No.198036

孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝24

Seigouさん


蜀の拠点(ある意味)



続きを表示

2011-01-27 00:59:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:25802   閲覧ユーザー数:13975

ある意味拠点

 

桃香&愛紗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「ふんふんふふ~~~ん♪」

 

桃香は、成都の町を嬉しそうに歩いていた

 

桃香「それにしても成都もだいぶ安定してきたよね~~♪わたし達が来た当時とは大違いだよ♪」

 

始めに桃香達が来た時の成都は、劉璋の暴政によって酷い有様だった

 

桃香「朱里ちゃんと雛里ちゃんが頑張ってくれたからね~~♪」

 

益州に入ってからの朱里と雛里はそれはもう一生懸命だった

 

桃香「二人とも一刀さんに教えて貰った政策を実施しようと頑張っていたもんね~~♪本当に一刀さんには感謝してもし足りないな~~♪」

 

歩いていると区役所が見えてきて、国籍を登録し住む所と就職先を貰おうと人が出入りしている

 

桃香「あれ?あれって愛紗ちゃん?」

 

桃香の行く先には愛紗の姿があった

 

しかし様子がおかしい、まるで何かを覗き込むようにして物陰から何かを見ている

 

桃香「あそこって、朱里ちゃんが言っていた一刀さんから教えて貰った公園だよね・・・・・何を見ているんだろ?」

 

桃香は、気付かれないようにそ~~~っと近づいていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪・・・・・♪♪・・・・・♪・・・・・・♪♪・・・・・・・・♪・・・・・

 

桃香「ん?この音って・・・・・・」

 

聞こえてくるのは二胡の音色

 

桃香が愛紗の後ろから覗き込むと、そこには

 

桃香「!!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪♪~~~~♪♪♪♪~~~~~♪♪♪~~~~~♪♪♪~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子供達に囲まれ二胡を弾いている一刀の姿があった

 

桃香「(一刀さんって、楽器も弾けるんだ、凄いな~~)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪♪♪~~~~~♪♪~~~~~~・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして演奏が終わる

 

子供達「「「「「「お兄ちゃん♪もっと弾いて♪」」」」」

 

一刀「もっとか?そうだな・・・・・よし!」

 

一呼吸して一刀は二胡を弾きながら歌いだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「キミと~~ボクは~~昔~~からの~~~♪友だちの~ように~~たたずむ~~だろう♪ 胸の~~おくで~~甘く~~~香る~~~♪赤い薔薇が咲くとき~~~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「!!??」

 

桃香「!!??」

 

愛紗も桃香も仰天した

 

なんて綺麗で透き通った声で歌うんだろうと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「ひと目~~~会って~~~分かる~~ものさ~~♪ 目印など~~なくても~~~~♪ 星が~~生まれ~~夜が~~~生まれ~~~♪ そして朝が~~~来るように~~~~~♪それが~~愛に~~変わる~~な~ら♪僕は泣いて~~もいい♪声をあげて~~~~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「(ああ、一刀様ぁ)///////////」

 

桃香「(なんて綺麗な声で歌うんだろ)///////////」

 

子供達は一刀の歌を真似して一緒に歌おうとする

 

子供達だけでなく公園に居る大人達も一刀に歌に耳を傾けていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「人と~~人の~~巡り~~合いは~~~♪ 砂のつぶ~~ほどの~~奇跡さ~~~~~♪ キミと~~ボクは~~昔~~からの~~♪ 恋人の~~ように~~抱きあう~~~~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香&愛紗「はぁ~~~~~~//////////」

 

一刀の歌声にすっかり聞惚れてしまった二人は顔を綻ばせていた

 

愛紗は真後ろに居る桃香の存在にまったく気付いていない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「たとえ~~~愛と~~呼べなくても♪ 僕は~~それで~~もいい♪そばにいれば~~~~♪ ・・・・・・・・・人と~~人の~~めぐり~~あいは~~~~♪ 砂の粒~~ほどの~~奇跡さ~~~~~~~♪ キミと~~ボクは~~昔~からの~~♪ 恋人の~ように~~抱きあう~~~~~~♪・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「一刀様ぁ~~~////////」

 

桃香「(一刀さん、本当にわたし達のご主人様になってくれないかな~~)////////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして演奏が終わる

 

 

 

 

子供達「「「「「お兄ちゃん♪もっともっと♪」」」」」

 

一刀「もっとか!?・・・・・よし!」

 

また一刀は二胡を弾きだした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「行かないの?」

 

愛紗「え?わあっ!!?と、桃香様!!?」

 

桃香「そんな隠れて見なくてもいいのに」

 

愛紗「そんなつもりは!・・・・・そうです!私のような無骨な者が行っては台無しになると思い!こうして遠くから!・・・・・」

 

桃香「四半刻(約20分)近く見ていたと思うけど?」

 

愛紗「ううう~~~~///////////」

 

桃香「あはは♪一刀さんを見ていた愛紗ちゃんをわたしはずっと見ていたのでした~~♪」

 

愛紗「一声掛けてくださっても・・・・・」

 

桃香「だって愛紗ちゃん、食い入るように一刀さんを見ていたんだもん♪」

 

愛紗「////////」

 

桃香「あはは♪本当に大好きなんだね♪一刀さんの事が♪」

 

愛紗「・・・・・白状しますと、わたくしは汜水関であの方と出会って、その時に恋をしました、そして、荊州であの方に助けられた時にその気持ちに確信が持てました」

 

桃香「なら、言っちゃえばいいのに」

 

愛紗「・・・・・それは」

 

桃香「・・・・・勇気が出ないんだね」

 

愛紗「・・・・・はい」

 

桃香「なら、いつか二人で言おうよ、わたしも一刀さんの事が大好きだからね♪」

 

愛紗「はい二人で・・・・・って!?二人で!?」

 

桃香「???」

 

愛紗「二人でと言うことは、その、そういう意味で///////」

 

桃香「??・・・・・って違うよ!そういう意味じゃなくて!」

 

愛紗「ですよね!」

 

桃香「・・・・・・・・愛紗ちゃんって・・・・・・」

 

愛紗「わ、わたくしが何ですか?」

 

桃香「言っていいの?」

 

愛紗「ご容赦ください////////」

 

桃香「わたし達も行こっか♪」

 

愛紗「ええ♪」

 

 

その後二人は、一刀の傍に行き二胡の音色に聞き入っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある意味拠点

 

鈴々

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「それにしても成都っていい町だな~、桃香達が来た当初はかなり酷い有様だったらしいけど、今じゃそんな面影どこにもないもんな~」

 

かつて自分が治安維持をしていた天水と比べても決して引けをとらないであろう町並みだった

 

一刀「朱里と雛里は、俺が教えてくれた政策のおかげだと言っているけど、それを使いこなすだけの能力が二人にあったからこそなんだよな」

 

そう、いくら良い政策があったとしても、その本質を分かっていなければ、それは机上の空論でしかなく、決して役に立たないわけだ

 

一刀「あれ?あれは・・・・・鈴々か?」

 

屋台が並んでいるところを歩いているのはまごう事なき鈴々の姿だった

 

一刀「何してるんだろう?」

 

一刀は鈴々の所へ行ってみた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴々「だ~~~~~、どこも美味しそうなのだ~~~♪」

 

一刀「なにしてるんだ?鈴々」

 

鈴々「にゃにゃっ!?お兄ちゃんなのだ!」

 

一刀「なんだかあっち行ったりこっち行ったり、どうしたんだ?」

 

鈴々「どこも美味しそうだから、どの屋台に入ろうか迷っているのだ」

 

一刀「なるほどな・・・・・なら、俺の一押しの屋台へ行ってみないか?」

 

鈴々「にゃ!お兄ちゃんのお薦めなら鈴々行くのだ!」

 

一刀「よしこっちだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一刀と鈴々は少し歩いて屋台に辿り着いた

 

鈴々「にゃ~~~、ちょっと汚いのだ~~」

 

一刀「この店はつい最近ここに出来たばっかりだからな、あまり知られていなくてお客さんも来ないからな」

 

鈴々「そうなのか~~~」

 

一刀「でも、味の方は保証するよ♪・・・・・おっちゃん、いつものちょうだい!」

 

店主「おお!北郷さん!いつもご贔屓してくださってありがとうございます!」

 

一刀「いえいえ、ここは本当に美味しいですからね」

 

店主「そう言っていただけると、こちらも作り甲斐がありますよ!」

 

一刀「鈴々も何か頼めよ、今回は俺の奢りだからな」

 

鈴々「にゃ!?いいのかお兄ちゃん!」

 

一刀「おう!俺って結構金は持っているんだ、じゃんじゃん頼んでいいぞ!」

 

鈴々「う~~~~~んそれじゃあそれじゃあ、この店にあるもの一個ずつちょうだいなのだ!」

 

一刀「・・・・・え?」

 

そんなブティックで端から端まで全部頂戴とか言う人みたいな事言うのか?

