No.212981

孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝32

Seigouさん






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2011-04-23 01:12:40 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:21977   閲覧ユーザー数:15363

その後、華琳達一同は一時許昌へと帰還した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

玉座の間を支配するのは、沈黙

 

一同はまだ自分の目を疑っていた

 

一刀の変わりように

 

あの強く、優しく、いつも人のことを気に掛け、人々に優しく微笑みかけていた一刀からは想像も付かない

 

月「・・・・・一刀さん・・・・・」

 

華琳「・・・・・いったいどうしてしまったの?・・・・・一刀・・・・・」

 

季衣「あの、華琳様・・・・・何かあったんですか?」

 

流琉「兄様は、どうしたんですか?」

 

悠「何があったんだ?」

 

聖「どうしてしまったのじゃ?華琳」

 

葵「この重たい空気の説明をしてもらえるかな?」

 

翠「・・・・・・・・・・」

 

蒲公英「本当に、何があったの?」

 

華琳「・・・・・実は・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳「・・・・・・・・・・・・というわけよ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

一同は黙り込む

 

全員華琳の言った事が信じられないのだ

 

雫「・・・・・・・・・・」

 

雫の顔は、青を通り越して紫色になっていた

 

翠「お、おい雫、大丈夫か!?顔が凄いことになっているぞ!」

 

流琉「雫さん!しっかりしてください、雫さん!」

 

雫「・・・・・・・・・・」

 

どうやら何も聞こえていないようである

 

沙和「雫さん、無理もないの~」

 

真桜「あないな事があったんじゃな~」

 

凪「・・・・・雫さん・・・・・」

 

聖「・・・・・一刀は・・・・・一刀はどうしてしまったのじゃ!」

 

華佗「それは、俺が答えよう」

 

帰ってきた一同の中から華陀は前へ出る

 

葵「おお!華佗じゃないか!」

 

華佗「やあ葵さん、久しぶり、あれ以降息災か?」

 

葵「ああ、お前のおかげですこぶる調子がいい♪」

 

華佗「それは良かった」

 

葵「それはそうと、お前は話に聞いた北郷一刀について何か知っているのか?」

 

華佗「ああ・・・・・あいつはおそらく、人を斬り過ぎておかしくなってしまった」

 

「・・・・・・・・・・」

 

暗がりが一層支配する一同に関係なく華陀は話を続ける

 

華佗「あいつからはあまりにも強い邪気が溢れ出ていた、俺もあれほどの邪気を見るのは初めてだ」

 

華琳「確かに、あの時の一刀は尋常ではなかったわね」

 

月「どうしてこんなことに・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぶつっ

 

何かが切れる音がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華佗「何を言っているんだ、お前達のせいだろう!!!」

 

春蘭「何ぃ!!?」

 

桂花「いきなり何を言い出すのよ!!?」

 

春蘭「華琳様はこの国のために、天下を統一するために戦っていたんだぞ!!」

 

桂花「そうよ!何も知らない一医者風情が何を言うのよ!神医だかなんだか知らないけど、華琳様を侮辱するような事は許さないわよ!!」

 

華佗「ならば今の現状はどうだ!!?お前達は天下を統一できたのか!!?赤壁での戦いのことは知っている!!お前達は、どれほどの犠牲を払った!!?そして犠牲を払ったにも拘らず、お前達は天下を統一できていないじゃないか!!何も得る物は無かったじゃないか!!違うか!!?」

 

桂花「うっ・・・・・」

 

春蘭「むぅ~~~・・・・・」

 

否定できないので二人は黙り込むしかなかった

 

華佗「お前達が戦をするに伴い、それだけ路頭に迷う民が出てくる、その民が賊となり、これを一刀が討つ、これが繰り返される・・・・・一刀は、お前達三国の尻拭いをたった一人でしていたんだぞ!!!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

返す言葉も無い

 

華佗「お前達は、責任を取るべきだ!一刀がこうなってしまった理由は、お前達にあるんだからな!」

 

零「でも、このまま北郷が賊を討ち続けてくれれば、何時かは賊はいなくなるわ」

 

桂花「そうね、むしろこのままあいつを放っておけば、自然にあいつも元に戻るんじゃないかしら?」

 

華佗「何を寝呆けた事を言っているんだ、このまま行けば、あいつは賊と一般人の区別も付かなくなるぞ、あいつが無差別に人を殺す殺人鬼に成り果てる前に、止めるんだ!!」

 

月「もちろんです華佗さん!わたくし達は全面的に協力します!」

 

詠「ボクもあいつのあんな姿は見たくないわ、ボクにできることだったらなんだってする!」

 

霞「ウチもや!」

 

嵐「一刀を元に戻すことができるのであれば、何だってしてやろう!」

 

菖蒲「昔の優しい一刀様に戻ってほしいです!」

 

