No.195744

真・恋姫†無双~赤龍伝~第22話「虎牢関の戦い 恋と呂布」

さん

この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。
未熟なため文章におかしな部分が多々あるとは思いますが、長い目で見てくださると助かります。

2011-01-13 16:49:12 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:6060   閲覧ユーザー数:5178

真・恋姫†無双~赤龍伝~第22話「虎牢関の戦い 恋と呂布」

 

 

 

火蓮「虎牢関の戦況はどうだ?」

 

兵士「袁紹、曹操の部隊が虎牢関に取り付き、戦闘を開始しました!」

 

火蓮「昨日と同じか。まったく代わり映えのない戦い方だな」

 

冥琳「あの袁紹ですからな。仕方ありません。それより火蓮様。動くなら今かと」

 

火蓮「わかった。皆、いくぞ!!」

 

一同「応!!」

 

僕たちは虎牢関に向かって出陣した。

 

 

――――虎牢関 曹操の部隊――――

 

曹操「……さすが虎牢関と言うべきか。すぐには落とせないわね」

 

夏候淵「汜水関から退却した華雄、張遼。……それに飛将軍呂布も居ますからね」

 

荀彧「昨日のように無理に攻めても被害が大きくなるだけかと……」

 

曹操「虎牢関から引っ張り出すのが上策、か……」

 

荀彧「しかし、その策を実行する場合、袁紹軍が連携を取ってくれないと意味が無いでしょう」

 

曹操「あのバカは攻めることしか頭に無いようね。……昨日から同じことを何度繰り返して……迷惑だわ」

 

夏候惇「御意。城門の前に陣取り、めったやたらに攻め立てているようですが……邪魔ですなぁ」

 

曹操「砦からの攻撃を一身に受けてくれているから、楽と言えば楽だけど……これではラチが明かないわね」

 

荀彧「何か……この状況を変える一石があれば良いのですが……」

 

兵士「も、申し上げます! 後方より砂塵! 旗印は孫一文字!」

 

夏候惇「孫堅の部隊だと? 奴ら、後方で待機していたはずでは無いのか?」

 

夏候淵「何をしにきた……?」

 

荀彧「あの勢いから見るに、こちらの戦場に乱入するつもりじゃないかしら」

 

夏候惇「乱入だと? ……ただでさえ袁紹の動きが邪魔だというのに面倒な」

 

曹操「……乱入、か。……なるほどね」

 

夏候淵「華琳様は孫堅の考えがお分かりで?」

 

曹操「ある程度はね。……孫堅が今、排除したがっている人間は誰?」

 

荀彧「それは袁術でしょう。……あ!」

 

曹操「そういうことよ。……我らはこの一石に乗じましょう。春蘭、秋蘭。孫堅の動きに合わせ、敗走するフリをしながら後退する。準備をしておきなさい」

 

夏候淵「……なるほど。孫堅の意図はそこにありますか。……了解しました」

 

夏候惇「えっ? えっ? どういうことだ?」

 

夏候淵「後で説明してやる。今はすぐに軍を動かすぞ」

 

夏候惇「わ、分かった」

 

曹操(それにしても、随分と大胆な作戦を取ったものね。一歩間違えれば、連合軍の全滅もありえるわよ)

 

 

赤斗「火蓮さん、曹操の部隊が道をあけてくれたみたいだ」

 

火蓮「どうやら曹操は、私たちの意図に気づいたようだな」

 

赤斗「こんな無謀な作戦に気づくなんて……さすが覇王曹操だな」

 

雪蓮「赤斗。関心している場合じゃないわよ!」

 

赤斗「分かっているよ!」

 

そのまま僕たちは先陣に乱入した。

 

いきなり僕たちに乱入された先陣の袁紹の部隊は大混乱に陥る。

 

暫くして、僕たちが後方に下がり始めると、同時に曹操の部隊も下がり始めた。

 

そして、戦線は崩壊し袁紹の部隊を殿にして、戦線全体が大きく後退していった。

 

 

呂布「……ちんきゅ、出る。…………今が好機」

 

戦場の混乱を見て、呂布は言った。

 

陳宮「分かりました。飛将軍呂布殿の出陣ですぞっ!!者共後に続くのですーーーっ!」

 

兵士「おおおおおおおおぉぉぉぉぉーーーーっ!!」

 

深紅の呂旗を掲げて、飛将軍呂布が戦場という舞台に上がった。

 

 

 

兵士「申し上げます! 呂布将軍と華雄将軍が出撃されました!」

 

張遼「なんやとっ!」

 

