No.196895

ミソラのいけないセイ長?

スーサンさん

私のサイトでもっとも、カウント数の高い作品をここに載せました。スバミソの超ラブラブイチャイチャ小説です。イチャイチャ系が好きでミソラちゃんが好きな人はぜひ……

2011-01-20 17:29:35 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:38550   閲覧ユーザー数:38432

「また、九時を過ぎてる……」

 腕時計の差す時間を見て、ミソラはハァッとため息をはいた。

 ここ最近、タレント仕事が忙しすぎて、ろくに眠っていない。

 別段、タレント活動も嫌というわけじゃない。

 むしろ、自分の歌を聴いてもらえる環境として、大好きであった。

 なら、なぜ悩むかというと、それはマネージャーに会った。

 ミソラのマネージャーは、絵に描いたような金の亡者で、ミソラを金の成る木程度しか見ておらず、まだ十代のミソラを平気で九時以上まで働かせる鬼マネージャーである。

 何度か問題も起きたが、不思議と業界から追放されることはなかった。

 人間的には落ちこぼれだが、業界には右に並ぶもののない有能なマネージャーゆえ、事務所としても、頭が上がらないのが、この男の性質の悪いところである。

「……マネージャー変えてもらおうかな?」

 すでに何度か、社長に直談判したが、社長も社長でマネージャーの強引さと口八丁さにどうも、首を縦に振れず、毎日毎日、疲れる日々を過ごす。

「まったく……明日はスバル君と海でのデートなのに?」

《ほらほら、愚痴らない愚痴らない》

 本気で怒りを感じているミソラにハンターVGにの中いるハープが優しくなだめる。

 実際は、ミソラ以上にマネージャーに対して怒りを感じているが、我慢しているミソラの手前、ハープも我慢していた。

「ん? 本が落ちてる?」

 道の隅っこに落ちている古雑誌を手に取るとミソラの顔がボッと赤くなった。

『ロリッ子少女、危ない性授業』

 アダルトだった。

《ミソラ、ダメよ。こんなの見ちゃ……》

「ふんふん……」

《聞いてない》

 御視するようにミソラは腰をかがめ、アダルト本を読みふけた。

「うそ、こんなことするの!?」

 顔を真っ赤にして、信じられない顔をミソラにハープは顔をしかめた。

「こ、これはエグイ……でも、気持ちよさそう」

《ミソラちゃ~~~ん?》

「はぁはぁ……こんなこと、スバル君にされたら、私……」

《ミソラ!》

「さて、帰ろう!」

 すっきりした顔で、チャッカリ本を片手に本を持つミソラにハープはため息を吐いた。

《ミソラ……鼻血でてる》

 

 

 次の日、ロックマンに変身したスバルは電波ロードで約束の場所に遅刻しているミソラに頭をかいていた。

「遅いなミソラちゃん……いつもなら、僕よりも早く来るのに?」

《先に行った可能性はないのか?》

「そうなのかな?」

 若干、不安そうに一度、目的地に向かってみようと足を進めるスバルに可愛らしい少女の声が響いてきた。

「スバル君、ごめん……待った!?」

 慌てて、スバルの前に走りよるハープ・ノートに電波変換したミソラにスバルは優しく笑顔を浮かべ、首を横にふった。

「大して待ってないよ。それよりも、大丈夫? なんだか、目の下にクマが出来てるけど?」

「大丈夫、大丈夫! ちょっと、夜の一人遊びが過ぎただけだから?」

「夜の一人遊び? もしかし、それって、夜遊び!?」

「ち、違うよ! してるのはベッドの上だし……って!?」

 慌てて口をふさぐミソラにチェリーボーイのスバルは訳がわからず首をかしげた。

「……?」

 アハハと苦笑し、ミソラは、さっさと海に行こうと背中を押した。

「ちょ……慌てないで? ゆっくり行こう?」

「え……ゆっくり? イこう?」

 カァ~~と顔を赤くするミソラにスバルはますます訳のわからない顔をした。

 

 

