「……あなたは、先ほどから私を見つめてますが、何か言いたい事でもあるのですか?」
「ううん。何でもないよ♪」
「何を笑っているのですか……」
人の顔をジロジロと見て、ニヤつくなんて失礼じゃないですか?
「怒らないでよ、星光ー」
「怒ってなんかいませんよ雷刃」
だから私の頬を突かないで下さい。
ただ、私は能天気なあなたに呆れているだけですから。
「にゃははっ♪ 二人とも仲良しさんだね♪」
「どこをどう見たらそう思うのですか、なのは」
「そうなんだよー僕達は仲良しさんなんだよ」
「――あなたは何を言っているのですか!?」
あなたがそんな事を言うと――
「にゃはは」
ああ、ほら。なのはが勘違いを起こしているじゃないですか。
私達は同じ目的を持った存在であり、仲間で……ただ、それだけなんですから。
「照れなくてもいいんだよ星光ちゃん」
「ですから照れてなんかいません!」
あーもう! 雷刃、あなたのせいでこんな事に……
どうしてくれるんですか?
「うわー。このシュークリーム美味しいねぇ~♪」
「えへへっ♪ どういたしまして」
「…………」
何なんですか? 私を無視してシュークリームを食べないで下さい。
それに、なのはもなのはです。
彼女に余計な物を与えて、翠屋の常連になってしまったらどうするのですか。
この子の事ですから、気にいったら毎日のように来るでしょう。
毎日来ては、私を見て笑うのでしょう?
そういうのは非常に困ります。
せめて、彼女が笑っている理由が分かればいいのですが――
「雷刃ちゃんが笑ってる理由は簡単だよ」
「なの……は?」
もしかして、今のひとりごとを聞かれてしまってたのですか?
それはかなり恥ずかしいのですが……
「クールなように見えて星光ちゃんは、思ってる事が顔に出やすいからね♪」
「そう、でしたか……」
それは少々、気をつけた方がいいかもしれませんね。
「それで、なのは。雷刃が私を見て笑った理由は何なのですか?」
「それはね――」
「星光ちゃんが幸せそうな顔をしてたからだよ」
「……幸せそう……ですか」
「うん。きっと毎日が充実してるから幸せそうに見えたんだろうね」
「充実ですか……」
確かに、今の私はそれなりに充実した毎日を過ごしている。
なのはに拾われ、一緒に過ごすうちに少なからず幸せを感じていたのでしょう。
ああ、そうですね。私は――
「まぁ、雷刃ちゃんも充実した日々を過ごせているからなんだろうけどね♪」
「そうでしたか」
彼女は彼女で、それなりの幸せを感じているのですね。
「う~ん、しあわせ~♪」
本当に幸せそうですね……
「あー星光! いま、僕を見て笑ったなー!」
「ふふ……笑ってなんかいませんよ」
「笑うなって、星光が先に言ったのにぃ~」
「……気のせいでしょう」
「むきーっ!」
「うん。やっぱり二人は仲良しさんだね♪」
だから別に仲良しではないと言っているのに。
なのはの事ですから、言っても納得してくれないのでしょうね。
はぁ。なんだかそういう事でいいような気がしてきましたよ。
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なのポ、シリーズ三話め。
雷刃たんを出しましたが、思いのほかアホの子になりませんでした。ガッカリだよ……