 

一刀「鈴々・・・・・そんなに食べれるのか?」

 

鈴々「大丈夫なのだ!」

 

一刀「・・・・・まぁいいけど」

 

別にお金が足りないとかそういうわけじゃないし、一刀は了解した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴々「んぱ~~~~~、美味しかったのだぁ~~~♪」

 

一刀「・・・・・ほんとに食いやがったよ」

 

かつて一刀は、恋にも鈴々と同じように屋台で奢ってあげたことがあったが、その時の恋はまるで掃除機のように次々と出てくるメニューを平らげていったのだ

 

鈴々も恋に負けず劣らず、この小さい体には物理的に不可能ではないか、というほど大量のねたを胃へと流し込んでいった

 

鈴々「おじちゃん、また来るのだ♪」

 

店主「あははは・・・・・どうぞご贔屓に~~・・・・・」

 

一刀「・・・・・おっちゃん・・・・・まさか・・・・・」

 

店主「ええ、もう食材がありません・・・・・」

 

一刀「・・・・・やっぱり」

 

一刀は、だいぶ軽くなった自分の財布を持つとなんともいえない気持ちになった

 

しかし、城へスキップしながら帰っていく鈴々を見ると

 

一刀「・・・・・まぁ喜んでくれたんならいいか」

 

かつて恋に奢ってあげた時も恋の食べる姿を見て『ほわ~~~~ん』としたのを覚えている一刀からすればこれくらいのことはなんでもなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして城に帰ってきた一刀と鈴々

 

鈴々「お兄ちゃん♪今日は奢ってくれてありがとうなのだ♪」

 

一刀「いいよいいよ、それより満腹になったか?」

 

鈴々「お腹いっぱいなのだ♪」

 

一刀「それはよかった」

 

何かを思いついて一刀は鈴々に聞いてみた

 

一刀「・・・・・なぁ、鈴々」

 

鈴々「なんなのだ?お兄ちゃん」

 

一刀「鈴々はどうして戦っているんだい?」

 

鈴々「そんなの決まっているのだ!桃香お姉ちゃんや愛紗達、みんなを悪い奴らから守るためなのだ!」

 

一刀「・・・・・そのために鈴々はどうするんだ?」

 

鈴々「弱い人達を虐める奴らを片っ端からやっつけるのだ!」

 

一刀「(・・・・・鈴々はどこまでも純粋なんだな)」

 

鈴々「どうしたのだ?お兄ちゃん?」

 

一刀「・・・・・いや、鈴々は偉いな」

 

なでなでなで

 

鈴々「にゃははは♪お兄ちゃんの手、久しぶりなのだ♪」

 

一刀「・・・・・・・・」

 

こんな鈴々を見ていると、細かい事を考えている自分が馬鹿らしく思えてきた一刀であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある意味拠点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星「それにしても今回はなかなかいいメンマが手に入ったぞ♪」

 

ただいま星は、成都城内廊下をメンマの壺を片手に歩いている

 

星「それにしても今宵は良き星であるな~~♪」

 

夜空には月が隠れているせいか天の川が光の粒子を撒き散らしている

 

星「これほどよき酒の肴はあるまい」

 

そういいながら星は城壁へと向かい中庭に差し掛かる

 

星「ん?あれは」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

中庭には一刀が立っていた

 

星「・・・・・もしかしたら星よりもよい肴かもしれんな♪」

 

星は気配を消して一刀を物陰から見ていた

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

星「・・・・・・・・・・」

 

一刀は目を閉じ瞑想に耽る

 

星は星の光に照らされている一刀を見ているだけでも、酒が進んでいた

 

しかし

 

星「!?」

 

一刀が腰の忠久に手を添えると

 

一刀「・・・・・っ!」

 

星「・・・・・」

 

一刀は忠久を抜き放ち、目を瞑ったまま剣舞を舞い始めた

 

星「(・・・・・なんと美しい)」

 

一刀の剣舞は成都にいる一流の舞妓に匹敵するくらいのものだった

 

それに伴い

 

星「(一刀殿の剣、我らの武器を意図も簡単に傷つけたあの剣・・・・・)」

 

星は一刀の動きだけでなく忠久にも注目していた

 

星「(・・・・・美しい剣だ、この国にある宝剣などとは比較にならない)」

 

星の光を反射させ、光の線を描く忠久が舞いを更なる次元へ押し上げていく

 

星「(本当に流麗で力強く、品がある)」

 

一刀の動きと刀剣として完成された忠久の美しさが両立してこそこれほどの舞を完成させるのだと、星は理解した

 

そして

 

一刀「・・・・・ふっ」

 

ドンッ!

 

星「お」

 

突然一刀は傍に生えている梅の木に蹴りを入れる

 

ヒラヒラヒラヒラ

 

すると、その振動によって無数の花びらが舞い落ちる

 

シュピピピピピピピピピピピピ

 

しかし、一刀はその無数の不規則な動きで舞い落ちる花弁を一枚残らず寸分の狂いもなく真っ二つにしていく

 

星「(・・・・・何と無駄のない動きだ、それでいて流麗だ)」

 

一刀は、縦切り、横切り、斜め切り、突き、全ての型を行使して花弁を斬っていく

 

普通に振るっていたのでは、剣が起こす風圧により花弁の方が勝手に避けてしまうのだ

 

太刀筋がほぼ完璧でなければできないのである

 

恐ろしく合理的、針の穴を射抜く繊細さ、とても鋭くものすごく攻撃的

 

しかし、それでいて美しさを忘れない

 

これほどの芸当ができるのは、これまで山賊狩りとして、たった一人で大人数の賊を相手にしてきたが故なのだろう

 

星「(・・・・・体全体が目になりつつあるな)」

 

その動きは最終的には、星でも目で追いきれないほど早くなって

 

一刀「ふぅ~~~~~~・・・・・」

 

キンッ

 

耳触りの良い鍔鳴りをさせて、一刀は忠久を鞘に納めた

 

パチパチパチパチ

 

一刀「星か」

 

星「おや?いつから気が付いていたのですかな?」

 

一刀「途中からだよ」

 

星「邪魔してしまいましたかな?」

 

一刀「そんなことはない、少し恥ずかしかったけどね」

 

星「別に恥ずかしがることはありますまい、この国の舞妓に教えていいくらいのものでしたよ」

 

一刀「舞と呼べるほどのものでもないけどな・・・・・ところで星はこんな夜中にどうしたんだ?」

 

星「今宵は星空が綺麗でしたので星を肴に酒でも飲もうかと思ったんですよ・・・・・しかし、星よりももっと良い肴を見つけましたゆえ」

 

一刀「それじゃあ、俺も一緒に飲んでいいか?」

 

星「ええ♪」

 

そして二人は城壁へ移動した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「それにしても、このメンマと酒は久しぶりだな」

 

星「おや?わたくしがお薦めしたのに別れた後嗜まれなかったのですか?」

 

一刀「嗜むことができる時間がなかった、と言った方がいいかな」

 

