No.216672

真・失禁馬超伝!?

月千一夜さん

うん、“短編”なんだ
しかも、なんかこうカオスな感じな

以前にチラッと書いたけど、投稿しなかったままのやつです

続きを表示

2011-05-14 15:28:46 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:13422   閲覧ユーザー数:11450

「なぁ翠、ちょっといいかな?」

 

「ご主人様、どうかしたのか?」

 

 

それは毎朝恒例の朝議が終わってすぐのことだった

皆が玉座を後にしていく中、天の御遣いである北郷一刀は一人の少女を呼び止めたのだ

彼女の名は馬超・・・真名は翠

西涼の“錦馬超”の名で知られる猛将である

そんな彼女のことを呼び止めた後、一刀は腕を組み何やら真剣な表情のまま口を開いた

 

 

 

「仲間を作らないか?」

 

「・・・はい?」

 

 

その一言に、翠は首を傾げてしまう

彼の言葉の意味が、よくわからなかったのだろう

彼女は眉を顰め、彼を見つめたまま軽く息を吐きだした

 

 

「あのさ、いきなり何の話だ?

そもそも仲間って、いったい何の仲間だよ?」

 

 

翠の言葉に、今度は一刀が首を傾げていた

その表情からは、微かな驚きが見て取れる

 

 

「わからないのか?」

 

「わからないよ」

 

 

“そうか”と、少し難しそうな表情をする一刀

その様子に、何事かと翠はまた首を傾げる

そんな微妙な空気がしばし続いたのち、意を決したのか一刀が一度大きく頷いて見せた

 

 

「まぁ、確かに恥ずかしいことかもしれない

隠したくなる気持ちもよくわかる

でもさ、それじゃダメだと思うんだ」

 

「は? え?」

 

「だからこそ、翠は作るべきなんだ

君のことを真にわかってくれる、親友とも言えるべき仲間を・・・」

 

 

戸惑う翠もそのままに、彼は額に指をあて“はぁ”とわざとらしくため息を吐きだす

それから彼女の肩を掴み、温かな笑みを浮かべこう言ったのだ

 

 

 

 

 

 

 

「お漏らしっ娘仲間をさ!!」

 

 

爽やかな笑みと共に紡がれた言葉

その直後、彼の顔面に彼女の拳が突き刺さったのは言うまでもない

 

 

 

 

≪真・失禁馬超伝!?≫

 

 

 

 

 

 

「・・・というわけで、取り出したるはこのカード!!」

 

(け、結局押し切られてしまった・・・)

 

 

所変わって、ここは一刀の執務室

顔面に痛々しいアザを作りながらも何処か誇らしげな表情で微笑む一刀をよそに、翠はというと自分の押しの弱さを内心で恨んでいた

先ほどから、何故か嫌な予感しかしないのだ

そんな彼女のことなどつゆ知らず、一刀は楽しそうに手に持った何枚かのカードを翠の前に差し出してきた

 

 

「それじゃ、こっから一枚引いてくれ」

 

「・・・なぁ、これは何なんだ?」

 

「これは“お漏らしっ娘カード”

神が創りだした英知・・・いや、“武器”だ」

 

「だから、何なんだよ!?」

 

 

一刀の意味不明な説明に頭を抱える翠

そんな彼女の様子を見て、彼は“冗談だよ”と笑う

 

 

「このカード・・・札には、俺が厳選した“お漏らしっ娘候補”の名前が書いてあるんだ

この中から一枚だけ翠が引いて、その書いてある名前の子を翠の仲間・・・つまり、“漏れ友”にする」

 

「“漏れ友”ってなんだ!?

なんだ、その悪意を感じる名前は!?」

 

「落ち着け翠

“失禁馬超”の名が泣くぞ?」

 

「むしろ、アタシが泣くぞ!?

大声で泣きわめくぞ!?」

 

 

ギャーギャーと、顔を真っ赤にし涙目のまま叫ぶ翠

一刀はというと、その様子を楽しそうに眺めながら手に持っていたカードをさらに彼女に近づける

 

 

「まぁまぁ、モノは試しってことで

とりあえず一枚引いてみなって

それとも・・・俺のサポートが心配なのかい?」

 

「くそ・・・一枚だけだぞ!」

 

 

彼の言葉に、半ばヤケクソ気味にカードを引く翠

それから“ウェルカム、マイフレンド!!”と言いながらカードを凝視するあたり彼女もノリノリである

因みに、彼女が引いたカードの中身はというと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“貂蝉”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「“大当たり”じゃないか」

 

「“大ハズレ”だよっ!!」

 

 

“バシン!”と、勢いよくカードを床に叩きつけ翠は叫んだ

それも割と本気で

 

 

「何でコイツの名前を書いた!?

