気づいたのは、誰だったのだろう。
気付けたのは、誰であったのだろう。
混乱する情報は虚構と真実を丸ごと咀嚼し、大きく飲み込む。
それは時として、現実すら凌駕(犯)して。
「そこ」には。
ただ、1つの現実として。
ばけものがいた。
「海上に高エネルギー反応!これは・・・集まってきている?」
エイミィの報告が、彼らをはじくように動かした。
光子郎が思わず舌を打つ。
「早い。太一さんたちはまだ・・・・・・・仕方ありません」
あきらめたと言うよりも覚悟を決めて。
司令さまが告げた短いその言葉を正確に理解し、大輔と賢が立ち上がる。
「本宮大輔、でます!」
「一条寺 賢同じく。京、途中でごめん」
「だいじょーぶ。どの道もう追ってる暇がないしね。
いってらっしゃい」
悔しさが少しだけ残った京のことばを背中に、彼らはパートナーの名前を呼ぶ。
「いくぞ、チビモン」
「おいで、ワームモン」
「おぅ」
「はぁい」
その腕に応じた相棒たちを抱きしめ、駈けだした彼らは事前に確認しているブリッジへ向かう。
それを見送らず、クロノは画面越しの相手に眉をひそめた。
「それ」が姿をなしていく様に。
「色々空気を読んだ奴だな。実体化するのが海上とは」
「前の会場(メインホール)ですよ。向こうの、ですけどね。
リアライズまで約2分、といったところですか。間に合うか」
それは被害が出ないと言う意味でと当然の不安。
だがミッドチルダならではの対応がここではいきる。
「アースラの広域遮断(エリアシールド)結界を展開させる。被害は最小限に押さえられるはずだ」
「助かります」
「ただここで困るのは」
世界が違うということで、心配ごとも変わってくる。
光子郎はそ言外を正確に引き継いだ。
「覗き見趣味の方、ですね。なにか対策はありますか?」
うっわー。なんていうか、話スムーズだなーなどとクロノと光子郎の会話に京は感心したりするのだが、まぁ勿論言うはずもなく。
不敵に、クロノが笑う。
「クロノくん!」
聞こえてきた、そのタイミングの声に。
「ちょうどきた」
ヴォルケンリッターにアルフに、なぜかユーノまで。
集まっていた面々にとまどうのをむりやり押し殺しているはやてに聞こえてきたのを、天啓と言うには少々物騒な。
念波とは異なり、空中スクリーンで現れたクロノは、きょとんとしているはやてに鋭く指示をとばした。
「はやて。悪いが出刃亀連中を君の騎士たちに片づけさせてくれ」
「出刃亀?なんの」
「今からみれるさ」
「リアライズ!」
フェイトの当然の疑問から先を促すように、突然走ったその風がその「生誕」を物語った。
それは。
アマタの世界をかける魔導師たちすら見知らぬ隣人の姿。
「か。かいじゅぅ?!」
「どっからわいてでてきたの、あれ?!」
なのはとフェイトの絶叫はもっともだ。
運悪く目撃してしまった人間も、事態を理解できずにぽかんとしていることだろう。
直後結界が張られそれが隔離されていたとしても、反応は自然なことだ。
「クロノくん、あれもしかして」
唯一可能性を知るはやてがふるえる声で問いかける。
その色彩に、彼女は覚えがいやでもあって。
「あぁ。デジモンだ」
「ッ」
クロノの冷静な声はだがそれ故に自身の罪を強調して聞こえた。
勿論、本来であればそんなことはないのだが、そればかりは彼女自身の罪悪感のせいだと言って良い。
フェイトがだが、そんな兄と親友のことばに首を傾げる。
「はやて、デジモンてなに?」
「う、ん。とにかく今はクロノくんの指示に応じるで。
ヴォルケンリッター!少々手荒でもえぇ。覗き見しとる連中を押さえてや」
頭を切り替える。
夜天の王として、自分の手足である存在に望む。
文字通り、手足。
もがれればきっとはやては苦痛に呼吸すら忘れてしまう。
「おぅ」
「御意」
「はい」
「了解」
「そういうことならアルフもお願い」
「あいよぅ」
「ユーノくんは、結界強化の方任せてもいい?」
「うん。任せて」
そして詳しくは聞かずとも悟る友人たちも、自分の信頼置ける仲間に連絡・依頼する。
んで。
「私たちはじゃぁアレと闘えばいのかなぁ」
相棒・レイジングハートを構えてのほん、となのはが言った。
示す先には、その姿。
ただ目にヒカリはなく、まるで機動仕立てのパソコンのように沈黙している。
まさに覚悟完了、とか筆文字で背中に背負わせたくなるほどさわやかにそれを睨みつける少女に、だがクロノは当たり前のようにそれを止める。
「いや、なのはたちはあくまでもサポートをたのむ。
本命は、今そこに着くから」
「え?」
・・・・ザ、んッ・・・!
