No.197367

そらのおとしものf 番外編 『大改増! 笑撃、破壊知識(ビフォービフォー)』

BLACKさん

この作品はアニメ「そらのおとしものf」の最終回後を二次創作で考えたものです。
そのため映画に出てくるであろう要素は一切入りません。
原作キャラクターの性格や口調が一部変わっていたりするかもしれませんが、その事はご了承下さい。
またこの小説には作者の分身とも言えるオリジナルキャラクター(秋山総司郎)も出てきます。

2011-01-23 10:20:00 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1619   閲覧ユーザー数:1538

「何? 頭をよくしたいだと?」

 

本屋で漫画の立ち読みをしていた秋山の下にアストレアがそんなお願いをして来た。

 

「はい!」

「……とりあえず、外で聞いてやる」

 

秋山は立ち読みしていた漫画本を元の場所において、アストレアと一緒に本屋から出た。

二人は商店街を歩く。

 

「だが、何故だ?」

「それは……」

 

アストレアがもぞもぞする。

秋山はアストレアがそんなことを言い出した理由を本当は知っている。

アストレアは自他共に認める馬鹿である。

その理由は製作者のダイダロスが意図的に電算能力を積ませなかった。

それが原因で小学校低学年レベルの問題も解けない。

そして最近はその事について後から造られたカオスに馬鹿にされているのだ。

カオスは第二世代のエンジェロイドのためか、これと言って欠点はない。あるとしたら精神年齢の幼さである。

しかし精神年齢は幼いが電算能力においてはイカロスとニンフにも匹敵する。

そのため4人の中でアストレアは一番馬鹿になっているのだ。

そしてアストレアが頭をよくして欲しいと言った理由はもう一つある。

 

「最近……智樹より私が馬鹿な気がしてきて……」

 

智樹は確かに馬鹿なところはある。あまりにエッチすぎて常識的なことをしないところや普通に成績が悪くて補習を受けることもある。

だが総合的に見てもアストレアよりは賢い。しかし以前に行われた「賢い子選手権」や「馬鹿決定戦」の時は智樹はアストレアに負けている。

そのためもあってアストレアは智樹が自分以上の馬鹿だと思っていたのだが……。

 

「カオスが言ってたんですよね。『アストレアお姉様、お兄ちゃんより馬鹿なんだね』って…」

「否定できんだろ」

「……うっ……」

「まあいいさ。だが俺でもお前の頭をよくできるかは知らんぞ」

「何で?」

「俺にも制約があるからな。それに……」

 

秋山は少し黙り込む。

 

「お前に馬鹿を無くしたら何が残るんだ?」

 

秋山が問う。

 

「う~ん…この胸?」

「そはらで充分だろ」

「この髪?」

「カオスも似たようなもんだろ」

「じゃあ…」

「何もない…っと言うわけだ。それでもいいか?」

「はい!」

 

アストレアは正直よく分かっていなかった。

 

「まあいいさ。電算能力全くないのも少しは困りもんだろうしな。ちっとは手伝ってやるさ」

 

そう言って秋山はアストレアをどこかに連れて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかの手術室のベットのようなものに寝かされるアストレア。

そこに医者の格好をした智樹が入ってくる。顔はかなりにやけている。

すると智樹が入ってきた扉からタイトル文字が飛んできて、智樹に直撃する。

 

 

 

「大改増! 笑撃、破壊知識(ビフォービフォー)」

 

 

倒れた智樹のところに何故かチェーンソーを持ったニンフがやって来る。

それに驚く智樹。

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日の桜井家。

 

「最近デルタ見ないわね」

 

お菓子を食べながらニンフが皆に尋ねた。

 

「そういえばそうだな…」

「元気でやってるのでしょうか?」

「さあ、まああいつ馬鹿だからどっかで倒れてるんだろうぜ」

「そうでしょうか…」

「アストレアお姉様……もしかして特訓とか?」

「それはないでしょ」

「特訓なら秋山さんが全員連れて行くだろ」

「…そうだね」

 

桜井家ではそんなのんきな会話をしていた。

 