 海に着くと二人は電波変換を解き、水着姿へとなった。

 別段、瞬間的に着替えたわけじゃない。

 変身する前に水着を着ていたというだけのことであった。

「この時間でも、海に人がたくさんいるな?」

「そうだね? みんな、暇してるんだね?」

 感心した顔で自分たちの座れる砂浜の空きスペースを探すミソラにスバルの声が響いた。

「あ、開いてるビーチが合ったよ?」

「え……開いてるビッチって……ス、スバル君は私をそんな目で!?」

 顔を真っ赤にし怒鳴ろうとするミソラにスバルは気づかず、開いてる砂浜にシートを敷き、ミソラを呼んだ。

「早く来なよ……泳げなくなっちゃうよ?」

「……」

 顔を真っ赤にし、自分の聞き違いにミソラは顔を伏せた。

「さて、海に入る前に、準備運動しようか?」

 うんっと立ち上がり、アキレス腱を伸ばすスバルにミソラは、一瞬、スバルの海パンの下が見えた気がし、ギョッとなった。

「どうしたの?」

「う、うぅん……別に?」

 気がしただけで、実際は見えていなかった。

 ちょっと残念だと、ミソラは心の中で舌打ちした。

「おいっちにいさんし、おいっちにいさんし!」

 丹念に準備体操するスバルにミソラも自分の動揺を隠すように準備体操し、最後に身体を逸らす運動をした。

「ハッ……逆えび固め!?」

「なにそれ? 調理方法?」

「あ、なんでもないよ!? それよりも、準備体操はこれくらいにして、海に入ろう?」

「そうだね? さっさと、海に入りたいな~~~!?」

「入りたい!?」

 また、顔を真っ赤にするミソラにスバルは本当に大丈夫かと顔を覗いた。

「さっきから変だよ、ミソラちゃん? 顔を真っ赤にしっぱなしだし、もしかして、熱があるんじゃ?」

 ピトッとオデコをくっつけられ、ミソラの意識が飛び出しそうに混乱した。

「ミソラちゃん!?」

 慌てて、倒れだすミソラの身体を支え、スバルはどうしたか、声を荒げた。

「やっぱり、熱があるんじゃ!?」

 だが、すぐに腕をガシッとつかまれ、顔をしかめた。

「……?」

 力強く握られた手に目をパチパチ瞬かせた。

「スバル君……ちょっと来て?」

「め、目が怖いよ……ミソラちゃん?」

「いいから!」

「え……うあああ」

 片足でぴょんぴょん跳ねるように引っ張られ、海岸沿いの人気のない裏道に連れていかれるとスバルは困った顔で、バシッと岩壁に身体をぶつけられた。

「どうしたの、ミソラちゃん? なんか、僕、悪いことした?」

「安心して……私がリードするから?」

 バンッと横顔の岩壁に手を乗せ、スバルを逃げられなくさせるとミソラは荒い息遣いで顔を近づけていった。

「……ミ、ミソラちゃん?」

 なにをされるのか、まだ小学生のスバルにはわからなかったが、それが社会道徳に反したいけないことだけはスバルにもわかり、なんとか、ミソラの暴走を止められないか焦った。

《おい、スバル……なんだか、変じゃないか?》

「誰がどう見ても、ミソラちゃんが変なのは一目同然だよ!?」

《いや、上……》

「え……?」

 トンッ……

「あう……」

 小石程度の岩がミソラの脳天に落ち、ミソラは目を回し、倒れてしまった。

「キュ~~~~……」

 バタンッ……

「ミ、ミソラちゃ~~~~~ん!?」

 

 

 目を覚ますとミソラは妙な晴れやかな気持ちに包まれていた。

 まるで、溜めすぎて一人で処理しきれなくなった夏休みの宿題を一人で全部片付けたかのような、そんな爽快感すら感じていた。

「あ、よかった。目を覚まして?」

 ガラッとドアから入ってくるスバルにミソラはいまになってここが病院のベッドで頭に大きなコブが出来ていることに気づいた。

「私、どうしてここにいるの? 確か、海に行ったはずだったけど?」

「あ、ああ……えっとね?」

 言葉に詰まらせるスバルにミソラはわかったと笑った。

「そっか、きっと、また、電波ウィルスに襲われて、スバル君が助けてくれたんだね?」

「いや、今回は僕が襲われた立場なんだけど、まぁ、覚えてないならいいや?」

 ホッとするスバルにミソラは頭の上のコブを押さえ、涙を浮かべた。

「いった~~~……」

「まぁ、今日一日、病院で検査して? 軽い脳震盪らしいけど、念のためね? 僕も今日はここにいられるだけいるから」

「うん!」

 元気よく返事を返すミソラにスバルは満足そうにうなづき、カバンから教科書を取り出した。

「あれ……それって?」

 ミソラの顔が真っ青になった。

「夏休みの宿題。ハープに頼まれたんだ。どうせ、仕事を言い訳にサボる気だろうって? 良くないよ、そんなこと?」

 ギロッと睨まれ、ミソラはハープに軽い怒りを覚えた。

「僕で教えられるところは全部教えるから、一緒に宿題片付けよう? 病院にいる間は暇だし?」

「うん……」

 ガックリ肩を落とすミソラにスバルはニッコリ笑った。

「よく食べ、よく寝て、よく遊び、よく学ぶ。先人たちの尊い教えだよ?」

「遊ぶだけ、教えてほしかったよ~~……」

 泣き狂うミソラにスバルは呆れた顔をして、笑った。

 


 
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