■※※※注意事項※※※■
・素人故の文章力不足。
・原作設定の崩壊。
・キャラの性格崩壊。
・浮き沈み無しのグダグダ文。
・笑い無し、涙なし、ポロリもなし。
上記の中に「ねーよw帰れw」と思われた方は、今すぐPCの電源をお切りください。
それ以外の方は、つまらない時間を過ごす覚悟をした上で、賢者の心境でお読みくだされば幸いです。
戦が終わり、漢という国が終わりを告げ、新たに三国が立ち上がり――
大陸は平和になった。
雪蓮は王位を妹の蓮華に譲り、共に現役を退いた冥琳と共にのんびりと暮らしているようだ。それでも、事あるごとに蓮華の頭を悩ませているようだが。
桃香は側近である朱里、雛里から政治を学び、蜀の王としてかなり成長してきているらしい。愛紗をくれと言ってもかたくなに断る辺り、仲間を大切にするところは変わっていないけれど。
蜀と呉。敵であった両国は、時が経つにつれ、戦時に受けた傷を癒しながら、繁栄の兆しをみせている。
魏については――――わからない。
なぜなら私は……
「ほい、おまっとうさん」
ごとり、と重い音をたてて店主は机に中身のはいった器をおいた。
「ありがとう、いただくわね」
「うん?おや」
器を手に取ろうとすると、店主はおかしな声をあげる。
「これは珍しい。昼間に流れ星たぁ」
「流れ星?」
店主の視線を追いかけてみるが、流れ星なんてものが今更みえるはずもなく、そこには綺麗な青空がひろがるだけだった。
「……縁起でもないわね。昼に星なんて」
「へへ、お客さん、精々出汁を器からこぼさんようにしなせぇよ」
「えぇ、そうするわ」
がやがやとにぎわう厨房、そして客席。
私は都である許をでて、とある街に来ていた。
ろくに君主の顔も知らないような田舎の村だけれど、食事のほうはそこそこといったところ。
といっても、服も髪型もかえて、おまけに外套など羽織っていては、春蘭達ならともかく、
一般の民では気付くはずもないのかもしれない。
ずるずると器から麺をすする。
本当にきちんと洗っているのかもわからない汚い器に、茶色ににごった液体。中には黄色い麺と薄い肉が少し。
味はやっぱりそこそこ。
「……これも飽きたわね」
目新しいものも、三度も連続で食べれば新鮮味もなくなるというもの。
金を置いて立ち上がろうとした時だった。
「あら?もしかして、曹操さんですか?」
「――え?」
かけられた声に反応してしまう。
思えば名を呼ばれたのは何日ぶりだろうか。
目に入ったのは青と白で構成された配色。黒髪と帽子が印象的な女性だった。
見覚えがある、が、あまりいい記憶でないのは確かだ。
「張勲、だったかしら?」
「はい。覚えていていただけたなんて光栄ですねぇ。連合軍の軍議以来でしょうか」
「そんなになるかしら」
「えぇ」
その軽い笑顔は実に人当たりのよいものだ――――気味が悪いほどに。
「今日はあのお嬢様はどうしたのかしら?」
「美羽様は今”非常に重要な任務”についておられまして」
「へぇ。ぜひお伺いしたいものね。どんな重要任務だというのかしら?」
「えぇ、それはもう。我々の生死に関わるものでして――あ、いらっしゃいました。美羽様ー!」
と、張勲は美羽―袁術―のほうを向いて手を振る。
対する袁術はというと、手にたくさんの袋もって息を切らしている。あれでは見ているこちらが申し訳なく思えるほどだ。関係のない通行人ですら手を差し伸べようとしている。
「ぜぇ……!はぁ……!な、ななのぉ~!こ、これでよいのかぇ~!?」
「はい!さすが美羽様です~。私では未開のこの地で食糧確保など到底不可能ですから」
「ふふん、もっとほめて良いぞ!」
袋を地においた袁術はこれでもかとその慎ましい胸をはる。
お前がいうなと思った奴は今すぐ首を出しなさい。
「久しぶりね」
「む、誰じゃお前は」
「…………」
「美羽様、曹操さんですよ。麗羽さんのオトモダチの」
「あまりアレを引き合いに出して欲しく無いわね」
「お、おぉ~。髪を下ろしているから分からなかったのじゃ。ん?どうして曹操がこんなとこ
ろにおるのじゃ?」
「――色々あるのよ」
「??」
色々。
そう、色々。
――ありすぎて、色はすっかり塗りつぶれているけれど、ね。
◆ ◆ ◆
◆ ◆ ◆
「さて、私は行くわよ」
「あら、そうですか?」
「あまり袁という名前に関わりたくはないのよ」
「む?」
「それじゃあね」
二人に背を向ける。
別に二人が嫌いでも、恨みがあるわけでも無いけれど、やはり私にとって袁家は疫病神のように見えてしかたない。
考えすぎかもしれないけれどね。
最初の重い一歩を出してしまえば、後は簡単に歩は進む。
少し歩けば二人の姿は見えなくなった。
店の立ち並ぶ風景から、畑の多いいかにも田舎という景色に変わる。
「戦をしていた頃は、こんなところを見ている暇もなかったわね」
稲が風邪に揺られ、まるで金色の絨毯のように思える。
「……皆、怒っているかしら」
人生でもっともおろかな事を言えといわれたら、間違い無く今回の事をあげるだろう。
桂花なんかは発狂しているかもしれない。
手紙を残したとはいえ、ほとんど無断で出てきたようなものだ。
王失格だろう。
桃香に説教なんてした頃が懐かしい。
「私は、一人の王が支配することで、一つの国として、固い平和が築けると思っていた。けれど――」
戦の結末は、天は三人の王を求めた。
それは、今までの覇道のほとんどを否定するものだ。
理解はしている。三人が協力し、結束すればそれは一人が支配するよりも強い国を作るのだろう。
だが、納得はまだ出来ない。
本当に強いものが上に立ち、下の者を導いてやる。それが正しいと今でも信じるから。
――ワァァ……!!
