これは小蓮と明命の影で見ていた蓮華が主役のお話――――――――――
三人には見付からない場所から羨ましそうに見詰める蓮華。
蓮華は三人とも気がついていないと思い込んでいるようだが、この俺、北郷一刀にはわかっている
俺が蓮華に気がついたのは、明命と部屋を出たあたり、なぜ明命と小蓮は気がつかないのだろうか?不思議だ、物凄く。誰か知ってたら教えてほしいね。
さて、それはさて置き、話に戻るとしようか。
????「うぅ・・・小蓮と明命いいなぁ・・・・」
「一刀さまっ、本当にありがとうございます!」
「一刀っ!今度はシャオの番だからね!」
「わかったよ、今度は二人の分を考えておくからさ」
ここはこう言うしかない、まぁ服を考えてあげるのは楽しいからいいんだけど。
「あ~え~っと・・・・蓮華はいつまでそうしてるのかな?」
「「え!?」」
「ひゃうっ!」
突然でびっくりしたんだろう、驚いて転びながら出てきた。
「お、お姉ちゃん!?な・・なにしてんの?」
「れ、蓮華さま!?どうしてここに・・・・・?」
「・・・・グスン・・・・・だってぇ・・・・だってぇ・・・・・」
「・・・二人・・・が・・・グスン・・・羨まし・・・・かったんだ・・グスン・・・もん・・」
(ええええええええええええええええ!蓮華は凄い素直だって!?まぁこれはこれで可愛いか・・)
「・・・・・・蓮華」
「!?」
俺は半泣き状態の蓮華を抱きしめる。
「ごめんよ、蓮華。」
「うぅ・・・グスッ・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁん!」
蓮華は大声を出して泣き出した。俺も小蓮もそれなりに驚いたが、明命はなんかオロオロとして今にも泣き出しそうな顔をしている。
(明命も泣きそうな顔してるよ・・・・・ハハハ)
「・・んふぁ・・・・・・・れん・・・・・ふぁ・・・・」
「れん・・・・・ふぁ・・・・・・・・・・蓮華!」
「んぅ・・・?・・・かず・・と・・・?」
「シャオもいるよー!」「わ・・・私もいますっ!」
状況を説明しよう。蓮華は俺の胸の中で泣き疲れたらしく、寝てしまったのだ。そのままにしておく訳にもいかないので、俺の部屋に連れて行ったのだ。幸いその後すぐ目を覚ましたのだ。
「わ・・・私は・・・・なにを・・・・?」
(思い出した・・・・私は・・一刀の胸の中で泣いて・・・・それで・・・・)
「/////」
(あらら、赤くなっちゃったよ。それに明命達もしるからかな?)
「小蓮、明命、一度席を外してもらえるかな?」
「えっ?いいけど。どうして?」
「蓮華は多分二人が居ると話せないと思うんだ。」
「「あぁそういうこと(ですか)」」
二人は納得してくれたようだ。蓮華は相変わらず顔を真赤にしたまま俯いている。
「じゃあまたあとでくるねぇ~」
「でわまたのちほど!」
二人は部屋を出てくれたようだ。
「蓮華?二人は部屋を出たよ」
「えっ?・・・あぁ、うん」
(どうしようかなぁ、一先ずは話を聞こうかな)
「蓮華、今日はどうしたの?」
「・・・・・・・」
答えないようなので、そっと抱きしめてみる。
「いいんだよ、蓮華、いまは二人きりだ。気持ちに素直になろう。」
「一刀っ!」
二人きり―――この言葉に反応したのだろう。蓮華は抱きついてきた。
「いいんだよね?素直になって・・・・・」
「いいんだよ。俺は蓮華を受け止める」
「あのね?私も・・・一刀の考えてくれた服がほしいの・・それと・・・・・」
「それと?」
「一日でもいいから一刀を独り占めしたい・・・・・だめ?」
涙目な上に上目遣いでそんなこといわれたら・・・・・・・・やばいぞ・・・・・
「い、一日ぐらいなら大丈夫じゃないかな?うん。大丈夫だ!」
「服は時間が出来たら早めに作ってもらうよ。」
なんとか理性を保ち、にっこりと微笑む。
「うん♪」
蓮華はさっきの言葉が相当うれしかったのだろう。俺の膝の上で満面の笑みを浮かべて甘えてくる
(まるで猫みたいだなぁ・・・)
無意識に蓮華の頭を撫でる。
「♪~~♪~~~」
喜んでくれたらしい。
「ねぇ、かずとぉ?」
「?どうしたの?蓮華」
「ここってかずとの部屋だよね?」
「うん、そうだよ。」
「 //////」
なんか黙り込んだぞ・・・?
