No.219926

桔梗√ 全てを射抜く者達 第2射

黒山羊さん

へぅ( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。
桔梗√第2回です。
思った以上に支援数が伸びたことと『武と知の御遣い伝』の方で少し悩んでいるため、内容が固まっていたこちら先に書きました。

第1回同人恋姫祭りは楽しんでいただけているでしょうか?

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2011-06-01 00:19:00 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:8066   閲覧ユーザー数:6435

桔梗√ 全てを射抜く者達   第2射

 

 

 

 

視点:一刀

 

俺は今、剣を持った兵士に両手を上げてついて行っている。縄が無いのか縛られてはいないが、逃走は困難だ。

後ろには槍を持ち、俺に向けて構えている兵士が3人。俺の荷物を持った兵士もついて来ている。

狙撃場所から20分程歩いた所にある村に連れて行かれた。棚田のような畑が多い農村のようだ。

農村にしては家屋が多く密集している。町なのか?だが、文化水準で考えれば、やはり村だと言わざるを得ない。

なんたってどの家屋も木の窓だ。ガラス窓が1つも見当たらない。

 

先ほどの戦闘から逃げていたのか、村人が荷物を持って避難先と思われる山から降りてきている。

俺を見て、ほとんどの村民が驚き、立ち止まったり、俺から逃げようとする。だが、全員がジロジロと見ている。

それもそうだ。全身草木や小枝が大量についているギリースーツを着ていたら不審者かビックフットにしか見えないだろう。いや、此処はアジアなのだから、ビックフットというよりイエティだろうな。

村民を見ていて不思議に思ったのだが、Tシャツやジーパン等の洋服を着ている人が全く居ない。こんなに村民が居るにも関わらずだ。此処は余程の僻地なのか?しかし、銃を持っている兵が居らず、剣や槍で戦争しているのは絶対おかしい。それとも、俺の考えがおかしいのか?

俺は此処に来てから違和感まみれで、混乱しっぱなしだ。訳が分からない。

 

そして、俺はある広場に連れて行かれた。

その広場には麻の布が広げられていた。麻の布は少し盛り上がっている。そして、一部の布が赤い。

嗅ぎ慣れた匂い。血の匂いだ。血の匂いは強烈で半年で匂いを覚えてしまった。しかし、いつもと少し違う。

あぁ、ガソリンや火薬の匂いがしないからか。戦場ではガソリンや火薬の匂いの方が強烈で、血の匂いを誤魔化してくれる。だから、血の匂いしかしないこの広場の匂いは戦死者収容所の匂いそのものだ。

ってことは、やはりあの麻の布の下は死体なんだろうな。死体の数は百はありそうだ。

いやまだまだ増えそうだ。死体を運んできている兵士が見える。鎧は俺を見つけた兵士達と同じ鎧を着ている。

戦死者を運んでいる兵士も俺の姿を見て、手を止める。視線がメチャクチャ痛い。

捕虜の気分とはこんな気分なんだろうな。

 

「厳顔様!山で不審者を見つけました!」

 

先頭の兵士が急に声を上げる。俺は周りを見ていたため、ビクッとする。

前を見ると、先ほどの俺が見惚れた花魁が居た。近くで見るとやっぱりドキッとする。

先ほど持っていた変わった銃剣は持っていない。変わりに腰に剣を装備している。

って、厳顔?どこかで聞いたことがあるな?何だろう?思い出せん…。

 

「不審者?後回しだ。それより、お主はこれをどう思う?」

 

厳顔と呼ばれた綺麗な花魁は死体を見ている。俺がBarrettM82A1で狙撃した兵士だ。

片腕と頭と胴下半身の3つに分かれている。さすが、BarrettM82A1。1,5km先の人間も粉々だ。

俺を連れてきた人は死体に近づく。彼は左手を顎に沿えて、考え込んでいる。

 

「これ、何処で?」

 

