No.203543

真・恋姫無双 魏が滅亡した日 Part13 いつもの一刀

見習いAさん

飲みすぎにご注意

2011-02-24 21:05:04 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3889   閲覧ユーザー数:3502

翌日

 

「姉さまったらどこへ行ったのかしら・・・あ、思春、姉さまを見なかった?」

 

「雪蓮様ならお見かけしていません」

 

「そう、こんな時間まで登庁しないなんて・・・」

 

「その件について少々気になることがあります」

 

「何かしら?」

 

「北郷一刀の姿も見ていません」

 

「北郷も?それが姉さまとなんの関係があるのかしら」

 

「北郷の別名をご存知ありませんか?」

 

「別名?」

 

「魏の種馬 だそうです」

 

「・・・・まさか!!」    

日はだいぶ昇ってしまった

それでも一刀はまだ眠ったまま

 

すぅ~、すぅ~

 

そんな静かな部屋を、突然の喧騒が包み込む

 

バターーン!!!

 

ドアが凄い勢いで開けられると

 

「北郷はいる?北郷!!」「おとなしくしろ北郷!!」

 

「・・・ん~・・・なんだ騒がしい」

 

「こ・・・これは・・・・ッッ!!」

 

「北郷・・・・貴様ぁーー!!!」

 

甘寧さんの刀が首元に来たことで眠気が一気に吹っ飛んだ

 

「北郷、一応弁明させてあげる、これは一体どういうことかしら?」

 

「ななななな、なんのことでしょう!!」

 

「貴様・・・・」

 

「うるさいわねぇ・・・何を騒いでるのよ蓮華、思春」

 

「姉さま!!」「雪蓮様!!」

 

「そんなに顔真っ赤にしちゃって、何よ?」

 

「何よじゃありません!これはどういうことですか!」

 

「どういうことって・・・・ねえ、一刀」

 

アイコンタクトを送る雪蓮

俺はやっと事態を把握した

 

「はわわ」

 

「はわわ?なにそれ一刀かわいい~~~」

 

俺に抱きつく雪蓮

いい匂いがするけど今はそれどころじゃない

 

「・・・・やっちまった・・・・おしまいだあああああああああああああああ」

 

「一刀?」「北郷?」「む?」

 

俺はやっと自分が何をしたのかに気づいた    

「甘寧さん、頼む、俺の首をはねてくれ!」

 

「はぁ?」

 

「一瞬で頼む!やってくれ!」

 

俺は目を瞑り首を差し出す

戸惑う甘寧さん

雪蓮も驚いたようで

 

「待ちなさい一刀、どうしたってのよ?」

 

「春蘭と秋蘭に殺される・・・・殺されるだけならまだいい・・・・地獄だ・・・・」

 

雪蓮たち3人は顔を見合わせた

 

「なるほどね、それなら大丈夫、簡単よ」

 

「どういうこと雪蓮?」

 

「一刀を正式に呉へ向かえちゃえばいいのよ」

 

「「「えええーーー!!」」」

 

「ちょっと待ってください姉さま、そんないきなり」

 

「そうです、このようなどこの馬の骨とも知らない者を」

 

「ね、一刀、いいわよね?それとも、春蘭と秋蘭に言っちゃおっかなぁ~、一刀に襲われたって」

 

「それだけは勘弁してください」

 

「なら決定、一刀は今から正式に呉の人間よ」

 

話がどんどん進んで行く

 

「雪蓮、俺は魏を抜けるなんてできない。ごめん」

 

「うん、だから呉と魏、両方に所属してることにしちゃえばいいじゃない」

 

「へ?」

 

「だって、華琳たちだけが一刀を独占できるなんてずるいわよ。公平性の問題ね、うん」

 

「・・・・凄く嫌な予感がしているんだけど、もしかして最初からそれが狙いだった?」

 

「私はそんなに安い女じゃないわよ?もし一刀に魅力がなかったら、とっくに切ってるわ」

 

そう言うと雪蓮は俺の胸に顔を埋める

そんな雪蓮に、孫権さんたちは何も言えなかった

 

「一刀、私があなたを認めたの、あなたが呉にも必要なのよ」

 

こうして呉にも籍を置くこととなった

どっちにしろ無事じゃすまないな俺・・・・・   

「一刀が呉の人間になれば、ここ建業で一刀に何をしようと何も言えないはずでしょう?だから安心しなさい一刀」

 

「何をしようとって何するつもりだよ・・・・」

 

「ふふふ、それじゃ先行くわね~」

 

逆に安心できないよ

 

それから身支度を整えた俺は城へと向かった

その後、雪蓮から正式に俺を呉へ迎え入れることが発表された

反応は大きくわけて二つ、歓迎するもの、わだかまりが取れない者

 

そして・・・

 

「北郷、ついて来い」

 

最初に接触をしてきたのは周瑜さんだった

周瑜さんの執務室へ通され、部屋の中央にある机に腰を下ろした

 

「どんな手を使ったかしらんが、まさか雪蓮を一晩で落とすとは・・・・さすが魏の種馬と言ったところか」

 

「面目ありません」

 

「責めているわけではない。むしろ見直したよ」

 

「見直した?」

 

「ああ、北郷が雪蓮に認めさせたのだ。これ以上に信用できる理由はないさ」

 

何か違和感があると思ったけど、周瑜さんに以前のような敵意がない

 

「昨日の無礼、どうか許して欲しい。すまなかった」

 

そう言うと、深々と頭を下げられてしまった

 

「顔を上げてください周瑜さん。俺、周瑜さんの気持ちが痛いほどわかります。だから」

 

「すまない」

 

「俺の方こそ周瑜さんのお気持ちを察せなくて、もっと違う気持ちの伝え方があったかもしれないのに、すいませんでした」

 

周瑜さんは不思議な物を見るようにこちらを見ている

 

「不思議な男だな北郷は、まさか謝罪に謝罪で返されるとは思わなかったよ」

 

あ、周瑜さんの笑顔、始めて見れた

 

「ふむ、北郷、私の真名を受け取ってくれまいか?」

 

「喜んで」

 

「わが真名は冥琳、これからよろしく頼むぞ北郷」

 

「よろしくお願いします。冥琳さん」


 
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