「じゃ・・・じゃあ、今日ここで寝てもいい?」
「え?」
「えええええええええええええええ!?」
「だめ?」
蓮華は目がうるうるさせて上目遣いで頼んでくる。
(そんな目をされたら断れないじゃないか・・・・)
「う・・・わ、わかったよ。」
「やったぁ♪」
「で、でも、思春にばれたときはちゃんと弁護してくれよ?な?」
思春に見付かったときは、蓮華が弁護してくれなければおそらく殺されるだろう。
「わかったわ、それは任せておいて♪」
「♪~~♪~~~」
蓮華は相当浮かれているみたいだ。俺の膝の上で懐いた猫のように甘えてくる。
(正直やばいぞ・・・・・可愛いにもほどがあるだろ、これは・・俺の理性がどこまで持つか・・)
「かずとぉ、眠ぃ?」
「え?まぁすこし眠いかも」
「じゃあ寝るのぉ?」
「ん~明日も仕事残ってるし。もう寝ても大丈夫か?蓮華」
「ん~?大丈夫だよぉ♪」
(本当に一緒に寝るのか・・・・)
「本当に一緒に寝るんだよね?」
「もしかして嫌?」
うぅぅぅぅ!だから上目遣いは反則だって!
「い、嫌なわけないだろ?嬉しいに決まってるだろ?」
さりげなく寝台に入りながら言う。
「私も嬉しい♪」
さて、俺の理性が保てばいいのだが。
(一刀の香り・・・・・変に男臭い訳じゃなくて・・・なんか良い匂い・・・落ち着く・・・・・)
蓮華は無意識に一刀に抱きつく。一刀も蓮華の方を向いていたので、それに気がついた一刀も抱きしめてきた。
(蓮華のやつ、良い匂いだなぁ・・・)
「かず・・と・・・・大・・・好・・・き」
「俺も好きだよ・・・蓮華・・・・・」
かくして一刀と蓮華はお互い、抱きつくように眠りについた
数時間後――――――――
俺と蓮華は小蓮の報告より、思春にこっ酷く怒られた。
でも、最後に、「つ、次は私も・・・」とか言ってたな。
(あの時の思春の顔は可愛いってもんじゃなかったな。)
「姉さまだけずるい!私だって一刀と一緒に寝たい!」
「わ、私も一刀さまと一緒に寝たいです!」
「あなた達は服を貰ったでしょ!」
なにやら勝負とやらに蓮華も加わったようだ。一体何の勝負だろうか・・・。
「あ・・・・服といえば・・・・」
(蓮華の服はどうしたものか・・・・)
(実際蓮華なに着ても似合う気がするんだよなぁ)
「強いて言えば・・・・・・ワンピース・・・・・?」
「うん、ワンピースで行こう!あとは細かい部分か・・・・」
俺は沸きあがった案をなんとかめとめることが出来た。
決定したのは、淡い水色のワンピース、という感じになった。
「細かい部分は想像にお任せです!」
「誰に話しかけてるのですか?」
「のわぁ!」
突然声をかけられたのでビックリしてしまった。
「こ、これは大人の事情って感じでぇ・・・・」
「は、はぁ。」
明命はいまいち納得してないようだが、気にせず進めよう。
「明命はどうしてここに?」
「え?あぁ、扉の向こうから一刀さまの声がしたのもので。もしかしてお邪魔でしたか?」
「いやいや、邪魔な訳ないだろ?明命ならいつでも大歓迎だ!」
「 ////」
「あ、そうそう、ちょっと相談なんだけど、」
ついでだから明命にちょっと見てもらおう。
「は、はい!なんでしょうか?」
「これなんだけどさ、どう思う?」
「これは蓮華さまへの贈り物ですか?」
「うん、約束したからね」
「蓮華さまきっと喜んでくれると思いますよ!」
「そ、そうか!じゃあ早速作ってもらいに行って来るよ!」
「はい!」
「かずとさまぁ・・・・・・・・」
なぜか一人でうっとりしている明命だった-――――――――
俺は無事に服を作ってもらうことが出来た。
(早く蓮華に渡さなきゃ)
そんなことを思っていると―――――――――
「噂をすれば・・・・ってとこか?」
なにやら落ち着かない様子の蓮華がそこに居た。
「よっ」
「ひゃうっ!」
「だ、だいじょうぶか?」
「え、ええ、大丈夫よ。それにしても、どうかしたの?」
「おう、ちょっと用事があってな。俺の部屋まで着てほしいんだ」
「なっ!一刀!?ひ・・昼間からそんな・・・・・」
「いやいや!違うから!」
(やっぱり俺って軟派なのか?)