「ひょっとしてまた美香子が関わってるんじゃ…」

「ぶっ!」

 

お茶を口に含めていた智樹が思わず噴出してしまう。

智樹は美香子には散々な目にあっている。

とは言ってもアストレアは馬鹿なのでアストレアからの被害は受けてはいない。

 

「でも美香子が絡んでると厄介じゃない?」

「あら、会長は関わってないわよ~」

 

そこにいつの間にか居間に居た美香子に言われた。

しかも美香子だけでなく、そはらに守形も居た。

 

「何でまた全員居るんだ!」

「全員ではないぞ。アストレアに秋山が居ないぞ」

「あ、そういえば……」

「それじゃあアストレアお姉様は…」

「デルタを連れて行ったのは秋山ってことね」

「でも何でアストレアさんを連れてたんだろう?」

「さあな」

「教えてやろうか」

 

そこに秋山がやって来る。

 

「秋山」

「とりあえず学校に来い。面白いもん見せてやっからよ」

 

秋山は全員を学校に連れて行った。

 

 

全員が学校に行ってみる。

するとそこには以前に行われた「賢い子選手権」の会場設備などがあった。

 

「あれって……」

「ふっふっふ、皆来たわね」

 

すると突然会場から突然煙が出てきて、その煙から一つの影が現れた。

その影の正体はアストレアであり、煙が消えるとはっきりとアストレアの姿が見えるようになった。

 

「デルタ、あんたなによその格好?」

 

アストレアの格好はイカロスが教師をやる時の格好とほとんど同じであった。

後ついでに眼鏡もかけていた。

 

「ふふふ、ニンフ先輩……私は生まれ変わったんですよ」

「生まれ変わった?」

「私はアストレア改め、私の名は超(スーパー)アストレアです!」

『………』

 

全員が黙り込んだ。

 

「まあそれはそうと早くあっちまで上がりな」

 

秋山が舞台に立つように言う。

そして前回の「賢い子選手権」に参加した、智樹、ニンフ、そはら、美香子、超アストレアがクイズ台に乗った。

 

「さてと、それじゃあここに『第2回賢い子選手権 超アストレアの実力を見よ!』を始める!」

 

秋山が率先してそう次げた。

 

「司会解説、問題作成者はこの秋山総司郎! その他解説として守形英四郎、イカロス。アシスタントはカオスでお送りするぜ!」

 

すると何故か学校の生徒達がどこからか集められており、全員が観客として居た。

 

『いぇええええええええい!!』

「ゴキブリ桜井! また負けちまえ!」

「ニンフちゃ~~~~ん! また優勝頑張ってね!」

「アストレアちゃんも頑張れ~~~」

 

それぞれの応援したい選手を応援する。

 

「言っておくが今回はモニターを使ったりするぞ。問題はよく注意して聞いたり、見てくれ。

それと今回は下に落ちたり、上がったりはしない。ただし間違えたらカオスにはあることをしてもらい、それが間違え選手への罰になるからな。

それじゃあいくぜ!」

『うおおおおおおおおおお!!!!』

 

会場が盛り上がる。

 

「それじゃあ行ってみよう! 第1問!

1600年に日本で大きな戦があったけどその戦の名前は?」

 

これはとても一般的に出される日本史の問題である。

そしてそれを最初に押したのは超アストレアであった。

 

「はい!」

「超アストレア!」

「関ヶ原の戦いです!」

「おみごと!」

 

アストレアの席についているカウンターが「0」から「1」になる。

 

「嘘! デルタが何でそんな問題の答えを知ってるのよ!? 秋山!」

 

ニンフが秋山に怒鳴り込むように尋ねる。

 

「あんた、デルタに答え教えてるでしょ! あんたなら念話とかでデルタに直接答えを教えることは出来るはず…」

「出来ない事はないけど、俺は答えを教えてないぜ。まあ予習みたいな事はやったけどさ…。

だがこれは予習をすれば普通に分かる問題だと思うが?」

「……くっ!」

「しかしここでアストレア…いえ、超アストレア選手がまともに答えられるとは思いませんでした」

「確かに驚きです」

「とにかく次の問題だ! 第2問!」

 

