火憐「諸君!!休暇は欲しいか?」
いきなりそう言ったのは俺の母親、北郷火憐。そしてここは、母さんが女将を務める実家の旅館『恋謳館(れんおうかん)』
今は毎朝行わる早朝ミーティング中
仲居A「え、えっと・・・・どういうことでしょうか?」
火憐「とりあえず、欲しいかどうかを言ってくれないかしら?別に怒ったりしないから」
にっこりと笑顔で答える火憐。しかし、逆にそれが怖いと思う仲居一同。
仲居B「え、えっと。頂けるのであれば、欲しいですけど・・・・」
そこで、勇者が現れた、と誰もが思った。
仲居B「でも、この時期は無理じゃないですか?」
そう、この時期。夏休みシーズンはどこの観光地でも稼ぎ時。この恋謳館も例外ではない。
火憐「実は、色々あって大量に労働力が手に入ってね。その子達は素人だから、みんなにはシフトを組んでもらってその子達の教育係をやってもらいたいのよ」
火憐は仲居たちに桃香たちのことは詳しく説明せずに話した。
つまりはこれが源蔵の考えたいいアイディアである。
時間は少し遡って、冒頭の前日・・・
一刀「あの・・・・それで、いいアイディアって?」
火憐「うちで働きなさい」
突然そのようなことを言われ、俺を含めた全員が頭に?マークがついていた。
一刀「えっと・・・・もう少し詳しく教えてくれない?」
火憐「これだけの人数にタダ飯、タダ宿を提供する余裕はないということよ。だから国ごとにローテーションを組んで、1日ごとにうちの旅館と道場を回ってもらうわ。ちなみに残りの一つは休みね。この辺の観光でもしなさい」
一刀「それが、爺ちゃんのいいアイディア?」
源蔵「そうじゃよ」
そういうことらしい・・・。まぁ確かにいいアイディアではあるけど・・・・大丈夫か?思春とか桂花とか音々とか詠とか
・・・・ダメだ。ろくなイメージが沸いてこない。
一刀「いや・・・あの、母さん」
火憐「何?」
一刀「考え直したほうが・・・・・・」
火憐「まぁ、王族とかそういうのがあったりするからでしょ?一刀、それと葵ちょっと席外しなさい」
一刀「え?うん。わかった」
母さんに席を外すように言われ、俺たちは部屋を出た。
火憐「さてっと。最初に聞かせてね。あなたたちは一刀のことが好きなのよね?」
ストレートな火憐の質問に「その通り」と答える者もいれば、顔を赤く染め伏せてしまう者、いやいやないないという顔をする者。
火憐「まぁ、どこがいいのかなんていちいち聞くのは面倒だから聞かないけど、好きってことは結婚とかも考えたりしているわけよね?」
“結婚”という単語に全員が反応をした。ないないという顔をしていた者たちも少なからず意識はしていたようだ。
火憐「んで、結婚したら私はどうなるのかしら・・・・?」
桃香「お、お義母さん!!」
火憐「そうね。そうなるわね。いいのかしら?私にいいとこアピールしなくて」
今の火憐は歴史に名を残すほどの名軍師たちを手玉に取るほどの策士っぷりである。
数分後母さんに呼ばれて再び中に入ると、誰もが納得をして爺ちゃんのアイディアを了承していた。
母さん、一体何をどうしたというのだ・・・・・。
この時俺は、一生かかっても絶対にこの人には勝てないんだろうなぁとしみじみ思った。
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今回は全体的に短くなっているかと思います。
そして、今後キャラが増える予定です。
定番中の定番のあの属性です。
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