それはそうだ、一刀は、山賊狩り、月の客将、矢の毒などでとても酒を楽しむ時間など無かったのである

 

星「なるほど、確かに一刀殿は忙しい身でしたな・・・・・では久しぶりの一献」

 

一刀「ああ、乾杯」

 

チンッ

 

乾杯をして一刀と星はメンマをついばみながら酒を飲んだ

 

一刀「旨い♪星達と始めて出会った時の味だ♪」

 

星「そういえば、一刀殿が去っていった時、一刀殿が言ったことを覚えていますか?」

 

一刀「もちろん、また皆で酒を飲もうな、だろ」

 

星「華佗殿、風、稟がいないのが寂しいですが・・・・・」

 

一刀「仕方ないさ・・・・・それに近いうちにきっと5人で騒ぐこともできるだろう」

 

星「遠い未来にならなければ良いのですが・・・・・」

 

一刀「きっと近いうちに5人揃うさ」

 

そしてしばらく華陀、風、稟の話を肴に酒を飲んでいると

 

星「・・・・・一刀殿」

 

一刀「なんだ?」

 

星「一刀殿には、本当に感謝しています」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

星「今回の遠征に助力してくれたこと、愛紗を助けてくれたこと、様々な策を授けてくれたこと」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

星「一刀殿が居なければ蜀はここまで豊かな国には「止めてくれ!」・・・・・一刀殿?」

 

一刀「星・・・・・俺は、星が考えているような善良な人間じゃない」

 

星「・・・・・・・・・・」

 

一刀「俺は、この大陸に来てから、散々賊達を斬り捨てて山賊狩りと呼ばれるようになった」

 

星「・・・・・・・・・・」

 

一刀「月・・・・・董卓を助けるために、生き残ることができた元黄巾党を殆ど殺してしまって、それまで自分がやってきたことを無駄にしてしまった」

 

星「・・・・・・・・・・」

 

一刀「愛紗を助けた時だってそうだ、俺は「一刀殿!」・・・・・」

 

星「一刀殿は、酷く誤解をなさっている!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

星「今一刀殿が言おうとしたことは分かります!・・・・・愛紗を助けたのは自分の我侭、愛紗を助けなかったことで自分自身が傷つきたくなかったからでしょう!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

星「一刀殿・・・・・それでよいのです」

 

一刀「え?」

 

星「全ての人間に好かれることはできない、例え桃香様であっても万人に好かれるような人間には一生かけてもなれますまい」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

星「一刀殿は、自分の信じた道を真っ直ぐに行けばよいのです、もちろんわたくしも自分自身の信じた道を行きますゆえ」

 

一刀「・・・・・星」

 

星「・・・・・まぁ、本音を言ってしまえば、一刀殿にはここに残って貰いたいという気持ちもありますが」

 

一刀「・・・・・星・・・・・俺は・・・・・・」

 

星「分かっています、一刀殿は不器用ゆえ、そのような生き方しかできないのでしょう・・・・・しかし忘れないで下され・・・・・わたくしはそんなあなたに惚れたのです」

 

一刀「・・・・・それって・・・・・」

 

星「わたくしも、あなたのことが好きになってしまったということですよ//////////」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

なにかを言おうとした一刀だったが

 

ヒューーーーーーーーーー

 

突然風が吹き冷たい空気が一気に襲い掛かる

 

星「(ブルッ)・・・・・やはり夜は冷え込みますな」

 

一刀「そんな格好をしていればなおさらだろ、ほらこれをはおって」

 

一刀は愛用の外套を星に手放した

 

星「それでは一刀殿が寒かろう」

 

一刀「俺は大丈夫だよ、野宿になれているせいか寒さには耐性が付いているし」

 

星「・・・・・では♪」

 

一刀「え?うおっ!?」

 

星は外套を一刀と一緒に被った

 

一刀「ちょっと!?星!?/////」

 

星「おや?一緒は嫌ですかな?」

 

一刀「・・・・・そんなことは」

 

ここで嫌なんていったら星に恥をかかせてしまう

 

そんなことは一刀もしたくなかった

 

星「では、よろしいではありませんか・・・・・わたくしも女、好いた殿方とこうしていたいと思うのは自然なことです」

 

女性特有の艶やかな香りが鼻腔をくすぐる

 

一刀「・・・・・なら」

 

グイッ

 

一刀は星の肩に手をやり抱き寄せた

 

星「きゃっ」

 

びっくりしたのか、星は可愛い叫び声を出した

 

一刀「・・・・・嫌だった?」

 

星「・・・・・嫌なわけがありますまい//////」

 

一刀「よかった」

 

星「・・・・・一刀殿は暖かいですな//////」

 

そうしてしばらく二人はお互いの体温を感じていた

 

星「それにしても一刀殿」

 

一刀「なんだ、星?」

 

星「その髪、似合っていますよ♪」

 

一刀「・・・・・ありがとう♪」

 

二人は深夜まで星を眺めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある意味拠点

 

朱里&雛里

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「何だか、一気に人が増えたよなぁ・・・・・」

 

最近は特に人口が伸びてきた街道を一刀は歩いていた

 

一刀「本日も晴天なり・・・・・ってか」

 

眩しそうに空を見上げながら、一刀がそう呟く

 

天上の空は曇りなく、見事な五月晴れ

 

暦を知らないので本当に五月かは分からないが、その穏やかな気候は日本の四季に当てはめると、春から夏へゆっくりと移ろいでいく五月を思わせる

 

一刀「こんな日は何事もなく、一日が終わるといい・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「や、止めてくださいっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・なぁって、そう都合良くいかないか」

 

ささやかな希望は、まだ若干幼さの残る悲鳴により早々に打ち崩された

 

一刀はすぐさま気持ちを切り替えると、縮地で悲鳴の上がった方へと向かう

 

一刀「(けど今の声、どこかで聞いたことがあるような)」

 

内心首を傾げている内に、目的の場所へと着いた

 

そこには既に複数の野次馬がおり、その中心にある光景を目の当たりにして、一刀の疑問は一瞬で氷解されることとなった

 

朱里「はわわ・・・・・」

 

雛里「あわわ・・・・・」

 

一刀「あれは・・・・・朱里と雛里?」

 

間違いない、あそこで涙目で3人の暴漢に捕まっているのは、諸葛孔明こと朱里と、鳳士元こと雛里だ

 

そして

 

百合「二人を放してください!!」

 

暴漢1「おうおう、嬢ちゃん!人にぶつかって来ておいて謝儀の一つもねえのかい?」

 

百合「ぶつかって来たのはそちらからじゃ・・・・・」

 

暴漢2「あぁんっ!?てめー、アニキの言うことに文句でもあるのかよ!?」

 

百合「・・・・・・・・・・」

 

目の前で行われている行為は、紛れもなく恐喝である

 

一刀「・・・・・あの三人組は・・・・・」

 

その三人組を、正しく言えば彼らが被っている黄色い巾を見た

 

一刀「・・・・・黄巾党の残党か・・・・・」

 

暴漢3「そんじゃあ、何か金になりそうなもの・・・・・そうだなそっちのお姉ちゃんの体で掃って貰おうかな~♪」

 

百合「っ!!??」

 

朱里&雛里「「百合お姉さん逃げて下さいっ!!」」

 

その怒声とも思える必死な声に、一刀の足は止まり、黄巾の三人も意表を衝かれたのか動きを止める

 

朱里と雛里は怖さに竦み上がりそうになりながらも、精一杯眼前の敵を睨みつけ、さらに言葉を続ける

 

朱里「百合お姉様に触れるのは許しません!」

 

暴漢1「ほう、嬢ちゃん達、どうやら死にてえみたいだな?」

 

リーダー格の男が自前の剣をスラリと抜くと、左右の二人も自分の得物を解放する

 

百合「(朱里!雛里!お願い誰か助けて!)」

 

百合は、自分の妹達が殺されそうになり思わず目を閉じてしまった

 

そんな時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「それぐらいにしておけ」

 

百合「・・・・・あ・・・・・一刀君」

 