「戦っている最中に何の前触れもなく、いきなり賊の胸が破裂したのじゃ。一人じゃなく、五十人もじゃ。

それに、この賊達、盾を構え防御の姿勢を取ったが、盾と共に破裂したのじゃ。

最初は豪天砲が暴発したのかと思ったのじゃが、弾が無いからありえん。

豪天砲の発砲音のような轟音も聞こえんかったし。」

 

へぇー。五十人も狙撃したんだ。俺。

凄いな、無限バンダナ。騙されたと思って腕に巻いてみたが、弾が湧いて出てきた。

BarrettM82A1の標準のマガジンは10発しか入らない。そのため、俺は20発しか撃てないはずだった。

なのに、装填していない方のマガジンはいつも全弾装填済み状態だ。おかげで俺は残弾数を気にしなかった。

弾が限られた現在の状況では誠に嬉しい限りだが、ここまで便利性が高いと不気味だ。

さっきの狙撃の唯一の失敗はバンダナを頭に着けなかったことだ。汗が目に入って痛かった。

 

しかし、このままでは下手したら何も弁論出来ずに牢屋行きかもしれない。最悪、首が胴から離れてしまうかもしれないだろう。ここは話を切り出す必要があるな。

できるだけ、気楽に喋ろう。こんな美人と喋ろうとすると緊張して舌噛みそうだ//////

 

「俺がしたんですけどーー。」

 

「「!!!」」

 

厳顔さんや他の兵士は俺の方を一斉に見た。

 

 

 

 

視点:桔梗

 

「俺がしたんですけどーー。」

 

「「!!!」」

 

声が聞こえた。儂は声のする方を見ると副官が連れてきた不審者が言ったみたいだ。

不審者は両手を上げ、草まみれだ。なるほど、胡散臭く不気味だ。これ以上の不審者を儂は見たことが無い。

そもそも、人か?妖のようにも思えるが、言葉を話せるということはおそらく人間だな。

草でよく見えなくて分からんが、声質からして、どうやら男で年齢は20歳前後で儂より年下のようだ。

 

「すみません。その前に暑いんで、この服脱いで良いですか?」

 

「……それ服なのか。まぁ、いいだろう。」

 

男は服を脱ぎ始めた。どうやら、草の生えた服を着ているみたいだ。

槍を構えた3人の兵に緊張が走ったのか、槍を持つ手に力が入っているようだ。

草の生えた服を脱いだ男の見た目は普通だった。年齢も儂の予想に近そうだ。体格は細身だが筋肉質。背は儂より少し高い。服装は変わっていた。黒の長袖の服の上から土色の袖の短い服を着ている。土色の服には沢山の小物入れの袋が付いている。腕には深緑の布が巻かれている。要するに見たことの無い格好をしていた。

草の生えた服を脱ぎ終わった小僧は再び両手を上げる。無抵抗の意思表示だろうか?

それより、本当にこの小僧が賊をこんな風になるような殺し方をしたのか?何者だ?

 

「待って下さい!厳顔様!コイツはあの戦場から3里(約1,5km)も離れた山の中腹で横になっていました。コイツの言っている事は嘘です。」

 

「……そう、儂の副官は言っているが、反論はあるか?小僧?」

 

「その賊を俺が殺したという証拠は提示できませんが、同じ事はすれば納得して頂けますか?」

 

「よし。良いじゃろう。ならば、あそこにある荷車!あれを壊してみよ。それが出来れば、命は保証してやる。」

 

儂は剣を抜き、賊の死体が山住に乗っている荷車の方へと向ける。此処から半里はあるだろう。

小僧も同じ方向を見る。『ああ、あの荷車ですか。』と言い、数度頷く。

 

「ただし、出来なかったり、妙な事をすれば、どうなるか分かるな?」

 

儂は剣を小僧の方に向け、剣先で小僧の左肩を数度叩き、首の方へと滑らせ、首を斬る直前で止める。

小僧は動じない。相変わらず、緩そうな顔をしている。

普通の民ではないようじゃ。普通なら剣を向けられたなら、驚くものだが…。

 

「了解。楽しょ―だ!」

 

小僧はニヤリと笑った。勝利を確信した表情である。一瞬雰囲気が変わった。

小僧は右回りし、後ろを向いた。槍を構えた兵士は少し下がる。小僧は荷物を持っている兵の方を見る。

 

「そっちの兵士さん。持っている物、返して頂けませんか?