恋「(コクコクコクコク!!)」

 

音々音「ねねも協力するですぞ!」

 

月「それで華佗さん!どうすればいいですか!?どうすれば一刀さんを昔の一刀さんに戻すことができるのですか!?」

 

華佗「・・・・・さっきも言った様に、一刀からは俺も今まで感じたことのない邪気が出ていた、今のあいつには何を言っても無駄だろう、一発ひっぱたいて目を覚まさせるしかないな」

 

雫「(ビクッ)」

 

桂花「でも、あいつほどの武についていけるのは・・・・・」

 

華琳「ええ・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

一同の視線は次々と一人の少女に集中していく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋「(フルフルフルフル!!)・・・・・恋、かずととは戦えない・・・・・」

 

恋は必死で首を横に振り否定の意思をあらわにする

 

音々音「恋殿ぉ・・・・・」

 

音々音も内心穏やかではなかった

 

下手をすると、恋が一刀を殺すことになりかねない

 

それだけは死んでも避けたいという思いがある

 

華琳「でも、一刀ほどの武に匹敵する者は恋しかいないわ」

 

悠「他の奴が今の一刀とぶつかっても、間違いなく返り討ちだろうしな」

 

月「・・・・・恋さん、身勝手と分かっていますが、わたし達には恋さん以外に任せられる人がいないのです」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

華佗「呂布だったな・・・・・君は一刀を殺す必要は無いんだ、一刀を「駄目です!!」!?」

 

話にいきなり割り込んできたのは

 

雫「駄目です!ぐすっ・・・これ以上一刀様を・・・・えっぐ・・・・傷付け様としないでください!!」

 

菖蒲「・・・・・雫さん・・・・・」

 

悠「雫・・・・・・」

 

今までで一番大きい声だろうか、雫は涙を流しぐしゃぐしゃな顔で懇願した

 

華琳「雫!あなたの願いはここに居るみなも常に思っていることよ!でもわたし達には他に選択肢がないの!」

 

華佗「悔しいが、これしか俺達にはないんだ、分かってくれ」

 

雫「一刀様は!・・・・ひっぐ・・・・何も悪くないんです!!・・・・ぐすっ・・・・・お願いですから!!一刀様をこれ以上追い詰めないでください!!!」

 

ここまでくるともはや絶叫だろう

 

雫「いやです!!いやいやいやいやいや!!!イヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

支離滅裂になった雫はひたすらに叫び続けた

 

悠「すまん!雫!」

 

ガッ!!

 

雫「うっ!?」ガクン

 

悠の手刀を延髄に受けて、雫は悠の腕の中で気絶した

 

霞「な!?悠!?なにすんねん!?」

 

嵐「いくらなんでもこれはないだろう!」

 

悠「後でいくらでもお叱りを受けてやるよ、あたしは雫を部屋に連れて行く、一刀のことはそっちで決めてくれ、あたしはあんたらの方針に従うよ」

 

菖蒲「わたしも行きます!」

 

流琉「わたくしも!」

 

そう言って悠は雫をおんぶし菖蒲と流琉とともに玉座の間を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華琳「・・・・・面食らったわね」

 

月「あんな雫さん、初めて見ました・・・・・」

 

詠「あの子は、本当に一刀にぞっこんだから・・・・・」

 

華琳「・・・・・雫のことは、あの子達に任せましょう・・・・・華佗、続きをお願い」

 

華佗「ああ、なにも一刀を殺す必要は無いんだ、せいぜい気絶させる程度でかまわない」

 

恋「・・・・・難しい・・・・・けど、分かった」

 

華琳「すまないわね、恋」

 

月「お辛い役目を恋さんにばかり押し付けて・・・・・力の無いわたしをどうかお許しください・・・・・」

 

葵「それじゃあ、俺達は北郷の行方をもう一度捜すことにするよ、翠!蒲公英!行くぞ!」

 

翠「ああ!」

 

蒲公英「うん!お兄様を絶対探し出すんだから!」

 

華琳「葵!今の一刀には見つけても手を出しては駄目よ!」

 

華佗「そうだな、間違ってもこっちから手を出してはならないぞ」

 

葵「ああ分かった!」

 

風「風達も行くのです~!」

 

稟「ええ!」

 

詠「徐栄!張済!行くわよ!」

 

徐栄「はっ!」

 

張済「ははっ!待っていてくださいよ、兄上」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは蜀の成都

 

 

 

 

 

 

桃香「朱里ちゃん!一刀さんは見つかった!?」

 

朱里「残念ながら、有力な情報は届いておりません・・・・・」

 

雛里「こちらもです・・・・・」

 

桃香「・・・・・そっか」

 

赤壁の戦いから一ヶ月の後、桃香達は蜀へと帰国し一刀の捜索を続けていた

 

しかし、こちらでも目新しい情報はなかなか入ってこなかった

 

