No.203432

孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝26

Seigouさん






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2011-02-24 00:52:56 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:27327   閲覧ユーザー数:19221

???(イイカゲンニヤメタラドウダ、オマエノヤッテイルコトハ、モハヤタダノジコマンゾクデシカナイゾ)

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

???(コンナコトヲツヅケテイタラ、イツカオモイモヨラナイシッペガエシガクルゾ)

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

???(ナゼオマエハソウナンダ、ソコマデボロボロニナッテジブンハナンノリエキモエテイナイノニ)

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

???(・・・・・ヤメルキハナインダナ)

 

一刀「・・・・・俺の手は血で汚れている、今更止めてどこかの勢力に入る?・・・・・はっ!都合のいいことだな」

 

???(ソレハヒテイシナイ)

 

一刀「俺はこれからもこの生き方を貫く、その果てにどんな未来が待っていようと、受け入れてみせるさ」

 

???(・・・・・・・・・・)

 

一刀「たとえそれが、洛陽で会ったあの占い師の言うように破滅であろうとな」

 

???(・・・・・ワカッタ、ソコマデイウナラヨケイナコトハイワナイデオコウ)

 

一刀「なぁ、本当にお前は誰なんだ?」

 

???(ソンナコトハドウデモイイ、ホラメザメルゾ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと、そこは見知らぬ天井だった

 

 

 

 

一刀「・・・・・あの黒い物体、いつも俺を見ているんだな」

 

まるで自分自身の全てを知っているような物言い、きっと今までの自分の行動は全て知られている

 

一刀「・・・・・そういえばあの後どうなったんだ?」

 

自分は雪蓮を助けるために腹部に矢を受けた

 

そして、雪蓮を止めようとして、そこから記憶が無い

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

自分の腹部を触ってみると

 

一刀「・・・・・・・っ!」

 

まだ治っていないらしく、動くと痛みが襲ってくる

 

一刀が腹の痛みを堪えていると

 

???「すぅ~~~、すぅ~~~、すぅ~~~」

 

一刀「?」

 

どこからともなく寝息が聞こえてくる

 

一刀が横を向くと

 

雪蓮「すぅ~~~、すぅ~~~、すぅ~~~」

 

一刀「・・・・・・・・・・・・・」

 

寝台の横で椅子に腰掛け、腕を組みつつ眠り自分の手を握っている雪蓮の顔があった

 

雪蓮の瞼は赤く張れ上がり、寝台は濡れていた

 

一刀「・・・・・俺なんかのために泣いてくれたのか」

 

一刀は雪蓮の頬を優しく撫でてあげた

 

雪蓮「すぅ~~~、すぅ~~~」

 

一刀「こんな綺麗で、可愛い顔で寝る女の子があの小覇王孫策なんだよな」

 

雪蓮「う~~~~~~ん」

 

一刀「起きたか?雪蓮?」

 

雪蓮「う~~~ん・・・・・・って!一刀!」

 

一刀「おはよう、雪蓮」

 

雪蓮「・・・一刀・・・・・一刀ーーーーーーーー!!!」

 

雪蓮は一刀の顔を見て感極まったのか、抱きついてきた

 

一刀「ぐうっ!!」

 

雪蓮「ああ!一刀!ごめんね!」

 

一刀「いや、大丈夫・・・・・・・それよりここは?」

 

雪蓮「建業の私の部屋よ」

 

一刀「俺はどれくらい寝ていたんだ?」

 

雪蓮「三日よ、本当に心配したんだから」

 

一刀「すまない」

 

雪蓮「ううん、まずは私の方からお礼を言わないとね・・・・・助けてくれて本当にありがとう、一刀」

 

一刀「そんなことはいいよ」

 

雪蓮「良くないわよ!一刀にはこれから無理にでも私からの謝儀を受け取ってもらうからね!」

 

一刀「・・・・・分かったよ」

 

一刀と雪蓮が互いに微笑み合っていると

 

バンッ!

 

部屋の扉が開かれ、そこには

 

冥琳「雪蓮!北郷は起きたのか!?」

 

蓮華「お姉様!・・・・一刀!」

 

純夏「一刀!起きたの!?」

 

思春「北郷!ようやく起きたのか!?」

 

明命「一刀さん!大丈夫ですか!?」

 

祭「おお北郷、ようやく起きたか、この寝ぼすけめ」

 

穏「北郷さん、起きたんですね~♪」

 

亜莎「良かったです」

 

小蓮「一刀遅いよ~、一体いつまで寝ているわけ~?」

 

美羽「北郷、死ななくて良かったのじゃ」

 

七乃「まったく、美羽様をこんなに心配させるなんて、いけない人ですね~」

 

彩「北郷、お主には言いたいことが山とあるのだ、死んでもらっては困る」

 

呉の主要な将達が勢揃いしていた

 

主な将軍達がこんな所で油売ってていいのか疑問に思う

 

一刀「みんな心配かけてごめんな」

 

蓮華「・・・・・よかった・・・・・・よかった・・・・・」

 

蓮華は一刀の顔を見ると、蹲って泣き出してしまった

 

思春「まったく、蓮華様を泣かせおって、ただでは済まさないぞ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

そう言いながら思春は愛刀、鈴音を抜いた

 

一刀「うっ!」

 

思春のどす黒いオーラに一刀はたじろぐ

 

雪蓮「思春、それくらいにしておきなさい」

 

思春「・・・・・冗談だ、北郷、次に蓮華様を泣かせたら本当にただでは済まさないぞ」

 

一刀「分かっているよ、剣を納めてくれてありがとうな、甘寧」

 

思春「・・・・・///////////」

 