それが無いと此処からあの荷車を破壊することが出来ないのですが……。」

 

「返してやれ。」

 

儂は3つの荷物を持った兵に言う。兵士は恐る恐る小僧の方に歩いて行き、小僧の足元に荷物を置いた。

見たことのない物がほとんどだった。

唯一分かったのは旗だ。旗の竿に何やら目盛が有るようだが、読み方が分からない。

2つ目は何やら帯が2つある布製の荷物入れのようだ。大きく膨らんでいる。

そして、最後の物が最も印象的だった。

大きさは5尺近くある。色は黒。金属でできているようだ。片方の端はとても細く、逆の方の端は太い。2本の棒が生えており、他にも出っ張りが2つある。これだけは全く予想が付かない。何に使うのか。

本当に此処からアレを破壊できるのか、どうやって破壊するのか興味が尽きない。

 

「少しばかり五月蠅くなるので、耳を塞いで下さい。

それから、できれば集中したいので、静かにしてもらえると嬉しいです。」

 

そう言うと、小僧の目つきは真剣になる。遥か遠くある荷車を見ている。

まるで一人の武人のようだった。そこに先ほどあった幼さや儂に対する緊張は一切無い。

 

まずは旗を地面に立てた。旗は無風だった為、動かない。

腕に巻いていた布を解き、額に巻き、後ろで結ぶ。

次に5尺のデカ物を移動させ、小僧の前に置く。細い方の端が遥か先にある荷車の方を向いている。

どうやら2本の細い棒はこのデカ物を支える為の足となるらしい。

首に掛けていた何かを耳に装着させる。どうやら耳を保護するための物らしい。

小僧はもう1つ、首から掛けていた小さな箱を目に当てる。右手の人差指で何やら箱の上を弄っている。

箱を目から離し、箱の上を見て、呟く。『目標250m前後。風なし。修正なし。』

小僧はうつ伏せに横になり、右手でデカ物の後ろの出っ張りを持つ。

人指し指の所に儂の豪天砲の引き金と同じ物が見える。

もしや形が違うが、儂と同じ豪天砲なのか?だとすれば、このデカ物が得物か?

小僧は得物を引き寄せ、太い方の端を右肩に当てた。左手は得物の肩と接する所の近くを持ち、得物の上にある筒を覗き込む。しかし、次の瞬間には左手で筒を弄っている。小僧はその体勢でモゾモゾと動く。

そして、左目を閉じ、再び筒を覗き込む。

 

「耳を塞いでおかなくて良いのか?」

 

「儂の心配とは随分余裕じゃな。安心せい。

どんな轟音かは知らぬが、この厳顔、そうそう簡単に驚くような細い神経は持ち合わせておらぬ!」

 

「……忠告はしたぞ。」

 

小僧は息を深く吐き、再び息を吸い、また吐き始めた。

そして、息を吐きながら、右手の指が曲がり、引き金を引いた。

 

 

 

 

轟音だった。

雷の音のような音。だが音量はケタ違いだ。耳元に雷が落ちかのような感覚。

耳を塞いでおくべきだったな。音は一瞬だったが、耳の中で未だに鳴り響いている。気持ちが悪い。

轟音と同時にデカ物が揺れる。デカ物に押されたのか、小僧の肩はわずかに後ろに引いた。その衝撃で砂塵が上がる。また同時に白い粉塵がデカ物から噴出された。まるで麦の粉を撒かれたみたいだ。

