「おい“ウーキッツ”
そんな装備で大丈夫か?」
風が吹きすさぶ高台の上
一人の男が問いかける
その問いに、眼鏡の“イイ男”は振りかえりニッと微笑んだ
「一番イイのをお願いします」
瞬間、彼の体を光が包み込む
それはやがて、“青いつなぎ”へと変化していった
その姿を一言で言うならば・・・
「ウホッ、イイ男」
これに尽きる
そんな状態の中、眼鏡の男はおもむろにファスナーに手をかけ・・・ゆっくりと下げ始める
ゴクリと、男は唾を呑んだ
やがて露わになったのは・・・“神の英知”
「ところで、私の“アーチ(アウチ)”を見てください
これを、どう思いますか?」
「すごく・・・大きいです」
「おっと、触れると“浄化”されちゃいますよww」
「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
神は言っている
まだ・・・イク定めではないと
≪月の詩~after story-幼女、更生プログラム-~≫
「お~い、華琳
そろそろ着くぞ~」
「ええ、わかったわ」
聞こえてきた、男の声
その声に返事をし、彼女は読んでいた本を“パタン”と閉じる
それからそれを、馬に掛けてあった荷物入れの中に仕舞った
「けっこう面白いわね・・・」
“一刀には悪いけど”と、彼女は笑う
その本が一体何なのか、どのような内容なのか
それは、皆さんのご想像にお任せしよう
さて、話を進めよう
現在華琳達魏の者達と“歯和和・亞和和”こと朱里と雛里
そして、その二人と一緒についてきた趙雲こと星
彼女達は魏国の都へと到着していた
「ん~、やっと帰ってきたなぁ
孔明ちゃん、道中辛くはなかったかい?」
「フゴッ、フゴ」
「あはは、そっか
まぁ、そういう考え方もあるよね」
「フゴーー!?」
「あ、そうだ
鳳統ちゃんはどうだった?」
「フゴフゴフゴ・・・」
「ちょ、ちょっと待ってよ
その話題はまだ、時間的に早すぎるんじゃないか?
まったく、鳳統ちゃんは変態さんだなぁ」
「フゴ!!?」
「あはは、冗談だよ冗談♪」
言って、彼は柔らかな笑みを浮かべる
それから、隣にいた趙雲の肩をポンと叩いた
「何言ってるか全然わかんないやww」
「でしょうなww」
そう言って、二人は肩を組み合いドッと笑った
そんな二人の様子を、周りの皆は意外そうに見つめていた
この二人、ここに来るまでの道中でかなり仲が良くなっていたのだ
それこそお互いを、“星”“一刀”と呼び合うくらいに
そこまで、二人は意気投合していたのだ
無論、こうして仲良くなるのは悪いことじゃない
乱世も終わった今、他国の者との交流は大事なことだ
故に、華琳達魏の者達もこれを素直に喜んだ
しかし・・・
「ちょっと、仲が良すぎる気もするけど・・・」
「華琳様?」
「いえ、何でもないわ・・・さぁ、行きましょう」
「御意」
華琳の言葉に、頷く秋蘭
そんな彼女に続いて、他の者達も城内へと入っていく
「よし、俺たちも行こうか星」
「うむ」
言って、彼は手に持った紐を“クイ”と引く
それに伴い、紐の先・・・首輪が引っ張られ、朱里と雛里も足を進めた
因みに、ここに来るまでずっとこのままである
ーーーー†ーーーー
「さて・・・帰ってきて早速だけど、決めなければならないことがあるわ」
「だな」
玉座の間
王である華琳の言葉に、一刀は腕を組みながら頷いた
「今日の晩御飯について、だな・・・難しいところだ」
「違うわよ、馬鹿
そこの変態二人の処遇についてよ」
「「フゴゴ、フゴ!!(変態じゃありません!!)」」
「何言ってるかわからないから、とりあえず日本語(?)でオケww」
「いや、まずはソレを取ってあげなさいよ」
「え~・・・」
「話が進まないから、とりあえずとりなさい」
「オーケー、わかった
わかったから、“御遣い、手苦二苦”を読もうとしないでくれ
もうトラウマになって、話を聞くだけで“んぎもっちぃぃぃぃぃいいいい”って叫んじゃうんだよマジで」
言いながら、彼は二人の猿轡をとった
瞬間、二人は大きく息を吐きだす
「や、やっと取れました」
「あわわ・・・空気がおいしいです」
「二人とも、少しは反省したかな?」
「はい、もう反省しました
反省しましたから、一つだけ聞かせてください」
「何かな?」
「御遣い様は“受け”ではなく、実は“攻め”なんですか?