一刀「?・・・・・どうしたんだ?」

 

思春「なんでもない!/////」

 

一刀「???」

 

思春「(くそっ!どうもこいつと話してると調子が狂ってくる!)」

 

自分の中の感情を理解できないでいた

 

医者「北郷様、お怪我の具合はいかがでしょうか?」

 

将達の後に医者が入ってきた

 

一刀「・・・・・まだ、傷口が痛みますね」

 

医者「それで体の方は?」

 

一刀「は?」

 

医者「は?ではありませんよ!」

 

冥琳「北郷、この医者が言うには一刀の受けた矢にはかなりの毒が塗ってあったそうだ」

 

一刀「ああ、それなら大丈夫」

 

雪蓮「どういうこと?」

 

一刀「以前に雪蓮と華琳・・・・・曹操から矢を受けているだろ」

 

雪蓮「うんうん」

 

一刀「その時の毒のほうが、今回受けた毒よりも強力だったということだよ」

 

純夏「それって・・・・・」

 

一刀「うん、体が毒に慣れていて、これくらいの毒では俺は死ななくなったということだよ」

 

雪蓮「よかった~~~~~」

 

一刀「それにしても、っ!やっぱり傷口は痛むな」

 

医者「ああ、まだ動かないでください、傷口が開いてしまいます」

 

一刀「その必要はありませんよ」

 

医者「は?」

 

今度は医者の方がきょとんとする番だった

 

一刀「誰か、俺の忠久を持ってきてくれるかな?」

 

雪蓮「忠久って何?」

 

明命「雪蓮様、一刀さんの剣のことですよ」

 

雪蓮「ああ、それならここに」

 

雪蓮は一刀の忠久を一刀に手渡した

 

一刀「ありがとう、みんな少し下がってくれるか?」

 

そう言われて一同は一刀から距離を置いた

 

一刀「・・・・・ん」

 

一刀は自分の長く伸びた後ろ髪を少しだけ切った

 

雪蓮「何しているの?一刀の髪って結構綺麗なのに、もったいなくない?」

 

一刀「見ていれば分かるよ」

 

そう言って一刀は切った髪を握り締め目を瞑り集中しだした

 

一刀「・・・・・ふっ!」

 

雪蓮「・・・・・これは」

 

冥琳「・・・・・なんと」

 

切った髪が淡い光を放ち始める

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

一刀は包帯の巻かれた自分の腹部に自分の髪を押し当てる

 

一刀「・・・・・・ふぅ~~~~・・・・」

 

淡い光は消えていき一刀は目を開いた

 

医者「・・・・・あの、北郷様、今のは」

 

一刀「今のは、華佗から教えて貰った五斗米道(ゴットヴェイドー)ですよ」

 

医者「なんと!あの神医と呼ばれた華佗元化殿の!?」

 

一刀「ええ、そうですよっと」

 

そう言って一刀は寝台から飛び起きた

 

一刀「よっ!ほっ!・・・・・だいぶ良くなったかな」

 

体を捻り、体操を始める

 

雪蓮「・・・・・一刀、大丈夫なの?」

 

一刀「ああ、もう心配ない」

 

包帯を解き、傷口を医者に見せた

 

医者「・・・・・信じられません、殆ど完治したも同然ですね」

 

一刀「傷跡は残りますがもう大丈夫です、ありがとうございました」

 

医者「・・・・・では、わたくしはこれで」

 

そう言って医者は雪蓮の部屋から出て行った

 

雪蓮「一刀、さっき何をやったの?」

 

一刀「今まで、暇を見つけては五斗米道(ゴットヴェイドー)の研究をしていたんだけど、どうやら五斗米道(ゴットヴェイドー)で自分自身を治すことはできないみたいなんだ、だからこうして自分の体の一部を代用として使うことで、半ば無理やり治しているんだよ、その代わり切った髪は、ほらこの通り」

 

一刀の切った髪は完全に白髪になっていて、生気を失っていた

 

純夏「それにしても一刀、何で最初に矢を受けた時にそれを使わなかったの?」

 

一刀「あの時は、痛みと出血でうまく氣を練ることができなかったからな、こればかりは他の人から治療を受けてある程度治らないと使えないんだ」

 

純夏「完全に万能というわけでもないのね・・・・・」

 

純夏が唸っていると

 

百合「雪蓮様!・・・・・あ!一刀君!」

 

一刀「百合さん、ご心配をおかけしました」

 

百合「体の方は、もういいんですか~?」

 

一刀「はい」

 

百合「よかった~~~」

 

みんなの後にやってきた百合も一刀の顔を見てほっと胸を撫で下ろした

 

冥琳「百合、そんなに慌ててどうしたんだ?」

 

百合「ああ~、そうでした~・・・・・雪蓮様~、魏と蜀から使者が来ています~」

 

雪蓮「!!??・・・・・そう、今すぐ行くわ」

 

一刀「俺も行っていいか、雪蓮?」

 

雪蓮「一刀、本当に大丈夫なの?あなたは病み上がりなのよ」

 

一刀「さっきも言っただろ、もう心配ないよ」

 

雪蓮「・・・・・分かったわ」

 

そして、呉一同と一刀は魏の使者と呉の使者に会うために玉座へと赴いていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呉の玉座

 

 

 

 

 

 

 

 

星「稟、風、久しぶりだな♪」

 

風「お久しぶりです~、星ちゃん~♪」

 

稟「星も元気そうで何よりです」

 

星「それにしても、何故稟と風がここにいるのだ?」

 

風「それは・・・・・・・・・・・」

 

風は事の成り行きを説明した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星「・・・・・・・・・そんなことがあったのか・・・・・しかし、一刀殿も散々な目にあっているな」

