No.184714

名探偵コナン「コ哀」ss

ネオさん

名探偵コナンssです
CPはコナン×哀になっています

最近、なのはやD.C.Ⅱであまり思い浮かばないので書いてみました

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2010-11-15 15:19:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:26377   閲覧ユーザー数:26201

「ごめんなさい……」

 

灰原に呼ばれて博士の家に来た俺を待っていたのは灰原の謝罪だった。

 

「どうした、灰原? いきなり謝られてもわけわからねぇよ」

「本当にごめんなさい。……解毒剤が完成しなかったの」

「……それ本当か?」

「嘘じゃないわ。組織が潰れたときに薬のデータも失われて、データなしというだけでも大変だったのに時間が経ちすぎたというのが原因よ。本当は解毒剤を完成させて貴方を彼女の元に帰してあげたかったわよ。でももう無理なのよ。私のことを恨んでくれても構わないし、貴方がここから消えろというならそうするわ」

 

灰原から解毒剤が完成しないと聞いたとき俺は当然どうして?と思ったが、心の深くでは、ああ、やっぱり無理だったんだなとすんなり受け入れることができた。

なぜなら、もともとあの薬で幼児化したのがごく稀なケースであり、その偶然起こったことに対する解毒剤など簡単にできるはずがないのだ。

しかも灰原が言ったように薬のデータは組織が壊滅したときにすっかり失われてしまっていた。

この状況で解毒剤を作れというほうが無茶というものだろう。

 

「そうか。じゃあ、俺はこれから江戸川コナンとして生きていくんだな。なんとなくだけど、こうなるような気がしてたんだ。なあ、灰原、俺は別にお前を恨んでないぜ。だからこれからもよろしく頼むぜ」

「どうして? 貴方がこんなことになったのは元々私がつくった薬のせいなのよ。貴方と彼女を引き離し、貴方を元の姿に戻すこともかなわなかった。なのに……」

「確かにあの薬をつくったのはお前かもしれない。でもな、あのときに俺がもっと注意深く周りに気をつけていればこんなことにならなかったはずだ。それにお前に初めて会って素情を知ったときはやっぱり恨んださ。こいつがいなければってな。でも、お前は俺を元に戻そうと頑張ったくれたじゃねぇか、寝る間も惜しんで。だからもういいんだよ、灰原。それよりもこれからをどう生きていくかだろ?」

「貴方は優しいのね。こんな私にそんな言葉をかけてくれるなんて。でも恨んでくれたほうが気が楽なのに……」

 

俺はそんな灰原を見て何故だか灰原が消えてしまいそうな気がした。

俺はそんな灰原を見かねてその体を抱きしめた。

 

「く……工藤くん?」

「恨めるわけねぇよ。俺、お前のことが好きだから。」

「えっ? どういうこと? 貴方は彼女のことが好きなんじゃないの?どうして私なんか」

「おれも前はそう思ってた。俺は蘭のことが好きなんだって。でも、コナンとして生活していて気づいたんだ蘭への思いは恋愛感情としての好きじゃなかったんだって。そしてお前と暮らしていくなかで、強がっているけど本当は強くなんてなくて寂しがり屋なお前に惹かれていった」

 

そう灰原と過ごしていくうちに、こいつの本当の姿が見えた気がした。

お姉さんの声が聞きたくて危険を承知でお姉さんが生前借りていた部屋に電話をしていたりと本当は強くなんかないのにみんなの前ではそれを見せないようにしているんだと。

解毒剤をつくっているときだって自分の体調が悪くなったって無理して研究を続けて。

きっと俺がこんなになったのは自分のせいだと何度も自分を責めたのだろう。

俺がお前を守ってやると約束したが何度も灰原を危険な目にあわせた。

それでも灰原は頑張っていた。

俺はそんなこいつに惹かれたんだと思う。

 

「灰原これは俺の本当の気持ちなんだ。だから俺と付き合ってほしい」

「……私は貴方のことは……別に好きじゃないわ」

「本当か?」

「ええ、……本当よ」

「それ、嘘だろ? 俺は探偵だぜ? お前が本当のことを言ってるかどうかくらいわかるぜ。それにさっきも言ったように蘭のことなら気にすることないからな。俺が蘭と付き合わないのはお前のせいじゃないから」

「全く……探偵っていうのは嫌な人種ね。ほんとはずっと隠していたかったのに。自分に嘘をついても表に出ないようにしようとしていたのに。私も貴方のこと好きよ、大好き」

 

そう言って灰原も俺の背中に手をまわしてきた。

こうして俺達の新しい生活が始まったのだった。

 

                        -end-

 

 

 

お読みいただきありがとうございます

初めてのコナンssでした

 

自分なんかが書くコナンssに需要があるとは思えませんが


 
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