百合がギュッと閉じていた視界をおそるおそる開けると、そこには一刀の後ろ姿があった

 

暴漢2「なっ!?・・・・・一刀って!?」

 

暴漢3「あ、あの伝説の山賊狩り・・・・・」

 

二人は、自分達の勢力が消えた一因が目の前に居ることによる動揺から一度距離を取る

 

暴漢1「落ち着け!こっちには人質が居るんだ!」

 

暴漢2「!!・・・・・そうだな」

 

暴漢3「へへ・・・・・動いたらこの二人の首が飛ぶぜ」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

百合「・・・・・一刀君・・・・・」

 

暴漢1「それじゃあまず、てめーの腰の剣を渡しな!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

一刀は、腰の忠久を鞘ごと抜いた

 

百合「一刀君!?」

 

朱里「駄目です!一刀さん!」

 

雛里「渡してはいけません!」

 

暴漢1「だあってろ!!!」

 

朱里&雛里「「ひぅっ!!」」

 

リーダー格の男の怒鳴り声で二人は黙ってしまう

 

暴漢1「それじゃあその剣をこっちに投げな、一歩でもこっちに歩み寄ってみろ!この二人の首が飛ぶぞ!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

一刀が忠久を投げる体勢に入る

 

暴漢1「(へへっ・・・・・伝説の山賊狩りの剣、なんでも宝剣以上の価値があるそうじゃないか、女なんかよりよっぽど金になるぜ)」

 

ヒュッ!

 

そして、一刀は忠久を暴漢に向けて投げた

 

暴漢1「頂き♪」

 

暴漢が忠久を取ろうと手を伸ばす

 

一刀「・・・・・ふっ!」

 

ドカ!バキ!ズガッ!

 

暴漢2「ごはっ!?」

 

暴漢3「がはっ!?」

 

暴漢1「ぐはっ!?」

 

忠久に気をとられた一瞬の隙を付いて一刀が縮地で投げた忠久を追い越し、暴漢三人を当身で吹っ飛ばした

 

チャキ

 

忠久は、まるでここが自分のいるところだと言わんばかりに一刀の掌へ舞い戻った

 

朱里「・・・・・・・・・・」

 

雛里「・・・・・・・・・・」

 

百合「・・・・・・・・・・」

 

朱里も雛里も百合も何が起こったかわからない顔をしていた

 

いつの間にか自分達は暴漢の手から開放されて、暴漢達は伸びていたのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りには野次馬による歓声が響き渡った

 

 

一刀「怪我はないか? 二人とも」

 

朱里「は、はい!ありがとうございました!」

 

雛里「助かりました・・・・・」

 

一刀「そう、良かった」

 

朱里「はぅ//////」

 

雛里「あぅ//////」

 

一刀「???」

 

穏やかな顔で微笑みかけられ、少女二人は一瞬にして顔を真っ赤にして俯いた

 

百合「一刀君~!」

 

ガバッ!

 

一刀「うわっ!!?」

 

突然一刀は百合に後ろから抱きつかれた

 

百合「妹達を助けていただいて、本当に、本当にありがと~~~!」

 

むぎゅうううううううううううううううううう

 

一刀「(何でこの世界の人はみんな胸を押し付けてくるのーーーーー!!!)」

 

百合のふっくらとした胸の感触に一刀は戸惑っていた

 

朱里「・・・・・・・・・・」

 

雛里「・・・・・・・・・・」

 

朱里と雛里は、野次馬が居るのに抱きついている百合と抱きつかれている一刀を若干冷めた目で見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後一刀達は、黄巾の残党を憲兵に突き出し、飲食店に足を運んだ

 

朱里「そういえば一刀さん」

 

一刀「なんだい?朱里」

 

朱里「はい・・・・・あの、一つ聞いていいですか?」

 

一刀「うん?」

 

朱里「以前一刀さんは、自分がこの世界の、この時代の人間ではないと仰っていましたよね」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

雛里「あ、わたくしもそのことには興味があります、一体どういう意味なんですか?」

 

百合「???・・・・・何の話なの~?」

 

朱里と雛里が真剣な表情で一刀を見つめる

 

その隣では、同じく百合もそののほほんとした顔に、興味津々という表情を隠せなかった

 

一刀「・・・・・俺は・・・・・」

 

その問いの答えは、洛陽では保留にしたものでもある

 

一刀はこの3人になら大丈夫だろうと、自分の正体を順を追って話すことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

百合「・・・・・未来から来た、ですか?」

 

一刀「簡単には信じられないだろうけどね、でも事実なんだ、俺は1800年以上後の世界からやって来たんだ」

 

雛里「あわわ、次元を跳躍したということでしょうか?」

 

一刀「分からない、でも腕には覚えがあったから、何とかこの時代でも生きているけどね」

 

朱里「・・・・・一刀さん、わたしから見たら一刀さんは人を殺せる人には見えません」

 

百合「朱里もそう思うのね~」

 

朱里「はわわ!?百合姉さんもですか!?」

 

百合「ええ~・・・・・一刀君~、何故一刀君はそんな生き方をするのですか~?何故自らすすんで茨の道に足に踏み込むのですか~?」

 

一刀「何故、か・・・・・その存在が・・・・・」

 

百合「え?」

 

一刀「・・・・・自分の存在の意義が分からないから、戦っているのかもしれないな」

 

一刀からすればどうして自分がこの世界にやってきたのか、その問いの答えを導き出すことは自分の行動の優先事項の内に入っている

 

雛里「自分の存在の意義ですか?」

 

一刀「俺は自分の理想を追い求めているんだ・・・・・それはあくまで俺個人の理想だけど・・・・・その理想がどんなものか、どんな未来が待っているのか分からないけど、俺の刀は、今はそのためにある」

 

覚悟を決め、迷いを捨て、残ったのは、胸に確かにある決意だけ

 

その決意を宿した瞳で、一刀はしっかりと三人の瞳を見つめ返す

 

朱里「・・・・・やはり貴方は、わたし達が思った通りの人でした♪」

 

百合「ええ~♪」

 

雛里「(コクコク)」

 

一刀の答えに満足したのか、朱里はそう言って穏やかに微笑み、百合が眩しい笑顔をし、横では雛里が同意するように首を大きく縦に振っていた

 

一刀「ん? 思った通りって?」

 

朱里「あなたは紛れもない天の御遣い様ということです」

 

雛里「その通りです」

 

百合「そうね~、一刀君はその権利を・・・・・いいえ~、条件を満たしています~」

 

一刀「はぁ・・・・・前にも言ったけど、俺は天を語れるような人間じゃない」

 

百合「うふふ~♪・・・・・一刀君は、本当に自分が見えていないようね、朱里、雛里♪」

 

朱里「はい♪」

 

雛里「(コク)」

 

一刀「???」

 

良く分かっていない一刀に対して、朱里と雛里は互いに顔を合わせてクスリと含み笑いを零すと

 

朱里&雛里&百合「「「(でも、そんな一刀さん(君)だからこそ好きになったのかもしれませんね♪)」」」

 

心の中で三人一緒に、弾むように言葉を紡いだのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある意味拠点

 

紫苑&桔梗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫苑「ふぅ~~~~~~・・・・・いいお酒ね//////////」

 

桔梗「ああ、ここ最近ゆっくり飲む暇がなかったからな//////////」

 

紫苑と桔梗は中庭の東屋にて昼間から酒を嗜んでいた

 

ちなみに今日は非番である

 

璃々「お母さんお酒臭~~~~い」

 

紫苑「ごめんね璃々、遊んできていいわよ///////////」

 

璃々「わ~~~~~~~い♪」

 

はしゃぎながら璃々は走っていった

 

紫苑「・・・・・それにしても、どうしてこんなにゆっくりできるのかしら?///////」

 

桔梗「それは・・・・・一つしかなかろう//////////」

 

紫苑「ええ、そうね//////////」

 

そう、一刀のおかげである

 

