「おおーーーーーい!ぱいれ~~~~ん!」
「・・・・・ん、翠?翠じゃないか、どうしてこんなところに」
「やっと追いついたぜ。桃香様に言われて白蓮を迎えに来たんだけど入れ違いになっちまったみだいでさ」
「ああ、それはすまなかった・・・」
「・・・・秋蘭たちに話しは聞いた。だから事情はわかってる」
「・・・・そっか」
「・・・・・・・・そうだ!稟と風から手紙預かってんだ。なんか難しい話してたんだけど、よくわからなくてさ、白蓮見てくれよ」
「ああ」
・・・・・これは
「翠、ここに書いてある、桂花が華琳の指示で蜀に来たって話、本当か?」
「う~ん、よくわかんなくてさ、稟が言うにはほっとけばいいって。ああ、蜀が勝ちすぎたら注意しろとも言ってたな」
「・・・・桂花は華琳の指示で来ていたのか・・・・」
「白蓮?」
「・・・・・・・・・・・いや、やめておこう。・・・・稟と風には気を使わせちゃったみたいだな」
「気を使わせた?」
「私の部下は華琳の策略で殺されたんだ。落ち込んでる私に桂花が嘘をついて騙そうとしているなんて言ってみろ
私だって、怒る時もあるんだ」
「ああー、それで白蓮に話さなかったのか」
「桂花のことは朱里たちに任せよう。私は朱里たちに従うよ」
「お帰りなさい白連ちゃん!翠ちゃん!」
「ただいま桃香」「ただいま、無事に連れて帰ってきたぜ」
「桃香、大事な話があるんだ。私と翠、桃香、朱里、雛理の5人だけで話がしたい」
「いいけど、白蓮ちゃん疲れてるんじゃ」
「大丈夫、それより急いで二人を連れてきてくれ」
「う、うん」
こんな話、さっさと終わらせたいんだ
翠と共に椅子に着くと、桃香はすぐに朱里と雛理を連れて来てくれた
「連れてきたよー」「はわわ」「あわわ」
「朱里、雛里、忙しいとこすまない。これを見てくれ」
「書状ですか?どなたからでしょう」
「都で合流した稟と風からだ」
「稟さんと風さんから?」
「朱里ちゃん、まずは中身を見てみよう」
「・・・・・・はわわ!」「・・・・・・あわわ!」
「そういうことなんだ。後は二人に任せる。・・・・・桃香、悪いけど少し休みたい。いいかな」
「う、うん、ゆっくり休んでね白蓮ちゃん・・・・翠ちゃんもこの話を聞いたの?」
「最初はびっくりしたけど、マジらしいんだ」
「そっか・・・・・」
「・・・・・・・・・・・桃香様!すぐに桂花さんを呼んでくだしゃい・・・・かんじゃった」
「桃香様、申し訳ありませんが、ここからの話は私と朱里ちゃんと桂花さんの3人だけでよろしいでしょうか」
「う、うん、それはかまわないけど。・・・・二人とも大丈夫?」
「はい」「・・・・はい」
「うん・・・・桂花さんのこと、お願いね」
「任せてください」「お任せを」
「雛里ちゃん・・・・」
「大丈夫だよ朱里ちゃん、私、がんばるよ」
時間は少ししかない
二人は大急ぎで打ち合わせを始めた
数分後
「朱里、雛里、一体なんのよう?」
「・・・・桂花さん、先ほど白蓮さんと翠さんがお帰りになりました」
「お二人は都で秋蘭さんたちと合流したそうです。そして、稟さんと風さんからこの書状をもらってきてくれました」
「・・・・書状?」
「はい、この書状によると、司馬懿の正体は華琳様本人であるとあります」
「さらに書状には、華琳さんが急変してしまったこと、呉への策謀のこと、そして」
「天の御遣いさんが秋蘭さんのところで復活していたことも書いてあります」
「・・・・な・・・なんですってぇ!!!」
「桂花さん、桂花さんは華琳さんの指示で蜀にいらしたんですね」
「な、何を言ってるの朱里、私は反乱に巻き込まれて・・・・」
「軍師は常に毅然と冷静に状況を分析せよ。そう教えてくれたのは桂花さんです」
「雛里・・・・」
「桂花さん!」「桂花さん・・・・」
「・・・・そうよ、私は華琳様の指示でここへ来たの。成都で北郷が復活した時、北郷を確保するためにね」
「もう一つ、目的がありますよね。戦乱を長引かせるために蜀に助力し、勝ちすぎたときは蜀を負けさせる」
「・・・・ええ、その通りよ」