そして、最後に小さな何かが得物の真ん中右側面から出てきた。

それは地面の上を転がる。銭が地面に落ちた時のような高い金属音が数度聞こえた。

金物が転がる高い音は鳴り止み、風が再び吹き始め、粉塵と砂塵は晴れてきた。

 

先ほどの轟音で驚いたのか、目を瞑り背中を少し丸めている兵が結構居た。

儂も轟音がした時はビクッとした。聞いたことのない音だったのだ、仕方あるまいと言い訳をさせてもおう。

儂は剣抜き、小僧に近づき、小僧の背中を踏み、首筋に剣を当てる。小僧は無抵抗だった。

儂はドスの利いた声で小僧に言う。

 

「妙な事をするなと言ったはずじゃが?」

 

「ま、待って下さい!荷車を見てもらえませんか?」

 

小僧は両手を再び上げ、慌てて反論する。

荷車?そういえば、アレを壊せと儂が言ったのじゃったな。儂は剣を小僧の首筋に当てたまま見る。

 

結論を言うと荷車は壊れていた。そのため最初は何処に荷車が有るのか分からなかった。

賊の死体が地面に散乱しているのを見て初めて『荷車が破壊された』という状況を儂は理解できた。

兵達も荷車が破壊されたことに気付いたようだ。儂らの間に緊張が走る。

儂と兵達はこの寝そべった小僧の方を見る。

 

「どうやって破壊した?」

 

「厳顔さんのその武器と同じですよ。金属の弾を射出し、あの荷車の車軸に命中させたのです。

車軸が破壊されれば、積載された死体の重みで荷車は倒壊します。」

 

「馬鹿を言うな!弾なんぞ出なかったではないか!」

 

「そりゃそうでしょう。秒速853mで弾が射出されれば、それを目で捕えることなんかできません。

なんせ、音の2倍以上の速さですから、見ることが出来る方がおかしいです。

まあ、そんな速さなわけですから、此処から荷車まで脈を2回打つぐらいで向こうに着弾していますよ。」

 

秒速?めーとる?音の速さ?分からない単語が出て来て頭が混乱しているが、分かることが1つはあった。

心の臓が脈を2回打つ間に此処から発射された弾があそこに辿り着く。

驚異的な速さだ。目にも止まらぬ速さとはこのことをいうのじゃろうな。

恐ろしくもあったが、儂は喚起した。この小僧を臣下に置くことが出来れば、賊退治の役に立つやもしれん。

それに放っておいて賊にでもなったら、厄介だ。

それに、ある占い師の言葉のこともある。

儂は足を退けて、小僧を起き上がらせる。立ちあがった小僧は服の裾を叩き、砂埃を落とす。

儂はこの小僧を儂の臣下になるように勧誘をすることにした。脅迫という名の勧誘だ。

 

「小僧、儂の臣下になれ。拒否は許さぬ。」

 

「行く宛が有りませんし、それに今の自分の置かれている状況が分からないので、

とりあえず、今俺を保護して頂けるなら、喜んで。(ニコッ」

 

即決だった。しかも笑っておる。嬉しそうだ。儂は小僧の笑顔に少し動揺する。儂らしくない。

しかし、ここまで即決じゃと逆に怪しいの。もしや劉焉の若造から送られてきた間諜か?

まあ、この小僧が劉焉の間諜ならこちらが監視してしまえばよい。

そういえば、小僧の名を聞いておらんかったな。

 

「小僧!名を何という。」

 

「北郷一刀です。」

 

「性が北、名が郷、字が一刀か?」

 

「いえ、性が北郷、名が一刀と言います。字はありません。」

 

「字が無いというのか?」

 

「はい。」

 

「変わった名じゃな。

儂も名を名乗っていなかったな。儂は厳顔。益州巴郡を治めておる。」

 

「!」

 

 

 

 

視点:一刀

 

マジかよ!厳顔!聞いたことがあるとは思ったが、あの三国志の蜀の老将の厳顔。益州巴郡で思い出した。

厳顔の記述は少ないが、張飛と戦い敗北した時の言葉は三国志を読んだことのある者の間では結構有名だ。

あの厳顔……って嘘だろうwwこんな色っぽい美女が厳顔なわけが無いwww

 

でも、ちょっと待てよ。よく考えろ!