一刀が荊州にて愛紗を助け、その後南蛮併合の手助けをしてくれたおかげで、蜀国内は以前よりもはるかに安定して反乱もまったく起こらない国になっていったのである

 

紫苑「ねぇ、桔梗////////」

 

桔梗「なんだ、紫苑?//////////」

 

紫苑「あなたは、北郷さんのことをどう思っているの?////////」

 

桔梗「なんだ、やぶからぼうに////////」

 

紫苑「はっきり言って、私は気に入っているわ♪」

 

桔梗「・・・・・正直に言うと、北郷殿と戦った時、久しぶりに女の部分が疼いてしまったわ///////」

 

紫苑「それはわたしもよ♪/////////」

 

そんな話をしていると

 

一刀「あれ?黄忠さん、厳顔さんじゃないですか、何しているんですか?」

 

桔梗「噂をすれば、北郷殿か////////」

 

紫苑「今日は非番ですので昼間からちょっと////////」

 

そういいながら紫苑は酒壺を揺らす

 

どうやら少し酔いが回り始めているらしい

 

一刀「こんな昼間からですか!?」

 

桔梗「硬いことはいいっこなしじゃ♪のう紫苑♪////////」

 

紫苑「ええ♪そうだ、北郷さんも是非♪/////////」

 

桔梗「まさか、女の誘いを断るおつもりではなかろうな?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

一刀「・・・・・いただきます」

 

桔梗の後ろに見えたオーラを見て一刀は素直に従った

 

紫苑「ではどうぞ///////」

 

紫苑は一刀のおちょこに酒を注いだ

 

一刀「ありがとうございます」

 

グビッ

 

一刀は一気にそれをあおった

 

桔梗「ほほう♪いい飲みっぷりじゃな、どれもう一献♪////////」

 

桔梗も一刀のおちょこに酒を注いだ

 

一刀「どうも」

 

グビッ

 

それも一気にいった

 

紫苑「・・・・・あの、北郷さん//////」

 

一刀「なんですか?」

 

紫苑「北郷さんはどれくらいお酒は強いんですか?////////」

 

一刀「ん~~~~~~・・・・・自分でも分かりません」

 

桔梗「今まで、酒をかなりたしまれたほうですかな?/////////」

 

一刀「そういうわけでもありませんよ、殆ど旅をしていましたし、お酒を買う機会なんてめったにありませんでしたよ」

 

紫苑「・・・・・////////」

 

桔梗「・・・・・////////」

 

この酒はかなり強いはずなのに一刀はぐいぐい飲んでいる

 

紫苑も桔梗も、一刀はかなりお酒には強い方であると判断した

 

紫苑「そういえば遅れてしまいましたけど、北郷さんには真名を預けましょう、わたくしの真名は紫苑です///////」

 

一刀「え?いいんですか?」

 

紫苑「ええ、桃香様が預けているのですもの///////」

 

桔梗「紫苑が預けるか、ならばワシの真名は桔梗じゃ///////」

 

一刀「厳顔さんまでですか!?」

 

桔梗「紫苑が預けたというのであれば、おぬしはそれほどの男ということであるからの♪///////」

 

一刀「・・・・・分かりました、紫苑さん、桔梗さん、自分には真名はありません、ですから一刀と呼んでください」

 

紫苑「分かりました、一刀さん♪///////」

 

桔梗「分かり申した、一刀殿♪」

 

そのまま三人は酒宴へなだれ込んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫苑「そういえばまだお礼を言っていませんでしたね一刀さん、今回は南蛮平定にご助力いただいてありがとうございます////////」

 

一刀「いいえ、自分が手伝いたかっただけですから」

 

桔梗「愛紗を助けていただいたことは、感謝してもしたりん、何かお礼をしたいのう///////」

 

一刀「・・・・・愛紗を助けたのは自分の我侭みたいなものですから」

 

グビグビ

 

そういいながら一刀は酒をあおった

 

桔梗「・・・・・本当にあなたは損なお人のようだ///////」

 

紫苑「ええ、それもかなり////////」

 

一刀「・・・・・そんなに損なやつなんですかね、俺って」

 

桔梗「そうですとも!もっと自分の手柄にしてもっと自慢してもバチは当たりませんぞ!////////」

 

一刀「(どうやらかなり酔っているみたいだな)」

 

二人とも顔を赤くしながら喋っている

 

桔梗「(紫苑、ここは・・・・・)////////」

 

紫苑「(わたしも同じ事を考えたわ♪)/////////」

 

一刀「???」

 

紫苑と桔梗の反応に一刀は頭の上にはてなマークを浮かべる

 

一刀「どうしたんですか?紫苑さん、桔梗さん」

 

紫苑「なんでもありませんよ、ささもっと/////////」

 

桔梗「遠慮せずに飲むがいい♪////////」

 

一刀「おおっと・・・・・ありがとうございます」

 

お酌され少し溢しそうになったが、一滴も無駄にしない

 

グビグビグビ

 

一刀「はぁ~~~~~~~・・・・・おいしいですね」

 

桔梗「ではさらに♪//////」

 

紫苑「ドンドン飲んでいいですよ♪///////」

 

一刀「は、はあ」

 

実はこれは、紫苑と桔梗の作戦なのである

 

このまま一刀をを酔い潰して、部屋で乱交をしようと企んでいたのだ

 

 

 

 

 

が、しかし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫苑「う~~~~~~~ん/////////////」

 

桔梗「も、もう・・・・・飲めん///////////////」

 

一刀「大丈夫ですか?紫苑さん、桔梗さん」

 

一刀よりも先に酔い潰れてしまう二人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、一刀が二人をお姫様抱っこで部屋に連れて行き、二人が目覚めたのは翌朝だった

 

紫苑&桔梗「「(作戦失敗!!!)」」

 

まさか一刀があれほど酒に強いとは思わず二人の作戦は完全に失敗に終わったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある意味拠点

 

焔耶

 

 

 

 

 

 

 

 

焔耶「北郷一刀!!もう一度わたしと勝負しろ!!」

 

一刀「またかよ!」

 

桔梗「焔耶・・・・・お主も分かっておろう、一刀殿の実力はお主よりもはるかに上であるということは」

 

焔耶「そんなことはありません!鈍砕骨は新しく作り直しました!もう以前のような不覚は取りません!」

 

桔梗「やれやれ・・・・・一刀殿・・・・・」

 

一刀「気にしなくていいですよ」

 

桔梗「悪いですな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またまた闘技場

 

 

 

明命「はうあ!?また一刀さんと魏延さんが試合うのですか!?」

 

星「まったく、焔耶も懲りんやつだ」

 

小蓮「もういい加減諦めれば~~~」

 

焔耶「五月蝿い!外野は引っ込んでろ!」

 

小蓮「ちょっと何よその言い方!「あ~~~、シャオ」なによ一刀!一刀もあいつの味方なの!」

 

一刀「試合が終わるまで口を挟まないでくれるか?これ以上話をややこしくしたくないから」

 

小蓮「むぅ~~~~~~~」

 

一刀「試合が終わったら何か買ってあげるからさ」

 

小蓮「本当♪約束だよ♪」

 

星「一刀殿、わたくしにも何か贈り物をくだされ♪」

 

明命「あ、あのわたくしにも・・・・・」

 

一刀「え?・・・・・あ、ああ・・・・・」

 

ひょっとして、してはいけない約束をしてしまったのだろうか?と一刀は少し後悔した

 

焔耶「ところで貴様、あの細い剣はどうした?」

 

一刀「忠久か?あれなら部屋に置いてある」

 

焔耶「何!?だったら早く取りに言って来い!!」

 

一刀「その必要はない」

 

ザシャ!