いったい誰得だよ!?

そもそも“娘”じゃないし!!

いくらなんでも、これは駄目だろ!?」

 

「俺だって、凄く嫌だよ

でも今、一枚だけって翠が・・・」

 

「なし! 今のはなし!

もう一枚だ、もう一枚!!」

 

 

そう言って彼女は、強引に一刀の手からカードを一枚奪い取る

それから血走った目で、引いたカードを見つめる

なんだかんだで、仲間が欲しいのだろう

一刀はそう勝手に納得し、彼女の引いたカードを一緒になって見つめる

そして、ニヤリと面白そうに笑みを浮かべた

 

 

 

「ほぅ・・・これは中々良いカードを引いたじゃないか」

 

「いや、これは・・・いいのか?」

 

「問題ない

むしろ、俺的には大歓迎だ」

 

「この変態」

 

 

かくして、二人の計画は始まったのだ

まだ見ぬ、彼女の“漏れ友”を求めて・・・!

 

 

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「やぁ“亞莎”、今ちょっといいかな?」

 

「はい?」

 

 

太陽は、現在真上

そんな時間帯に、彼は彼女へと声をかける

呂蒙こと、亞莎である

彼女はというと・・・一瞬だけ驚いたような顔はしたものの、好きな相手に声をかけられて嬉しそうにハニかんでいた

その様子に、彼と一緒にいた翠は“うっ”と表情を僅かに歪める

 

 

 

「なぁ、ご主人様

アタシ今、何だかすっごい罪悪感が・・・」

 

「おいおい翠

ここまで来て、今さら何を言ってるんだよ?」

 

「けどさぁ・・・」

 

「あの・・・一刀様?」

 

「あぁ、いや

何でもないよ、うん」

 

 

不思議そうに、自分たちを見つめる亞莎

そんな彼女に笑みを浮かべ、二人はひとまずは会話を中断した

それから、彼は亞莎の手をとった

 

 

「亞莎、今ちょっと時間あるかな?」

 

「あ、その、ええええっと!

あ、あります!!

それはもう、たっぷりと!」

 

「そ、そっか

ならよかった・・・実は、少し手伝ってもらいたいことがあってさ」

 

「はい、私でよければ毎晩でも呼んでください!」

 

「うん、その一言で亞莎が普段俺のことをどう思ってるのかわかったよ」

 

 

眩いばかりの笑顔でそんなことを言われ、流石の一刀も頬をピクピクとさせる

だが、否定ができないのでスルーすることにした

因みに、翠はそんな一刀の姿を見て“ザマァww”と呟いていた

“後で覚えてろよ”と、一刀が思ったのはひとまず置いておこう

 

ともあれ、作戦の第一段階は成功した

翠が引いた“お漏らしっ娘カード”に記された新たなる“漏れ友候補”

 

亞莎

 

二人はひとまず彼女を連れだって、一刀の部屋へと向かっていった・・・

 

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「これは・・・?」

 

 

部屋に入った瞬間、彼女の口から思わず驚きの声がこぼれる

そんな彼女の様子に、一刀は満足げに頷き彼女の手を引いた

 

 

「これは、天の国の飲み物だよ

野菜や果物を絞って造ったものなんだけど

実は、これの味見を頼みたかったんだ」

 

「それは・・・私なんかで、いいんでしょうか?」

 

「何言ってるんだよ

俺は・・・亞莎に、頼みたいんだ」

 

「か、一刀様・・・」

 

 

この言葉に、頬を赤くし俯く亞莎

その様子を見て翠が、“この種馬”と不機嫌そうに呟いたのは言うまでもない

ともあれ、これで二人の“作戦”は成功したと言ってもいいだろう

ここまできたら、あとは我らが種馬のペースである

彼はそのまま亞莎を席へと座らせると、ニコニコと笑顔を浮かべたまま手作りのジュースを差し出した

 

 

「はい、まずはこれ」

 

「これは?」

 

「林檎ジュースさ

まずはサッパリとしたものからってね♪」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

お礼を言い、笑顔のまま飲む彼女

翠は、そんな彼女の笑顔を見つめまた軽い罪悪感に悩んでいた

 

 

「お、美味しいです!」

 

「だろ?