その答えによっては、“次回作の展開が大きく変わる”のですが・・・」
「全然反省してないじゃんか!?
次回作とか言ってる時点でアウトだよ!!」
「因みに、私たちの中では“御遣い様は受け”なのですが・・・」
「いや、誰も聞いてないからね!?
なにその情報、いらないんだけど!!?」
“あ、ダメだこれ”と、一刀をはじめとした皆は頭を抱える
これは相当重症だと、改めてこの二人の幼女に戦慄したりもした
「どうしたもんか・・・」
“このままではマズイ”と、一刀は腕を組み考える
このままでは次回作とやらで、また自分は“イイ男”に喰われてしまう
いや、場合によっては喰ってしまう
どっちにしろ最悪である
ともかく、それだけは何としても回避しなくてはならない
「しかし、良い考えが浮かばない・・・はぁ」
「一刀殿、少々よろしいでしょうか?」
「稟?」
そんな中、ビッと手をあげたのは稟だった
彼女は眼鏡をクイとあげると、一刀を見つめフッと微笑む
「私に、良い考えがあるのですが」
「稟・・・“鼻血を出しながら言われたら、何だか物凄い不安になるんだけど”」
「これは、アレです
あまりの良策に、思わず“滾ってしまったのです”
気にしないでください」
「“滾る”ってなにさ!?」
一刀のツッコミも空しく、稟は彼をスルーし未だ亀甲縛りのままの二人のもとへ歩み寄る
それから、彼女達の肩を叩き微笑んだ
「お二人はあのような書物を書いてはいますが、実際にそのような場面は見たことがないのではないですか?」
「はわわ!?
ど、どうしてわかったんですか!?」
「ふふふ、やはりそうですか」
「あわわ!?
す、すごいです!」
驚く二人もよそに、稟は意味あり気な視線を一刀へと向ける
その視線に、一刀は一瞬背筋がゾッとした
“嫌な予感がする”
「一刀殿・・・彼女たちが、何故あのような“素晴らしい書物”を書いてしまうかおわかりですか?」
「い、いや・・・わからないな」
「彼女達は満たされない欲求を、あの“神の英知の結晶ともいえるほどの書物”へとぶつけているのです」
「そ、そうなのか?
いやそれよりも、さっきから“あの本を凄いベタ褒めな君の心境の方が気になるんだけど”」
「つまり!!
これを解決するための方法はただ一つ!!!
その方法は・・・」
“スルーかよ”と、一刀はツッコミを入れたい衝動にかられる
だがしかし、それよりも“凄まじく嫌な予感”を感じていた
やがて、その予感は・・・
「彼女達の目の前で、実際にそのような光景を見せ欲求を満たせばいいのです!!!!」
現実のものへと変わった
シンと、静まり返る玉座
そんな中、一刀は自身の額をおさえ深い溜息を吐きだした
「オーケー、稟
一回落ち着こう・・・落ち着いて、病院に行こう
いや、“病院が来るべきだなこれは”」
「私はいたって冷静ですよ一刀殿
むしろ、清々しいくらいです」
「その清々しさは多分、“現在進行形でダラダラと滝のように流れてる鼻血のせいだから”
血の流れ過ぎで、ちょっと貧血起こしてるだけだから」
「いえ、大丈夫です問題ありません
あ、やっぱり“一番イイとんと~ん”でお願いします
意識が飛びそう・・・」
「はい稟ちゃん、とんと~ん」
「フガフガ・・・」
“駄目じゃんか”と、一刀は再び深く溜め息を吐きだす
だがそんな彼とは対照的に、玉座に座る華琳は感心したように腕を組み微笑んでいた
「その手があったわね・・・」
「え?
ちょっと、華琳さん?
話を聞いていましたか?」
「ええ、聞いていたわ
私は稟の考えが、今のところ一番確実だと思うけれど?」
「ない!
断じてない!
俺をまた、“あの地獄”にぶち込む気か!!?」
「どうせ暇でしょ?」
「暇とか、そんな問題じゃないよ!
ていうか、残念ながら暇じゃないよ!?」
一刀のこの一言に、皆が一斉に“え?”という表情になる
一瞬本気で泣きたくなる一刀だが、何とか堪えて話を続ける
「ホラ、蜀に行く前に俺のお気に入りの寝巻がすり替えられてたって話をしただろ?