「……?何?」
急にさっきの方角が騒がしくなった。
暴動が起きるような村じゃないはずだけど。
ふと、さっきの二人を思いだした。
「――まさか」
考え付くのは一つ。
二人がなんらかの事をして住民を怒らせた。
排他的なこの地の事だ。私でも信用を得るには苦労した。
ここを「未開の地」なんて言い回しからして、あの二人はまだここに来て日が浅い。
最悪今日ついたばかりという事もありえる。
「……何があったのか、知っておく事は必要よね」
何があっても、私には関係のない事だけど、事態を見届けるくらいはいいはず。
なにより、こうして逃出している身ではあっても、自分の領地を荒らされるのは気分がわるい。
踵を返し、歩いてきた道を辿っていく。
◆ ◆ ◆
◆ ◆ ◆
活気はさっきよりもずっと高まっている。
もはや殺気にすら近かった。
群がる人混みをかきわけながら、中心へ向かう。
ようやくと先頭へでると、案の定、絡まれているのはあの二人だった。
「……なんだっていうの……もう」
今まで静かな旅だったというのに、急に騒がしくなったのは、袁家の呪いと考えていいだろうか。
……すこしこだわりすぎかしら。
「もし、教えていただけるかしら。何があったの?」
『あ?あぁ、そこの二人があの親父の机をひっくり返したんだよ。そこであやまってりゃよかったんだが、何をトチ狂ったのか、逆にあのチビが切れやがってな』
「――……そ、そう。ありがとう」
怒り狂った相手を見ると、どうやら食事を台無しにされたことよりも、その態度がきにくわなかったようだ。
そんな相手に、袁術はすっかり半泣きになっている。
張勲がなだめようとしているが、それはおそらく逆効果になるだろう。
「仕方ないわね……」
いつまでもこんな騒ぎを起こしていていいはずも無いし、なにより気分が悪いわ。
私自身のね。
憤怒する男の近くまで歩いていくと、張勲がこちらに気付いた。
「あ、あら、そうs――」
「待った。この件、私が預かってもかまわないかしら?」
「おめぇ、こいつらの知り合いか」
「いえ、知らないわね」
「え、えぇぇ!?」
張勲がらしくない奇声をあげる。
そんなにまじめに反応しなくてもいいのに。
そこまで余裕がないということかしら。
「二人の非礼、本当に申し訳ない」
「あ、あぁ……。いや、なんだ。俺もちょっと気が立っててな。ちといいすぎたかもしれん」
「駄目にしてしまった食事代はこちらが出させて貰うわ。それで許して貰えないかしら」
「へ?いいや、それにはおよばんさ!こんな嬢ちゃんにおごって貰ったなんていい回られちゃ俺の面子がねぇよ」
「嬢ちゃ……そう?」
「あぁ。うん?おいおい、お前ら!見せモンじゃねぇぞ!!」
男はようやく周囲の目にきづいたのか、そうわめき散らす。
激怒したと聞いていたけど、この男はこれが平常時なんじゃないだろうか。
「あ、あの……」
「もういいそうよ。よかったわね」
「いえ、ありがとうございます。私達だけだと、どうなっていたことやら」
張勲はお辞儀しつつそう答えた。
「で、そこの震え上がっているお嬢様からは何もないのかしら?」
「……ふぇ?」
「はぁ」
「美羽様。曹操さんが助けてくださいましたよ」
そういうと、袁術はようやく状況を理解したか、ごしごしと目元をぬぐい、こちらを見据えた。
「ふ、ふん、たすかったのじゃ!七乃、褒美をやるのじゃ!」
「美羽様、私達に褒美をあげるような余裕は……」
「え、そ、そうなのかえ?」
こそこそと話してはいるが、まる聞こえである。
「ふふ、あははは」
「ぬ、な、なんじゃ、笑うとは!」
「まったく、貴女本当にアレと血が繋がっているの?ここまでくると憎らしさも可愛く見えてくるわね」
「う、うん?」
「あぁ、そうか。春蘭に近い物があるのね。いいわ、礼の気持ちはあるようだし。借りとでも受け取って起きなさい」
「よろしいんですか?」
「いいも何も、はじめからあなた達のためにした事ではないもの。気にする意味がないわ」
「な、それでは妾は謝り損ではないか!」
「いつ謝ったのよ。まぁ、そういう事よ。それじゃ、私は行くわね」