ホラ、もっと飲んでいいんだよ」

 

「ありがとうございます!」

 

 

勿論、そのようなことなど彼女は知る由もなく

差し出されるジュースを、美味しそうに飲み干していく

仕事の疲れもあったのだろう、そのペースは驚くほどに早い

そんな彼女の様子に、一刀はニヤリと笑みを浮かべていた

 

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「ぅぅ・・・」

 

 

数分後

そこには、二人の計画した通りの状況が出来上がっていた

 

 

「ん・・・」

 

 

モジモジと挙動不審な亞莎の姿に、一刀と翠はグッと彼女に見えないよう親指を突き立てた

どうやら翠が抱いていた罪悪感は、もう消え去ってしまったらしい

それはともかく、亞莎の様子を見る限りもう限界は近いらしい

“ここからが勝負か”と、一刀は不敵に笑う

 

 

「あ、あの・・・」

 

 

勿論、そんなこと知らない亞莎

彼女は恐る恐る手を上げ、か細く声を出す

 

 

「そ、その少し・・・って、ひゃうっ!?」

 

「ああ、亞莎は可愛いなぁ」

 

 

その瞬間、すかさず一刀は彼女のことを抱き締めた

それはもう、目にも止まらぬ速さでだ

翠はそんな彼の早技に、“流石は、天の種馬”と息を呑んだ

 

 

「あ、あの一刀様!?」

 

「どうしたの?

まさか・・・俺に抱き締められるの、嫌だったりする?」

 

「そそそそそんなわけないです!!

そうじゃなくって、今はその・・・!」

 

「なら、もうしばらくこのままでもいいかな?」

 

「は・・・・・・はぃ」

 

 

力なく、頷く亞莎

しかし明らかに、先ほどよりも体が震えている

それこそ、この部屋には翠がいるということを忘れてしまうほどに

それも、顔を真っ赤にしながら

 

 

(ご、ご主人様・・・アタシ、帰ってもいいかな?)

 

(駄目♪

これは、翠の仲間を作る為なんだから・・・ホラ、ちゃんと見てて)

 

(うぅ~・・・変態)

 

 

アイコンタクトでの会話もそこそこに、一刀は亞莎を抱き締める力を強めていく

それに伴い、彼女の体はビクビクと震えていた

近い・・・と、一刀は自身の勝利を確信する

 

(やったな、翠

これで仲間が出来たな)

 

そして新たな仲間の誕生を祝おうと、笑顔で翠へと視線を向けた矢先

彼の表情は、一気に引きつったものへと変わってしまう

 

 

 

 

 

 

 

「あの、翠さん・・・なんでそんな、モゾモゾしてるのでしょうか?」

 

「えっ!?

いや、その、なななななんでもないぞ!!?」

 

「お、おい翠、お前まさか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

(ご、ごめん・・・ご主人様)

 

(やっぱりかーーーーーーー!!??)

 

 

お・ま・え・も・か!!

 

 

彼の視線の意味に気づいたのか、翠は顔を真っ赤にしたまま頷く

それに対し、一刀は苦笑を浮かべることしかできないでいた

 

そう・・・彼女もまた、限界が近かったのだ

よく見れば彼女の前にも、空になった湯呑が並んでいる

“それだけ飲めばなぁ”と、一刀が頭を抱えそうになるくらいに

ともあれ、状況は一気に最悪なものとなった

彼女が厠へと行くことを許せば、それに乗じて亞莎もついて行くだろう

そうしたら、今回の計画は台無しになってしまう

それだけは避けなくては・・・!

一刀は“耐えろ”と、口パクで翠へと伝える

それに対し、翠はモジモジとしながら頷いた

 

 

「そ、そうだ!

亞莎、最近調子はどうだい?

冥琳から、最近亞莎はよく頑張ってるって聞いててさぁ!」

 

「え、あ、ははははい!