愛紗「桃香様、ただいま戻りました」

 

桃香「お帰りなさい、愛紗ちゃん、星ちゃん・・・・・で、どうだったの?」

 

星「・・・・・申し訳ありません、一刀殿の行方は全く掴めませんでした」

 

桃香「・・・・・そう・・・・・」

 

焔耶「・・・・・桃香様・・・・・」

 

力なく項垂れる桃香に焔耶が声を掛けようとした、その時

 

 

 

 

白蓮「桃香!一刀を見つけたぞ!」

 

玉座の間に勢いよく入ってきた白蓮に視線が集まる

 

桃香「白蓮ちゃん!それで・・・・・って、どうしたの!?そんなにボロボロになって!?」

 

そう、白蓮の格好は敗残兵といってもいいほどボロボロだったのだ

 

白蓮「どうしたもこうしたもない、一刀にやられてこうなったんだ」

 

桃香「ええ!!?」

 

焔耶「なに!?」

 

朱里「はわわ!?」

 

雛里「あわわ!?」

 

愛紗「そんなばかな!?」

 

星「いったいどういうことなのです!?説明をしていただきたい!?」

 

白蓮「それは移動しながらする!とにかくわたしと一緒に南広に来てくれ!」

 

桃香「・・・・・うん!分かったよ!」

 

愛紗「・・・・・分かった!」

 

星「承知!」

 

朱里「はい!」

 

雛里「わかりましたでしゅ」

 

焔耶「・・・・・どういうことだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、蜀一同は南広へ馬を飛ばした

 

桃香「それで白蓮ちゃん、一刀さんにやられたってどういうこと?」

 

白蓮「ああ・・・・・わたしも未だに自分の目を疑っている・・・・・南広で一刀が賊を討っている情報を聞いて俺達は急いで向かったんだが、現地に着いてあいつに声を掛けた途端に襲い掛かられたんだ」

 

愛紗「・・・・・そんな・・・・・そんなばかなことがあってたまるか!!!」

 

白蓮「わたしだって信じられないさ!けど今言ったことは紛れもない真実だ!」

 

愛紗「・・・・・そんな・・・・・」

 

白蓮「とにかく、今のあいつは普通じゃない、今は鈴々と桔梗と紫苑があいつを何とか抑えている、急ごう!」

 

桃香「う、うん!」

 

そして桃香達はさらに馬を飛ばした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「・・・・・なに、これ・・・・・」

 

愛紗「こんなことが・・・・・」

 

星「これを一刀殿がやったのか?・・・・・」

 

焔耶「我が国の精鋭達が・・・・・」

 

朱里「あわわ・・・・・」

 

雛里「はわわ・・・・・」

 

そこには、蜀が誇る張飛隊、厳顔隊、黄忠隊の死体の山が築かれていた

 

 

 

 

 

ガキーーーーーーーーーーン!!!

 

 

 

 

 

星「!!?こっちか!」

 

桃香「一刀さん!」

 

愛紗「一刀様!」

 

桃香達は剣戟の音がした方へ馬を向けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・・っ」

 

バチーーーーーーーーーン!!!ギャリャーーーーーーーーーン!!!ガギャーーーーーーーーーーン!!

 

鈴々「にゃにゃーーーーーーーー!!!??お兄ちゃん!!もう止めるのだ!!」

 

一刀の斬撃を受けすぎて、鈴々の八尺蛇矛は既に真っ二つになりボロボロの状態となっていた

 

桔梗「鈴々!避けろ!!」

 

鈴々「にゃっ!!」

 

桔梗「うおおおおおおおおおお!!!」

 

ドンドンドンドン!!!

 

鈴々がその場を離れ桔梗が豪天砲を乱射する

 

しかし

 

ドカーーーーーン!!ドカーーーーーン!!ドカーーーーーーン!!ドカーーーーーーン!!

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

桔梗「くっ!これもかわすか!?」

 

一刀は豪天砲の弾がどこから来るのか初めから解っているかの様に最小限の動きでかわしていく

 

しかもその動きはなんとも不気味である

 

まるで分身の術のように、一瞬消えたと思ったらまたそこに現れるような動きである

 

紫苑「(一刀さん、ごめんなさい)」

 

動きの止まった一刀を後ろの岩山から紫苑が狙う

 

目標は一刀の左肩、殺気を殺しなるべく急所を避けて愛弓颶鵬を絞る

 

しかし

 

キイン!

 

紫苑「な!?」

 

一刀は後ろ向きのまま忠久で紫苑の矢を叩き落とした

 

一刀「・・・・・っ」

 

ズバン!!

