No.201162

恋姫無双~天の断罪者~9

ノエルさん

もし恋姫無双にこんな設定があったらと書いてみました。

世界の守護者の一人である一刀が外史と呼ばれる三国志の世界で魏・蜀・呉の人々と触れ合い?ながらその世界が破戒するのか、それとも存続するのかを見定めていく物語です。基本中立的な立場からどの勢力にも属しませんが、一時的に属することはあります。

基本的に一刀に関わった女性は惚れますが、本人はいつものことなので相手からきちんとした気持ちを打ち明けられない限り気がつきません。

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2011-02-12 17:37:24 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:3123   閲覧ユーザー数:2594

人物紹介

 

葵翠(キスイ):馬騰の真名。自分が気に入ったものはどんな事をしても手に入れたいと思っているが、本人の意思を無視してまで手に入れたいと思っていない。また、人の考えや気持ちを見抜くことにたけている。前線から離れているが、かなりの武を持っている。病により死を待つだけだったが華陀と一刀の治療により病を克服。現在は内政に力を入れつつ、喧嘩っぱやい娘たちに頭を痛ませている。一刀に対しては『既成事実』を作ることに躍起になっている。

 

蕾(ライ):馬休の真名。馬超と同じくかなりの武を持っているが、融通か利かない性格で、自分が認めた人以外の話を聞こうとしない。しかし、1度認めた相手の言葉にはどんなことにでも従うため、親からは「いくら認めた相手でも分別ぐらいつけろ」といわれ将来を心配されている。ある出来事から一時一刀の世話係を任命される。

 

零(レイ):馬鉄の真名。姉と違い、それなりに物事の道理はわきまえているが、自分の考えが他の人の考えであると考えている。しかし、指摘されれば納得するが、指摘されない限り譲ることはない。武はそれなりにあるが、姉たちには及ばずいつか追い抜くことを夢見て日夜鍛錬を行なっている。将来の夢は自分が認める人と結婚すること。姉同様ある出来事から一時一刀の世話係を任命される。

 

葵翠に客将と迎えられてから早数日、今は城の庭でお茶を楽しんでいた。

 

「おいしいお茶だな…この世界に来て始めて飲んだ気がする」

 

「それは何よりだ。どうだ、このままずっと此処にいるというのは…今ならもれなく嫁が2人もついてくるぞ」

 

「それは遠慮する。俺にもやるべき事があるからな…」

 

「…そうかい。それにしても、傷はもういいのかい」

 

「ああ、問題ないが華陀からは2ヶ月ほど重いものを持ったり、戦闘は避けるようにと言われたが…言われなくても、わかっていた事だし。一番の問題は氣が極端に少なくることだ「すまない事をしたね」…気にするな。別に戦えないわけじゃない。移動と強化、操作が出来れば問題ない」

 

「だけどお兄さん。それだと、あのときみたいな技が使えないんじゃないの」

 

「おい、あんたらこんなところで何やってるんだ…」

 

「それは特に問題ない。俺はもともと鋼糸よりも、剣での戦闘が得意だからな「そういう問題じゃないだろう」…確かに鋼糸術は氣を大量に使うが、剣術は氣を特に使わないんだ「どいうこと」俺の剣術に必要なのは、信念や誇りがしっかりとしていれば、力や氣の大きさに関わらず威力があがるからな」

 

「そうなんだ、じゃ今度蒲公英と試合してよ(バシッ)何するの」

 

「さっきの話を聞いていなかったのか。医者から2ヶ月ほど戦いは避けるようにといわれておったじゃろう」

 

「いや、別にいいが「おい、良いのか」ああ、以前にも同じようなことをした事があったからな。全力でなければ、少しぐらいなら問題ない「ホント、約束だからね」…ああ」

 

「…いい加減、あたいを無視するのはやめろ「なんだ、寂しいのか」違う。母様、政務をほっといて何のんびりとお茶をしてるんだ。それと、蒲公英も訓練はどうした」

 

「休憩だよ。それに、他の世界から来た一刀の意見も聞きたかったからな。ついでにお茶でもと思ったわけだ」

 

「蒲公英は、訓練場に行こうとしたらお兄さんにお茶に誘われたの」

 

「ハァ、何でみんなしてこんな奴のいうことを信じるんだ。お茶もすんだことだし、早く仕事に戻ったらどうだ」

 

