No.209033

真・恋姫無双 魏エンド後 ~春華秋刀~ 12

mightyさん

壁|ω・`) コッソリ投稿します

2011-03-31 03:15:25 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:6950   閲覧ユーザー数:5509

〈 許昌 〉

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

「冥琳、しっかりして」

 

許昌の医療室の寝床に冥琳は呼吸を荒げ、苦しそうに横になっていた

その傍らに雪蓮が冥琳の手を握って懸命に冥琳を励ましていて、明命と思春は部屋の隅で静かに立っていた。

華琳達、魏の一員や桃香達の蜀の一員は助力しようと雪蓮に提言したが、雪蓮は『自分達の事はを気にしないで、それよりも五湖の対策を……』と断り、気にしながらも魏と蜀だけで会議をすることに。

 

「周瑜さんの容態は?」

「どうやら前から体の調子が悪かったようです、皆の前では気丈に振舞っていたようですが」

 

冥琳をここまで運んできた一刀は先程診療を終えた医者に冥琳の様子を聞くと、医者は神妙な顔をして質問に答えた。

 

「…………治せますか?」

「残念ながら私の腕では……」

 

医者は首を横に振って 「では」 と言い残し、扉の方へ歩いて行った

一刀は医者の背中を見て 「ありがとうござます」 と言ったが、医者は無言のままこの部屋から出て行った。

冥琳と雪蓮の方を見て一刀は

 

(助けなきゃ……。雪蓮があんなに頑張って冥琳を看病をしてるんだ、俺にだって何かできるはずだ!)

 

心の中で固い決意をして、一刀は医療室を出て街に向かった

街に向かえば万病に効く薬があるかもしれない

そう思った一刀の行動は早かった。

 

街の露天商が数多く並ぶ大通りに来た一刀は片っ端から露天の店に訪ね回っていた

がその答えはどれも

 

「そのようなものは取り扱っていないです」

 

という言葉ばかりだった。

もし薬があったとしても、それは城にも置いてある漢方薬ぐらいだった

数十軒店を回った所で一刀は歩を止めて、一人考え始めた。

 

(こんなに探しても見つからないか、どうしたら良いんだ?)

 

一刀は家の壁に寄りかかり考えながら前を見ていると、目の前で子供が元気よく遊んでいた。

 

(元気だな。……そういや前に育児の本を一緒に買いに行ったけ、懐かしいな……。

あれ?一緒に?誰とだ?もしかして記憶がない時に魏の誰かと行ったのかな?でも何か違うよう―――)

 

その時一刀の前ではしゃいでいた子供が転んでしまい、膝を擦りむいて血が滲んでいた。

子供は大声で泣いて、一刀は急いで子供の元に行こうとしたがすでにそこには一人の男がいた。

 

「大丈夫か、少年?」

 

片膝をついて子供の頭を撫でている男がいた。

 

 

「もう転ぶんじゃないぞ、少年!」

「うん!ありがとう、おじさん!」

 

子供は手を振りながら走り去っていた。

 

「お……おじさ!?はははっ」

 

男は子供に手を振り返しながら苦笑していた。

 

「すみません、貴方は医学の心得があるんですか?」

 

先程まで男が子供に手際よく止血し、擦りむいた箇所に包帯を巻く所を一部始終を見ていた一刀はその赤髪の男が先程鮮やかに子供の治療をしていたので、もしかしてすごい医者なのでは?と思い声をかけた。

 

「俺か?ああ、確かに俺は医者だが、それがどうかしたか?」

 

声をかけられた男はいきなり後ろから話しかけてきた一刀に笑顔で答えた。

 

「実は診てもらいたい人がいるんです!その人は一度医者に診てもらったのですが治せそうもないと言われ、今も苦し『なんだって!?それは大変だ!急いで俺を患者の元に案内してくれ!!』……診てくれるんですか!?」

 

途中で男は一刀の両肩を掴んで大声で叫んだ

そして一刀は目の前の男が冥琳を診療してくれると聞いて喜んだが、一度は城の医者に診療してもらい治せないと言われたが、一刀は目の前の男なら冥琳の事を絶対に治してくれると、そう思った。

 

「お願いします、彼女を……彼女を助けてください」

 