だから今日は、また同じものを作ってもらいに行こうと思ってたんだ」
「そういえば、そんな話をしてたわね」
「うん、俺もビックリしたよ
昨日まで着てた“ピ○チュウ”の寝巻が、朝起きたら“バ○ヤード”に進化してるんだもん
どう頑張ったって、絶対にならない進化のしかたしてるんだもん
面影、一切残ってないんだもん
すり替えた奴は一体、何を思ってあんな寝巻を作ったのか問い詰めたいよ
小一時間は問い詰めたい
そもそも・・・」
「貴様ああぁぁぁぁあああああ、先ほどから好き放題言いおってぇぇぇっぇええええええ!!!!!」
「ちょ、まっ、えええぇぇぇえええ!!?
なんでここで春蘭がキレるの!!!!??」
一刀の話の途中、何故かキレはじめた春蘭
彼女はそのままの勢いで一刀の胸元に掴みかかった
“理不尽だ”と、事情を知らない一刀が思ったのも無理はない
「ええい、そこまで言うのならば私がその寝巻を作ってやる!!
今に見てろ!!?
貴様が驚くほどの、“バ○ヤード”とやらの寝巻を作って見せるからな!!?」
「いや、そっちじゃない!
俺が欲しいのは、○カチュウの寝巻であって・・・」
一刀の言葉も空しく、足早に玉座の間を飛び出していく春蘭
あまりの事態についていけず、その場に膝をつく一刀だったが・・・
「これで、今日は暇よね?」
「オーマイガッド・・・」
追い打ちをかけるように、頬にピシピシと“御遣い、手苦二苦”を当てながら覇王様は言った
その時彼は、“天に帰りたい”と本気で思ったそうな・・・
ーーーー†ーーーーー
「ふぅ・・・今日の診察は終わり、と」
そう言いながら、城内の廊下を歩く一人の青年がいた
彼の名は“華佗”
赤い炎のような髪がトレードマークの、大陸一の名医だ
彼は数日前から、この魏の城内に一室を借り医師として様々な人々を診察していたのだ
その診察も終わり、今は夕食でも食べに行こうと廊下を歩いていた
そんな彼に・・・
「おーーーーーい、華佗ーーーーーー!!」
「ん?」
ふと、声がかけられる
その声に、彼は振り向いた・・・その先に、見覚えのある青年の姿を確認した
「御遣い殿、か?
いったい、どうしたのだろう」
そう、彼に向い声をかけたのは天の御遣いこと北郷一刀だった
“いったい何事か?”と、足を止める華佗
この時、彼は予想していなかった
いや、普通なら予想できない
今から、一刀が言う言葉を・・・
「華佗ーーー、俺だーーーー!!!
“結婚してくれぇぇぇぇっぇえええええええええええ”!!!!!!!」
「ぶはっ!!!!??」
城内に響き渡る、一刀の声
そのあまりの内容に、華佗は盛大に噴き出した
無理もない
まさかの告白である
かくいう一刀も、半ばヤケクソだったのか半べそである
そんな状況を見守る魏国の面々は、そろって噴き出していた
ただ二人・・・歯和和・亞和和のみは“キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー”と叫び忙しく手をシャカシャカと動かし紙に何かを書き込んでいたが
「実は俺・・・前から華佗のこと、“ウホッ、治療用の針なんかじゃなくて【華佗の滾る針】で治療してほしいなぁ”って思ってたんだ」
「げほっ、ごほっ!!?」
その状況の中、さらに一刀は続けた
事前の打ち合わせの通りの台詞を、半べそのまま続けていく
「頼むよ、華佗
俺の想いを受け取ってくれないか?
いや、むしろ今から“やらないか?”」
「がっは、ごほごほ!!!!??」
華佗、悶絶
顔を真っ赤にしながら咽続ける彼を、いったい誰が責められるだろうか?
ともあれ、言われたことはやった
そう思い、一刀は静かに涙を流した
そして、同時に思う
(あの幼女共・・・ここまでやらせて治らなかったら、御遣い様怒っちゃうよ?)
さてはて、結果はどうなることやら
物語は、次回へと続く・・・のか?
「お、俺で・・・いいのか?」
「え・・・?」
未完!!(ぇ
★あとがき★
よしわかった、説明しよう
これは≪アウチ≫・・・作者の腐った脳みそから生まれた知恵の結晶
いや、カオスだ(どやぁ)
というわけで、こんにちわw
つ・・・続いたよ
カオスな作品ばかり書いているが、大丈夫か?
大丈夫だ
実はシリアスは別のサイトで放出してるんだww
サーセンwwww
多分、続いたとして・・・次くらいには終わります
ええ、終わらせます
それでは、またお会いしましょう
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ははは
よろしい、ならば続編だ
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