 

一刀は、その場で構えた

 

焔耶「き・さ・ま~~~~、人を馬鹿にするのも大概にしろ!!」

 

一刀「・・・・・ひょっとして、魏延は俺が手加減していると思っているのか?」

 

焔耶「当たり前だ!だいたい丸腰の奴に武器など振るえるか!!」

 

明命「それは違いますよ、魏延さん」

 

焔耶「何!?」

 

明命「一刀さんは素手でもかなり強いです、以前汜水関の戦いで一刀さんはこちらの兵士達を素手で一方的にねじ伏せていましたし」

 

焔耶「・・・・・・・・・・」

 

桔梗「ええい!つべこべ言わずにとっとと始めんか!!」

 

焔耶「桔梗様ぁ~~~・・・・・」

 

桔梗「一刀殿はおまえの我侭に付き合ってくださっているんだぞ!これ以上時間を浪費するならワシは帰るぞ!」

 

焔耶「分かりました!分かりましたから桔梗様!審判をしてください!」

 

桔梗「ふんっ!初めからそう言えばよいのだ!・・・・・では・・・・・・・・・開始!!」

 

焔耶「うおりゃあああああああああああああああ!!!!」

 

ブオン!!

 

焔耶はこの前と同じように一刀に鈍砕骨を振り下ろした

 

一刀「・・・・・・・・」(スッ)

 

一刀は襲い掛かる鈍砕骨にそっと手をやった

 

ドゴーーーーーーーーーン!!

 

焔耶「(な・・・・・何をしたんだ?)」

 

桔梗「(いったい何が起きた?)」

 

焔耶も桔梗も何が起こったかわからなかった

 

鈍砕骨は、一刀を避け一刀の横の地面を陥没させていたのだから

 

一刀が焔耶の武器に手を出したのは分かったが、何故ただそれだけで重い鈍砕骨が一刀を避けるのか分からなかった

 

傍で見ていた桔梗も理解不能という顔をしている

 

焔耶「くっ!・・・・・はああああああああああああああ!!!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

焔耶は連続で鈍砕骨を一刀に向かって振るい続けるが、

 

ゴガーーーーーーーーーン!!!ドカーーーーーーーーーン!!!ボゴーーーーーーーーーーーン!!!

 

鈍砕骨の破壊力は全て地面に吸い込まれていき、地面を陥没させていくだけ

 

焔耶「(どうなっているんだ!?何故当たらん!?何故全て紙一重で避けられるんだ!?)」

 

まるで空気でも相手にしているのではないかというくらい、焔耶の攻撃は一刀には当たらなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小蓮「・・・・・どうなってるの?」

 

星「ふむ、今までとは違う独特な動きをするな・・・・・」

 

明命「少ししか動いていないはずなのに・・・・・」

 

端から見ても焔耶の鈍砕骨は、一刀をまるですり抜けているようにも見える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・よっ」

 

焔耶「え?うわっ!」

 

ドスン!!

 

鈍砕骨を避けつつ、自分の間合いを取った一刀は焔耶の手首を掴み、そのまま背負い投げを決めた

 

焔耶「痛ぅ~~~~~・・・・・」

 

腰を強く打ち、焔屋の顔は苦痛に歪む

 

桔梗「勝者!北郷一刀!」

 

小蓮「ほら、言った通りじゃない」

 

星「焔耶・・・・・お主が一刀殿と渡り合えるのはもっと先の話だ・・・・・」

 

明命「失礼ですが、わたくしもそのように思います・・・・・」

 

焔耶「ええい黙れ黙れ!!もう一回だ!!北郷一刀!!」

 

一刀「まいっか、付き合ってやるよ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、焔耶は何度も一刀に挑んでいったが、結局一撃も決めることができずにぼろくそにやられ、最終的には一刀の五斗米道(ゴッドヴェイドー)の世話になった

 

一刀「それでは桔梗さん、魏延をよろしくお願いします」

 

桔梗「うむ、すまない事をしましたな」

 

一刀「いいえ、お気になさらずに」

 

小蓮「一刀♪かっこ良かったよ♪」

 

明命「それにしても、どうしてあんなふうに避けられるんですか?」

 

星「今までとは違った動きでしたね」

 

一刀「さっきのは、俺の国の柔術の動きなんだ」

 

明命「柔術ですか?」

 

一刀「そうだ、本来柔術は刃物を持っている者を素手で相手にするのを前提にした武術なんだ」

 

星「しかし、焔耶の武器は刃物ではありませんでしたよ」

 

一刀「俺もあんなでかい金棒を相手にするのは初めてだったからな、上手く行くか分からなかったからいい経験になったよ」

 

一刀は、星、小蓮、明命と話をしながら闘技場を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

焔耶「・・・・・・・・・」

 

桔梗「気はすんだか?」

 

焔耶「・・・・・・・・・」

 

桔梗「・・・・・どうやらまだのようじゃな・・・・・しかし、お主はどうして一刀殿にそこまで突っかかるのじゃ?お主と一刀殿の力の差は歴然じゃと分からぬのか?」

 

焔耶「・・・・・そんなことは分かっています、奴とわたくしの武は天と地の違いがありましょう」

 

桔梗「そこまで分かっているなら「だからこそなんです!!」!?」

 

桔梗の問いを焔耶は遮る

 

焔耶「だからこそ、わたくしはあいつが許せないのです!!あれほどの武技を持ち、なおかつ人から信頼を集めるのが巧みなくせして、どこの勢力にも属さずのらりくらりとして、せっかくの才能を腐らせているあいつの態度が許せないのです!!」

 

桔梗「・・・・・・・・・」

 

桔梗は面食らった

 

まさか焔耶の口からこのような言葉が出るとは思わなかったのだから

 

桔梗「・・・・・まぁ、お主の言うことも分からんでもない・・・・・しかしな焔耶、桃香様達から聞いた話では一刀殿は決して己の才能を腐らせているわけではないんだぞ」

 

焔耶「山賊狩りのことでしょう、しかしそんな回りくどいことをせずともいいではありませんか!」

 

桔梗「・・・・・これは、星から聞いた話なんじゃが・・・・・・」

 

焔耶「星から?」

 

桔梗「ああ・・・・・なんでも星が言うには、一刀殿はかなり不器用なお人らしいのじゃ」

 

焔耶「・・・・・・・・・」

 

桔梗「あのお方は、誰もが英雄と認めているお人なのだが、あの方自身が決して自分のことを英雄として認めていないらしい、争いごとを好まないのに不当な暴力を働く輩には正面から立ち向かい、かと思ったらいつも人を切ったことを悩んでいて、それでも賊を討ち続ける事を止めないらしい」

 

焔耶「はっ!本当に不器用なやつだ!」

 

桔梗「そうよな・・・・・もう少し賢く生きてもバチは当たらんと思うのじゃが・・・・・それにしても焔耶よ」

 

焔耶「は?」

 

桔梗「お主さっき、せっかくの才能を腐らせるのが許せないと言っていたな、そんなに一刀殿にここに残ってほしいのか?」

 

焔耶「ききき桔梗様!?何を!?わたくしは桃香様に忠誠を誓った身!あのようなやからに興味はありません!!//////」

 

桔梗「はっはっはっはっは!顔を赤くしながら言っても説得力は皆無じゃのう♪」

 

焔耶「桔梗様~~~!//////////」

 

その後焔耶は、桔梗のからかいにこれでもかというほど晒された

 

一方、一刀は、小蓮と星と明命の買い物につき合わされた

 

小蓮には服をいっぱい、星にはメンマ3か月分、明命には猫のぬいぐるみと散々に買わされていた

 

この買い物で賞金首を捕まえたお金は殆ど消えてしまったらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある意味拠点

 

白蓮

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは蜀競馬場

 

荊州で一刀から教えてもらい、朱里と雛里が運営している施設である

 

最近では市民の新しい娯楽の一つとして賑わっていた

 

しかし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説の人「さあ!最終角を曲がって直線に入った!!おーーーーーーーーっと!!!最後尾から猛烈な追い上げを見せる白い影!!公孫賛だ!!次々と前方の馬達を抜いていき三位にはいった!!しかし!まだまだ追い上げを見せる公孫賛!!二位をかわし一位はどうだ!・・・・・どうだ!!・・・・・抜いたーーーーーーーーー!!!!!公孫賛またもや一位を掻っ攫っていきました!!!」

