――――――蜀、執務室
「―――お引き取りください」
関羽の凛とした声音が室内の隅から隅に響き渡る
「あ?」
室内に設置された窓から見えた虚空は
青く、どこまでも青かった。
この先の俺の人生の道程に、塵の一つたりとも妨げがないと言わんばかりに・・・・。
蜀への道中に、橋の下で採取した「よく分からない黄色いキノコ」を口の中に無理やり押し込んだ末に捕獲した、
名のある賞金首を土産に、城内でのお目通りが許された。
しかし・・・・。
「―――お引き取りください」
にゃ、にゃ、にゃんとおっしゃりましたか関羽さん。
「あ?」
「ですから、蜀はあなたの申し出は受けるつもりはないと申したのですが。」
こッこッこ、この俺の超巨大ダム建造技術はいらない・・・だと。
「ふん、理解に苦しむな、この国に限らずどの国でも治水事業は最優先の案件のはずだ。
にも関わらず・・・・技術がいらないだと」
「あなたの仰るとおり、我々としても技術や知恵はいくらでも欲しています。」
やっぱコイツら欲しいんじゃねーか!モウ一体どっちだYO。
「・・・解せぬ。ならばなぜ我の申し出を断る。」
「2年前、魏で巨大ダムの崩壊により、流域に住まう住人たち約200万人がその犠牲となりました。
そしてこのダムを建造を設計、指揮した者の名前が
――――――北郷一刀、あなたです」
「ッ!!? オッ、オウ! Oh!!!まさか、MA☆SA☆KA!!」
ふん・・・・・初めから、この我を知っていた訳か。
「え?」
「え?」
「・・・あ~ごほん。つまりこの国では俺の全人類淘汰計画は成り立たない、というわけだな」
「え?ええ、ですからお引き取りください。ちなみに恐らく他国でももう既知な事だと思いますよ。」
なるほど、つまりこの俺のいきなり黄金計画はいきなりの頓挫というわけだな。
「くっくっくくく」
俺の「心の核」に住まう普段は心優しい小人達が、
ドス黒いオーラを纏いハンドアックスやモーニングスターを掲げる。
「?どうしました北郷殿―――――――――ゴッホ!!?」
関羽が言葉を発し終える前に
瞬時にその背後に回り、
そして人間である以上到底反応も出来るはずのない、「超人クラス」の裏拳を叩き込む。
「さあ、レッツパーリーだ!!」
俺は関羽を肩に担ぎ、出口へ向かって駆ける!
「さあ、レッツパーリーだ!!」
出口へ駆ける
「さあ、レッツパーリーだ!!」
駆ける
「さあ、レッツパーリーだ!!」
城内のいたる部屋や天井や窓の外から、警備兵レベル5がわんさか湧いて出てきたが、
振り向けば既にはるか霞みと化していた。
―――――――――――
――――――
―――
―――蜀の国境付近
ひとまず、以前立ち寄った国境付近にあるボロい甘味処まで退却。
俺は三色だんごを食べながら腹式呼吸で息を整える。
「それにしてもけっこうな距離を走り抜いたぜ~。これならメロスも目じゃないな。」
俺は好印象の獲得ため爽やかに笑いながらお隣の関羽に話かッ――――――いないっ!!?
「やっやべ、どこいったッ!」
急いで俺はイスの下や周辺の草むらを入念に捜索する
が、その存在は確認されなかった・・・。
「あ~屋根とか丘を越えるとき結構な頻度で飛び回ったし、
もうコレ多分道中どっかに落としてしまったな、ハハッ」
・・・・・どうしよ、ホントに。
――――あれ、そもそもなんで関羽を連れてこようと思ったんだっけ?
その時、まるで俺の心の疑問を代弁するかのように
中途半端に歯形の付いた三色だんごの生き残りが騒ぎ出す
「ちょッ、やめ、やめてッていってんのが聞こえないのかぁああああああああああああああああああ!!!」
あとがき
いかがでしたでしょうか?
次回はまた蜀編です。
というか、今更ながら思ったんだけど
カップリングとかそういうのいるのかコレ?
ふむ、やるとしたら・・・・
特定の個人√か?
ハーレム√か?
・・・・ふむ、だがしかし、
この私が提唱すべき社会的理念に基づいた基本的方針の原則と概要は維持しなければならないな。
すいません、調子に乗りました。
そういう主張とか全然頭にないです。
ああ、この世界に住まう皆さんに幸あれ
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第3話です。
きょけけけけけーーーーーーーーーー!!!!
にゃあああああああああああああああ!!!!