のんびりとお茶をしている母親と従姉妹に呆れながらも仕事に戻ることを催促する馬超。そこに一刀が声を掛ける

 

「馬超さん「なんだよ」そんなカリカリしてたら見えるものも見えなくなるぞ」

 

「おい、それはどういう意味だよ「それは自分で考えてくれ」…くっ」

 

「それじゃ、葵翠さん先ほどの件は街の中を見てから報告します「それでいいよ」…蒲公英ちゃんもそれが終ったら訓練に付き合うからそれまできちんと訓練しておくんだよ」

 

「わかった。楽しみにしているよ」「うん、早く来てね」

 

「それじゃ、失礼します。お茶おいしかったですよ」

 

それぞれが仕事に行く中、取り残された馬超の「あたいを無視するなー」と叫び声を上げた後、自分も兵の調練に向かうのだった。

 

「結構活気があって良い所だな…これなら、俺が口を挟まないほうがいいだろうな…問題は、やはり五胡の方か。見た限りでは彼らがこっちに侵略してくるとは思えん。卑弥呼に調査と破戒を頼んでおいてよかったかもしれない」

 

「そこのあんちゃん。どうだい、一つ買ってかないかい」

 

「そうだな、昼も近いし一つ……何の騒ぎだ」

 

街を散策しながらのんきに歩いていると不意に怒鳴り声が聞こえ、その方角を見るとよく似たもの同士がどっちの店に入るか口論していた

 

「こっちの店のほうが美味しいって」

 

「いえ、このお店のほうが味に深みがあります」

 

「なら、勝ったほうの店にしましょうか?」「いいわよ」

 

両差とも譲らず、共に仕舞いには各々の得物を取り出し(何処から出したか不明)街中だというのにやる気満々であった

 

「何の騒ぎですか?」

 

「ああ、あんたよそから来たのかい。いやなに、昼近くになるとあの2人は何処で食べるかでもめてるんです」

 

「ええ、それに止めようにも、馬騰様の娘だから警備の人じゃ敵わなくてね。いい子達なんだけど、どうしたものかしら」

 

「ふむ、確かにこんなところで暴れられたらいい迷惑だし、止めてくるか」

 

「お、おいあんちゃん「なんだ」やめときなよ。怪我じゃすまないよ」

 

「あははは、大丈夫だよ」

 

「いくよ、ハッ」「負けない、ヤッ」

 

「はい、そこまで『え、きゃぁぁ』…いい声でなくな。じゃなくて、こんな街中で武人が真剣に喧嘩するな。恥を知ったほうがいいぞ」

 

「なによ、いきなり出てきて背中を撫でる変態に言われたくないわ」「うん、うん」

 

「うるさいわ。葵翠さんが言っていたことが分かったわ「ちょっと、何母様のことを真名で呼んでるのよ」…何でって、本人からいいといわれたからだが「嘘いうな」…だったら、これから本人に確かめにいくか?まぁ、この出来事も報告しないといけないからなついでだ」

 

「いや、それはちょっと、あはははは」

 

「だめだ、行くぞ…(ガシッ)そこ、逃げようとするな」「「いやぁぁぁぁぁ」」

 

首根っこをつかまれて引きずられながら2人は城に連れて行かれた。そのことで、葵翠から説教と共に自己紹介をされ今回の処分として、謹慎とまだ傷がいえない一刀の世話係を言い渡された。一刀は街を見学しての感想を葵翠に伝え、政務を手伝うことになった。

翌日、世話係を言い渡された馬休と馬鉄が一刀を起こしに部屋の前まで来ていた

 

「全くなんで私達があんな変態の世話を焼かないといけないのよ」

 

「これも零のせいじゃない」「それは、蕾姉様も一緒じゃない」

 

「此処で口論していたら、今度なに言われるか分かったもんじゃないわ…何で母様はあんな変態を気に入ってるのよ」

 

コンコン「入るわよ…って、誰もいないじゃない。何処行ったのよ」

 

「本当ね。ねぇ、今のうちに部屋の中を漁ってあいつの弱みになりそうなものを見つけましょうよ零」

 

「そうですね。このまま彼の世話をただ単に続けるのもムカつきますし…それじゃ早速探しましょう蕾姉様」

 

そう言って馬休と馬鉄は部屋の中を物色しはじめた。部屋の隅に置かれている槍と剣に目が留まったが、弱みに繋がりそうにないと考え、他にないかベッドの下や机の中から天井裏までくまなく探すが弱みになりそうなものも見つからず、途方にくれていると

