No.206408 ふわふわりtanakaさん 2011-03-14 23:05:44 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1602 閲覧ユーザー数:1529 |
ふわふわ。
ふりふり。
耳と尻尾が揺れるたび、先輩の視線もそれに合わせて動く。
まったく……先輩は本当にどうしようもない雄だわ。
『頼む黒猫! この動く猫耳と尻尾をつけてくれ! この通りだ!』
私の顔を見るなり土下座をしつつ、そんなお願いをしてきた。
どうして先輩がここまで必死なのかは分からないけど――
「ほんと、先輩はどうしようもないわね」
「うぐっ、これは違うんだ。これは――」
何が違うというのかしら?
ぜひ教えて欲しいわね。
「お、俺にはこんな趣味は無かったんだが、猫耳と尻尾をつけた黒猫があまりに可愛すぎる
から、だから俺は――」
「やめてちょうだい」
そんな恥ずかしい事、いちいち声にしないでよ。
「ただでさえ黒猫は可愛いのに、猫耳と尻尾は凶悪すぎるだろ」
「~~~~~~~~っ!」
こ、この男はさっきから何を言ってるのよ?
あ、ああ、頭でもおかしくなったんじゃないのかしら!?
「いーや、止めないね。お前がどんだけ可愛いか説明をしてやる」
変なスイッチでも入ったのかしら、さっきから先輩の言動がおかしい。
「いいか黒猫。黒猫に猫耳と尻尾。この組み合わせはなぁ――」
先輩が語りだしたわ。
もうダメかもしれない。
こんな恥ずかしい台詞、ずっと聞き続けるなんて出来ないわ。
なんとかして止めさせないといけない。
「あのね、先輩――」
「なんだ黒猫。まだ俺の話は終わってないぞ」
まだ語ろうとする先輩。
止めて、本当に止めてちょうだい。
このままだと私がおかしくなってしまうわ。
「あぁ、猫耳と尻尾をつけた黒猫。可愛いな」
まだ言うのね……
はぁ。どうして私は先輩のお願いを聞いてしまったのかしら。
『バカを言わないで』そう言ってあしらえばよかったのに、どうして聞き入れてしまったのかしら?
バカだわ。私は大バカ者だわ。
ふわふわ。
ふりふり。
意識してないのに猫耳と尻尾が揺れる。
そしてその揺れに合わせて、先輩の視線も動く。
猫耳も尻尾も嫌いじゃないけど、先輩の喰い付き方が怖いわ。
今までにないくらいにテンションが高い。
初めて見るような興奮の仕方。
先輩にこんな一面があるだなんて驚きだわ。
変態な先輩。だけど――
それでも、先輩に可愛いって言ってもらえるのは嬉しい。
そう思ってしまう私も、もしかしたら…………
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どうしてこうなった!?
そんな感じですよ。