調子は良い方だと思います!」

 

「そっか、あはははははははは」

 

 

ぎこちなく笑う一刀

しかしそんな不自然な様子に気づけない程に、亞莎もまた限界が近かったのだ

対して、翠も同様に限界が近かった

彼女は大量の冷や汗を流しながら、下腹部をおさえガクガクと体を震わせている

そんな二人の姿に、一刀もまた冷や汗を流していた

 

かくして、場は一気にクライマックスに突入したのである・・・

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「おいおい、マジかよ・・・」

 

 

一刀がそう呟いたのも無理はない

現在、太陽はもう帰り支度を始めた頃

窓から見える空は、微かに赤みがかかっている

 

しかし、未だに二人は体を震わせながらもその場にいたのだ

 

 

「「・・・・・・」」

 

 

しかも、無言で・・・いつの間にか、翠まで一刀に抱き着きながら

そんな二人の様子に、一刀は苦笑しながらも頭を抱えていた

 

 

(まさか、亞莎がここまで粘るなんて・・・予想外だった

ていうか、これ以上は不味いな

あんまり長い間我慢させると、体に悪いだろうし・・・仕方ないか)

 

 

そう思い、一刀はフッと亞莎を抱き締めていた力を緩める

瞬間、“ハッ”と顔をあげる亞莎

それに伴い、体の震えが大きくなった

 

 

 

「ご・・・ごめんなさい!!」

 

 

そう言って、一刀のもとから離れ駆け出す亞莎

“間に合うといいけど”と思いながら、一刀はその背を見守っていた

それから、彼は翠へと視線をうつす

彼女も限界が近かったのだ

故に、彼女も早く厠へと向かうよう伝える為である

 

 

「おい、翠・・・」

 

「・・・かよ」

 

 

 

だがしかし・・・彼は、一つ誤解していた

 

 

 

 

「逃がすかあぁぁぁぁぁああああああああ、ごるああああぁぁぁああああ!!!!!!!」

 

「キャアアアァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!???」

 

「・・・って、えええぇぇぇえええええええええ!!!???」

 

 

 

 

彼女は、限界が近かったのではない

限界など、とうの昔に超えていたのだ・・・!!

 

 

 

 

「うらああああぁぁぁああああああああ!!!!!」

 

「ひぃいいいいい!!??」

 

 

“ガシッ”と、勢いよく亞莎の肩を掴む翠

彼女はそれから“ギラギラ”と輝く目を亞莎へと向けたまま、ニィと笑みを浮かべた

 

 

「亞莎~、まさかここまで来て一人で楽になろうなんて思っていないだろうなぁ~?」

 

「あ、あのすすすすすす翠さん!?

いったい、どうし・・・」

 

「ご主人様も!!!!

言いだしっぺのクセに、な~に勝手に終わらそうとしてるんだぁ?」

 

「は、はい、すいませんでした!!!」

 

 

そのあまりの恐ろしさに、一刀と亞莎は体を大きく震わせた

“ヤバい・・・”

そう思った時は、いつだって手遅れだ

今までの経験上、一刀はそう理解していた

故に、もう軽く諦めモードである

 

対して、亞莎はようやく助かったと思った矢先の出来事だったせいだろう

もう泣きそうになりながら、その場に座り込んでいた

 

そんな二人に向けられたのは、天使の微笑みか・・・はたまた、悪魔の笑みだったのか

 

 

 

「さ~て、二人とも・・・覚悟はできてるか?

アタシはできてっぞ?」

 

 

 

今となっては、もうわからないだろう・・・

 

 

 

 

ーーーー†ーーーー

 

 

「ど、どうしてこうなった?」

 

 

目を覚ました翠がまず言った言葉がこれである

自分は勿論のこと亞莎までもが衣服を脱ぎ捨てたままの状態で、これまた同じような状態の一刀に抱き着き眠っているのだ

いや、それだけならいい

いやよくはないかもしれないが、今は些細なことだ

そんなことよりも、だ・・・

 

 

「“アレ”って、もしかして・・・」

 

 

言いながら、彼女が見つめる先

一刀の部屋の中心

そこにある、“黄色い見覚えのある跡”とその中心に置かれた見覚えのある“パンツ”

ここまでで、ようやく彼女は自身がやってしまったことに気づいたのだ

 

もっとも・・・

 

 

 

 

「おはようございます、御主人さm・・・」

 

「まったく、あんの馬鹿まだ眠ってr・・・」

 

「あ・・・」

 

 

 

 

時、すでに遅し

 

 

その後のことは、ここにはあえて記さないでおこう

唯一つ言えることは、あの“翠語”が連発されたことはお約束であろう

 

 

 

 

 

 

 

 

☆あとがき☆

 

ども、皆さんこんにちわw

 

はい、いきなりカオスです

本当にありがとうございました

 

 

新たなる“漏れ友”を獲得した翠さん

次回はいったい、どんな仲間に出会うんでしょうね♪

 

 

 

 

 

 

嘘です、一発ネタです

次回なんて考えてません


 
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