 

紫苑「きゃあああああああああ!!!」

 

振り向きざまに一刀は紫苑の居る岩山に向かって黒い邪氣の斬撃を放つ

 

岩山から紫苑が滑り落ちてくるが、なんとか着地する

 

桔梗「紫苑!無事か!?」

 

紫苑「大丈夫よ!今は一刀さんに集中して!」

 

桔梗「分かった!」

 

鈴々「お兄ちゃ~~ん、どうしちゃったのだ~~~・・・・・」

 

鈴々も桔梗も紫苑もすでにボロボロだった

 

一刀「・・・・・っ」

 

鈴々「にゃっ!!?」

 

桔梗「鈴々!!」

 

紫苑「鈴々ちゃん!!」

 

一瞬で鈴々との間合いを詰めた一刀が忠久を振り下ろす

 

鈴々「(お兄ちゃん)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思わず目を瞑ってしまう鈴々

 

そして目を開けて最初に飛び込んできたのは

 

星「くっ!~~~~~~っ・・・・・一刀殿!・・・・・っ!」

 

自分を庇い、一刀の忠久を受けた星の後姿だった

 

桃香「一刀さん!!」

 

愛紗「一刀様!!」

 

焔耶「おい!何をやっているんだ!?貴様は!!」

 

一刀「・・・・・?」

 

それでも一刀は首を傾げるだけで無表情である

 

桃香「そんな・・・・・一刀さん!どうしてしまったんですか!?」

 

愛紗「一刀様!?・・・・・一刀様!!」

 

白蓮「桃香!愛紗!今のあいつには何を言っても無駄だ!」

 

シュバババ!!

 

一刀「・・・・・っ」

 

後ろから紫苑の正確無比の矢が飛来するがそれをもかわす一刀

 

桃香「紫苑さん!止めてください!」

 

紫苑「桃香様!白蓮ちゃんの言うとおりです!今の一刀さんは普通ではありません!」

 

一刀「・・・・・っ」

 

ブヲオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

次の瞬間、一刀から黒い氣が溢れ出す

 

星「っ!?・・・・・なんという禍々しい氣だ・・・・・」

 

愛紗「・・・・・本当に、あの一刀様なのか・・・・・」

 

桃香&朱里&雛里「「「(ガタガタガタガタ!!!)」」」

 

一刀から放たれる殺気に桃香、朱里、雛里は身体の芯から震え上がった

 

相変わらず一刀は無表情だが、かえってそれが更なる恐怖を生み出す

 

星「・・・・・こうなれば、全員で一刀殿を押さえ込むぞ!!」

 

紫苑「ええ!」

 

桔梗「いさい承知!」

 

焔耶「白蓮!鈴々を連れて行くんだ!」

 

白蓮「分かった!」

 

愛紗「そんな、みな何を言っているんだ?一刀様は蜀の恩人だぞ、その御方を傷つけるなんて・・・・・」

 

星「愛紗!現実を見ろ!何があったかは知らないが、今の一刀殿は敵として我らの前に立っている!武器を取らねば殺されるぞ!!」

 

愛紗「・・・・・・・・・・」

 

星に諭され自分の愛刀、青龍堰月刀を構えようとするが、身体に力が入らない

 

愛紗「(一刀様と戦う?一刀様は蜀の恩人だぞ・・・・・それに・・・・・一刀様は、わたしの・・・・・・・・・・)」

 

星「(愛紗は無理か)桔梗!紫苑!焔耶!行くぞ!!」

 

桔梗「おう!!」

 

紫苑「はぁぁぁぁあああああああ!!!」

 

焔耶「どっせーーーーーーーーーーい!!!」

 

星、桔梗、紫苑、焔耶は一斉に一刀に襲い掛かる

 

しかし

 

ガキイイーーーーーーーーイン!!ドゴーーーーーーーン!!!シュババババババ!!!チイイイーーーーーーーイイン!!!

 

キイイーーーーーーーーイイン!!!ガキイーーーーーーーーーンン!!!ドカンドカンドカーーーーーーーーン!!!

 

蜀の武将達が誇る連携を一刀は無表情のまま捌いていく

 

星「(くっ!?わたしも一刀殿と別れた後より一層鍛錬をしてきたつもりだが、まるで実力の差が埋まった気がしない)」

 

焔耶「(涼しい顔しやがって、わたし達の努力を何だと思っているんだこいつは!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから約一刻

 

星「はぁ・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・」

 

紫苑「くうううううぅぅぅぅぅ・・・・・」

 

桔梗「ぜはぁ~~~~・・・・・ぜはぁ~~~~・・・・・」

 

焔耶「ううぅぅぅ・・・・・くそぉ・・・・・」

 

星、紫苑、桔梗、焔耶は見るも無残な状態だった

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

四人を無視し、一刀は愛紗に迫る

 

愛紗「・・・・・一刀様・・・・・」

 

愛紗は一刀を見る

 

一刀の目に光は無く、自分を見ているとはとても思えない

 

おまけに最後に見た時よりはるかに痩せていて、一瞬見ただけではかろうじて一刀と識別できるほどに変わり果てていた

 

愛紗「・・・・・一刀様!目を覚ましてください!」

 

一刀「・・・・・・・・・・?」

 

愛紗「一刀様!昔のあなたに!あの優しい一刀様に戻ってください!!」

 

一刀「・・・・・・っ」

 

ガキイーーーーーーーーーーイン!!!