一刀は深々と頭を下げ、目の前の男に懇願した。

 

「頭を上げてくれ、俺は医者だ。苦しんでる人がいる限り、俺はその人達を病から助ける!!」

 

男は胸のところまで拳を上げてギュッと力強く握り、熱い想いを語った。

 

「あ、ありがとうございます!では彼女の所へ!」

「ああ!俺が絶対に治してやる、五斗米道(ゴッドヴェイドー)の力で!!」

 

一刀と男は急ぎ冥琳の元へ向かった。

走りながら一刀が男の方へ向き

 

「そういえば、あなたの名前は?」

「俺か?俺の名は華佗!」

 

 

 

 

 

コンコン

 

「雪蓮さん、冥琳さんの具合はどうですか?」

「桃香、会議は終わったの?」

 

医務室にノックの音が響いて雪蓮が返事をすると扉が開き桃香、華琳、斗詩の3名が入ってきた。

 

「別に終わってないわよ。冥琳のことが気になってどっかの王様が心ここにあらず、なんですもの」

「だって冥琳さんのことが心配だったんだもん」

 

華琳がやれやれとおでこに手を添えて言うと、桃香はちょっとむくれて反論した。

 

「これ、お見舞いのお花です」

「ありがとう。冥琳もこれを見たら喜んでくれるわ」

 

その後ろから斗詩が自分が持っていた花を雪蓮に渡していると、廊下からドドドドっと誰かが走ってることが伺えた。

 

「誰かしら?医務室の近くを走っている馬鹿は……」

 

華琳がイラッとしながら部屋の扉を開けようと取っ手をつかんだ瞬間

 

「ここだ!!」

「よっしゃーーーーーーーーーー!!!患者はどこだ!?!?」

 

勢い良く扉が開き、そこには一刀と華佗の姿が見えた。

 

「華佗、あそこで寝ている人が周瑜さんだ!」

「あれか!?よし、俺に任せろ!!」

 

あれよ、あれよと展開が早く雪蓮、桃香と斗詩はぽか~んとしてたが、いち早く雪蓮が正気に戻り

 

「……はっ!か、一刀?どうしたの?ってかこの男は誰?」

 

一刀と華佗は冥琳の隣に着くと、華佗が冥琳の手や顔を診ていて、一刀はそれを見ていたら後ろから雪蓮が話しかけているのに気付いて

 

「ああ、雪蓮!こいつは華佗って言って医者なんだ!」

 

一刀は興奮しているのか、食い気味に雪蓮に説明していた。

 

「こいつか?……違う………」

 

華佗が冥琳の肺のあたりを見て

 

「見えたぁぁぁぁ!病魔よ、そこに巣食っていたか!貴様ら病魔など、この鍼で消滅しろ!はああああああっ!!!!!」

 

華佗は叫ぶと、懐から鍼を取り出して

 

「華佗、冥琳は助かるのか!?」

「ああ!周瑜さんの病魔を見つけたぞ!後は俺の鍼で病魔を消すのみ!」

 

この時、何故か一刀は寒気を感じた。

 

(あれ?なんだろ、妙に体が寒い。特に背中が…………)

 

一刀が後ろを振り返ると

 

「あらぁ~?一刀じゃなぁ~~い?いつここに来たのかしらぁ~~~?」

 

とても良い笑顔で一刀の肩を力強く握っている我らが覇王・曹孟徳、華琳の姿が見えた。

 

「え?いや、その、さっき来たばっかりです。そういう華琳……さんは今来た…………のでしょうか?」

「いいえ~、私は初めからこの部屋にいたわよぉ~♪」

 

一刀が怯えながらも華琳に尋ねると、先程よりも強い力で肩をギュゥゥゥと握られ

 

「痛っ!……あの、華琳さん?肩がとても痛いのですが…………」

「あら、ごめんなさい。でもね一刀、私もつい今しがた痛い思いをしたのよ♪」

 

よく見ると髪型が少し乱れていて、華琳の美しい顔も少し汚れていた。

 

「でね、一刀?その経緯を聞いてくれるかしら?」

「はいぃ~~、お、俺でよかったら………」

 

終始笑顔の華琳なのだが、断ったら死が待ってる!と思った一刀は華琳の話を聞く事になった。

 