うそぶいたことばに応じるように。
「それ」がその姿を現した。
それは、あまりにも不思議で、不自然な生き物。
化け物が2体に増えた。
「う、わぁあああ!?」
「ま、魔法生物?」
「見たことないなぁ。誰なんやろ」
戸惑う面々の中、はやてが首をひねった。
それはまるで的外れにも聞こえるが、思わぬ答えが上の方から聞こえてきた。
「あれ?おーいはやてちゃーん」
「大輔さんに賢さん!てことはブイモンかワームモンなん?この子」
「どっちでもなんだけど、とりあえず危ないよ、こんなとこで」
今更のように正論を吐く声。
少々場違い故に、すとんと受け入れられるものではないが。
「はやてちゃん。知り合い?」
「うん。専門家さんや」
「ふぇ?」
奇妙な説明。
だが、聞いている暇はもうない。
「ディアポロモン、"覚醒”します!!」
おぉおおおおお
知識の人のことばを受けたように、それが産声を上げる。
だが、それに怯むような人間はここにはいない。
「なめんな、ストーカー」
「まぁ今回は僕たちの方がそうかも」
「いうなよ賢。いくぞ、インペリドラモン!!」
一方。ほぼ同時刻。
「うぉー、たいよーがまぶしー」
「だな。連絡、つくか?・・・・・・光子郎」
ミッドチルダにも対応するすてきスペック(ご都合主義と一般には言う)Dターミナルで、彼らは自分たちの無事を報告してきた。
<どちらですか?>
「わかりゃ苦労しねぇ。一応外。現状は?」
<後輩組が出撃してます>
「出遅れたか」
「これから取り戻すさ。回収できそうか?」
「エイミィさん。そちらに信号パターンを送るので」
頼ることになんらためらいなく、光子郎の声にオペレーターが眉をひそめる。
「わわわっ、ちょっとまってよぅ
えーと・・・あ、いたかな。って、なんで本部の根っこにいんのー?いつ出かけたのよぅ~」
「企業秘密です」
いや、企業じゃないし。
あっと言う間に普段使わない信号からの位置の割宛をあっておきながら、当然であるはずのエイミィのツッコミにくすりと笑って、クロノが軽く手を挙げた。
「僕が回収に出よう。アグモンたちを連れていった方がいいのかな?」
「話が早くて助かります。すいません、京さん。ここで少々離脱しますね」
「え?光子郎さん?」
着いていくのかと目を丸くした京に、だがすっかり司令部長な少年はいすに一度深く座りなおしてすら見せた。
「少々、いやな予感がしますので」
「それはフラグというんじゃないか?」
「研究者の性分ですね。こんなこともあろうかと、というのは一度は言ってみたいんです」
もちろんこれは地球の人間(てか日本人)にしか基本通じないネタだ。
クロノは一瞬だけ目を見張ってからうなづいた。
「ふむ。まぁいい。迎えにいってくる。いくぞ、アグモン、ガブモン」
「はぁい」
「ありがとう、クロノ」
初めて抱えあげた、さっきまで画面越しにいて、京に「引っ張りだしてもらった」二つの体は、生物としての暖かさを確かに持っていた。
「はやてちゃんたち、マジで逃げな」
賢の非常に常識人な忠告に、彼女たちは屈しなかった。
「そうは言われても、ここは二つ目の私たちの世界や。
こんな化け物に好きにされたないし」
あまりの堂々っぷりに、思わず大輔が目を見張る。
「うっわ。さすが八神って感じだな」
「大輔、失礼だよ」
「ギャラリーは私たちの仲間が押さえてくれます。今のうちに」
「あいつをぶっとばしちゃうんでしょ!!協力します!」
ここまでの意志を見せられ、目をそらすことの方が彼らのプライドに関わる。
っていうか、そこまでいうのなら実力を見せて見ろと挑発したい気分で。
「さんきゅーって。っかし、魔法少女と共闘する日がこようとは」
「うーん。でもうちにはヒカリちゃんがいるから」
多分、賢もなにをねらったではない。
うん、多分。
本当に自然に、思わずそう言ってしまっただけなのだ。
「デスヨネー」
そしてつい、大輔も同意してしまう。
どうしてとかそんなことはどうでもいい。理屈じゃないのだ。
もっとも話の見えないお嬢さんたちもいる。
「ヒカリちゃん?」
「わたしのいとこやなぁ」
なのはの問いにはやてが応え。
「雑談してる暇はないわよーっ!くるよ、みんな」
オペレーターに徹する京の声。
本当は彼女とて、前線にたちたいのも事実だけれど、現場にいてはできない助けというのも、きっと絶対必要だと彼女は理解して声を上げる。
「わーってるよ!」
「いきますっ!!」
おぉおおおおおおおお
敵対の目線を受けて。
「それ」が、歓喜に戦慄いた。
クロノ扱いいいなぁ(今更
あとそういえばミッドにもJAニメあるとか設定いってなかっけ?俺
(jaニメ=ジャパニメーション 勿論言うまでもなくネーミングもミッドチルダにおける扱いも俺設定)
そろそろクライマックスー
の、前に外伝一つ上げないと。説明的な意味で。
てか外伝で話フォローするとか、なに。
っていうか現実化したんだからディアポロモンじゃなくて出るのはアーマゲモンだよね?、という話なんだけどそっちの登場は後々(∑って展開のネタバレやんこれ
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そして、戦乙女が舞い降りる。
というわけでデペイズマンシード。本当は今回のところまでが⑤の予定だったとプロット確認して気づく罠。
道理で前回妙に話が進んでいないと思ったわけだ。
というわけで魔法少女参戦及び第2世代出撃の回
どうでもいい話だけどWサンデーの新ポケモンマンガがどうしてポケモンにしようとしたのか理解できん。あとあの作者、妖逆門で鬱展開かましてた記憶があるんだが大丈夫か?