 

愛紗「きゃああああああ!!!??」

 

桃香「!!??愛紗ちゃん!!?」

 

朱里「愛紗さん!?」

 

雛里「ああ・・・ああああ・・・・・・」

 

一刀の斬撃を何とか受けるが、たったの一撃で愛紗は尻餅を付いてしまった

 

愛紗「・・・・・くっ!」

 

追撃が来ると予想し愛紗は身構える

 

だが

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

一刀はそのまま後ろを向き、去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「・・・・・一刀様・・・・・わたしが・・・・・お嫌いになったのですか?・・・・・」

 

桃香「愛紗ちゃん!大丈夫!?」

 

愛紗「・・・・・・・・・・」

 

桃香に話しかけられたにも拘らず、愛紗の目は虚ろだった

 

星「・・・・・これは、暫くそっとしといたほうがいいでしょう・・・・・しかし、一体どうしてしまったのだ、一刀殿は・・・・・」

 

白蓮「だから言っただろう、今のあいつは普通じゃないって」

 

鈴々「あの黒い氣・・・・・お兄ちゃんの氣とは思えないのだ・・・・・」

 

桔梗「・・・・・しかし、なぜ一刀殿は愛紗を殺さなかったのだ?」

 

紫苑「それもそうね、一刀さんの実力だったら、ここにいる将を全て亡き者にできたと思うんだけど」

 

焔耶「・・・・・・・・・・」

 

朱里「・・・・・もしかして、殺気が無かったからではありませんか?」

 

桃香「・・・・・え?」

 

雛里「一刀様は、自分に対して殺気を向ける者しか襲わないのかもしれません」

 

星「・・・・・確かに、先ほどの我々は一刀殿にボロボロにされて戦意を失ってしまいましたからな」

 

桃香「それじゃそれじゃ!今度は一刀さんに武器を持たないで話しかけてみようよ」

 

朱里「はわわ!?桃香様お待ちください!!」

 

雛里「あわわ、私達の言った事は仮説に過ぎません」

 

焔耶「そうです!武器を携帯せずに近づいて、もし桃香様があいつに切られてしまったらどうするんですか!?」

 

桃香「そんなこと無いよ!一刀さんはそんなこと「言いきれますかな?」・・・・・星ちゃん?」

 

星「朱里と雛里の仮説、私は間違っていると思う・・・・・実際、一刀殿と対峙した愛紗は武器を持っていたとはいえ殺気は無かった、それなのに一刀殿は躊躇い無く愛紗を攻撃したんだ」

 

朱里「・・・・・・・・・・」

 

雛里「・・・・・・・・・・」

 

紫苑「桃香様、今の一刀さんは今までの一刀さんではありません」

 

桔梗「さよう、あのような狂気に染まった氣は今まで見た事が無いですからのぅ」

 

朱里「・・・・・とにかく、このことを孫策さんにも知らせなければなりません」

 

雛里「すぐに呉に使いを出しましょう」

 

愛紗「朱里、雛里・・・・・その使いわたしが引き受けた」

 

桃香「愛紗ちゃん?」

 

愛紗「わたしは、なんとしてでも一刀様がああなってしまった理由を知りたい・・・・・そして、一刀様を元に戻したいんだ・・・・・」

 

鈴々「愛紗が行くなら鈴々も行くのだ!」

 

星「ふぅ・・・・・一度言い出したら聞かないか・・・・・こうなればわたしが行かないわけにはいくまい」

 

紫苑「あら、わたしを仲間外れにしちゃいやよ」

 

白蓮「わたしも連れて行け!桃香!」

 

桔梗「ワシも参りますぞ!桃香様!」

 

焔耶「桔梗様が行くなら、わたくしも・・・・・」

 

桃香「みんな・・・・・うん!そうだね!みんなで一緒に呉に行こう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、桃香達は一度成都へ戻り事後処理を済ませ、呉へと旅立った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは建業の玉座

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明命「雪蓮様!」

 

冥琳「明命!?北郷を見つけたのか!?」

 

明命「はい!一刀さんは荊州江夏にて、水賊を討っている模様です!」

 

蓮華「ようやく見つけたわ、一刀」

 

純夏「まったく、探すこっちの身にもなりなさいよ」

 

思春「まったくだ、ここ数ヶ月、ろくに休みも取れなかったぞ」

 

小蓮「ようやく一刀に会えるんだね♪」

 

百合「待ち遠しかったです~♪」

 

冥琳「それではすぐに江夏に「待て!冥琳!」・・・・・祭殿?」

 