 

「ねぇ、これってあいつの得物だよね?もし、これがなくなったら困るんじゃないかな」

 

「…そうだね、それを餌にあいつに一泡吹かせてやろうよ」

 

両者は頷くとそれぞれ槍と剣に手を伸ばした。一方その頃、一刀は庭で改造した光靭を使いこなすべく、自分の鍛錬をしていた。

 

ヒュッ!!トス、ヒュン!! スパ、ヒュン!!!スパン

 

「…いままで、氣だけで扱っていた分操作が慣れんな…よっと」

 

ヒョイ…ヒュン、ヒュン…石を上に投げてはそれを鋼糸で斬る、捕縛するを繰り返しながら作り直した光靭の訓練をしていた。

 

「これまでと違い実物を使っているからなのか、斬ったり斬らなかったりを調整するのは長距離は難しいな?ま、遠距離じゃなければ、何とかなるか」

 

「あれ、お兄さんこんなところで何やってるの?「武器の鍛錬だが」…じゃ蒲公英も付き合う。ねぇいいでしょう」

 

「別にかまわんが、まだ完全に制御できないからな。それでよければ付き合うが」

 

「うん、いいよ。じゃ、ちょっと待っててね直ぐに武器を持ってくるから」

 

「元気がいいねぇ。ま、ある程度は10本の鋼糸を制御できるようになったことだし、微調整の為にも実戦はいい機会か…それにしても、卑弥呼は遅いな。もうそろそろ頼んだ仕事が終って帰ってきてもいい頃なんだが」

 

数分後自分の得物を持ってきた蒲公英と半刻ほど鍛錬に付き合っていると、侍女から葵翠が呼んでいると報告を受け、葵翠のところに向かおうとしたが、侍女から馬休、馬鉄も探しているが見つからないと聞いた一刀は取り合えず2人を探す為、侍女と一緒に探しながら見つからず、最後の砦として自分の部屋に行くと槍の下敷きになった状態で探していた2人を発見した。

 

「何処にもいないと思ったら、こんなところで何やってるんだ?」

 

「いえ、母様から世話を頼まれたから、お前を起こしに来たんだ」

 

「とにかく助けてください」

 

「はぁ、とりあえず葵翠さんが呼んでるらしいから何も言わないが、人様のものを勝手にいじるとろくなことないことは覚えておいてくれ…侍女さんも後は俺が連れていきます。探すのを手伝ってくれてありがとう」

 

「分かりました、分かりましたから早く助けてください」

 

グルグルグルグル「…何で私たちは縛られているんですか」

 

「無断侵入と、人の武器を持ち出そうとした罰と思ってくれ」

 

一刀は侍女に声を掛けながら部屋に入り、ヒョイと軽々しく槍を持ち上げると、剣の近くに立掛け、馬休、馬鉄を鋼線でぐるぐる巻きにすると、ズルズルと引きずりながら葵翠の元に向かうのだった。その間、姉妹の間で「蕾姉様が隠そうっていうから」「なによ、零だって賛成したじゃない」と言い合っていた。

 

「どうしたんだい。また何か悪さでもしたかい?」

 

2人の姿を見て葵翠はまたかというような顔をし、一刀は「無断侵入と窃盗未遂でお仕置中だ」と答える。葵翠は、客人にそんな娘たちを見せたくない為一刀に鋼糸を解くように説得し、解かれると侍女に客を此処に連れてくるように言った。

 

「それで母様、客って誰なんだ」

 

「せっかちな娘だねぇ。お前も知っている人だよ…っと来たようだね」

 

扉が開いた瞬間不気味な静けさがあたりを支配し、一刀は見知った顔を見ると

 

「「………………!!」」

 

「卑弥呼、遅かったな。何処で油を売っていたんだ」

 

「あぁぁ、卑弥呼だ。久しぶり、ねぇねぇ今まで何処に行ってたの」

 

「貴様か、なんだ華陀は一緒じゃないのか」

 

「うむ。ちょっと危険な仕事にいっておったのでな、ダーリンには此処に残っておいて貰ったのだ。それで、なんじゃそこの2人は人を見るなりいきなり気絶しおってからに」

 

「お前達いつまで気を失っているんだい。いい加減目を覚ましな」

 

「「……ハッ!!なんですかこの醜い化け物は」」

 