するとモニターから何かが映し出される。

それは世界地図が映し出され、ある一本の線に→が出ていた。

 

「この線は何という?」

 

一番最初にボタンを押したのはそはらであった。

 

「見月そはら!」

「経線」

 

するとどこからかブザーの音が流れた。

 

「残念、答えは緯線でした」

「え? ああ、間違えた……」

 

そはらは間違えたと思い、頭を抱える。

 

「それではおしおきだ! カオス」

「は~い♪」

 

カオスは羽を上手く使い、ある物をそはらの上に運んだ。

カオスの羽には少し大きめのたらいがあり、カオスが羽を離すとたらいはまっさかさまに落ち、そはらの頭に直撃した。

 

「いった~」

「と、こんなように間違えたら『たらい落としの刑』にあうので痛い思いをしたくなかったらきちんと答えましょう。

もしくは答えないようにしよう」

「いたたた…」

 

そはらはまだ頭を少しなでていた。

 

「そんなに痛くならないようにたらいに細工しといたんだけどな……。

まあいいさ。第3問!」

 

またしてもモニターに何かが映し出される。それはよく日本史で出てくる人物である。

 

「これ誰?」

 

すると超アストレアがまたしても最初にボタンを押した。

 

「超アストレア!」

「厩戸王!」

「ふ、ばぁ~か。あれは聖徳…」

「正解!」

「ええっ!?」

 

智樹は偉そうに答えを言おうとしたが、秋山の正解発言に驚いた。

 

「な、なんでさ! あれって聖徳太子だろ?」

「聖徳太子は厩戸王とも言われていた。だから超アストレアが厩戸王と答えても何の問題もない。

むしろ厩戸王の方が正しいと言われている」

 

守形が解説を入れる。

 

「ちなみに聖徳太子は実際は居なかったのではないかとも言われています」

 

イカロスも解説を入れる。

先ほどまでの超アストレアの真面目な答えっぷりにニンフはあまり納得出来てない様であった。

 

「秋山、デルタに何をしたの?」

「何したって?」

「デルタが簡単にこんなの出来るわけないでしょ! あんたが何かしたんじゃないの?」

「全くしてないわけじゃないが、そんないじるようなことはしてないぞ」

「じゃあ何したのよ?」

「それはな……」

 

 

秋山は数日前にあったことを思い出す。

それは秋山がアストレアに色んな知識を授けようと勉強をしていた。

 

「1+1は?」

「50!」

 

アストレアは相変わらず1+1の答えも出せなかった。

 

「あのなアストレア」

 

秋山がご丁寧に自分の指を使い1と1を作り出す。

 

「これで2だ。どうするれば50になるんだ?」

「う~ん……正直分からない」

「はぁ~」

 

秋山はあきれ返ってしまう。

 

(電算能力はほとんどないってもな……うん? 待てよ……)

 

秋山はふとあることを思い出した。

それはニンフがまだ智樹達のところに来て間もない時、つまりはイカロスを連れ戻そうとした時の事である。もう少し付け加えると秋山がまだ現在の姿である長い白髪の「真モード」ではなく、短い黒髪のノーマルモードの時であった。

イカロスとニンフは秋祭りの合間に抜け出し、ニンフはイカロスに施されていた記憶プロテクトを解いたのだ。

その時秋山も居た。秋山はニンフが最初っからイカロスを連れ戻しにきたことを知っていた。というより気付いていた。

秋山は初めて会う人物に対して数値でだが、敵対性と危険性(これは自身や自身が深く関わるであろう人物に対しての数値)を図っている。秋山はその危険性を見て、その人物に対する対処を決めていた。

ニンフが初めて智樹達の前に現れたときは敵対性70%、危険性30%と若干低めだったので秋山はニンフに対して何もしようと思わなかった。

ちなみにアストレアが初めて現れたときは敵対性100%、危険性0%。そのため秋山はアストレアを危険視しなかった。

カオスは敵対性、危険性共に100%であった。それに加え、当時のカオスは負の心が強かったために秋山はかなり警戒していた。

今では3人とも敵対性、危険性は0%である。敵対性はともかくだが、危険性は下がったら上がることはよほどの事がない限りない。(例外として美香子だけは危険性を上げることが出来る)