 

風「そうですね~、風としてはもっと楽してもいいと思うのですよ~」

 

雛里「一刀さんは、大丈夫なんでしょうか?」

 

凪「・・・・・心配です」

 

沙和「暗殺犯の矢には毒が塗ってあったらしいから・・・・・」

 

真桜「せや、せやから解毒剤は持ってきたんやけど」

 

星「な~に、一刀殿なら心配あるまい」

 

風「そうですね~、なんせお兄さんはあの呂布こと恋さんと引き分けたことがあるらしいですしね~」

 

雛里「えっと、星さんこの人達は・・・・・」

 

星「ああ、そういえば稟と風は連合の時にはいなかったな・・・・・この二人は、わたしの友の郭嘉と程立だ」

 

稟「わたくしは郭嘉と申します」

 

風「程昱です~、よろしくお願いしますです~」

 

星「ん?風よ、おぬしの名は程立ではなかったか?」

 

風「それがですね~華琳様こと曹操様に仕えようと思った時、風が日輪を支える夢を見まして~」

 

星「ほうほう」

 

風「それで程立から程昱に改名したのですよ~」

 

星「ふふ、風らしいな・・・・・あそれと、こちらが・・・・・」

 

雛里「あわわ、ほ、鳳統と申しますでしゅ」

 

風「あなたがかの鳳雛さんですか~」

 

零「話は聞いているわよ、蜀のはわわ軍師に並ぶあわわ軍師」

 

雛里「あわわ軍師・・・・・」

 

零「んっ!・・・・・失礼、わたしは司馬仲達よ」

 

雛里「あわわ?!あの司馬八達の一人ですか!?」

 

星「司馬八達?なんだそれは?」

 

雛里「司馬氏は代々尚書などの高官を輩出した名門の家柄で、この人を含めた八人の司馬さんが全て達の字を持っていることからそう呼ばれているのです」

 

星「ほう、それは凄いものだな」

 

零「さすが蜀にその人ありと言われた鳳雛ね、自己紹介なんて無粋だったわ」

 

雛里「いいえ、わたくしも司馬家の人に会えるなんて思っていませんでしたから、嬉しいでしゅ」

 

凪「わたくしは、楽進と申します」

 

沙和「于禁なの~」

 

真桜「李典や、よろしゅう」

 

星「聞いている、特に楽進はたしか、虎牢関の門を粉々にした張本人らしいな」

 

零「そうよ、我が軍でも指折りの使い手よ」

 

凪「零様!そのようなこと言わないで下さい!」

 

零「あら?違わないでしょ?最近の凪は北郷一刀から教えられた修行法によってかなり強くなっているって聞いているし」

 

凪「そんなことはありません!私などまだまだです!」

 

星「・・・・・確かに、お主からは以前に見た時とは違い、かなり強力な氣を感じるな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魏と蜀の使者達が話をしている中

 

百合「皆様、お待たせいたしました」

 

玉座の間に百合が入ってきて、その後に雪蓮達がやってきた

 

「・・・・・・・・・・」

 

使者達は姿勢を正し、雪蓮と向かい合った

 

雪蓮「初めて見る顔もいるわね、私が孫伯符よ」

 

稟「孫策殿、わたくしは曹操様の軍師を勤めている郭嘉と申します」

 

風「風は程昱と申します~」

 

零「司馬仲達と申します、こちらは楽進、于禁、李典です」

 

凪「・・・・・・・・・・」

 

沙和「・・・・・・・・・・」

 

真桜「・・・・・・・・・・」

 

凪、沙和、真桜は緊張のしすぎで固まってしまっていた

 

雛里「あわわ、鳳統でしゅ」

 

星「趙子龍と申します」

 

雪蓮「まず初めに・・・・・魏の使者よ!!どのような用件あって来た!!?」

 

風「申し訳ありませんが、その前にお兄さん・・・・・北郷一刀さんの容体はいかがなのですか~?」

 

蓮華「な!?貴様!?あのような無礼を働いておきながら何て物言いだ!それにおまえ達のせいで一刀がどんな目に「蓮華、それくらいにしてあげてくれ」・・・・・一刀・・・・・って!一刀!?//////」

 

蓮華の言葉を遮るように、玉座の間に一刀が入ってきた

 

雪蓮「!!??・・・・・////////」

 

冥琳「何!!??/////」

 

純夏「・・・・・////////」

 

思春「これは/////」

 

祭「ほほう/////」

 

亜莎「あうあう/////」

 

稟「・・・・・///////」(ぽ~~~~~)

 

風「これはこれは~/////」

 

凪「一刀様・・・・綺麗です//////」

 

沙和「きれ~~~//////」

 

真桜「ほわ~~~///////」

 

零「・・・・・・・・/////////」

 

一刀は聖フランチェスカの制服で登場した

 

一刀「稟、風、久しぶり」

 

稟「は、はい!お久しぶりです!一刀殿!//////」

 

風「お久しぶりです~、お兄さん~/////」

 

雪蓮「一刀?会ったことがあるの?」

 

一刀「ああ、黄巾の乱以前にね」

 

稟「・・・・・・・・・・」

 

風「・・・・・・・・・・」

 

凪「・・・・・・・・・・」

 

沙和「・・・・・・・・・・」

 

真桜「・・・・・・・・・・」

 

この五人、特に稟と風は、始めて会った時とは違い、長く伸びた髪に見たことのない服を着た一刀に釘付けだった

 

一刀「(やっぱり、風と稟は華琳の所に行ったんだな)」

 