俺が並行世界にタイムスリップしたとしたら全部説明できないか?

剣や槍、弓で戦い、Tシャツ、ジーパンを穿いていない村民。木の窓。全部説明が付いてしまう。

いや、結論を出すには未だ速い。もっと情報収集せねば……。

って、もし並行世界にタイムスリップしたとして元の世界に戻る方法なんてものはあるのか?

 

今の状況も完全に把握していないし、保護してもらえるのなら、願ったり叶ったりだ。

ってか、一目ぼれした人の傍に居られるとはなんたる幸運!ドッキリじゃないよな!

その前に夢オチってのは嫌だぞ。自爆テロ喰らって俺は夢を見てて起きたら野戦病棟ってのも十分あり得る。

タイムスリップよりこちらの方が十分あり得そうだ。俺はついているのか、憑いているのか分からない。

とりあえず、三国志の文化水準に合わせて話をする必要があるな。

ただ、俺の知っている普通の三国志ではないらしい。厳顔さんの武器は明らか三国志らしくないからだ。

厳顔さんが俺に声を掛けてきた。

 

「此処の賊の死体の片付けと儂の軍の戦死者の供養が終われば、城に戻る。準備しろ。」

 

「サーイエッサー!」

 

「今何と言った?」

 

「すみません。俺の所属する所では、上官に対して命令を受諾し了解したときに言う言葉です。」

 

「ほう、そうか。さーいえっさー、面白い響きじゃな。」

 

俺はBarrettM82A1の銃口を下に向けた状態で持ち上げる。

BarrettM82A1からマガジンを取りだす。銃に排莢された弾もスライドして抜き取り、マガジンに装填。

マガジンはタクティカルベストの胸ポケットにしまい、セイフティーにする。

厳顔さんは俺に対して警戒はしているが、敵意も殺気も無い。

だからBarrettM82A1をセイフティーにするだけではなく、マガジンも抜きと取った。

マガジンと弾を抜き取っておけば、暴発する可能性はゼロだ。暴発することは無いだろうが、万が一のことも考えてだ。それに、この銃を誰かに撃たせたくは無い。入社してから共にある俺の愛銃で俺の相棒だ。

ってか、さっきの兵士が変な所を持たず弄らないでくれてマジ助かった。暴発したら洒落にならなかった。

 

まあ、敵意や殺意が無いというのは勘なのだが、戦場で半年生き残ってきた勘はそれなりに当てになる気がする。

勘が当てになるというのも当然論理的な根拠もないから、これも当然戦場で培った俺の勘である。

俺の勘を当てするという俺の勘。永遠循環なので此処で止めておこう。

 

リュックサックの中に耳あてと風速観測用フラッグをしまう。水分補給の為にペットボトルを取りだす。

先ほどのギリースーツのせいで大量に発汗したため、喉が渇いていた。

俺はペットボトルの蓋を捩じって開け、水分補給をしようとする。新品だった為、水は満杯2L入っている。

 

「待て!北郷、それは何だ?」

 

「ペットボトルと言います。

液体、主に飲み水を入れる為の容器です。こうやって蓋をすれば、振っても液体がこぼれない仕組みになっているため、真っ直ぐ持たなくていいので携帯に適しています。しかし、問題は気温の影響を受けやすく、こんなに暑いとすぐに中の液体が温くなってしまうのが短所です。後、これ自体が熱に弱いのも短所ですね。