「私たちが雪蓮と話していると、急に廊下の方から〝誰か〟が走ってる音が聞こえてきたの。それで私がうるさいから注意をしようと扉を開けようと…………あら、どうかしたのかしら一刀~?」

「イエ、ナンデモ」

「そう?それで私が扉の取っ手をつかもうとした瞬間に急に扉が〝ノック〟もなしにすごい速さで開いて………って一刀、汗が凄いわよ?まぁ、続けるわね………それでその扉が迫ってきたのだけれども、気付いたときには遅くて、私挟まれたのよ♪」

 

一刀は気づいたのかブルブルと震えだし、この先に起こることを想像したら冷や汗が止まらなかった。

 

「あれ、痛かったわぁ。かz『すみませんでした!!』…どうして一刀が謝るのかしら?」

「スミマセン、スミマセン!それをヤッたのは自分です、本当にスミマセン!!」

「………私が許すと思う?」

 

華琳は今までで一番の笑顔をして一刀に聞くと

 

「思いません」

 

一刀も今までで一番の(ry

 

そんなやり取りの中で華佗は目を閉じて精神を集中している中、その後ろで

『華琳さん!手はそんなに曲がらn――!顔はもっと曲がr―――!!それ以上は、アッーーーーーーーーーーーーー!!!!』

 

等の会話は華佗には一切聞こえてません!その片隅で桃香と斗詩が震えてるはご愛嬌…………

雪蓮は冥琳のことで華佗から目が離せない状況。

華佗の目がカッと開くと、そしてその後ろで

『あ、あれ?意外とクセに、フフフ………、ってなるかぁ!痛い物は痛い!!

え?華琳さん?机の上に登って何を………ってそれはプランチャァァアッーーーーーーーー!!!』

華佗の耳に(ry

 

「我が身、我が鍼と一つなり!一鍼同体!全力全快!病魔覆滅! げ・ん・き・に・なれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 

上に掲げた鍼を冥琳の肺の当たりに突き刺すと、光が辺り一面に輝きだした。

その光に驚いたのか一番近くにいた雪蓮は小さな悲鳴を上げるが光を手で防いで、桃香と斗詩は華佗から離れた場所にいたため、手で防ぐほど眩しくはなかったが光で冥琳は見れなかった

一刀と華琳は華琳が一刀にソビエト連邦の赤いサイクロンの二つ名を持つ、某赤パンレスラーの得意の投げ技を繰りだそうとしてる所だったのだが急に眩しくなったためそちらに気を取られていた。

 

「病魔……退、何だと!?」

 

鍼が冥琳に刺さっていると弾き返されたように鍼が体から抜けて光が収まっていった。

 

「馬鹿な!?俺の鍼が…………五斗米道が通用しないだと…………」

「貴方、冥琳は、冥琳は助かったの!?」

 

数歩後退した華佗に近くにいた雪蓮が華佗に詰め寄ると

 

「くっ、すまない………」

「華佗!貴方この街に来ていたの!?」

 

そこにスクリュ◯パイルドライバ◯を種馬(気絶中)にキメた華琳が華佗の元へやってきた。

 

「曹操殿か。すまない俺一人の力じゃどうしようもない」

「そんな、それじゃあ冥琳さんは助からないんですか?」

 

桃香の質問に華佗は何も言わず、黙ったまま顔をうつぶせた。

 

「そんな、冥琳、冥琳ーーーー!!」

 

雪蓮は冥琳の腕を掴んで泣き叫んだ、冥琳は苦しそうに呼吸をして乾いた咳をすると、口から血が出てきてた。

 

 

 

 

 

斗詩が冥琳の口周りの血を拭きとっていると

 

「…………助ける方法は無い訳じゃない」

 

沈痛の表情をした華佗が静かに喋り始めた。

 

「周瑜殿の体を蝕んでいる病魔の場所は解っている。後はそいつを消滅させればいいのだが、そいつを消滅させられるほどの気を俺は持っていない」

「………成程、ということは貴方と同じ気を扱うものをもう一人呼べばいいのね?」

 

華佗の問いに華琳が答えると、華佗は首を縦に振った。

 

