北郷一刀は夢を見ていた
周囲は暗く、すぐ近くには小川が見える
そして目の前には自分に背を向けている一人の少女
(あぁ・・・またあのときの夢か・・・)
いままで何度となく見ている夢
月の綺麗な夜の夢
周りの音は一切聞こえない
自分の口が動き言葉を紡いでいるがその声はおろか、目の前にいる女の子の声さえ聞こえない
それが
たまらなく愛しい彼女の声を聞けないことが
とても
悔しくて
苦しくて
辛かった
目を開けると見慣れた天井
中華的な意匠もなければ人の気配もしない自分の部屋
「華琳・・・」
自然と口から零れ落ちる名前
大陸の、魏の覇王の名
そして
自分が泣かせてしまった
寂しがりやな女の子の名
「ふぅ・・・」
ひとつだけ小さな溜息を吐き、自分の手を見つめる
「胡蝶の夢・・か・・」
あちらの世界から戻ってきて2年の月日が流れた。
一刀は聖フランチェスカを卒業し、今は都内の大学に通っている。
こちらに戻ってきてからしばらくは何もする気が起きなかった。
どうしようもない喪失感。
よくテレビで、胸の真ん中にぽっかりと穴が~、なんていう表現があるがこれがそうなのかと、そのとき初めて知った。
戻ってきたときに日にちを確認したが、自分が最後に見たと記憶している時間から10分ほどしか経っていなかった。
まさに夢。
あのとき自分は華琳に言った。‘後悔はしていない’と
そう、後悔は無かった。華琳が大陸の覇王となるまでを見届けることができたのだから。
残ったのは、未練。
目を閉じれば彼女たちとの楽しかったひと時が思い出される。
彼女たちともう一度・・・・・
そんな都合のいい願いが聞き届けられるはずもなく・・・・時は無情に過ぎていった。
まだ完全に起き切っていない頭を軽く振り、一刀はベッドから起き上がった。
今日は1月1日、元旦。
別段、初詣に行く必要性も無いと思ったので剣の鍛錬でもしよう、そう思った矢先ー
「かぁぁぁずぴぃぃぃぃ!!!」
正月早々、とても不愉快な声が聞こえた。
<あとがき>
短い+下手と思うかもしれませんがどうかご容赦を。
言い訳にしかなりませんが、初めてなりに努力していこう、と思っていますのでよろしくおねがいします。
ちなみにこれは序章のようなものです。いつ本編が始まるかは作者にもわかりません。
(作者は基本的に気まぐれなので)
最後になりますが意見、感想、批評がありましたら、どんどんコメントをお願いいたします。
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初めての作品です。
(作品なんてたいした代物じゃないですけど・・・)
とりあえずよろしくおねがいします。