「なんじゃと。誰が見るだけで人が殺せる化け物だって」「そこまで言ってません」

 

「卑弥呼、用件はなんだ。なんとなくは分かるが」

 

「おお、そうであった。なに、おぬしに頼まれておった仕事は無事終ったことを報告しに来たのじゃ。やはり本来の五胡の民の仕業ではなく。あやつらの遺物がもたらしたものであった。その遺物は完全に破壊しもう動くこともあるまいて」

 

「それにしては、随分時間がかかったな」

 

「うむ、ついでに五胡の者たちにもその辺を知らせてきたのでな…あとこれは全ての五胡の部族から言われたことだが『今後我らがそちらに部隊を送ることはない』と事付けと、血判状を貰ってきたのじゃ」

 

「それは、本当うかい?今まで彼らの侵攻を防いでいた私たちとしては直ぐには信じられない話だね」

 

「葵翠さん、恐らく本当でしょうが。信じられないのなら、暫く様子を見て本当に進行がないか確認してみては」

 

「そだね。いきなり『もう攻め込みません』といわれても、信じられないよねぇ」

 

「お前達はどうだい」

 

「あたいは、直ぐには信じられないな。そこにいる卑弥呼って奴もそうだが、暫く様子を見たほうがいいと思う」

 

「私は母様の決定に従うまでだ」

 

「私は翠姉様に賛成だ」

 

「そうだねぇ。それじゃ、暫く様子を見て本当かどうか確かめさせてもらおうか」

 

「うむ、分かった。血判状は北郷一刀に預けておくので、儂はダーリンのところに帰るとするかの」

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!ダァーーーーーーーーリーーーーーーーーン

 

そういうな否や一刀に血判状を投げつけるとものすごい勢いで走り去っていった

 

「騒がしい漢女だねぇ。それで、話は変わるが、何で蕾と零は縛られて来たんだい」

 

「ああ、それは…(説明中)…というわけだ。恐らく俺の世話係に不満があって、いない間に弱みの一つでも見つけてやろうとしたが見つからず、それなら武器を隠そうとして下敷きになったんだろう」

 

「もしかして、見てたんですか」

 

「いや、状況からそうじゃないかと思ったまでだ」

 

「そうかい。そんなに一刀の世話係をしたくないかい「当たり前です」ほぉ、それは何故だい」

 

「私よりも弱いものの世話を焼くなど耐えられません「いいようにあしらわれたのにかい」あれは、油断していたからであって、真正面からなら決して負けることはありません」

 

「零お前もかい」

 

「当たり前です。こんな変態に負けることなどありえません」

 

「それなら、勝負してみればいいんじゃないの」

 

「ふむ、それはいい考えだねぇ。ぶつかり合うことで互いを知るいい機会だ。一刀はどうだ。体のほうは大丈夫かい」

 

「ん、ああこの調子だと半刻ぐらいなら問題ない」

 

「そうかい。お前たちはどうだい。もし一刀に勝ったらもう世話をしなくてもいいよ。もし負けるようなら一刀が此処にいる間は世話をしてもらう」

 

「本当ですね。ふふふ吠え面かかせて上げますよ」

 

「なぁ、お前たちやめといた方がいいぞ」

 

「翠姉様は黙っててください。私達がこんな変態に負けるわけありません」

 

「なぁ、蒲公英。もしかしてあいつ等一刀の戦う姿を見たことないのか」

 

「うん。いつも訓練場にいるか、街にいるかだからお兄さんが戦っているところなんて見れるわけないよ」

 

「それもそうだな」

 

「それじゃ、今から半刻後に各々の得物を持って訓練場に集合いいね」

 

「「はい!!」」

 

「分かった。蒲公英ちゃん後で案内してくれ「うん。いいよ」」

 

それぞれの思惑を胸に、謁見の間を後にする一同を見て馬超はまたしても自分が置いてけぼりになっていることに気がつき、「あたしも話にくわえろぉ」と大声を張り上げるが誰もいない広間にこだまするだけであった。叫んだ後余計にむなしくなりさっさと訓練場に向かうのだった。

一方、馬休と馬鉄はこれで自由になると考え、さっさと訓練場に向かい、一刀はどれ位動けるのかを確かめるために、時空の剣を片手に蒲公英の案内で訓練場に向かうのだった。そして、この戦いを仕組んだ張本人は一刀の戦いを見られることにワクワクしていた。

 


 
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