No.186058

軍師†無双 ~策がなかなか決まらない~ その9

とある一刀の唯一の能力『子宮殺し』

2010-11-22 23:59:32 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:10873   閲覧ユーザー数:7890

 

 

ヒ、ヒ、ヒナクル、ヒナリンリン♪

 

 

あわわ、雛里でしゅ。

 

 

あぅ、噛んじゃいました♪

 

 

えへっ。

 

 

最近、よく朱里ちゃんに黒いって言われます。

 

 

そんな朱里ちゃんは…………ペロリ。

 

 

朱里ちゃんのことは残念だったけど私が頑張ってご主人様を支えます。

 

 

頭なでなでが気持ちいいんです。

 

 

落ち込んでるところを慰めると抱きしめてくれます。それと便座かばー。

 

 

「おーい雛里、朱里は何処行ったか知らないか?」

 

 

あっ、ご主人様が呼んでいます。

 

 

「あわわ、さっき男の人と逢引すると言って出かけました」

「あー、朱里もそういう年頃か……。じゃあ雛里は今暇かな?」

「はい♪」

「よかった。相談したい事があったんだ」

 

 

あわわ♪

 

 

 

 

それは立食ぱぁてぃから一月が経った頃だった。

 

 

「ええ!? 北郷一刀は洛陽で帝を蔑ろにして暴政を布いているだって?」

「ついに年貢の納め時ね」

 

 

桂花からの報告では他所の国でこのような噂が流れているとのことだった。

 

 

「一応頑張ってたつもりなんだけどな……」

 

 

がっくりと落ち込む。

 

 

「本当にバカねあんた。私をはじめとした優秀な軍師がいるのにそんなことさせるはずがないでしょう」

 

 

まだ幼い帝とはよく遊ぶほど仲が良い一刀。

 

 

「あれ? じゃあなんでこんな噂が?」

「それはあんたを妬むやつに決まってるじゃない」

 

 

帝を除いて国のトップである一刀に敵は多い。

 

 

「一体誰がこんな酷い事を……」

「この前の宴に来ていなかった袁紹、袁術あたりが怪しいわね。現に特にその地域で噂が浸透しているわ」

「よろしい。ならば戦争だ」

「あんたバカなの? 死ぬの? 自分から戦争仕掛けてどうすんの? 大陸を平和にする気あるの?」

 

 

一刀は心が折れそうになる。

ほんの冗談だったのにここまで攻められるとは思わなかったようだ。

 

 

結局北郷一刀は良い人ですよと新たな噂を流すことにした。

 

 

 

 

その一ヶ月後。

 

 

「袁紹を盟主として反北郷連合が組まれましたと……」

 

 

がっくりとくる一刀。

 

 

「すでに洛陽の東に集合しているようだ」

「主な諸侯は袁紹、袁術、曹操、孫策、董卓といったところですぞ」

「汜水関では亜莎、朱里、稟。虎牢関では穏、詠、雛里を配置した」

「もしかして俺って事後報告?」

「そうよ。あんたに話すのは結論だけで十分よ」

「桂花ちゃんはお兄さんに心配をかけないようにそうしているのですよ~」

「ちょっ、何言ってるのよ! そんなわけないじゃない! 私はただ、劉弁様や劉協様にこいつの不安が移らないよう――――」

「桂花愛してる」

「わ、私も! …………ってそんなわけないじゃない! 死ね! 死ね! 精液! 子宮殺し!」

「おや、お兄さんと桂花ちゃんはそんな関係に発展していたのですか?」

「ま、まだ口だけ――――」

「死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」

 

 

その後しばらく死ねと言われ続けた一刀だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「報告します! 劉備と名乗る方が北郷様にお目通り願いたいとの事です」

「えっ、玄徳さんが? 通してくれ」

 

 

どうやって来たのだろうと考えながら桃香が来るのを待つ。

 

 

「一刀さん!」

「あっ、玄徳さんこんにちは」

 

 

どこか呑気な一刀。

 

 

「雲長さんも、翼徳ちゃんもこんにちは」

「そ、それどころじゃありません!」

「こんにちはなのだお兄ちゃん」

 

 

どこか焦った桃香と愛紗にニコニコしている鈴々だった。

 

 

 

 

「袁紹さんの檄文に一刀さんが暴政をしているって書いてたんですけど信じられなくて確かめに来ました!」

「案の定洛陽に来てみれば前にも増して賑やかな街並みと穏やかな人々の表情に溢れていました」

「ご飯も美味しそうなのだ!」

 

 

簡単に纏めると一刀を助けに来たという。

 

 

「どこから洛陽にこれたの?」

「西の函谷関を通って来ました」

「通れたの?」

「はい。桃香様の名前を出しましたら守衛が通してくれました」

 

 

どういうことと冥琳を見る。

 

 

「この前の宴で劉備殿はお前に好意的だったのでな。連合軍に名前がなかったのでもしや来るかもしれないと伝えておいたのだ」

「冥琳すげえ」

「…………まあな」

 

 

ちょっと嬉しい冥琳だった。

 

 

「私たちにも何か手伝わせてください!」

「ありがとう! うちには武に優れた人があまりいないから助かるよ」

「私と鈴々がいれば大抵の者には負けません」

「そうなのだ。お兄ちゃんを悪者にするやつらはぶっ飛ばしてやるのだ」

 

 

一刀は助っ人を得た。

 

 

「では、関羽さんと張飛ちゃんには汜水関に行ってもらいましょー」

「そうですな。まずは相手の出鼻を挫いてやるのです」

「お任せください!」

「腕が鳴るのだ!」

 

 

やる気満々の二人は早速準備に取り掛かるとの事で出て行った。

 

 

「わ、私は何かすることないかな?」

「あんたはそこの男と一緒に陛下と劉協様と遊んでなさい」

「わ、わかりました! 行きましょう一刀さん!」

「え、あ、うん」

 

 

一人残された桃香は任された仕事に挑むのだった。


 
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