学校の図書館でイカロスとニンフが二人だけの(実は秋山も隠れていて、秋山は完全に気配を消し、ニンフのレーダーにも引っかからないようにしていた)時も秋山はニンフを止めようとしなかった。

そして秋祭りの時もニンフを止めなかった。ニンフがイカロスを攻撃した時に隠れていた秋山はニンフ達の前に出たが、秋山はその時こういっていた。

 

「俺は本来傍観者でなければならない存在だからな。お前がそいつ(イカロス)に何をしようが俺は構わない」

 

秋山はニンフの行動を黙認。ニンフの記憶プロテクト解除の際には秋山はイカロスの記憶に興味があり、覗いたくらいである。

記憶を取り戻したイカロスが泣いた時は秋山は悲しんでいて深く考えなかったが、ニンフ曰くエンジェロイドは記憶と思考は別物であるとのこと。

その時のニンフの言葉を思い出す。

 

(記憶と思考は別物……それに馬鹿でも人の名前や顔を覚えるには記憶が必要だ。

智樹やイカロスやニンフはともかくそはらや俺にカオスとか最近会った連中の顔や名前もきちんと覚えている。

つうことは……)

 

秋山は一瞬の考えである答えを導き出していた。

 

「アストレア」

「はい?」

「お前、1+1の答えを出してる時、考えてるだろ?」

「そりゃ、考えないと答えられないでしょ」

「それなら納得した。アストレア」

「はい?」

「お前は考えるな。覚えろ」

 

そうそれはアストレアの記憶力を頼りに勉強するものである。

秋山はこう考えたのだ。

 

「記憶と思考は別物。もしアストレアが本当に馬鹿(覚えることも出来ないほど)だったら智樹やイカロス達はともかく、最近会ったばかりの人物達の顔や名前を覚えることなどできやしない。

つまりアストレアは考える力が弱いだけで記憶力自体はそんなに低いわけではない。つまり、記憶力をよくすればアストレアも多少は頭がよくなる」

 

秋山はそう思った。

そして秋山は1+1=2と言うのを覚えるようにアストレアに言い、他の勉強も頭と体に叩き込むように覚えさせたのだ。

 

 

「と言うわけだ」

「……なんか微妙に納得いかないわね…」

「記憶と思考が違うって言ったのはお前だぞ。だから俺はそこからちょっとした発想をしただけだ」

「でも言われてみれば今のところ出てきた問題は覚えてたら答えられる問題ばかりだよ、ニンフさん」

「まあ全く考える問題はないわけじゃない。次は考える問題だ。第4問! あなたの右隣にいる人達は……どうですか?」

『はっ!?』

「どう? …ってどういう意味ですか!?」

「そのままだ。そいつはお前にとってどうかって…」

「俺の右誰も居ないけど!」

 

超アストレアがその隙にボタンを押す。

 

「超アストレア!」

「師匠です!」

 

超アストレアの右横は美香子であった。

 

「正解!」

『ええええええ!?』

 

超アストレアの答えと秋山の正解発言に全員が驚きの声を上げる。

 

「ちょっと! そんな答えで良いの?」

「だからどうだって聞いただけだ。それに少し考えるだろ?」

「それとこれとは…」

「第5問!」

 

秋山はニンフの言葉を無視して次の問題を言う。

 

「あなたの目の前に好きな人が傷だらけになって倒れています。

あなたはその倒れている好きな人の所へ駆け寄ろうとしたら、何故か行けません。

では、その目の前で倒れている好きな人の前世は?」

「は!?」

「前世?」

 

またしても意味不明な問題に全員が戸惑うが、またしても超アストレアがボタンを押す。

 

「超アストレア!」

「ゴキブリ!」

「その通り!」

 

超アストレアの答えにニンフとそはらが怒りだす。

 