「稟さんと風さんの書状には事細かに全てが書いてありました。桂花さん、どうしてこんなことを」
「ふん、私は華琳様のためならなんだってやってやるわ!そう、この身が裏切り者と蔑まれ様とも、華琳様のためなら本望!」
「桂花さん」
「・・・雛里・・・・」
「・・・・桂花さんなら、華琳さんから既に捨てられていることにも・・・・気づいているはずです」
「・・・・・」
「北郷さんは既に復活されていました。それを承知で華琳さんは正体を公表したんです。
華琳さんであると正体を公表すれば、蜀にいる桂花さんが疑われるのは当然、それに」
「やめなさい!」
「蜀を勝たせず、負けさせず、華琳さんのために戦乱を継続させる。
それはつまり、桂花さんは二度と華琳さんと会えないと言うことです!」
「いやあああああああああああああああああ!」
「雛里ちゃん・・・言いすぎだよ・・・・」
「朱里ちゃん・・・・桂花さん、蜀に派遣すると言われた時、その時に華琳さんは桂花さんを切ったんです
そのことを桂花さんならわかっていたはずです。どうして断らなかったのですか」
「・・・華琳様の言葉は絶対よ・・・・私を捨てると仰るなら・・・・それに従うだけよ雛里」
「そんなの・・・・悲しすぎます」
「悲しくても・・・・華琳様は私の全て、華琳様のためなら悔いはないわ。さあ、処刑なりなんなりしなさい!」
「桂花さん・・・・桂花さんのお力を蜀に貸して頂けませんか?」
「馬鹿を言わないで!私が華琳様を裏切ると思ってるの?馬鹿にしないで雛里」
「・・・書状にはこうありました。秋蘭さんたちは華琳さんに選ばれなかったんじゃない
・・・・逆なんです。今の華琳さんに選ばれなかった人たちこそが、本当の華琳さんに選ばれた人なんです」
「・・・・・・・・」
「そして、本当に選ばれた人たちは、華琳さんの意思に応えなければならない
おかしくなってしまった華琳さんを止め、本当の華琳さんを助けるのです」
「雛里ちゃんの言うとおりです。桂花さんを蜀に送ったのが本当の華琳さんのご意思だとするなら
きっと、蜀の助けを求めよと仰っているのだと思います」
「・・・蜀の助けを」
「そうです桂花さん、この戦争を終わらせるには晋を倒すしかありません。そして、晋を倒せるのは蜀と呉のみ」
「蜀に桂花さんのお力が必要なんです!一緒に晋を倒し、華琳さんをお救いすることこそが真の忠義ではないですか!」
「・・・・できないわよ」
「あわわ、どうしてですか桂花さん、華琳さんを救うにはそれしか方法が」
「できないわよ!晋を倒したら、あの馬鹿も消えちゃうじゃない!」
「え?」「はわ!」
「あ・・・・・・違うの・・・・あいつを消すことになるなんて・・・寝覚めが悪いって思っただけよ!」
「あいつって、天の御遣いさんのことですか?」
「違うわ!とにかく、あいつは関係ないの!」
「桂花さん、やっぱり荀惲ちゃんの父親って・・・・」
「朱里ちゃん!」
「あ、ごめんなさい・・・・」
「・・・・そうよ、あの子の父親はあの馬鹿よ・・・・あの子が産まれたのは消えた後だから、父親とあったことはないけどね」
「でしたら尚更戦乱を終わりにしましょう。もしかしたら御遣いさんを消さない、別の方法があるかも知れません」
「私も雛里ちゃんと同意見です。まずは戦乱を終わらせ、平和な大陸を取り戻しましょう
華琳さんも、御遣いさんも、皆で平和になるんです」
「・・・・まったく、蜀の連中は楽観主義者ばかりね・・・・わかった。私の負けよ。荀惲のためにも処刑されるわけに行かないしね」
「桃香様もきっと全面協力してくれます」
「わかったわ朱里、それにしても雛里、ちょっと見直したわよ。いつの間にこんなに話せるようになったのかしら」
「・・・・・あわわ・・・・キュウ~」
「あ、雛里ちゃん!」
「やれやれ、緊張が解けて気絶するなんて、まだまだね」
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しばらく蜀と呉がメインになるかも知れません