~再び星の部屋~
あれから、2人は取り敢えず今後のことについて話し合い、次の朝議で蜀を離れ、一刀を捜索することを表明、それで自分らの部隊を引き継ぎが終わり次第、成都から出発することを確認したが、星は
「翠、おぬし蒲公英はどうする気だ」
と確認すると、翠は少し考えたあと
「考えたが、あいつはここに置いていくよ」
と答えたが、星は
「よいのか、蒲公英はお前を実の姉の様に接してきて、それを置いていくようなまねをして」
それに翠は
「私も蒲公英を連れて行こうとは考えたが、下手をすればあてのない長い旅になってしまう、こんな無謀なことで連れて行くとは言えないよ」
と寂しい顔で言ったが、星は
「翠の言うことも一理あるがな、蒲公英も主を慕ってきた1人だ、素直に聞くとは思えないが」
とやや苦笑い気味言ったが、翠も苦笑いしながら
「蒲公英も負けず嫌いで引かないところがあるからな、どうしても引かない時は一緒に連れて行っても問題はないか?」
星「おやおや、最初から一緒に行くと言えばいいのに、どういう風の吹きまわしかな」
翠「あいつも涼州から一緒に流れてここ来たんだ、姉としたらこれ以上無理はさせたくないと言うのが心情だろ」
と言ったところ、星も感心したかのように納得した。
翠は話を変えるように
「しかし、私らが出て行くことを皆は当然反対するだろうが、その時はどうする」
と翠が尋ねると、星は寂しい顔をしながら
「その時はあまりやりたくはないが、置手紙でもして出奔するしかないだろう」
と答え、翠も同じく寂しい顔をしながら頷き同意した。
星と翠はその後、蒲公英の部屋に行き、今後のことを話し合いに行くことした。
~蒲公英の部屋~
蒲公英も一刀が居なくなり、悲しみ続け、自分の部屋の布団に潜りこみ、今も枕に涙を濡らしていた。
そこに、翠と星がやって来て、翠が
「蒲公英入るぞ」
と言って2人、部屋に入って来た。
蒲公英は翠だけ来たと思っていたが、星もいたので不思議に思い、右袖で涙を拭き
「お姉さまたちどうしたの?」
と言われると翠は意を決した様に、
「私たちは近いうちにここで出て、ご主人様を探す旅に出ることにした、蒲公英お前は、ここに残って私たちが帰ってくるのを待っていてくれ」
と言うと更に翠が、先ほど星に言った一刀の伝言(自分のキスについては恥ずかしいので省略)と続けて星が一刀の約束について説明した。
蒲公英は無言でそれを聞いていたが、話を終えると、険しい顔になり
「お姉さまらだけずるい!、私も一緒に付いて行く!」
翠は予想していた返事だったので、
「蒲公英遊びに行くじゃあないぞ、下手をしたら一生ここには帰って来れない長くてあてのない旅になるんだ、お前それでもいいのか?」
と説得を試みたが、蒲公英は戦に行くよりも真剣な顔つきになり
「そんなの分かっているよ!、大好きなご主人様が居なくなり、それでお姉さまも離れて居なくなったらもう一生会えないかもしれないよ、私は何と言われようともお姉さまらに付いて行くから」
と言いながら再び涙が出ていた。
その様子を見た翠が、諦め顔でため息を出しながら
「星、見ての通りだ、一緒に連れて行っていいか?」
星は予想していた通りで驚きもせず、
「2人じゃあ何かと大変だからな、3人いれば大丈夫だろ、よろしく頼むぞ蒲公英」
と答えると、満面の笑みで蒲公英もすっきりした顔で返事をした。
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取り敢えず第2話の続きですが、内容はあまり保障できません。
ではどうぞ。