「アストレアさん……」

「ちょっとデルタ! あんた一体誰の事言ったの!?」

「え? 誰って……」

 

そう言って超アストレアはもじもじしながら智樹の方を見る。

しかし智樹は超アストレアが自分に向けている視線の意味に気付いていない。

 

「はぁ……あんた本当にそう思ってるの? てかあいつの前世がゴキブリだと本気で思ってるの?」

「だって、よくゴキブリだって言われてるじゃないですか~」

「まあそれは……」

「秋山! あんたはどう思ってるの?」

「正直これはネタ問題だ。次の問題と行こうか。第6問! この映像を見てください」

 

秋山がモニターにある映像が流す。その映像は格闘ゲームの映像であった。

 

「ハイパーボッ!」

 

そう言いながら敵を地面に叩き付けた。

 

「このハイパーボムを言ってください」

 

するとそはらがボタンを押した。

 

「見月そはら!」

「は、ハイパ~~~~ボ~~~~~ッ!!」

 

イントネーションはとても悪かった。しかし…。

 

「お見事!」

 

そのイントネーションは正解扱いになり、ようやく超アストレア以外にポイントが入った。

 

「あんなのあり?」

「ありだ。次の問題……」

 

なんやかんやでクイズは続く。

 

「この少女の職業は? ニンフ!」

「魔装少女」

「正解!」

「この女の子は通称なんと呼ばれている? 五月田根美香子!」

「メス豚かしら?」

「お見事!」

「この機体の名称は? 桜井智樹!」

「フリーダム!」

「その通り!」

 

そんなこんなでクイズが続き、智樹達は何とか超アストレアとの接戦を繰り広げ、全員が同点になった。

 

「よし、これでラストにしよう!」

 

秋山が何かしら紙を取り出す。

 

「あなたの好きな人の名前は!?」

 

秋山はとんでもない問題を言い出した。

 

「そ…そんな……」

「え……」

 

そはらとニンフは二人して智樹の方を見るが、智樹は気付いていない。

そんな智樹も好きな人が思いつかず悩む。美香子は答えようかどうか少し悩んでいた。

そんな中超アストレアがボタンを押した。

 

「超アストレア!」

「私は……私は……」

 

超アストレアは立ち上がりながら智樹を見る。

 

「?」

「さ、さ、さ……」

 

超アストレアが智樹の名前を言おうとするが、恥かしさのあまりに言えない。

そして……。

 

「うん? ちょっとデルタ! 頭が煙が出てるわよ!」

 

超アストレアの頭から煙が出始め、超アストレアの頭の内部が少し爆発したかのような音が聞こえ、超アストレアは倒れた。

 

「アストレアさん!?」

「デルタ!?」

 

全員がクイズを無視して倒れた超アストレアの方に駆け寄った。

 

 

第2回賢い子選手権から数日が経った。

結局優勝は誰もなしという結末を迎えた。

そして最後の問題で倒れたアストレアこと超アストレアは……。

 

「1+1は?」

「50!」

 

超アストレアはいつものアストレアに戻っていた。

秋山曰く、アストレアは恥かしさと考えたことにより頭がショートし、覚えたこと全てを忘れてしまい、元の馬鹿に戻ってしまったのこと。

 

「はぁ~」

 

秋山は頭を抱えた。

 

「もう一度同じ方法で教えたら?」

「めんどくさい、それにな……」

 

秋山は少し間を空けて答えた。

 

「あいつに馬鹿を抜いたら何が残るんだ?」

「……何もないわね」

「だろ? だからさ…これでいいんだよ…。後…」

 

秋山がアストレアの方を見る。アストレアは智樹と何か揉めていた。

しかしそれはどこか楽しそうであった。

 

「やっぱああいうのはいつ見てもいいと思うからな」

「…そうね」

「マスター、お茶が入りました」

 

イカロスが智樹とアストレアの分のお茶を用意した。

智樹とアストレアは茶を飲む。

 

「俺達ももらうとするか」

「はい」

 

桜井家は今日も平和で、賑やかであった。


 
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