第七話「帰国」
「ここが一刀の住んでいる家?」
「そうだ。言っただろう酒屋だって」
一刀と咲が昼過ぎに巴郡の街に着き一刀の家の中に入っていった。
「聞いていたけど。まさか、本当に酒屋だとはね。一刀ほどの武の持ち主なら普通なら武将でしょう?」
「何度か誘いはあったけど、全部断ったよ。殺生は余り好きじゃないんだ」
「呆れた。それでよくここまで生きていたわね」
「あはは、よく言われる。けど俺は力を否定しないよ。多くの人を守る為に人を殺さなければ殺すし。その為に力が必要ならいくらでもつける」
「よかった。それでこそわたしが選んだ主君だ」
二人の話が終わる頃には一刀は陳留から持ってきた米を蔵に運び終えていた。
「それで、これからどうするの?」
「そうだな~~。まずは厳顔様の所に帰国報告でも仕様かな。門兵から知らせは行っていると思うけど、あの人は内のお得意様だし。それに焔耶に会っとかないと後が怖い」
「なら、早く行きましょう。わたしもここの太守会っとかないといけないでしょう」
「それもそうだね。なら行きますか」
一刀と咲は城へと向かって行った。
「本当なのですか桔梗様。一刀が帰ってきたと言うのは」
「あぁ~~。少しは静かせんか、莫迦者が。その話は本当だ。さっき門兵から連絡が来た」
「なら、どうしてここに来ないのですか?」
「そう焦らんでも、北郷なら来るに決まっているだろう」
「しかし「厳顔様。北郷殿が面会に来ました」・・・」
「ほらみろ。お前よりもあいつの方がこうゆう事を弁えておる。ここに通せ」
「はっ」
兵士は一刀と呼びに玉座を出た。
「ただ今戻りました。厳顔様」
「よう戻ったのう北郷。色々旅の話を聞きたいが・・・まずはその娘に関してかのう」
「・・・」
・・・焔耶。頼むからその鈍砕骨置いてくれないか
兵に連れられて一刀と咲は玉座に入ると厳顔と焔耶がいた。焔耶は一刀と一緒に来た咲を見たとたんに、自分の部屋から鈍砕骨を持ってきた。
「え~~、この子は・・」
「初めまして。性は司馬、名は懿。字を仲達と申します」
「ほう。あの名門司馬氏の娘か?」
「はい」
「それで、どうして北郷と一緒にいたんだ?」
「それは、わたしが旅の途中で立ち寄った邑が賊に襲われて、その時たまたま近くを通った一刀に助けられたんです。それからわたしは一刀に付いてきました」
「それは大変だったな。それなら家に泊まるがいい。部屋を用意させる」
「いえ。わたしは一刀の一緒にいますので」
「ほう。それはどうしてだ?」
「わたしは一刀に助けられたので、その恩を返す為に一刀の配下になります」
「しかし、北郷はここの将ではいない。配下になるには」
「今は乱世。義勇兵でも作ろうかと」
「北郷はそれでいいのか?」
「今回の旅で俺は、この乱世を重く感じました。この乱世を終わらす為には力が必要だと」
「・・・焔耶。お前はどうする。北郷と行くか?」
「ワタシは・・・・一刀と行きたいです」
「なら、行って来い」
「き、桔梗様!!」
「それが、お前が決めた道ならわしは何も言わん。それで北郷、いつ出発するつもりだ」
「思春がまだ帰っていないので、彼女が帰ってくるまではここにいます」
「なら、この街で義勇兵を募集せい。少しぐらいなら集まるだろう」
「・・・ありがとうございます」
「焔耶。お前は今日で破門だ。しっかり乱世を正して来い」
「は、はい。桔梗様」
一刀達が玉座を出ると厳顔は少しため息を吐いた。
「はぁ~~。この城も静かになるのう」
「そうですね。少し悲しいぐらいですね」
「しかし、あいつらならこの乱世を終わらせるであろうな」
「そうですね。もしかしたら今度は、桔梗様が北郷殿の配下になるかもしれませんね」
「そうなったら。好きなだけ酒を飲むだけじゃ」
「ふふ。あいかわらずですね」
「当然じゃな」
第七話 完
「第七話終了。久しぶりなのに今回は少なくてごめんなさい」
「本当久しぶりだな」
「いろいろありまして」
「いろいろかぁ~~」
「それで、劉備達はどうしたんだ?」
「それは、すでに巴郡を去ったと言う事で、一つお願いします」
「次はどうなるんだ」
「思春が帰ってきます」
「私か」
「えぜ。貴方がいないと事が始まりませんから」
「そうか・・・」
「そうです。それでは、これ以上はなすとネタを暴露してしまうのでここいらでお別れです。それでは皆さんまた会う日までBY]
「BY]
「バイ」
「バイ」
「バイ」
「「「「!?」」」」
「だれ?」
「咲。だよ~~~~~」
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咲を連れて一刀が帰ってきた。一刀にはすでに決意が付いており。これからの事厳顔に報告する。それを聞いて焔耶はどうするのか??