No.184445

鬼姫武者  第8話

BLACKさん

この作品はクロスオーバー作品の関係上、恋姫キャラの性格や立ち位置や生き様などが変わっています。
それが嫌な方をご閲覧をご遠慮願います。

2010-11-14 07:16:31 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1782   閲覧ユーザー数:1711

 

 

鬼姫武者  第8話

 

 

現代

 

 

愛紗と朋絵は東京タワーに着いた。もう既に夜になっていた。

そこに阿希も飛んできた。

 

「阿希」

「一刀は洛陽に向かったよ。上手くいけば、もうすぐ帰って来るよ」

「本当に!? 一刀が戻って来るの!?」

「……」

「どうしたの? 愛紗」

「下手をすれば始皇帝がこっちの世界に来てしまうと考えてな。何とかしてねじれ装置を止めなければ……。朋絵、ここで残ってくれ。行くぞ、阿希」

 

愛紗は阿希と共に東京タワーに入っていった。

その途中には量産型のブレインスタンが立ちふさがったが、最初にブレインスタンと戦った時よりも力をつけた愛紗の敵ではなく、ブレインスタンは簡単に倒された。

そして東京タワーのてっぺんにまで到着し、時と世界のねじれ装置を発見する。

だが、そこには李信がいた。

 

「はっはっはっは!」

「李信!」

「生きていたか関羽。だが、もう遅い。始皇帝様にお越しいただく準備は整った」

「そうはさせるか!」

「今更わめいても無駄だ」

 

李信は剣を取り出し、愛紗もそれにあわせて構える。

 

「貴様の首、始皇帝様への手土産として頂戴する!」

 

李信は何度も二つの剣から妖気弾を愛紗に向かって放つ。

愛紗はそれを巧みに避けながら、李信に近づこうとするが、李信はアクロバティックな動きで愛紗を翻弄するが……。

 

「その程度、今の私には問題ない!」

 

愛紗は李信が次に着地する場所を見極め、戦術殻を李信に当てる。その読みは当たり、鬼戦術は李信を直撃した。

 

「ぐぅ……」

 

李信は少し飛ばされたところで倒れる。

 

「うう…お、おのれ関羽…」

 

李信はあるものに手を伸ばす。それはねじれ装置の起動レバーであった。

 

「やめろ!」

 

愛紗が急いで止めようとするが、時既に遅し。

時と世界のねじれ装置は起動を始めてしまった。

 

「くそ!」

「はっはっはっ!」

 

李信は起き上がりながら、笑う。

 

「いよいよ、おいでになるぞ。始皇帝様が…始皇帝様!」

 

李信は再び倒れた。

 

「でゃあ! とりゃあ!」

 

愛紗は鬼龍偃月刀で装置を破壊しようとするも、破壊は出来なかった。

 

「愛紗!」

「阿希! 始皇帝がこっちへ来るのを絶対に阻止するんだ!」

「うん!」

 

そして阿希は過去へ飛んでいった。

 

「………」

 

愛紗は少し黙り込みながら、李信を見る。

 

「………」

 

李信は死んでいる。そう思いながら愛紗が東京タワーから降りようとしたら……。

 

「死ねぇ!」

 

李信は起き上がって愛紗に襲い掛かった!

 

「でゃあ!」

 

愛紗はカウンターで鬼龍偃月刀を李信に当てた。

 

「ぐわあっ!」

「やはりまだ生きていたか」

「貴様、見破っていたのか」

「いくらお前が人間であっても幻魔の力を宿している以上死ねば消えるはずだ。あくまで推測だったがな…」

「その推測だけで私が生きていると……」

「思ったさ」

 

愛紗が鬼龍偃月刀で李信の体を真っ二つにし、李信は倒れ、消えた。

愛紗はその魂を篭手に封じ込めた。

 

「頼むぞ、一刀」

 

 

過去

 

 

反董卓連合は虎牢関を抜け、洛陽付近にまで兵を進めていた。

その連合に属している一つの軍として劉備軍があり、過去の愛紗と一刀はその軍の長であった劉備と合流した。

 

「愛紗ちゃん、おかえり」

「姉上、ただいま戻りました」

「愛紗ちゃん、その人が……」

「北郷一刀です」

 

一刀が挨拶をした。

 

「はじめまして、劉玄徳です」

「よろしく」

 

二人は握手する。

 

「それじゃあ、愛紗ちゃん達……お願いね」

「うむ」

「任せてくれ」

「それじゃあ、皆行くよ!」

『応っ!』

 

劉備軍が連合の先陣を切って、洛陽へと侵入。

一刀と愛紗は切り込み隊長として洛陽へと入っていった。

二人が進んでいくと城の前には李信がいた。

 

「この先は通しませんよ」

「李信!」

 

愛紗が行こうとしたが、一刀が手をやって防ぐ。

 

「ここは俺に任せてくれ」

 

一刀が前に出る。

 

「霞を傷つけた罪、受けてもらうぞ!」

 

一刀と李信は戦う。

李信が剣を振るうと一刀は炎蛇剣でそれを防ぐ。

一刀が炎蛇剣を振るえば、李信はそれを防ぐ。

まさに一進一退の攻防であったが、一刀は少し距離を取った。

 

「隙あり!」

 

しかし一刀は炎蛇剣を鞭のようにして、李信の剣を絡め取ったのだ。

一刀は李信から剣を奪い取り、一刀と李信は素手で戦う。

 