稟「それにしても一刀殿!体は大丈夫なのですか!?暗殺犯の放った矢には毒が塗られていたと聞いていますが!?」

 

一刀「以前、華琳と雪蓮から矢を受けた時の毒のほうが強烈だったからね、体が毒に慣れているから心配ないよ」

 

風「でも、一応解毒剤を渡して起きます~、ちゃんと飲んでくださいね~、お兄さん~」

 

一刀「ああ、分かったよ・・・・・ところで、そちらの人は?」

 

一刀は、紫色の和服のような服に身を包んでいる人物が気になった

 

零「こうして面と向かって話すのは初めてね・・・・・わたしは姓は司馬、名が懿、字を仲達よ」

 

一刀「!!!??」

 

風「お兄さん~?」

 

雛里「どうしたんですか?一刀さん?」

 

一刀「(この人が)」

 

一刀は、歴史を思い出す

 

司馬懿仲達、曹一族の国魏に四代に渡って仕えた名門、司馬家には八人の子がいて、その次男が司馬懿

 

蜀の諸葛亮と肩を並べるほどの実力を誇り、蜀と魏の戦いで諸葛亮もついに討ち取ること叶わなかった大軍師

 

蜀と魏の戦いの後、司馬懿は家来を集めクーデターを決行する、そして曹操一族を処刑し後の西晋の礎を築き司馬一族の時代が訪れる

 

一刀は、史実はもうあてにならないと分かっているが、この司馬懿仲達からは華琳と同じくらいのカリスマ性を感じた

 

一刀「・・・・・そうですか、自分は北郷一刀です」

 

零「連合軍の戦いの時から知っているわ、北郷」

 

一刀「現場に居たんですか?」

 

零「ええ、北郷の活躍はこの目で見ているわ・・・・・ホント、あなたのような人がわたしの手駒じゃないなんて残念」

 

一刀「(ゾクッ)」

 

零は、女性だけに許される猫撫で声で一刀に迫るが、一刀はそんな零に寒気を感じた

 

一刀「(やっぱり、この人はあの司馬懿仲達なんだな)」

 

悪寒の正体は、彼女から滲み出る、野心

 

一刀「(この世界でもこの人はクーデターを起こすのか?)」

 

そんなことを考えていると

 

雪蓮「一刀!いつまで話し込んでいるの!?」

 

一刀「ああ、すまない」

 

使者に一礼をして一刀は下がった

 

冥琳「(まったく、ただ単に嫉妬しているだけのくせに)」

 

雪蓮「(五月蝿いわね、黙ってて頂戴)」

 

アイコンタクトで互いの意思を理解する二人

 

稟「孫策様、今回の暗殺未遂は我が主曹操様の御意思ではありません」

 

雪蓮「それを証明することは?」

 

稟「こればかりは信じてもらうしか・・・・・」

 

思春「何だと貴様!!」

 

祭「そのようなこと信じろというのか!!?」

 

風「もちろん、ただというわけではありません~」

 

零「その通りです・・・・・凪」

 

凪「はい、零様」

 

凪は三つの箱を前に出した

 

冥琳「それはなんだ?」

 

零「孫策様を暗殺しようとした者達の首です」

 

一刀「!!??」

 

雪蓮「・・・・・・・・・・」

 

冥琳「そのようなことだけで今回のことが帳消しになるとでも思ったか!!?」

 

零「・・・・・・・・・・」

 

一刀「(なにも殺すことはないだろ、華琳)」

 

雪蓮「・・・・・・・・・」

 

雪蓮は、冥琳と使者の話よりも一刀の顔色の方を気にしていた

 

雪蓮「(ちょっと、そんな悲しそうな顔しないでよ)」

 

まるで自分の方が悪い事をしてしまったかのような一刀の顔を見て、雪蓮も複雑な気持ちになってきた

 

風「では、どのようにすればよろしいですか~?」

 

冥琳「そうだな、まずは「待って、冥琳」・・・・・雪蓮?」

 

雪蓮「魏の使者達よ、今回のことは不問とするわ」

 

冥琳「な!?何を言い出すんだ雪蓮!?」

 

蓮華「お姉様!?」

 

思春「雪蓮様!何を!?」

 

小蓮「お姉ちゃん!?」

 

祭「策殿!?」

 

明命「はうあ!?」

 

純夏「雪蓮・・・・・」

 

穏「雪蓮様・・・・・」

 

亜莎「なぜ・・・・・」

 

美羽「雪蓮・・・・・」

 

七乃「雪蓮さん・・・・・」

 

彩「雪蓮殿・・・・・」

 

呉一同は、雪蓮の言葉を聞き間違いではないか?と思うくらい自分の耳を疑った

 

それは、魏と蜀の使者も同じであった

 

しかし、一人だけ違う者がいた

 

一刀「・・・・・(雪蓮)」

 

一刀は自分が一番聞きたかった言葉を雪蓮の口から聞けて笑顔を綻ばせていた

 

風「・・・・・それはどういうことですか?」

 

雪蓮「・・・・・一刀、あなたが私の立場だったらこの者達をどうする?」

 

一刀「もちろん、全てを水に流して友好的な関係を築くさ」

 

雪蓮「・・・・・・・・・・」

 

なんとも一刀らしい答えに

 

雪蓮「・・・・・ぷっ・・・・・あはははははははは♪」

 

雪蓮は笑を堪えられなかった

 

「・・・・・・・・・・」

 

使者達は、雪蓮の反応を呆然と見ているしかなかった

 

雪蓮「魏の使者達よ、そういうことよ♪今回の件での一番の被害者である一刀が許しているんだもの、私が許さないわけにはいかないわ・・・・・その暗殺犯の首は持って帰って頂戴、傍に置いてあると気分が悪くなってくるわ」