祭「策殿、いかがいたした?」

 

雪蓮「・・・・・・・・・・」

 

妙に静かだと思ったら、雪蓮はようやく手に入れた一刀の情報を聞いたにも拘らず黙り込んでいた

 

冥琳「雪蓮?どうしたんだ?」

 

雪蓮「・・・・・冥琳」

 

冥琳「ん?」

 

雪蓮「江夏へは、シャオは連れて行かないで」

 

冥琳「雪蓮?」

 

小蓮「ちょっと!?お姉ちゃん!?シャオも一刀に会いたいよ!?」

 

蓮華「一体どうしたというのですか?お姉様」

 

雪蓮「私の勘がね、今までで一番騒いでいるのよ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                            危険だって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪蓮「今回、江夏へはシャオ・・・・・それと、蓮華も連れて行かないわ」

 

蓮華「っ!!??何故ですか!!?お姉様!!」

 

雪蓮「蓮華、今回ばかりはあなたを連れて行くわけにはいかないわ」

 

蓮華「嫌です!!わたしは、今すぐにでも一刀に会いたいんです!!!」

 

雪蓮「・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

蓮華「・・・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

暫く雪蓮と蓮華の睨み合いが続く

 

亜莎「(こここ、怖いです~~)」

 

穏「(雪蓮様~、蓮華様~、勘弁してくださいです~)」

 

雪蓮と蓮華の迫力に亜莎と穏はたじたじである

 

そして

 

雪蓮「・・・・・はぁ・・・・・分かったわよ」

 

蓮華「お姉様!」

 

雪蓮「ただし、シャオは本当に駄目だからね、付いてこようとしたら、ここに縛り付けていくわよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

小蓮「うっ!?・・・・・分かったよ、お姉ちゃん・・・・・」

 

雪蓮「よろしい♪」

 

有無を言わせぬと言わんばかりの雪蓮の覇気に小蓮が敵うはずも無かった

 

祭「権殿も成長なされたの~♪」

 

雪蓮「恋する乙女は強いって言うけど、その通りね♪」

 

蓮華「お姉様!////////////」

 

純夏「はいはい!早くしないと一刀が江夏から出てしまうわよ!」

 

冥琳「分かっている!・・・・・百合!すまないが、御主は河南の美羽にこのことを伝えてくれ!」

 

百合「うう~~~~・・・・・分かりましたぁ~~~・・・・・」

 

百合も一刀には会いたかったので、その落ち込みようはかなりのものであった

 

祭「美羽達には悪いのう」

 

亜莎「こればかりは仕方ありません・・・・・」

 

穏「はい~、美羽ちゃん達も連れて行ってあげたいですがぐずぐずしていられませんので~」

 

雪蓮「そうね、明命!案内して頂戴!」

 

明命「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一同は、長江の江夏川岸に辿り着いた

 

しかし、着いて真っ先に見た光景は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪蓮「・・・・・これは・・・・・」

 

冥琳「・・・・・・・・・・」

 

蓮華「これを全部、一刀がやったの?・・・・・」

 

思春「・・・・・・・・・・」

 

上流からはこの辺りを闊歩していた水賊達の亡骸やその水賊が使っていたであろう船の残骸が流れてきていた

 

中には、一刀の氣の斬撃によるものであろうか、真っ二つになった船も見えた

 

純夏「改めて、山賊狩りとしての一刀の実力を思い知らされるわね・・・・・」

 

明命「凄まじい光景です・・・・・」

 

亜莎「これが山賊狩りの一刀様の力・・・・・」

 

穏「もはや驚く気にもなりませんね~・・・・・」

 

一同が長江に流れる狂気に目を奪われていると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!??」

 

突然上流から悲鳴が上がる

 

雪蓮「みな!!行くわよ!!」

 

雪蓮の合図と共に一同は上流へ馬を走らせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!!??」

 

目を見開く一同

 

たった今、目の前で賊の物であろう船が真っ二つになったのだ

 

シュン!     スタッ!

 

真っ二つになった賊の船から一刀が飛び出し、岸に着地する

 

「「「「「助けてくれーーーー!!!誰か助けズバシャーーーーーーーーーン!!!・・・・・」」」」」

 

溺れる水賊達に向けて邪氣の斬撃が叩き込まれ、水賊達は物言わぬ屍となり川底へと沈んでいった

 

チンッ

 

そして、一刀は忠久を鞘に納める

 

蓮華「お願い一刀!!もう止めて!!」

 

思春「おい!!貴様は殺すしか能がないのか!!?」

 

純夏「いい加減腰を落ち着けなさい!!一刀!!」

 

祭「お主一人が手を汚してなんになる!!冷静にならんか、たわけが!!」

 

冥琳「北郷!!もうそれくらいでよい!!」

 