「でも気を扱う者なんて早々にいないんじゃ?蜀にはそんな娘いないし」

「そうね、呉は祭―――黄蓋が気を扱う唯一の使い手、その祭も今はこの世にはいない」

 

桃香と雪蓮が落胆していると

 

「雪蓮、桃香?貴方達二人は忘れたのかしら?」

「華琳さん?」

「華琳?」

 

華琳が二人の手を掴むと

 

「気の使い手ならすぐ傍にいるわよ」

「「あっ!?」」

「そう、我が魏軍の三羽烏の一人、凪が!」

 

華琳が微笑むと二人にも笑顔が戻ってきた、がしかし

 

「銀髪で三つ編みの娘の事を言っているのか、曹操殿?」

「ええ、そうよ。これで気の問題は解決したでしょ?」

 

華佗が華琳に質問すると、華佗は難しい顔をして

 

「いや、ダメだ」

「なっ!?どうしてダメなの!?」

「単純に気の量は申し分ないが、俺と同じくらいの気の強さを持っていなくては」

「凪は貴方ほど気の強さは無いと?」

「あぁ、俺が見た限りじゃ」

 

そこに気絶していた一刀が意識を取り戻し

 

「いたた、う~、まだ世界が回ってる~」

 

皆が集まってる所にフラフラとやってきた。

 

「周瑜さんは治ったのか?さっきスゴイ光ってたから、ってどうしたんだ皆?」

「いや、周瑜殿は治せなかった。すまん、北郷」

「華陀でも治せないのか………」

 

話を聞いた一刀も落胆し

 

「ええ、華佗と同じくらいの気の強さを持っていなきゃダメみたい。凪では気が足りないそうよ」

「そうか。………え、気?気なら俺も扱えるけど?」

「「「…………」」」

 

少しの沈黙の後に

 

「「「え~~!!」」」

 

華琳、桃香、雪蓮が驚いて叫ぶと、一刀と斗詩は耳を抑え、華佗は一刀の体を下から上をじっくりと観察していた。

 

「確かに北郷殿の体には気が流れている。しかもこれは俺と同じ、いや俺以上か?………気の量も強さも申し分ない」

「じゃあ冥琳は助かるの!」

 

華佗の一言で雪蓮が喜んだのも束の間

 

「いや、後一つ、これさえあれば周瑜殿を救えるんだ。これは中々見つからない代物だと思う、俺でさえまだ見たことないんだ」

「そんな!華陀さんが見たことないものって、それじゃあ今すぐに見つけられないんじゃ」

「華佗!それは何なんだ?言ってくれ!」

 

華佗はおもむろに鍼を取り出して皆に見えるように掲げると

 

「この鍼を打ち付ける、硬い器具だ!!」

「「「「はい?」」」」

 

4人が頭に?マークを浮かべているが華佗は構わずに喋り続けた。

 

「周瑜さんの病魔はこの鍼単体では貫けない、気の問題が解決してもその気を病魔の中核に打ち込まないと意味が無いんだ。だから鈍器でも叩く場所が平面になってなければ意味が無い」

「くそっ!せっかく気の問題を解決しても、周瑜さんを助けられないなんて!」

 

床を何度も叩いてる一刀を横に、三人の王は

 

(((硬くて…鈍器で……平面?)))

 

一緒の事を考えていた。そこへ先程、桶の水を変えに行った(いつの間にか)斗詩が帰ってきて、それをみた3人の王は一斉に声を出した。

 

「金光鉄槌!!!!!!!」

「え?え?何ですか?」

 

叫ばれた本人は困っていた。

 

 

 

 

 

「金光鉄槌ですか?」

「斗詩ちゃん、確か斗詩ちゃんの武器は槌だったよね!」

「ええ、まぁ、そうですが。それがどうかしたんですか、桃香様?」

 

斗詩は桃香の質問に答えたが未だに何が何だか解らなかった。

 

「でも斗詩は今、武器は持ってないよね?どこにあるの?」

 

一刀が桃香に捕まってる斗詩に質問すると

 

「??ありますよ一刀さん、ここに」

 

言ったそばから斗詩はどこからとも無く金光鉄槌を取り出した。

 

「どうやって出したの!?!?」

「え?そこからヒョイっとですけど……」

 

一刀以外の人たちは驚かず、さも当たり前のようにしていて、その光景を見た一刀は

 

