「孔融・・・か」
確か太史慈と何かしろあったんだっけか
んー・・・忘れた
「はい!字は文挙、真名は瑠璃(るり)と言います!」
「真名までいいの?」
「子義さんなら良いんです!」
「なら俺は猛、よろしくね、瑠璃ちゃん」
「よろしくお願いします、猛さん!」
ぺこりとおじぎをする瑠璃ちゃん
う~ん、元気な子だ
歳は俺と同い年ぐらいかな?
「瑠璃ちゃんって歳いくつなの?」
失礼かな・・・
いや、身体はガキなんだ。問題あるまい
「えーっとですね・・・ひぃ、ふぅ、みぃ、と・・・15歳です!」
「あ、年上なんだー」
「そうなんですか?」
「うん。俺14だもん」
「そうですかー。ふふ、少し御姉ちゃんですね、私」
ニッコリと笑う瑠璃ちゃん
か、可愛い・・・!
「おっほん!」
「うわ!?・・・せ、星!?」
「おやおや、猛殿。私をおいて他の娘と楽しく談笑ですか」
「い、いやぁ、星さんを忘れてわけないじゃないっすよー!」
「ふふふ、いいのですよ。私のことなんか忘れてもらっても・・・フフフフフフ」
顔が笑ってないっすよ!?
そしてなんか黒い!?
「あのー、こちらの方は・・・?」
「これは失敬。我が名は趙雲。字は子龍・・・ところで猛殿、どこまで紹介済みですかな?」
「真名はもう互いに預け会ったよ」
「左様ですか。我が真名は星。この真名そなたに預けよう」
「あわわ!?こ、これはご丁寧に!私の真名は瑠璃と言います!よろしくでおじゃりまする!?」
「・・・中々面白い女子(おなご)ですな」
「だねー」
「へー、今日はたまたまここで働いてたんだ」
「はい!そしたらあの御客さんに・・・」
会話がはずみ、立ち話もなんだから俺たちが座っていた席に同席してもらった
ちょうど瑠璃ちゃんも仕事が終わりだったからよかった
それとお礼の件は丁重にお断りした
なんでかって?
こんな可愛い子から、何かしろ貰えますか?
俺は無理っすね
え?ブスだったら?
んー・・・そもそもブスだったらさっきみたいのことおこらなくね?
「災難だったねー・・・ってもうこんな時間か」
外を見ると月も上がり、外は店の前の通りにある店も閉め始めている
「もう遅いから送るよ」
「いえいえ!そんな悪いですよ!」
「いいからいいから。いいだろ?星」
「構いませぬよ」
「と、言うわけで、行こうか。御勘定ー」
「すみません・・・」
「猛殿は御人よしですからな。気にすまい」
「ここが我が家です」
「結構遠かったね」
あの店から出て、40分くらい歩いたろうか、この街の外れにある居住区だ
貧困が少し目立つ感がある
屋根に穴があったり、柱が折れてたりと様々だ
瑠璃ちゃんの家はこの地域にしたら綺麗な方だ
すこし古ぼけてるけどどこも壊れていない
「んじゃ、俺たちは帰るね。おやすみ、瑠璃ちゃん」
「・・・あ、あの」
「どうしたのだ?瑠璃」
「えっとですね、少し上がっていきませんか?」
「・・・んー、悪くない?」
「大丈夫です!家族にも紹介したいので」
「なら御邪魔しようかな」
「はい!」
その笑顔・・・ふつくしい・・・
「御母さーん!ただいまー!」
「おかえりなさい、瑠璃」
奥から妙齢の女性が出迎えてくれた
「あら?そちらの方は?」
「えっと、こちらの方は・・・」
~瑠璃ちゃん説明中~
「あらそうでしたの。これは娘が御世話になりました」
「いえいえ、当然のことをしたまでですので」
「立ち話もなんですから上がって下さいな」
「あー、すいません。ちょっと用事を思い出したのでこれで帰ります」
「あらそうなの?」
「もう帰っちゃうんですか!?」
「ごめんね、瑠璃ちゃん」
「うぅ・・・また、会えますか?」
「ああ、もちろん」
「わかりました・・・」
「それじゃあ、御邪魔しました」
「またいらして下さいね」
「はい、かならず」
「ではまた」
俺と星は一礼して家を出た
暗い道を二人で歩いて行く
「星」
「・・・はい、気配は3つです。後ろに二人、屋根に一人」
「いや、4つだな・・・一人はうまく誤魔化してるみたいだけど」
瑠璃ちゃんが御母さんに俺たちのことを説明をしてるあたりからこちらを見張っていたようだ
「では、後ろの二人は私が」
「わかった。気をつけろよ」
「わかってますよ」
自然と笑みがこぼれる
おっと、集中集中・・・
「・・・」
「・・・」
タイミングを見計らう
「・・・・・・よし行け!!!!」
「承知!!」
俺の合図で星が後ろを向きかけだす
それと同時に俺は屋根にいる一人にその場で拾った石をぶん投げる
「ぐあ!!?」
ゴギっと骨が折れる音と、高い所から人が落ちる音がした
「うっしゃ!命中!」
俺の剛速球だ
当たれば骨は粉砕骨折だぜ!