明命「一刀さん!!これ以上御自身を追い詰めないでください!!」

 

亜莎「もう疲れたでしょう!!?一刀様!!」

 

穏「休んでいいんですよ~、そんなに気を張っても意味無いです~」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

一同は後姿の一刀に話しかけるが、一刀は無反応だった

 

蓮華「?・・・・・一刀?」

 

純夏「どうしたのよ?一刀・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・・・・・・?」

 

ゆっくりとこちらを向く一刀

 

蓮華「っ!!?・・・・・一刀?・・・・・」

 

思春「なっ!!?・・・・・」

 

純夏「・・・・・一刀?・・・・・」

 

冥琳「北郷・・・・・なのか?・・・・・」

 

祭「どうなっておるんじゃ・・・・・」

 

明命「え?・・・・・一刀さん?・・・・・」

 

亜莎「・・・・・一刀・・・・・様?・・・・・」

 

穏「・・・・・一刀さん?・・・・・」

 

振り向かれたその瞳に光は無く、こちらを向いているのにこちらを見ていない

 

まるで空っぽの器の一刀がそこに居た

 

そして、一刀はその場を去ろうとする

 

雪蓮「(はぁ・・・・・私の勘て、どうしてこうも悪い方ばっかりに働くのかしら?)」

 

既に雪蓮は、南海覇王を抜き一刀との距離を詰めていた

 

チャキ

 

そして、雪蓮は一刀の右の首筋に南海覇王の刃を突き付ける

 

蓮華「っ!!?お姉様!!?」

 

純夏「雪蓮!!?何をするの!!?」

 

思春「雪蓮様!!?」

 

冥琳「おい、雪蓮!!?」

 

明命「はうあ!!?雪蓮様!!?」

 

祭「何のつもりじゃ!!?策殿!!?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

しかし、一刀はその刃に殆ど関心なく沈黙し続けている

 

雪蓮「一刀・・・・・あなた、どうしちゃったの?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

雪蓮「・・・・・・・・・・」

 

辺りを支配するのは長江の川のせせらぎだけ

 

そんな中

 

ガキイイーーーーーーーーーーーーーーーイン!!!!!

 

雪蓮「ぐうううっ!!!」(ビリビリビリビリ!!)

 

辺りに凄まじい剣戟の音が鳴り響く

 

一刀が振り向きざまの抜刀術で雪蓮を吹っ飛ばしたのだ

 

雪蓮は、自慢の勘でなんとか一刀の攻撃を防ぐが、体の芯にまで振動が走る

 

亜莎「雪蓮様!!?」

 

穏「一刀さん!!?」

 

明命「何をするのですか!!?一刀さん!!」

 

雪蓮「みな!!一刀は壊れているわ!!何を言っても無駄よ!!」

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・っ」

 

ブヲオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、一刀からドス黒い氣が放出される

 

蓮華「ええええ!!!?」

 

思春「なにぃ!!?」

 

純夏「ちょっと!!本当に一刀なの!!!?」

 

祭「あやつからこんな禍々しい氣が出るとは・・・・・」

 

明命「あううう~~~~~」

 

冥琳「・・・・・・・・・・」

 

亜莎「穏様~~、怖いです~~~」

 

穏「わたしだって怖いです~~~~」

 

呉の一同がそれぞれの獲物を構え一刀と対峙しようとしたその時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「やい!!!山賊狩りの北郷!!!」

 

「!!!???」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

突然上流から声がしたかと思えば

 

???「俺の子分達をよくもやってくれたな!!!万倍返ししてやるぜ!!!」

 

思春「あいつは・・・・・珪帥(けいすい)!!?」

 

蓮華「知っているの!?思春!?」

 

思春「はい、わたくしが江賊だった頃よくこの辺りで争っていた、別の水賊の奴らです」

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

珪帥「はーーーーーっはっはっはっはっは!!!びびって声も出ないか!!!?今回はさっきのようには行かないぜ!!!なんせさっきの5倍の子分達を連れてきているからな!!!・・・・・てめーーーら!!仲間の敵を討ってやれ!!!!」

 

「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」」

 

そして、無数の水賊船が一刀へと突撃を敢行する

 

しかし

 

 

 

 

 

 

 

ズバン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

珪帥「はーーーーーっはっはっはっはっは・・・・・へ?」

 

一刀の黒い邪氣の斬撃が珪帥の隣の船を真っ二つにする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・・・・・・っ」

 

ズバギャーーーーーーーーーーーン!!!!!バガアアーーーーーーーーーーーーーーアン!!!!!

 

ドバキャアアーーーーーーーーーーアン!!!!!ズガアアアアーーーーーーーーーーアアン!!!!!