「この世界の人達はどうやって出してるの?俺だけ?俺だけが変なの?」

 

と orz 状態になっていると

 

「顔良殿、それを見せてもらえないだろうか!」

「別に構いませんが」

 

斗詩は金光鉄槌を華佗に見せると、徐々に金光鉄槌を見ている華佗の目が炎を灯し

 

「イケル!これならイケルぞ!!」

「本当か、華佗!?」

 

いつの間にか復活した一刀が華佗の肩に手を置いて聞くと

 

「ああ!北郷殿、手伝ってくれ!!」

「北郷殿って他人行儀、止めてくれよ。俺達はもう友と呼べる仲だろ?だから俺の事は一刀って呼んでくれ!」

 

一刀が親指をグッと立てて華佗に言うと

 

「…………解った、(熱き)友よ!俺に力を貸してくれ、一刀!!」

「もちろんだ!!」

 

一刀は華佗の後ろに周り、両手の手のひらを華佗の背中に添えるように置いた。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」

 

一刀と華佗は目を閉じて静かに気を高めていき

 

「お願い一刀。冥琳を助けて」

「一刀、ちゃんと華佗の補助をするのよ(一刀……大丈夫よね?)」

「一刀さん、私信じてますから」

「え?えと、一刀さん、頑張ってください」

 

徐々に華佗の体から光が溢れ出し

 

「我が鍼よ!我と、(熱き)友の全ての力を乗せて!そして全ての病魔を滅するこの一撃!煌めけ!!五斗米道、最終奥義!!!」

 

「安全装置解除確認!!………斗詩!金光鉄槌を華佗に投げてくれ!」

 

「え、えええ!投げるんですか?い、良いんですか!?」

 

「いいから早く!!」

 

「もうどうにでもなれ、えぇーーい!!」

 

「華佗、来たぞ!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 

斗詩が投げた金光鉄槌が華佗に近づいてきて

 

 

「反魔ーーー!鼓音駆斗(コネクト)!!」

 

 

華佗は金光鉄槌の柄の部分を殴るように掴み

 

 

「超金光反魔(ゴルディオンハンマー)!!!!」

 

 

金光鉄槌は光り輝き、尋常ない程の光が溢れ出した二人はその体を金色に輝かせていた。

 

 

「ふんっ」

 

 

華佗は懐から鍼を取り出して

 

 

「うぉぉっぉぉぉっ!

 

反魔ーーー地獄(へる)!!」

 

 

冥琳の病魔に鍼を突き刺し、超金光反魔を鍼の上から叩きつけた。

叩きつけた場所から光が出て周りを照らし

 

 

「反魔ーーー天国(ヘブン)!!」

 

 

その時、超金光反魔の中心部分からバールの様なものが飛び出てきて、華佗が刺した鍼をバールで掴み

 

 

「ぅおおおおおおお!!!」

 

 

鍼を勢い良く引っこ抜くと、その鍼の先に黒くて禍々しい球体が出てきた。

華佗は黒い球体から鍼を抜き、超金光反魔を天高く持ち上げ

 

 

「はぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

 

ひ・か・り・に・なぁぁぁぁぁぁれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」

 

 

黒い球体目掛けて超金光反魔を振り下ろし、その球体は砕けると同時に医務室全体を包むほどの光が発光していた。

 

そして光が収まっていくと、安らかな寝息が聞こえていた。

 

(えええ~~~!?私の武器から何か変なの出てた!!私、あんなの知らないよ~!!)

 

 

 

部屋が光で包まれている時に一人の女性はここの外史とは別の、極めて近く限り無く遠い外史である自分の〝ある男〟の思いを受け取っていた。

 

 

そして密かにある男の記憶も戻っていた

 

 

光輝いて眩しいはずが、許昌の遠く空は黒い雲に覆われていた…………。

 

 

 

 

 

〈 五湖/帝の間 〉

 

「煉火(れんか)、三国の方はどうなっている?」

「はっ!先程、第2次三国進撃の準備が完了した所です、五帝(ごてい)陛下」

「……予定よりも随分と早く準備が出来たな、褒めて使わす」

「有難きお言葉」

 