「んで、そこだああ!!」
もう一個拾ってすぐ横の民家の中にぶん投げる
ボガァン!と民家を突き破っていく
・・・後で怒られないかな
「・・・ほう、よく気付いたな」
民家からぬらりと男が現れた
見た目は・・・うん、デブ。無精ひげを生やし、いかにもおっさんな感じ
ただ全身に甲冑を着こんでいる所を見るとそれなりの稼ぎはあるようだ
気配、殺気、防具・・・どれをとっても強者
「俺になんの用?」
「いやぁ、なに。強い奴がいると聞いてな」
「誰から?」
「さぁな?」
・・・多分あの酔っ払い、腹いせにこのデブを雇いやがったな
んな、金あんならもっと役立てろよ!
「さぁさぁ、始めようかぁ!俺の名は管亥(かんがい)!ここいらじゃあ名のある賞金稼ぎよお!」
管亥がでかい鉄製の棍棒を振りまわしながら名乗り始める
俺はと言うと・・・
「太史子義でーす」
だらけてまーす
「ふざけてんのかぁ!?」
「だって面倒なんだもん!!大事なことなので2回言います!だって面倒なんだもん!!」
「人をおちょくりやがってぇ!!!死ねええ!!!」
管亥が棍棒を高く振り上げる
「潰れやがれええええ!!!」
それを力いっぱい振り下ろす
当たればまず普通の人間ならペチャンコだろう
「ふんっ!!!!」
両手で受け止める
「まだまだぁ!!」
管亥はさらに圧し潰そうとする
「(以外と重いじゃねぇか、このデブ野郎・・・!)」
重さに耐えきれなくったのか足の裏の地面が陥没する
「うお!?」
そのせいでバランスを崩してしまう
さらに棍棒がのしかかる
「こんのおおおお!!!」
「さっさと潰れやがれえええ!!!」
「潰れるかよおおお!!!」
「往生際の悪い男だなぁ!貴様はぁ!!!」
「うぐぐ・・・!」
さらにのしかかる力が強まる
マジでやべぇな・・・!
「うぬぬ・・・!!」
「はっはー!もう死ね!そら死ねぇ!」
「ッチ・・・もういいや」
「・・・は?」
棍棒の横をつかみ横に反らす
「うあ!?」
棍棒が俺の横の地面に衝突する
急な力の異動でバランスを崩し、転倒する管亥
「バカ正直に力で勝負すんのもしんどいなぁ」
「てんめぇ!」
管亥はすぐに起き上がり横凪に振るう
「遅いな」
「なぁ!?」
一瞬で管亥の後ろに回り込む
「ッチィ!」
管亥は180度回転するように棍棒を振るう
「当たらんよォ!」
俺は逃げ出すように走り出し、そして戻ってくる
「とぉ!」
そして飛ぶ
「貴様に足りないものは、それは~情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!
そしてェなによりもぉ・・・」
空中で回転し始める
「速さが足りない!!!!」
遠心力がたっぷりと乗った蹴りをおみまいする
「ぐがあぁ!!!!?」
最初居た民家に転がりながら突っ込んでいく
あ~あ、さらにぐちゃぐちゃにしちゃって・・・
「さあってと、星の様子はどうかな~、と」
星の様子を見にかけだす
今日も騒がしい日だな~、まったく
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受けろよ、俺の速さをォ!!