「え?そうなの?」
「そうなの!とにかく来て!」
「え、ええ、わかったわ。」
一刀の部屋――――――
「これなんだけど・・・・」
早速作ってもらったワンピースを見せることにした
「!・・・・・・・・」
一瞬口を開けたようだが、声が出ないようだ。
「れ、蓮華?だいじょうぶ?」
「えっ?え、ええ、大丈夫よ」
「それでさ、どうかな?」
「凄く可愛いわ・・・・・・」
「よかった、気に入ってもらえて」
「え?」
「約束しただろ?俺の考えた服を贈るって。忘れたのか?」
「お、憶えててくれたの?」
「もちろんだよ。俺が蓮華の事を忘れるわけないだろ?」
「一刀っ!」
思わず抱きつく蓮華。最近蓮華に抱きつかれる事が多いなぁ、俺は嬉しいけど。
「嬉しい・・・凄く嬉しい・・・・・」
「そう言ってくれると俺も嬉しいよ」
優しく抱きしめ返す。蓮華は嬉しすぎてすこし涙ぐんできたようだ。
「いんだよ?泣きたいときは我慢しないで俺の腕の名かで泣いていいんだよ。」
「う・・・・ぅぐ・・・・グス・・・・う、うぅ・・・・」
「あり・・・が・・とう・・・か・ず・・とぉ・・・・・」
余程嬉しかったのだろう。この前より泣いていたかもしれない。でも今回は嬉しさが勝ったのか、
泣き疲れて寝ることは無かった。それでも蓮華はまだ俺の腕の中に居る
「本当にありがとう、一刀。」
「喜んでくれて何よりだよ。」
そうして二人は抱き合った。
一方――――――――――
「いいな、いいなぁ、一刀にあんなに優しく抱きしめてもらってぇ~」
「蓮華さま、とても羨ましいです・・・・一刀さまぁ・・・・・」
「むむむ・・・蓮華様・・・・北郷・・・・」
「「うわぁぁ!思春(様)!?」」
「な、なんですか!?驚かさないでください小蓮様。それと明命も。」
「なんで思春がいるの!?」
「えっ?!い、いや、その・・・・蓮華さまがぁ・・・・・・」
口籠もってしまう思春。明命と小蓮はなぜここに居るのかがわかってしまったようだ。
「「要するに、お姉ちゃん(蓮華様)が羨ましい」」
「なっ!?いいいいい、いえ!そそそ、そのようなことは!」
すっかり同様してしまった思春。声が裏返ってしまっている。
「こらっ、人の部屋の近くでなにやってんだ」
「「思春(様)が二人を盗み見ていたからー」」
「なっ!?二人とも何を言っているんですか!?」
「へぇ、思春。あなたそんなことしてたのぉ?」
「(今のうちに逃げるわよ!)」「(はい!)」
ガシッ!
「はっはっは、お前等だけ逃げられると思うなよ?」
「ひぃっ!」
「「「お助けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」」
・あとがき・
えぇ~っと、もし、今度の展開で希望がありましたら、カキコしてください!
それでわ!最後まで読んで頂いてありがとうございました!
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投稿が遅くなりまして。。。。
一応3話となっています!
どうぞ温かい目でよろしくおねがいします。