臣下の礼をとっていた煉火が緩やかな角度の階段の先にいる豪勢で大きな玉座に座っている男、五帝と呼んだ男と会話をしていた。

 

「ふむ、よくぞこの短期間で。流石だな煉火司令。……して此度の遠征軍はどういった編成じゃ?」

 

五帝と呼ばれた男の隣に轟金(ごうき)帝将が腕を組んで立っており、臣下の礼をとっっている煉火に質問していた。

 

「はっ、轟金帝将!自分が率いる重装騎馬隊6万、那水師団長率いる盾牌剣隊8万、そして歩兵隊17万の全軍合わせて31万の編成でございます」

「31万?確か前回の遠征では4人の師団長、そして100万の兵数で攻めて撤退し、今回の兵数は半分以下の31万じゃと?」

「……煉火、どういう事だ?」

 

轟金は白いアゴ髭をかき、五帝は静かに問いただすと

 

「はい。前回は自分を含め以下師団長である羅木、那水、偲土は直属の部隊を率いていませんでした。そして魏の将軍である、夏侯惇、張遼の両名は我らが思っていた以上の武を持っており、両名の活躍でこちらは甚大な被害を受けました。ですので、連携が良くとれている那水師団長の部隊と自分の部隊で魏の将軍勢を抑えます」

 

煉火は目を瞑ったまま淡々と話した。

 

「成程、確かに歩兵隊100万では指揮系統が上手く伝わらなく、そこを敵に突かれたという事か、それで今回は直属の部隊を連れて行くという訳じゃな?」

「はっ!仰せの通りでございます」

「それならワシは異論は無しじゃな。五帝、お主は?」

「轟金が認めるのであれば我は反対はせん。ならば煉火よ、戦果を楽しみにしている」

 

そう言うと五帝は立ち上がり、玉座の後ろの扉を扉の横で待機していた兵が開けて五帝はそのままこの部屋から去っていった。

 

「……煉火よ、先の報告書を読ませてもらった」

「………」

 

轟金は階段をゆっくり降りていき、真ん中ぐらいまで降りると階段に座り煉火に話しかけた、だが煉火は黙ったままだった。

 

「一刀はどこに行っても一刀じゃな。ったく、あのバカ息子が……。それで煉火、此度の戦は何故那水を連れていくんじゃ?連携の問題だったら偲土の部隊でも良かろう?」

 

煉火は未だに顔を伏せ、黙っていた。

 

「ふん、まぁ良いじゃろ。どうせワシが先日に話した会話から那水自身が立候補したんじゃろ」

 

首を一度だけ縦に振った煉火を見た轟金は立ち上がり、階段を降りて煉火の後ろにある扉へ向かった。煉火とすれ違うときに

 

「やれやれ、まったくヤンチャなお嬢さんだ。煉火よ、那水は〝あいつ〟と会おうとするじゃろ、その時は那水の好きなようにさせてやってくれ」

 

そう言い残して轟金は部屋から出て行った

臣下の礼を解いた煉火は小声で何かを呟き、轟金と同じ扉からこの部屋を去っていった。

 

 

 

 ~ 続く ~

 

 

 

あとがき

 

どうもみなさん、お元気ですか?自分はまぁ、元気ですww

 

さて今回、初登場の華佗が出ましたww そして冥琳の治療です!

 

本当は普通の五斗米道で治そうかと思ったのですが

 

それじゃあ他の作者様と同じじゃ、ちょとつまらんと思い何かないか?

 

と思い萌将伝をプレイしていると、あら?斗詩さんが金槌持ってるではないか

 

ん?華佗、医者王、勇者王…………!?ハンマーと勇者王!

 

これを閃いた自分を褒めて欲しい(*´ω`*)

 

そしたら知らないうちに長くなって、投稿が送れたというorz

 

そして前回のアンケートの結果ですが、作者自身ビックリしました!

 

まさかこんなにも春華秋刀が読まれてるとは……

 

コメ欄にしかりメール、応援メッセージでも答えてくれるなんて(T_T)

 

ですので春華秋刀を頑張ります♪

 

そして毎度のごとくの亀更新……orz

 

こんな作者を見捨てないでください_oノZ

 

頑張って完結を目指して失踪します!!

 

 

 

 

それでは♪(*/∀\*)

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
35
6

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択