 

一刀「・・・・・解説の人も大変だな、いくら拡声器を使っているっていっても、そのうち喉を潰しかねないぞ」

 

これだけの人が出入りしワイワイガヤガヤしていて、おまけに馬の蹄の音がドンドコ響いている中でちゃんとお客に聞こえるように喋らないといけないのだから

 

白蓮「よう一刀♪また勝っちゃったよ♪」

 

朱里「白蓮さん!勝っちゃったよ♪じゃありません!」

 

白蓮「ああ、すまんすまん、ついな♪」

 

朱里「ついな♪でもありません!もっと手加減してくださらないと他の人が勝てません!」

 

小蓮「確かにね・・・・・これじゃ賭けている意味ないよ」

 

そう、白蓮が参戦するとほぼ99パーセントの確立でぶっちぎりの一位になってしまうのだ

 

これでは例え白蓮に賭けたとしても配当金は0.001パーセント返ってくる程度

 

勝つ者が最初から分かりきっていては賭ける意味などなく、このままではすぐに飽きられて維持することができない

 

白蓮「でもしょうがないんだよ、馬に乗ると気分が高ぶって、ついつい飛ばしちまうんだ」

 

朱里「はぁ・・・・・何かいい方法はないものですか・・・・・」

 

小蓮「いっそのこと伯珪さんを出さなければいいんじゃないかな?」

 

白蓮「そりゃないって!わたしだって出場したいぞ!」

 

最初は馬を賭けの対象にすることには反対だった白蓮だったが、一度やってみると嵌ってしまいどうしても出ると駄々をこねるのだ

 

白蓮「(ようやくわたしが目立つ場所を見つけることができたんだ!そう簡単に手放してたまるか!)」

 

どうやら本音はそっちのようである

 

小蓮「う~~~~ん・・・・・そうだ!一刀も出たらどう!」

 

一刀「え?俺ぇ!?」

 

朱里「それはいい考えです!一刀さんと狛煉ならいい勝負が出来そうです!」

 

白蓮「いいなそれ♪わたしも一刀とは勝負してみたかったんだ♪」

 

一刀「そんな!俺はずぶの素人だぞ!白蓮に勝つどころか着いていけるかどうかも怪しいぞ!」

 

白蓮「そんなことはないぞ一刀!わたしも狛煉を見てみたがあれほど立派な馬は幽州でもまずお目にかかれないんだぞ!」

 

一刀「・・・・・・・・・」

 

自分の愛馬を褒めて貰えるというのは一刀も内心嬉しかった

 

一刀「・・・・・よし分かった、やってやろう」

 

朱里「本当ですか!」

 

小蓮「そうこなくっちゃ♪」

 

白蓮「面白くなってきたな♪」

 

一刀も愛紗に狛煉を貸してから狛煉にあまりかまってやれなかったのでいい機会だったのかもしれない

 

白蓮「よっしゃ♪最近ろくな相手がいなかったからな、久しぶりに本気で走ってやるぜ♪」

 

一刀「おいおい・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてレース

 

 

 

解説の人「さあ皆さん!!!またこの人が現れました!!!我らが競馬王者~~~~~~公・孫・賛~~~~~~!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シィ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白蓮「ちょっと待て!!何でそこで静かになるんだ!!?」

 

朱里「それはそうでしょう・・・・・」

 

小蓮「勝つのが分かりきっているんじゃ冷めもするわよ・・・・・」

 

解説の人「しっ・・・・・か~~~~~し!!!!冷めるにはまだ早い!!!今回は王者に続いてもう一人驚きの人物が参戦した!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガヤガヤガヤガヤガヤ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

競馬場が騒がしくなってきた

 

 

解説の人「かつての黄巾党の乱にて、単身で黄賊達を次々と壊滅に追いやり!!!蜀の南蛮遠征にて多大な貢献をしたと言われている大英雄!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザワザワザワザワザワザワ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一気に会場が騒がしくなる

 

朱里「はわわ!!?どうして解説者さんが一刀さんが南蛮遠征に協力したと知っているんですか!!?一刀さんに言われた通り名前は伏せておいたはずなのに!!」

 

小蓮「きっと張飛のやつね、あいつ一刀の活躍をあちこちに自慢したんだわ」

 

朱里「・・・・・納得ですぅ」

 

あのお調子者の鈴々なら大好きな一刀のことを簡単に言いふらしそうである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説者「さあ!ここまで言えば分かるだろう!!!紹介しよう!!!我らが英雄!!!伝説の山賊狩り!!!ほんご~~~~~~~~~う!!かーーーーーーーーーずとーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

競馬場は一気に熱気に包まれた

 

一刀「勘弁してくれぇ~~~・・・・・」

 

派手な紹介に一刀は憂鬱だった

 

白蓮「すまないな、一刀」

 

一刀「いや、白蓮が謝ることじゃない」

 

白蓮「・・・・・そういってもらえると嬉しいよ」

 

そう言って二人はスタートラインに立つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解説の人「さあ盛り上がってまいりました!!各選手!それぞれの立ち位置に立ちました!!そして今、旗が振り下ろされ、一斉に走り出しました!!さあまずは直線です!!各馬ドンドン速さが増しています!!一列に並びました!!我らが王者と伝説の山賊狩りは列の最後尾に居ます!!今最初の角を曲がりきりました!!おーーーーーと!!!先頭の馬がどんどん差を広げていっている!!しかし!!焦ったのか!!?序盤からそんなに熱くなっては後々苦しくなるだけだぞ!!・・・・・ああ~~~~~!!やっぱり!!馬の体力考えてやらないといけないのに!!あの馬鹿!!・・・・・おほんっ!!!・・・・・失礼!・・・・・さて!!第二の直線を過ぎ最終角に差し掛かったお~~~~~~~~と!!!やはりきた我らが王者公孫賛!!!次々と先行馬をぶっ千切っていく!!その白色の勇姿!まさに普通と呼ぶにふさわ(ギロッ!!!)〔遠目で白蓮に睨まれた〕・・・・・失礼しmお~~~~~~~~っと!!!!私は夢でも見ているのでしょうか!!!??その速さ、まさに閃光そのもの!!!先行する馬をまさにちぎっては投げちぎっては投げ!!!(ただ追い抜いているだけ)ついに先頭の我らが王者に並んだ伝説の山賊狩り!!!先頭争いは我らが王者と伝説の山賊狩りに完全に絞られたようです!!!勝つのは我らが王者か!!!??伝説の山賊狩りか!!!??両者一歩も譲らない!!!二匹の白馬がまるで熾烈な争いをする二匹の龍に見えてきました!!!もはや誰もこの二人を止められない!!!そして今!!!・・・・・とうたーーーーーーーーーつ!!!!!この競馬場ができてから今まで様々な競争がありましたが!!わたくしはここまで興奮したのは初めてかもしれません!!今回の競争はきっと伝説になるでしょう!!!・・・・・え~~~~~!今こちらに情報が入りました!・・・・・な!なんと!二人が到着する瞬間があまりに速過ぎてどっちが先に着いたか分からないそうです!この場合は両者共に一位!配当金は・・・・・今までと同じですね・・・・・それでは皆さん!次の競争までごきげんよう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・俺が出る意味なかったんじゃないのか?」

 

小蓮「でもでも!シャオ感動したよ♪」

 

朱里「わたしもです♪」

 

白蓮「いや~~~~、わたし完全に本気だったぞ一刀♪何が素人だよ、馬鹿っ速じゃないか♪」

 

一刀「殆ど狛煉のおかげだけどな」

 

白蓮「そんなことないさ♪これほど熱くなったのは初めてだよ♪」

 

小蓮「で?実際のところはどうなの?」

 

一刀「ん?」

 

小蓮「だ~か~ら~、どっちが勝ったかだよ」

 

一刀「・・・・・俺は全然わからなかったな、白蓮はどうだ?」

 

白蓮「・・・・・あれはきっと、一刀の勝ちだったな」

 

