<Door>
私をつかみ出して。
私のドアを、どんな強固なドアでも
けしてノックをせずに
蹴破って、
私をつかみ出して。
私の内にあるありとあらゆるもの達を
捨ててしまって、
私という部屋を壊してほしい。
けしてノックをせずに
突然の嵐を演じてほしい。
けれどそれから
からっぽの部屋のなかで私は
あなたの靴跡を綺麗に掃除してしまうから。
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<ドアを開けろ>
さあ そのドアを開けろ
鍵など元からない
お前の目の前にある
ノブを手にして ひねるだけでいい
お前の側にしかないノブを
お前のつくったそのドアを
さあ ひらけ さあ あけろ
時が経つほど重くなる
時が経つのはひどくはやい
さあ 今すぐそのドアを
私が開けろと言ううちに
開(ひら)いた方が身のためだ
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一対になっている二編の短い詩(というか散文)です。
それぞれ2000年頃、2007年の作品になります。