 

凪「・・・・・分かりました」

 

雪蓮「それと、あなた達はしばらくここで厄介になってもらって構わないわ、旅の疲れもあるでしょうしゆっくり休んでくれて構わないわ」

 

風「・・・・・ではお言葉に甘えて~」

 

稟「お気遣いありがたく頂戴いたします」

 

雪蓮「ただし、監視は付けさせて貰うわよ」

 

零「それくらいなら問題ありません、むしろ付けて当然でしょう」

 

凪「はい、仕方のないことです」

 

雪蓮「さて、これで魏の方はこれでいいとして・・・・・」

 

冥琳「・・・・・そうだな、魏の方々にはご退出願おうか」

 

稟「承知いたしました・・・・・それでは一刀殿、また後ほど」

 

風「お兄さん、すぐお会いましょうね~」

 

凪「一刀様、また後で」

 

沙和「またなの~」

 

真桜「・・・・・・・・・・」

 

零「色々話を聞きたいからね、待っているわよ」

 

一刀「ああ、また後でな」

 

そして魏の使者達は玉座の間を後にしていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥琳「・・・・・さて、今度はそちらの番だな、遠路はるばるよく来てくれた」

 

百合「雛里~、よく来てくれたわね~、歓迎するわよ~♪」

 

雛里「はい、以前にこちらから使者を送るとお伝えしたと思いますが・・・・・」

 

雪蓮「それは聞いているわ」

 

星「我らが主、劉備玄徳は呉と友好関係を築きたいと仰られております」

 

雛里「ですから、今回は蜀と呉の貿易促進と同盟の交渉をしに来ましたです」

 

冥琳「・・・・・しかし、我らは荊州をついこないだ奪ってしまったばかりだからな」

 

亜莎「はい、特に関羽さんは絶対に良い顔はしないでしょうね」

 

雪蓮「・・・・・一刀、何か名案はある?」

 

一刀「そうだな・・・・・そうだ!蜀は海に面していないからな、貿易はまずは塩の売買から初めて蜀には通常よりも安値で売ることにしたらどうだ?」

 

冥琳「おいおい!我々にとっても塩は貴重品なんだぞ!」

 

穏「そうですよ~、あまり安値で売ってしまうと、こちらも損失は大きいですよ~」

 

一刀「それについては心配ないさ」

 

純夏「どういうことなの?一刀」

 

一刀「後で俺が効率のいい塩作りを教えるから」

 

冥琳「何!?」

 

穏「本当ですか!?北郷さん!」

 

一刀「呉が荊州の埋め合わせをするためには、それ相応の態度を示さないといけないからね」

 

雪蓮「・・・・・いいわ、塩のことは後で一刀に聞くとして、貿易については了承するわ、でも同盟に関しては保留にさせてもらうわね」

 

雛里「ええ、まだお互いがお互いのことを何も知りませんので」

 

一刀「それじゃあ雛里と星も俺が考えている塩作りを見学していかないか?」

 

雛里「え!?いいんですか!?」

 

星「我らとしては願ってもない申し出ですが・・・・・」

 

一刀「雪蓮、いいかな?」

 

雪蓮「・・・・・まぁ、同盟のために親睦を深めるということではいい案ね」

 

冥琳「ふむ、蜀の鳳統の話は興味深いからな」

 

穏「そうですね~♪」

 

亜莎「わたくしも、かの鳳雛さんのお話を聞いてみたいです」

 

雛里「そんな、わたくしなんてまだまだです///////」

 

褒められることに慣れてないのか、雛里は赤くなってしまう

 

一刀「あそれと、塩作りには魏の人達も来てもらおう」

 

雪蓮「一刀!?それはいくらなんでも承諾できないわよ!」

 

冥琳「その通りだ!塩は軍だけでなく民間の食事にも欠かせないのだ!おいそれと見せられるわけがなかろう!」

 

一刀「確かにそうだね、でもこのままじゃ呉と魏の関係は険悪なままだ・・・・・それに・・・・・」

 

雪蓮「それに?」

 

一刀「おそらく俺が教える塩作りは、呉の技術力だけでは到底できない」

 

雪蓮「なんですって!?」

 

冥琳「一体何をするつもりなんだ、北郷!?」

 

一刀「俺の考えている塩作りは巨大な釜がいくつもいるんだ、それこそ10人の人間がすっぽり入れるような」

 

雪蓮「それくらい、呉の職人でも作れるわよ」

 

蓮華「その通りよ!魏の技術力を借りなくとも作ってみせるわ!ねえ冥琳!」

 

冥琳「・・・・・・・・・・」

 

冥琳は眉間にしわを寄せて黙り込んでいた

 

穏「・・・・・・・・・・」

 

亜莎「・・・・・・・・・・」

 

穏と亜莎も同様に黙り込んでしまった

 

蓮華「どうしたの?冥琳?」

 

冥琳「・・・・・蓮華様、そのような巨大な釜を作るような技術は呉にはまだありません」

 

蓮華「え!?」

 

穏「そうですよ蓮華様~、いくらなんでも無茶ですよ~」

 

亜莎「第一前例がありません、そのような巨大な釜など見たことも聞いたこともありませんから」

 

一刀「そこで、魏の技術力を貸して貰うのさ」

 

雪蓮「・・・・・少し癪に障るわね」

 

一刀「こればかりは、俺の力だけではどうにもならないからな」

 

穏「北郷さんの知識だけではダメなのですか~?」

 

一刀「俺にも専門的な知識があるわけじゃないから、それにこういった場でこそお互いに腹を割って話し合っていけば少しはお互いの関係に進展があると思って」

 