朱里「はわわ!?そうなんですか!?」

 

白蓮「わたしは馬の事については厳格だからな、間違いないと思うぞ」

 

一刀「どっちが勝ったかなんてこの際どうでもいいさ♪」

 

白蓮「それもそうだな♪」

 

それは勝負をしたもの同士にしか分からない境地だったのかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蜀と呉の交渉は南蛮を平定したことによって一件落着という形になった

 

そして別れの日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「皆さん♪今度はこちらから使者を送ります♪孫策さんにはよろしくとお伝えください♪」

 

近いうちに蜀からも呉に使者を送ることになり、桃香はご満悦だった

 

百合「はい♪劉備様♪それでは皆さん、ごきげんよう、朱里も雛里も頑張ってね♪」

 

朱里「はい!百合お姉様!」

 

雛里「が、頑張ります」

 

小蓮「また会おうね♪鈴々♪璃々♪」

 

鈴々「またなのだ♪」

 

璃々「またねシャオお姉ちゃん♪」

 

この短期間にこの三人は真名を預けあったようだった

 

明命「皆さん!ありがとうございました!それと一刀さん、このお猫様のぬいぐるみは大切にします!」

 

一刀「喜んで貰えて良かったよ」

 

明命「はい♪大満足です♪」

 

明命は猫のぬいぐるみをもふもふしながらお礼を言う

 

「・・・・・・・・・・」(じ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~)

 

一部の者は今度自分も買ってもらおうと思っていた

 

小蓮「じゃあねみんな♪また来るから♪一刀もまた会おうね♪」

 

明命「お世話になりました!一刀さんもお元気で!」

 

百合「(ペコッ、ペコッ)」

 

百合は蜀一同と一刀にお辞儀をした

 

そして百合と明命と小蓮は呉へと帰還していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・さて、俺も行くとするかな」

 

桃香「え!?一刀さん行っちゃうの!?」

 

愛紗「もう少しゆっくりしていってもいいじゃないですか!一刀様!」

 

鈴々「お兄ちゃん!行かないでほしいのだ!」

 

一刀「気持ちは嬉しいけど、俺はこういうやつだからね・・・・・」

 

星「・・・・・本当に行ってしまうのですかな?」

 

一刀「ああ」

 

紫苑「またいつでもいらしてください、一刀さん」

 

桔梗「我ら蜀はどんな時でもあなたを歓迎いたしましょう!」

 

焔耶「・・・・・・・・・・」

 

桔梗「これ焔耶!お主も何か言わぬか!」

 

焔耶「・・・・・また来い、そして今度こそわたしが勝つ!」

 

一刀「ああ!楽しみにしているよ!」

 

焔耶「ふんっ!」

 

白蓮「一刀!また競争しような!」

 

一刀「今度来た時はぶっちぎりにしてやるからな♪」

 

白蓮「ほざけ♪今度は負けん♪」

 

一刀「ははっ♪・・・・・それじゃあなみんな!」

 

そうして一刀も狛煉に跨り去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫苑「・・・・・行ってしまったわね」

 

桔梗「まことに気持ちの良い御仁であられたな」

 

愛紗「・・・・・・・・・・っ!」

 

桃香「え!?愛紗ちゃん!?」

 

愛紗は自分の馬に跨り一刀の後を追っていった

 

鈴々「愛紗!?鈴々も!」

 

鈴々も愛紗の後を追おうとするが

 

星「待て鈴々!」

 

鈴々「にゃっ!?なんで止めるのだ!?」

 

星「鈴々は空気を読むことを覚えろ、今回は愛紗に譲れ」

 

鈴々「ん~~~~~~でもでも~~~~~~」

 

鈴々も一刀を追いたくて仕方がなかったのだが

 

桃香「鈴々ちゃん、星ちゃんの言う通り、ここは愛紗ちゃんに譲ろう、ね♪」

 

鈴々「桃香お姉ちゃん・・・・・分かったのだ・・・・・」

 

鈴々はしぶしぶ了解した

 

朱里「はわわ////////」

 

雛里「あわわ////////」

 

朱里と雛里は、一刀と愛紗がどんなことになるか想像し悶えていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「一刀様!!」

 

一刀「!?・・・・・愛紗?」

 

突然後ろから呼び止められ一刀は狛煉を止めた

 

一刀「どうしたんだ?愛紗?」

 

愛紗「一刀様、降りていただけませんか?」

 

一刀「・・・・・ああ」

 

愛紗と一刀は馬から降り向かい合った

 

一刀「・・・・・どうしたんだ?」

 

愛紗「・・・・・・・・・・・・・っ!」

 

一刀「っ!?」

 

いきなり愛紗が抱きついてきたかと思うと

 

愛紗「ちゅううううううううううううううううううう!!!」

 

一刀「んん~~~~!!??」

 

愛紗は一刀の唇を奪ってきた

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

愛紗「・・・・・んん//////////」

 

ただただ自分の唇を相手に押しつける、お世辞にも上手とは言えないキスだが、今の愛紗にはこれが精一杯だった

 

そして、キスしたまま暫くの時が流れる

 

愛紗「ぷはっ・・・・・//////////」

 

一刀「・・・・・愛紗・・・・・」

 

愛紗「・・・・・一刀様・・・・・行かないでください・・・・・」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

愛紗「わたくしは・・・・・・あなた様が好きです//////////」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

愛紗「この気持ちをどうしても抑えきれないのです/////////」

 

一刀「・・・・・愛紗・・・・・」

 

愛紗「あなた様を愛しているのです!・・・・・ですから・・・・・どうか、行かないでぇ・・・・・」

 

もはや愛紗は泣く一歩手前であった

 

一刀「・・・・・・・・・・・・・・っ」

 

ガバッ

 

愛紗「きゃっ」

 

一刀は愛紗を抱きしめてあげた

 

愛紗「~~~~~~~っ//////////////////」

 

愛紗は心が沸騰してどうにかなってしまいそうだった

 

しかし

 

一刀「・・・・・すまない」

 

愛紗「・・・・・・・・・・」

 

この言葉を聞いて愛紗の心は冷めてしまった

 

一刀「愛紗も知っているだろう・・・・・俺はこういうやつなんだ」

 

愛紗「知っています!それでもわたしは、あなたと共に居たい!」

 

一刀「ありがとう、でも駄目なんだ、俺は自分でこの生き方を選んだ、今更曲げたくないんだ・・・・・愛紗ならこの気持ちを理解してくれると思うけど・・・・・」

 

愛紗「・・・・・・・・・・」

 

そんなことを言われてしまえば愛紗も何も言えなくなってしまう

 

桃香に忠誠を誓った愛紗は、一刀の意向を無視することは出来ない

 

愛紗もこういった一刀に惚れたのだから

 

一刀「・・・・・だから」

 

グイッ

 

愛紗「きゃっ・・・・・」

 

今度は一刀からの口付け

 

愛紗「んん////////////////」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

しばらく二人は動かなかった

 

そして

 

一刀「・・・・・これで、勘弁してくれないか?」

 

唇を離す

 

愛紗「・・・・・頻繁にとは言いません・・・・・ぜひ蜀に寄ってくださいね/////////」

 

一刀「ああ、約束する」

 

愛紗「きっとですよ!」

 

一刀「ああ!またな!愛紗!」

 

そう言って一刀は去っていく

 

その後ろ姿が見えなくなるまで、愛紗は見送ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「いつまでも・・・・・いつまでもお待ちしています・・・・・愛しの一刀様////////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもseigouです

 

今回はある意味拠点です

 

夕闇に向かって去っていく男、見送る女は男に希い、懇願する、しかし男は振り返らない!男!ただ前を向き、ひたすらに上を目指す!

 

と、こんな解説を付けてみました

 

実はこの回は前回とつながっていたんですよ

 

しかし、あまりに文字数が多くて投稿できませんでした

 

今までで一番長いと思いますが、ぜひ最後まで読んでください

 

それでは次回まで、ごきげんよう!!


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
112
13

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択