今この中に入っているのは水です。」

 

「便利なものだな。少しくれ。儂も喉が渇いた。」

 

「はい。どうぞ。」

 

俺はペットボトルを厳顔さんにペットボトルを渡す。

厳顔さんはペットボトルの飲み口に口を当てる。すげえ柔らかそうな唇だ。例えるならゼリーが一番近い。

厳顔さんはゴクゴクと水を飲む。言い飲みっぷりだ。よほど、喉が渇いていたのだろうか。

ペットボトルの水は500mlほど減った。

 

「確かに温いな。だが、喉は潤うし、携帯には適しておる。ほれ、返すぞ。」

 

「あ、はい!」

 

俺は厳顔さんからペットボトルを受け取る。俺は厳顔さんの唇に見とれていた。

俺も水を飲もうとする。ちょっと待てよ。今このペットボトルの水を厳顔さんが飲んでいたよな?

ってことは今俺が飲んだら、間接キスだよな?あの厳顔さんと?

何を意識している、俺!間接キスごときに動揺するな!落ち着け!俺!間接キスぐらい慣れているだろう!

戦場では物資が足りなくなることなんてよくある事だ。だから、同僚と水の回し飲みなんてよくやった。

それより、喉が渇いた。そうだ!喉が渇いた!だから、これは疚しいことをするのではない!緊急回避だ!

喉が渇いて脱水症状で死ぬかも危険からの緊急回避だ!そうだ!死から免れる為の水分補給だ!

 

んーーー……しかし…アーもう………飲むぞ!

 

南無さん!

 

俺は一気に水を飲む。水が温かったかどうかなんて分からない。

ただ、『俺は今水を飲んでいる。厳顔さんと間接キスをしているわけではない!疚しい気持ちなんて無いんだ!』と心の中でひたすら無心に呟き続ける。

だが、やはり先ほどの光景が頭の中を駆け巡る。その光景とは厳顔さんがペットボトルの飲み口が唇から離れた時の唇だ。離れた時にチュポっと鳴り、水で潤ったあの唇が悩ましかった。

 

煩悩退散!煩悩退散!!

 

俺は水を500ml程飲んだ。これ以上関s…水を飲んでいたら煩悩で頭が暴発して水を噴く。

いやホントマジで危なかった。恋愛なんてこれまでしたことがなかったからこういう免疫力は本当に無い。

今思ったのだが、これって初恋だ//////

 

 

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°黒山羊です。

 

桔梗√ 第2回でした。

作者として感想を言います。

 

なんか一刀がピュアだ!こんな一刀史上初じゃないかと思います。

こんなピュアな一刀もいいかな?だけど、ピュアな軍人はいないので、時々軍人らしい振る舞いをします。そうでないでないと、単なる草食系男子になってしまいますのでww

一刀の軍人らしい立ち振舞い、無意識に言うキザな言動等で桔梗さんを落としていこうかなと思っています。

今後の展開を楽しみにしていて下さい。

 

それから、第1話投稿当初と一刀の装備を少し変えました。もちろん今の第1話を読めば分かると思われます。

迷彩服→ボディアーマー&タクティカルベスト

理由ですが、民間軍事会社の社員や傭兵は迷彩服を着てはならないからだそうです。

なんでも、ジュネーヴ条約に引っかかるとか何とか。

 

 

『武と知の御遣い伝』優先でしたが、官渡の戦いで苦戦しています。うーん。ネタが思いつかない。

ここら辺まで来ているのですが…。

戦シーンを書くのが苦手なのが主な原因。描写がかなり短くなってしまう。悩ましい。

 

まだあの読み切りも完成していないし……。

甘々なのを書くのは苦手。現在朱里で止まっている。先に纏まっている月、詠編と華雄編、雛里を書くか。

 

 

それでは最後になりますが、いつもので閉めましょう!

皆さん御唱和下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°

 

 


 
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