一刀は、塩作りを通じて険悪な雰囲気を少しでも解消しようと思っていたのである

 

雪蓮「・・・・・分かったわ」

 

冥琳「雪蓮!軽率が過ぎるぞ!」

 

雪蓮「しょうがないじゃない、一刀だけじゃ出来ないみたいなんだし」

 

冥琳「・・・・・ええい仕方が無い!穏!亜莎!この機会に魏の技術を出来るだけ吸収するぞ!」

 

穏「はいはい~♪」

 

亜莎「はい!冥琳様!」

 

一刀「(流石は呉の大軍師、貪欲だな)」

 

この知識への惜しみない探求こそが三国志で1.2を争う大軍師の強さなんだと一刀は改めて思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、海へ向かうのは明日と決まり玉座の間から星と雛里、美羽と七乃と彩が退出していく中で

 

穏「あの~、すみません~」

 

亜莎「おおお、お時間を頂けますか!!?」

 

穏と亜莎は一刀に自分達から話しかけた

 

一刀「・・・・・え~~~と?」

 

冥琳「紹介しよう北郷、この二人がわたしの弟子であり、将来の呉をしょって立つ・・・・・」

 

穏「ああ、そういえばまだ名乗っていませんでしたね~、わたくしは陸遜と申します~」

 

亜莎「わ、わ、わ、わたくしは呂蒙です!」

 

一刀「!?・・・・・君達が陸遜伯言に呂蒙子明か」

 

亜莎「ど、どうして知っているのですか!?」

 

穏「亜莎ちゃん、それは聞くだけ野暮ですよ~」

 

亜莎「あ!そうでした」

 

以前百合から、一刀が1800年後の人間であると聞いたことを緊張のし過ぎでつい忘れてしまった亜莎であった

 

一刀「自分は、北郷一刀です・・・・・ところで呂蒙さん」

 

亜莎「はははははい!!」

 

一刀「荊州を攻める時の策を考えたのは、あなたですか?」

 

亜莎「あ・・・・・はい」

 

亜莎は隠してもしょうがないと思い、絞りだすように肯定した

 

一刀「・・・・・やっぱりな」

 

冥琳「その反応を見ると、やはりおまえは樊城で戦が起こることを知っていたのだな?」

 

一刀「・・・・・その通りだ」

 

冥琳「ふっ、やはり北郷、おまえは天の御遣いだよ」

 

雪蓮「ええ、そうね・・・・・ねぇ一刀」

 

一刀「なんだい?雪蓮?」

 

雪蓮「このままここに留まって私達に力を貸してくれない?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

雪蓮「それに、私達にとってもそうだけど、一刀にとっても凄くいい条件をつけるわよ♪」

 

一刀「凄くいい条件?」

 

雪蓮「私達とまぐわって、あなたの子を授けてほしいのよ♪」

 

一刀「は!!?」

 

蓮華「お、お姉様!!?///////」

 

思春「雪蓮様!!そのようなこと!!////////」

 

穏「あらあら~~♪//////」

 

亜莎「そ、そ、そ、そ、それって、ど、ど、ど、ど、どういう!!?////////」

 

明命「はうあ!!?一刀さんとですか!!?/////////」

 

純夏「まままままだそんなこと言っているの!!?雪蓮!!/////////」

 

小蓮「シャオ、一刀となら大歓迎だよ♪//////」

 

百合「一刀君と・・・・・///////」

 

祭「ワシもまだまだ捨てたものではないぞ、北郷♪」

 

それぞれが雪蓮の言葉を理解して赤面状態となる

 

一刀「・・・・・ようするに、天の血とやらを孫呉に入れることによって尊敬と畏怖を集めたいということか」

 

冥琳「その通りだ、天の御遣いの血を手に入れれば、それだけで呉の土台は磐石になるからな」

 

一刀「・・・・・すまないけど、お断りだ」

 

蓮「あら?一刀の目も節穴ね、こんな可愛い子達を目の前にして何も感じないのかしら?」

 

一刀「もちろん、こんなに可愛くて綺麗な子達と一緒になれたら俺だって凄く嬉しいよ」

 

蓮華「(一刀)//////////」

 

思春「(ふんっ!貴様となど!)///////」

 

純夏「(一刀との子供か~~)///////」

 

明命「(はうあ~~)////////」

 

穏「(あらあら~~~♪)////////」

 

亜莎「(あうあう~~)////////」

 

小蓮「(シャオ絶対一刀に初めてをあげるね♪)////////」

 

百合「(一刀君となら~♪)////////」

 

祭「(女の部分が疼くの~♪)////////」

 

一刀の言葉が嬉しくて一同の顔はみるみる赤くなっていった

 

雪蓮「ならいいじゃない♪一刀もたまには女を抱かないと損する一方よ♪」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

そんな桃色話をしている中で一刀の顔は果てしなく暗かった

 

雪蓮「・・・・・どうしたのよ、一刀?」

 

一刀「・・・・・雪蓮、俺が今まで、何千、何万、何十万の人を斬ってきたと思う?」

 

雪蓮「・・・・・・・・・・」

 

一刀「俺の手は、誰かを抱いてやるにはあまりに汚れすぎている」

 

雪蓮「そんなの、私達は気にしないわ!」

 

一刀「俺は気にするんだ、みんなだってこんな汚れた奴に抱いてもらうなんて、気分が悪くなるだけだろ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

一刀の言葉に一同は複雑な気持ちになる

 

一刀「とにかく、このことに関しては俺は承諾することはない」

 