賈駆「ちょっ、ボクはそんな命令出して無いわよっ!」

 

張遼「どないするん?」

 

賈駆「今、ここであの二人を失うわけにはいかない。霞、私たちも出るわよ」

 

張遼「わかった。けど最悪の場合は、賈駆っちだけでも一足先に洛陽に逃げるんやで。あーもう、何でこんなにウチらの軍には猪が多いんやっ!」

 

 

赤斗「どうやら上手くいったみたいだね」

 

雪蓮「そうね。袁術ちゃん、良い感じにまき込まれてるわね♪」

 

作戦は僕たちの思惑通りに、袁術の部隊に損害を与える事に成功した。

 

雪蓮「あーあ。もっと近くで袁術ちゃんの慌てふためく顔が見たかったなぁ」

 

赤斗「雪蓮。それって趣味悪いぞ」

 

雪蓮「ぶぅーー。それぐらい良いじゃないの」

 

火蓮「お前たち! 作戦は成功したが、まだ戦いは終っていないんだぞ。油断していると死ぬぞっ!!」

 

赤斗・雪蓮「はーい」

 

雪蓮とおしゃべりしていたら、火蓮さんに怒られてしまった。

 

火蓮「まったく、あの二人は。……冥琳。戦場の様子はどうだ?」

 

冥琳「どうやら、華雄は関羽に討ち取られたようです」

 

火蓮「……そうか。……もう一度くらい遊んでやっても良かったのにな」

 

華雄が討ち取られたと聞いて、火蓮さんは少し残念そうに呟いていた。

 

冥琳「今、奮戦しているのは、神速張遼と飛将軍呂布の部隊です」

 

赤斗「冥琳。……どれが呂布の部隊なの?」

 

以前、呂布の名前を聞いて感じた違和感を思い出し、実際の呂布が何処にいるか冥琳に尋ねた。

 

冥琳「あれだ。あそこに見える深紅の呂旗。あれが呂布だ」

 

 

冥琳が指差した先に見えたのは、まぎれもなく深紅の呂旗。そして……

 

赤斗「まさか、……あれは」

 

夢で見た少女がいた。

 

赤斗「…………恋っ!?」

 

自分の目を疑った。

 

以前、犬になった夢を見た際、その夢に出てきた少女が、すぐ近くで戦っている。

 

それも、なんと“呂布”として戦っているのだ。

 

雪蓮「あれが、飛将軍呂布か。一度戦ってみたかったのよね」

 

冥琳「ダメよ!!」

 

雪蓮「冥琳のケチーー!」

 

冥琳「好きに言ってなさい。ん……風見、どうかしたのか?」

 

冥琳は雪蓮の抗議を軽く受け流すと、ただ呆然としている僕に気がついて、声をかけてくれた。

 

赤斗「……あっ、ごめん」

 

火蓮「どうした? いきなりボーとして」

 

赤斗「…………」

 

どうするか僕は迷った。

 

夢で見た“恋”とあそこで戦っている“呂布”が、同一人物かもしれない。

 

そんな事バカバカしいと思ったが、犬のセキトになって、恋の一緒に暮らしたあの夢は妙な現実感があった。

 

だから、もう一度“恋”に会ってみたいと、夢から覚めた時も思ったのだ。

 

その“恋”かもしれない“呂布”が目の前にいる。

 

ならば……………。

 

赤斗「火蓮さん」

 

火蓮「うん?」

 

赤斗「……ちょっと行ってきます」

 

火蓮「何?」

 

そう言って僕は、深紅の呂旗に向かって馬で駆け出して行った。

 

火蓮「おい、赤斗っ! 何処に行くのだ!!」

 

雪蓮「ちょっと、赤斗!?」

 

冥琳「まさか、呂布のもとへ行く気なのか!?」

 

火蓮「この前から、呂布の名前が話に出たるたびに様子がおかしかったが、赤斗め一体どうしたのだ?」

 

冥琳「とにかく、風見一人を行かせるわけにはいかない。興覇、幼平。風見を連れ戻せ!」

 

思春・明命「はっ!」

 

冥琳の命令で、思春と明命が僕のあとを追った。

 

 

呂布「…………来る」

 

今日一日で何百、何千、もしかして何万の敵を葬った呂布は、少し前から感じていた“懐かしさ”が近づいてくる事に気がつき、その手を止めた。

 

その“懐かしさ”が、何なのかは呂布自身も分からなかったが、それは確実に近づいてくる。

 

 

 

つづく

 

 

~あとがき~

 

 

呂です。読んでくださって、ありがとうございます。

 

次回は赤斗と呂布の再会です。


 
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