「おりゃあ!」

 

一刀の初撃が李信の顔に諸にクリティカルヒットし、李信はよろめく。

 

「どりゃあ! うおおおりゃああ!」

 

一刀は容赦なく、二撃、三撃と李信の顔にパンチを当てる。

 

「ぐう……」

「おおおおおおりゃあああああ!!」

 

最後のパンチは李信の顔面に直撃し、李信は階段から転げ落ちた。

李信は運悪く、頭を強くぶつけ、死んだ。

 

「霞、お前の仇は取ったぞ」

 

霞は死んではいないが、思わずそう言う一刀。

 

「行こう。始皇帝はこの中だ」

 

一刀と愛紗が始皇帝のいる玉座の間へと入っていった。

 

 

そこには確かに始皇帝が後ろを向いていた。

 

「来たか…、関雲長。」

 

始皇帝が振り返り、一刀達を見る。

 

「我が前に立ちふさがるか、鬼の力を持つ者よ。是非もなし」

「始皇帝!」

 

一刀が前に出る。

 

「これで終わりにさせてもらうぜ」

「貴様らを倒さねば、我が野望は成就せぬ。死ね…鬼武者ども!」

 

始皇帝は氣弾を発し、一刀と愛紗はそれを避ける。

 

「でゃああああ!」

 

愛紗が鬼龍偃月刀で始皇帝を攻撃するも、始皇帝は剣でそれを防いだ。

愛紗が鬼龍偃月刀で始皇帝の隙をつこうとするが、隙がつけない。

そうしているうちに始皇帝が一旦距離を置き、愛紗に向かって氣弾を放った!

愛紗は防ぎきれずに吹き飛ばされる。

 

「愛紗!」

 

一刀が愛紗に駆け寄ろうとしたが、その前に始皇帝が立ちふさがる。

 

「今度は貴様の番だ…異国の人間よ」

「この野郎…!」

 

一刀が炎蛇剣で始皇帝を攻撃する。始皇帝はその炎蛇剣の伸びる剣に多少は苦戦するも、一刀のパターンを見切ったように、高速移動で一刀に近づいた。

 

「なっ!」

「死ねぇ!」

「こうなったら!」

 

一刀は右手の篭手にある鬼武者の力を解放した!

 

「でゃあ!」

 

一刀の髪は白くなり、体からは紫色の氣が溢れていた。

 

「ふん! どりゃあ!」

 

一刀が炎蛇剣を先ほどよりも上手く使い、パターンを見切らせないようにし、始皇帝を攻撃した。

 

「ぐっ!」

 

炎蛇剣の攻撃が、始皇帝の急所に入ったのか、始皇帝は倒れた。

 

「やった! やったよ、一刀」

 

阿希が始皇帝が倒れた事に喜ぶ。

 

「……、あっいけない!」

 

一刀が倒れている愛紗の方に駆け寄る。

 

「愛紗!」

 

愛紗の体を起き上げる一刀。

愛紗はようやく意識を取り戻した。

 

「大丈夫だ。心配は要らない」

 

愛紗が立ち上がると、一刀の体が光りだした。

 

「これは…」

「『時と世界のねじれ装置』が動き出したんだ。元の時代に戻れるんだよ!」

「そうか…」

 

一刀は若干戸惑いを見せた。

そんな一刀を愛紗が見る。

 

「愛紗」

 

一刀はこの時代というよりも世界の人間ではない。いずれは戻らないといけない。

しかしいざ別れとなるとやはりつらいものがあった。

そんな一刀に愛紗が手を差し伸べた。

 

「……」

 

一刀はその愛紗の手を握り、握手をかわした。

 

「行くんだ一刀。世話になったな」

「ああ…。なんやかんやで楽しかったぜ」

 

一刀は自分の時空移動に巻き込まないように、愛紗から離れる。

すると一刀の下から円状の波紋が広がり、それは半球状となって一刀を包んだ。

しかし……。

 

 

「ふん!」

 

倒れた始皇帝が起き上がり、愛紗を氣弾で攻撃し、愛紗は倒れてしまった。

 

「「愛紗!」」

 

阿希が倒れた愛紗に駆け寄る。

 

「愛紗!!」

「阿希…、もう一人の私を…」

「分かった。待ってて…!」

 

阿希は現代に飛んだ。

倒れる愛紗に始皇帝がゆっくり近づき、愛紗の体を踏む。

 

「愛紗!」

「死ね! 関羽!」

 

始皇帝は剣を愛紗の体目掛けて突き刺したのだ!

 

「愛紗!」

 

一刀は助けに行きたくても半球に邪魔されて助けに行けなかった。

 

「愛紗! くそっ!」

 

光が消えると一刀もその場から消えた。

 

「はっはっはっは!」

 

誰も居なくなった玉座の間で始皇帝は一人、笑い続けた。

 

 

おまけ

 

 

作者「さてととうとう第8話だ」

一刀「次で最後だといってたな」

作者「ああ。いよいよ俺の連載物の終わりが見えてきたぜ。長かった…」

一刀「原因のほとんどがお前の他ごとだけどな」

作者「それは言うなよ。しかしそれでも長かった戦いに終止符を打つ」

一刀「お前、消えるのか?」

作者「消えねえよ。まだここで送りたいものはあるんだし…。

それは1周年ネタのときにでも言うか。

それでは!」


 
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