雪蓮「・・・・・分かったわ・・・・・でも、気が変わったら声を掛けてね♪私はいつでも大歓迎よ♪」

 

一刀「よしてくれよ」

 

雪蓮の言葉に少しだけ照れくさくなってしまう一刀だった

 

そんな時

 

穏「北郷さん~、わたくしの真名は穏です~北郷さんに預けてもよろしいですか~?」

 

亜莎「わわわわ、わたくしの真名は亜莎と申します!」

 

一刀「・・・・・いきなりどうしたんだい?」

 

穏「北郷さんが人のことを気遣うことができて優しい人だと分かったからですよ~」

 

亜莎「そ、それにあなた様は雪蓮様の命を救ってくれました、本当にありがとうございます」

 

一刀「・・・・・俺のことは一刀って呼んでくれ、穏、亜莎」

 

穏「はい~♪一刀さん~♪」

 

亜莎「よろしくお願いします、一刀様♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

玉座の間を出て一刀は魏の使者達の部屋へ行くために廊下を歩いていた

 

そこに

 

美羽「待つのじゃ、北郷!」

 

七乃「待ってください、北郷さん!」

 

彩「少し貴殿と話がしたい、お時間はあるかな?」

 

後ろから美羽と七乃と彩が話しかけてきた

 

一刀「君は、袁術か!?」

 

美羽「おお!覚えていてくれたのか!」

 

一刀「そりゃあな、自分で叱った相手だしな」

 

美羽「・・・・・北郷、此度は雪蓮を助けてくれて感謝する・・・・・本当に、ありがとう」

 

美羽は一刀に向かって深々と頭を下げた

 

七乃と彩も美羽に習って頭を下げた

 

一刀「いいんだよ、頭を上げてくれ」

 

美羽「いいや、良くないのじゃ、いずれわらわも北郷にお礼がしたいのじゃ」

 

一刀「・・・・・なぁ、君は本当にあの袁術か?」

 

美羽「?・・・・・どういう意味じゃ?」

 

一刀「いや・・・・・なんだか、前に会った時と比べて・・・・・」

 

七乃「大人っぽくなったとか?」

 

彩「落ち着きが出てきたとか?」

 

一刀「そうそう」

 

美羽「・・・・・北郷、洛陽でそなたに言われた通り、わらわは自分の街を見てみたのじゃ」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

美羽「河南の街は、本当に酷い有様じゃった、北郷に言われるまで気付かなかったとはなんとも情けない話なのじゃ」

 

一刀「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

美羽「本来なら、もっと早く気付くべきだったのじゃ」

 

七乃「でも、今は雪蓮さん達の力も借りて、かなりのところまで復旧できました」

 

彩「さよう、自分達の力でできなかったのがなんとも口惜しいが」

 

一刀「それは仕方ないですよ」

 

美羽「北郷、そなたには生まれ変わった河南の街にぜひ招待したいのじゃ」

 

一刀「それは楽しみだな、ぜひ寄らせてもらうよ」

 

美羽「うむ♪わらわの真名は美羽じゃ♪これからはそう呼んでたもう♪」

 

七乃「わたくしは始めましてですね・・・・・わたくしは張勲、真名は七乃です」

 

彩「以前に戦場であっているが、改めて名乗ろう・・・・・わたしは紀霊、真名を彩という、よしなにたのむ」

 

一刀「俺は、知っていると思うけど真名が無い、だから一刀と呼んでくれ、美羽、七乃さん、彩さん」

 

美羽「分かったのじゃ、一刀♪」

 

七乃「よろしくお願いしますね、一刀さん」

 

彩「いずれ貴殿とは、ゆっくりと話がしたいからな、一刀殿」

 

一刀「それじゃあ三人とも、また後で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一刀は、魏一同のいる部屋へと来た

 

 

 

 

見張り役「ん?・・・・・あ!あなた様は!?」

 

一刀「すみません、ちょっと魏の使者と話がしたくて、入っていいですか?」

 

見張り役「はい!周瑜様からは許可は頂いています!」

 

見張り役は扉の前をどき一刀に道を譲った

 

コンコン

 

一刀「みんな、俺だけど」

 

稟「一刀殿、入ってくださって構いませんよ」

 

扉越しに聞こえてきたのは稟の声だった

 

一刀「入るよ」

 

そして一刀は部屋に入っていった

 

一刀「みんな、窮屈ですまないな」

 

風「何故お兄さんが謝るのですか~?」

 

凪「そうです!一刀様は謝らないといけないことなんて何もしていません!」

 

沙和「むしろ謝らないといけないのは沙和達なの~」

 

真桜「一刀はん、実は孫策はんを暗殺しようとしたのって、ウチの隊の人間なんや」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

真桜「ウチと沙和と凪は徐栄はんが纏めていた北郷隊で新兵の訓練をしていたんやけど、今回のことはウチの監督不行き届きやったわ・・・・・ほんまかんにんや!」

 

真桜は一刀に向かって深々と頭を下げた

 

沙和「そうなの~、真桜ちゃん危うく華琳様に首を落とされそうだったのぉ~~・・・・・」

 

凪「はい、私達もなんとか華琳様をお諫めして真桜を助けてもらったんです・・・・・」

 

他の三羽烏の二人もあの時の華琳の形相にはたじたじだったが、なんとか真桜の命は助けてもらったのだ

 

一刀「・・・・・顔を上げてくれ、真桜」

 

真桜「でも・・・・・ウチ・・・・・・ウチ・・・・・・」

 

真桜は今にも泣き出してしまいそうだった

 

一刀「・・・・・っ」

 

ギュッ

 

真桜「え!!??」

 

稟「な!?」

 

風「ほほぉ~~う」

 