 

「「「「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」」」」」」

 

水賊船の中に飛び込んだ一刀は、次々と船および水賊達を戦闘不能にしていった

 

雪蓮「ちょっとちょっと・・・・・」

 

蓮華「一刀・・・・・やりすぎ・・・・・」

 

思春「わたしも江賊だった頃があるからな、同情は禁じ得ない・・・・・」

 

純夏「これじゃ賊の方が可愛そうよ・・・・・」

 

冥琳「これではまるっきり虐めだぞ・・・・・」

 

祭「おいおい・・・・・」

 

明命「うわわわわわ~~~~」

 

穏「赤壁で一刀さんが敵でなくて本っ・・・・・当によかったです~~~!!」

 

亜莎「・・・・・・・・・・」(ぽか~~~~~~~~ん)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

珪帥「あがああああああ!!・・・・・お、俺が悪かった・・・・・だから命だけズバン!!・・・・・」

 

最後に珪帥の首を落とし、一刀は長江から姿をくらました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥琳「・・・・・賊の事はこの際どうでもよかろう」

 

雪蓮「そうね、問題は一刀の方ね・・・・・」

 

蓮華「どうしてしまったの?一刀」

 

純夏「さっきの一刀は、どう考えても異常よ・・・・・」

 

思春「この世のものとは思えない氣を纏っていたしな」

 

祭「おそらくあやつは、あまりにも人を斬り過ぎて、精神が壊れてしまったんじゃろうな」

 

穏「そんな~・・・・・」

 

亜莎「・・・・・何とかなら無いんですか?」

 

雪蓮「わたし達だけじゃ解決方法は分からないでしょ」

 

冥琳「悔しいが雪蓮の言う通りだ・・・・・ここは一旦建業へ戻ろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪蓮達は今後の対策を立てる為に建業へと引き返した

 

そして、桃香達も雪蓮達と合流し一同はそれぞれの情報を交換し合ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

許昌

 

 

 

 

 

 

翠「華琳!月!北郷は、今度は泰山にいるらしいぞ!」

 

華琳「そう・・・・・とうとうこの時が来たのね・・・・・」

 

聖「・・・・・・・・・・」

 

葵「・・・・・・・・・・」

 

月「・・・・・恋さん、お辛いでしょうがやってくれますか・・・・・」

 

恋「・・・・・・・・・・(コク)」

 

音々音「恋殿ぉ~~~~~・・・・・」

 

憂鬱そうな恋を見て音々音は表情を濁す

 

流琉「あの、華陀さん、本当にこの手しかないんですか?」

 

華佗「・・・・・なんとも言えない・・・・・だが、このまま一刀を野放しにするわけにもいかないんだ」

 

季衣「それは分かるけど~~・・・・・」

 

華琳「・・・・・・・・・・」

 

聖「・・・・・・・・・・」

 

月「・・・・・・・・・・」

 

一同に沈黙が訪れる中

 

悠「よう・・・・・相変わらず暗いな・・・・・」

 

悠が玉座の間に入ってくる

 

月「悠さん・・・・・雫さんはどうですか?」

 

悠「大分落ち着いている」

 

華琳「そう・・・・・」

 

悠「今は、菖蒲と詠と沙和が見ている、華陀の薬もあるしすぐによくなるさ」

 

月「・・・・・よかったです・・・・・」

 

悠「・・・・・やっぱり、作戦通りに行くのか?」

 

秋蘭「そうだな、北郷を見つけたらいきなり恋をぶつける、うまく行けば一瞬で片がつく」

 

悠「だが、最悪の場合・・・・・」

 

春蘭「そうだな・・・・・我々は、北郷を殺すことになる・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

玉座の間の空気が更に重くなる

 

翠「なあ、あまり時間をかけると北郷の奴、泰山から居なくなっちまうぜ」

 

華琳「・・・・・ええ」

 

月「はい、参りましょう・・・・・」

 

悠「あたし達は、雫が治り次第後を追う」

 

華琳「分かったわ、みな!行くわよ!」

 

春蘭「・・・・・はっ!」

 

秋蘭「はっ・・・・・」

 

季衣「・・・・・はい」

 

流琉「はい・・・・・」

 

凪「・・・・・はっ」

 

真桜「・・・・・ほいさ~~」

 

桂花「はっ!」

 

稟「はっ・・・・・」

 

風「御意です~・・・・・」

 

零「ははっ!」

 

 

 

 

 

 

月「皆さん、行きましょうか」

 

霞「ああ」

 

嵐「・・・・・はっ!」

 

恋「・・・・・・・・・・(コク)」

 

音々音「・・・・・行くです・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

葵「・・・・・聖様、よろしいですか?」

 

聖「・・・・・うむ」

 

翠「・・・・・北郷・・・・・」

 

蒲公英「・・・・・お兄様・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これほどまでに暗く、気の進まない出陣は未だかつて無いだろう

 

恋は、一刀の龍滅金剛刀を背負い一同と共に泰山へと赴いていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      次回、泰山での決戦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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