今度こそだ。
もう騒ぎは起こさないでくれと祈りつつ、私は二人に背を向ける。
「そうか。別に気にせずともよかったのじゃ、七乃!」
「え、み、美羽様?」
――本当に起こさないでくれと祈りつつ、私は宿へと向かった。
◆ ◆ ◆
◆ ◆ ◆
二人を後にして、宿屋へもどると、宿の主人が翌日の食事の事を聞いてきた。
必要ないと答えると、主人は一礼して奥へと戻っていく。
一度流琉の料理を覚えると、他の料理は大抵がまずく思えてしまう。ここの宿も例外ではなかった。
それを考えれば、さきほどの店の料理はかなり良いほうと言える。
流琉という壁を乗り越えてなお、「普通」という評価を得れたのだから。
「――で、どうしてあなた達がついてくるの?」
「べ、べつに妾がついてきたいわけではないのじゃ!」
「私達、まだ宿を今日の宿を取れていないんです。曹操さん」
「そう。それは大変ね。この時間じゃ今日の宿はどこも一杯じゃないかしら」
大きな街ならいざ知らず、この小さな村ではここか、あってもあと一軒あればいいほうだろう。
「う、うむ!そうなのじゃ!だから困っているのじゃ!」
「でしょうね。まぁ、頑張りなさい。最悪でも藁くらいは借りれるでしょう」
「わ、わらじゃと!?」
「そこをなんとか、曹操さんの厚い懐で……」
この宿の扉をくぐった辺りで大体想像できたとはいえ、実際に言葉で聞いてしまうとため息をつきたくなるわね。
「はぁ……」
しまった。本当についてしまった。
「あのね。貴女、自分が袁家だと理解している?」
「当たり前じゃ!」
「なら、私が袁家を避けているのも知っているはずね」
「だからこうして身を低くして頼んでおるのじゃ!」
「……張勲、貴女どういう教育しているの」
「健やかに育っておられますでしょう?」
「それは笑って欲しくて言っているの?」
「なぁなぁ、頼むのじゃぁ……もう寒いのはいやなのじゃ……」
「ああ、服を引っ張らないで頂戴。……はぁ、やっぱり袁家と関わるとろくな事が無いわね」
老朽化した木製の階段は、ぎしぎしと音をたてる。
自分の体重がそこまで重いとはおもわないけど、やはり気にはなる。
「…………」
袁術はおもちゃを取り上げられた子供のような目をしてその場に立ち止まっている。
それではまるで私がいじめているみたいじゃない。
「……何をしているのよ。はやく来なさい。そこにいたら他の客の邪魔でしょう」
「う、うむ……!」
「――……ふふ」
今日は何だと言うのか。
私の泊まる部屋も一人が泊まる部屋なのだから、三人もくれば当然せまい。
不運。そう言ってしまえばそれまでなのだけれど、やはり今日は何かにとりつかれたように運が悪い。
ああ、そうか。あの流れ星。
覚えて起きましょう。
昼の星は不運の兆しだと。
「うーむ。少し、大きいのじゃ」
「美羽様で少し大きい程度、ですか……。曹操さん、がんばってくださいね!」
「人の下着で何をやっているのよ!!!」
■あとがき?
華琳がヒロインじゃなくて主人公な話を書いてみたいということで、おもわずががっと書いてしまったものがこれです。
時期は天下三分後です。
王のあり方に疑問をもった華琳が自分探しの旅に出たというありえん(笑)設定となってます。
なんとなくお気づきかもしれませんが、この外史にまだ一刀は降臨してません。
だからこそのこの華琳かもしれませんけどね。
ちなみに上にかいてあるとおり、続きは特に考えてません。
プロットもなく書いてしまったため、この先どうなったかのシナリオがないのです。
まぁ、そんなわけですんで、気が向いたらまた続きでも考えようかとは思います。
ではでは、こんな文章をここまで読んでくださり、ありがとうございます。
またの機会に、お世話になります。(ぇ
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なんとなくの思い付。
なので続きの予定はなしです。
■↑そう思っていた時期が私にもありました。
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