零「!?」

 

凪「一刀様!?」

 

沙和「えええ!?」

 

一刀はそんな真桜を抱きしめてあげた

 

一刀「もう済んだことだ、真桜が気に病むことはない」

 

真桜「・・・・・でも・・・・・」

 

一刀「真桜、俺は死んでいない」

 

真桜「・・・・・・・・・・」

 

一刀「俺が許すって言っているんだ、だから真桜も自分のことを許してくれ」

 

真桜「うううううううぅぅぅぅぅぅ・・・・・うわぁ~~~~~~~~ん!!!」

 

そして真桜も我慢できずに一刀に抱きつき、一刀の胸の中で泣き出してしまった

 

稟「(まったく、一刀殿は)/////」

 

風「(男の甲斐性溢れまくっていますね~、お兄さん)//////」

 

零「(・・・・・・・・・・)」

 

凪「(わたしにもああしてくれないかな)///////」

 

沙和「(沙和も一刀さんにぎゅ~~~ってしてほしいの~)//////」

 

それからしばらく一刀は真桜を抱きしめてあげていた

 

真桜「(はぁ~~~~~、一刀はんって暖かいな~~♪)//////」

 

一刀の胸の中で真桜は幸福に浸っていた

 

そんな二人の姿を見て

 

凪「(くっ!羨ましいぞ!真桜!)」

 

代わってほしい気持ちでいっぱいな凪だった

 

一刀「・・・・・気分は晴れたか?」

 

真桜「・・・・・うん、もう大丈夫や、おおきにな♪」

 

一刀「よかった」

 

そういいながら一刀は真桜を離した

 

一刀「話は変わるけど、みんなは呉に謝罪をしに来たんだよね?」

 

稟「はい、しかし暗殺犯の首だけでは足りませんね」

 

風「今回は、お兄さんが仲介をしてくれたから何とかなっただけですよ~」

 

零「そうね、今後呉は魏に対していい顔は絶対しないでしょうね」

 

一刀「そうだな・・・・・そこでだ、呉への謝罪も兼ねて少しだけ魏の技術力を貸してほしいんだ」

 

零「なんですって?」

 

一刀「実は、俺が呉に効率的な塩作りの方法を教えようと思っているんだけど、呉の職人では俺の考えている装置を作れないみたいなんだ」

 

真桜「どんなものが必要なんや?」

 

一刀「釜だよ、人が数人すっぽり入るような巨大な釜だ」

 

真桜「ああ~~~、それくらいなら楽勝で造れるで♪」

 

一刀「やっぱり、真桜はかなりの技術を持っているんだな」

 

凪「はい、真桜はわたし達では想像もできないような物をいくつも発明しています」

 

沙和「魏一番のからくり師とは真桜ちゃんの事なの~♪」

 

零「それにしても、なんで北郷は真桜がそれだけの技術を持っていることを知っているの?」

 

一刀「真桜は前に戦場で会った時、回転する槍を持っていただろ?」

 

真桜「ああ、螺旋槍のことやろか」

 

一刀「そうだ、あの槍を見た時に真桜は凄い技術を持っているんだろうって思ったんだ、だから真桜、協力してくれないか?」

 

真桜「ええで~♪他ならない一刀はんの頼みや♪一肌脱ぐで~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一刀を含めた魏の使者と蜀の使者と呉一同は建業東の浜辺へと向かった

 

そこで一刀と真桜は、まずは海水を濾過する装置を作り、焼き物で巨大な釜を一つだけ作った

 

その釜の大きさに合わせてこれまた巨大な炉を造り地面の中にその釜を埋める

 

ちなみにこの炉は一刀と真桜によって様々な工夫がなされていた

 

鞴(ふいご)という日本刀を作る時に使われる酸素吸入装置を作り、より効率よく熱が伝わるように改良する

 

一刀が大体の設計図を真桜に見せ、真桜がその設計図を参考に炉を組み立てていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真桜「よっしゃ!完成や!」

 

一刀「かなり立派なものが出来たな」

 

雪蓮「一刀、これで本当に効率的に塩が作れるの?」

 

一刀「こればかりはやってみないと分からないな」

 

その後、濾過した海水を釜に入れて火を通す

 

ここで活躍したのが一刀の考案した鞴である

 

効率よく炉の中に酸素を入れるため、炉の温度は決して下がらず海水はたちまち水分を飛ばしていく

 

後は火を消し、釜の中に残った塩をとれば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥琳「・・・・・驚いたな」

 

穏「一刀さんの言っていたことは本当でしたね~」

 

亜莎「たった一度でこれだけの塩を量産できるなんて」

 

稟「これは、なんとも」

 

風「羨ましいです~」

 

零「なかなか良質な塩ね」

 

そこには樽10杯にいっぱいの塩が積みあがっていた

 

一刀「これでどうかな?蜀との貿易に関しては問題ないと思うけど」

 

雪蓮「ええ♪これだけ量産できれば問題無しよ♪」

 

雛里「一刀さん、ありがとうございます」

 

星「一刀殿、感謝いたします」

 

こうして、塩の量産に成功した呉は蜀との友好関係構築および、貿易の促進に乗り出していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもseigouです

 

まずは一言

 

・・・・・・・・・ごめんなさい

 

最近本当に書く時間が無くて、酷いときには一日に数行しか進まない時もあります

 

この小説を楽しみにしてくださっている皆さんには本当に後迷惑をお掛けしました

 

本当にごめんなさい

 

というわけで今回は塩作りでした

 

自分も塩作りに詳しいわけではありませんので何か間違っているところがありましたらじゃんじゃんご指摘ください

 

では、また


 
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