の賊がまさかあれだけの規模になるとは思いもせず、こうして北郷様に助けに助けて頂いている次第」

 

「そう。己の実力は見誤ったとして、街を守りたいという心掛けは対したものね」

 

「面目次第もございません。、、それと、その、厚かましい限りではあるのですが、曹操様」

 

「なにかしら?」

 

「我々を曹操様の指揮下に加えてはいただけないでしょうか」

 

「義勇軍が私の指揮下に入るということ?」

 

「はい。聞けば、曹操様もこの国の未来を憂いておられるとのこと。そして、北郷様の勇姿を見て、三人で話しあい覚悟を決めました。一臂の力ではありますが、その大業に是非とも我々の力もお加えくださいますよう、、、」

 

「へえ?一刀の勇姿をね?」

 

華琳が俺を見る。口元を釣り上げる。楽しそうに。

于吉に小声で話しかけた。

 

「おい、于吉。遂に俺の半端じゃなくて、隠しきれないカリスマが華琳にバレタかな?」

 

「華琳さんは前から薄々気づいていたと思いますよ。でなければ、目立った才のない一刀君を自分の補佐などに付けないでしょう。諦めて、これからは存分にその才を振るうといいですよ」

 

笑顔の于吉は言う。

 

「え~、やだよ。疲れるもん。出来れば今後一切、マジモードなんてなりなくない。そういう俺が見たい人は、別の外史を見てるんだよ!俺に望まれてるのは、おふざけなんだよ!季衣ちゃんとのハネムーンなんだよ!!」

 

「何の話をしているのです?」

 

「分からない。電波を受信した」

 

ともかく、戦いになんて好き好んで行きたくは無い。

 

「一刀。彼女達の能力は?」

 

「楽進ちゃんは左慈と組めばライダーショウが出来るな。李典ちゃんにはトコトコ一刀君人形を作ってもらう約束をした、売れるかな?于禁ちゃんはセーラームーンの服が一番と似合うと思う」

 

「春蘭。殺りなさい」

 

「はいっ!」

 

「いや!落ちつけって!華琳も十分、セーラームーン服は似合うと思うぞ!?なんだったら、スクール水着もブルマも華琳が一番だ!!」

 

「そうじゃないでしょ!私は何に対して怒ってるのよ!?いいから、さっさと真面目に答えなさい!!」

 

真面目、真面目か~。嫌いなんだよな。真面目。

 

「全員、鍛えれば一角の将になるんじゃないかな?少なくとも俺よりは全然強い」

 

大体、楽進、于禁、李典ってなあ?勝てる訳ないじゃん。

蒼天航路の楽進はかっこよかったよなー。まったく関係ないけど。

 

「そう。なら、良いでしょう。三人の名は?」

 

「楽進と申します。真名は凪。曹操様にこの命、お預けいたします」

 

「李典や。真名の真桜で呼んでくれてもええで。以後よろしゅう」

 

「于禁なのー。真名は沙和っていうの。よろしくお願いしますなのー♪」

 

「凪、真桜、沙和。そうね、、、一刀。さしあたりこの子達は貴方に面倒を見てもらいます。貴方達も、別段の指示がある時を覗いては、彼の指揮に従うように」

 

「はいっ!」

 

「兄さん。よろしく」

 

「よろしくなの~」

 

「だが断る!、、つっ」

 

絶が後頭部を直撃した。華琳は笑顔で言う。

 

「何か言ったかしら?一刀」

 

「いや、なんでもない。分かったよ、はいはい。けど、華琳!俺が部下を持ったくらいで働くと思うなよ!絶対、何もしないからな!!働いたら負けだって思い続けてやるからな!?俺の信念は動かねえ!!」

 

「働きなさい!!」

 

 

 

こうして、新たな仲間が加わった。楽進、李典、于禁。凪、真桜、沙和。

多分、仲良くやっていけると思う。

 

「はぁ、仕方ないなあ。于吉に聞いて仕事でも貰うか」

 

「はい。華琳様の言う通りです。隊長は才能をもっと発揮するべきです」

 

「そやな~。今のままじゃ、宝の持ち腐れもいいことや」

 

「だから、俺は俺らしくやっていきたいんだよ。常に真面目で文句も言わない俺なんて、俺じゃない」

 

「確かにそうだねー。華琳様に翻弄されるだけの隊長なんて、思い浮かべられないの」

 

 

 

     後書き

 

早速退場黄巾等!そして遂に一刀の才能に華琳が気づいてしまった!?

一刀は今後も仕事放棄でふざけていっれるのか?

 

やり過ぎた感はありますが、後悔はしない。

 

ちなみに、読んでくれた方は一言でもコメントしていただけると、嬉しいな~。

 

 

次回はまさかの一刀の反乱!?狙うは華琳の君主の座!?乞うご期待!!

 

ちなみに完!まで後一話です。

 

それでは、、、また次回。

 

 

ドロン

 

 

 

 

消えるよ


 
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