第六話「人徳の王」
「ねぇ、ねぇ、愛紗ちゃん。本当にこの街にいるのかな?その鈴の三人集って人達」
「話によればこの街にいるはずなのですが」
「そんなに強いのなら皆知っているのだ」
「そうだよ。鈴々ちゃんの言う通りだよ。まずは街の人に聞いてみればいいんだよ。・・・すみませ~~ん」
「なんだい。御女ちゃん」
「鈴の三人集について聞きたいのですが」
「あぁ、北郷さん達かい。なら、ここの太守の厳顔様に会いに行きな。あの人なら良く知っているから」
「わかりました。取り敢えず行ってみます」
女の子は男にお礼を言うと一緒にいた二人の女の子と一緒に城へ向かった。
「そういえば、北郷さんと甘寧さんがいない事を言うの忘れていたな。・・・まいっか」
「そういえば。ねぇ、愛紗ちゃん。私達なんて言って厳顔さんに会いに行けばいいのかな?」
「な!!桃香様は何も考えていなかったのですか?」
「うん。鈴の三人集に会いに来ましたで、いいのかな?」
「いくらなんでも、それは・・・」
「なら、なにがいいの?」
「そうですね・・・」
「あはは。愛紗が困っているのだ」
「り、鈴々。そんな事言う前にお前も考えろ」
「鈴々は、考える事が苦手だから。そこは
愛紗に任せるのだ」
「まったく。お前は・・・」
三人が困っている所をたまたま非番で街に来ていた焔耶が見つけて三人に近寄った。
「どうかしたか?」
「あなたは?」
「ワタシはこの巴郡で将をしている魏延。字は文長と言う」
「私は劉備。字を玄徳と言います。実は魏延さんにお願いがありまして」
「お願いとは?」
「実は私達、厳顔さんにお会いしたいのですが、会わせて頂けないでしょうか?」
「どういった用件で」
「鈴の三人集に付いてだ」
「・・・わかった。なら付いて来い」
「ありがとうございます」
焔耶は鈴の三人集の言葉を聞いて、少し嫌になったが真ん中にいる劉備がどうしてもと言う顔をしていたため渋々了解した。
「桔梗様」
「どうした、焔耶。今日は非番であろう」
「実は桔梗様に会いたい者が来まして」
「わしに?」
「はい。なんでも鈴の三人集に付いて聞きたいそうです」
「・・・わかった。すぐに行くから待たせておけ」
「はい」
焔耶は部屋を出るとすぐに彼女らの元へ向かった。
「お主達か。わしに鈴の三人集に付いて聞きたいと来た者は」
「はい。私の名は劉備。字を玄徳と言います。それでこっちが義姉妹の関羽ちゃんと張飛ちゃん」
「関雲長と申します。この度は行き成りの訪問にもかかわらず会っていただいて、ありがとうございます」
「鈴々は、性は張名は飛。字を翼徳なのだ」
「それでお主らの言う鈴の三人集のことなんだが・・」
「どうかしましたか?」
「いや実は、三人集の内二人は今この街にいないのだ」
「「「!?」」」
「どうしていないのだ?鈴々はそいつらと戦ってみたかったのだ」
「一週間ほど前にな。一人は建業近くの村に里帰りして、もう一人は陳留に米を仕入れに行っただが。まだ帰ってきておらぬ」
「そうですか・・・・」
劉備が残念そうに顔を下向けると、関羽が厳顔の言葉に疑問を抱いた。
「二人と申しましたが。最後の一人はどうしたのですか?」
「最後の一人ならお主等の前にいるではないか」
厳顔が焔耶を指差した。劉備達は嘘と言う表情で焔耶を見た。
「なんだ!!文句ある(ゴチン)痛!!」
「何でもかんでも喧嘩ごたにするんじゃない。馬鹿者が!!」
「うぅ~~~~」
「すまんな、劉備玄徳。こいつはどうも鈴の三人集の話になると機嫌が悪くなるのだ」
「いえ。こちらが行き成り来たのですから、お構いなく」
「それで劉備達はどうして鈴の三人集に付いて聞きたいのだ?」
「私達義姉妹の契りを交わしてからいろんな所へ旅をして来ました。そして賊の襲われる所を沢山に見てこれではいけないと、こんな世のかじゃ駄目だと。だから私達は義勇軍を作ろうと思いました。しかし私達はでなかなか人が集まらなく諦め掛けていた所、巴郡に鈴の三人集と言う一騎当千の武将がいると言う噂を聞き私は思いました。もしこの人達が仲間になってくれたら苦しんでいる人達を沢山救える皆が笑顔のなれるそうに違いないと。だからここまでやって来ました。だから魏延さん。私達の仲間になってくれませんか?」
劉備が焔耶にお願いするが、焔耶は黙ったままだった。
「焔耶。黙ってないでお前はどう思っているのだ」
「ワタシですか?」
「そうだ。お前はこの劉備と一緒に行くのか、行かないのか。はっきりした方がよいぞ」
「わかりました。・・劉備殿」
「は、はい」
「残念ながらワタシは貴女と付いていけません」
「どうしてですか?」
「貴女の理想はすばらしいです。ですがワタシには約束を守らないといけない友がいます。彼らもワタシと同じように貴女の様な人に仕官を勧められているはずです。しかし彼らはそれを断ってここへ帰ってきます。なのに、ワタシだけが約束を破って貴女の元へ行くわけにはいけません」
「でしたら。その人達も一緒に・・」
「くどいぞ、劉備玄徳!!焔耶は断ったんだ。それ以外何がある。これ以上焔耶に突っかかるのなら早急にこの巴郡から出て行ってもらうぞ」
「き、桔梗様」
厳顔の声が城中に響く。その言葉に、さすがに劉備も諦めたのかそのまま城を後にした。
「桔梗様。少し言い過ぎではありませんか?」
「構わん。しかし焔耶よ。あやつはまだお前を諦めておらんぞ。用心しろ」
「大丈夫ですよ、桔梗様。ワタシにはこれがありますから」
焔耶は腰に付けている鈴を厳顔に見せた。
「これがあればワタシは道を外しませんよ」
「なら、よいのじゃが」
「それよりも早く書類仕事を終わらせてお酒でも飲みましょう」
「そ、そうだな」
厳顔は少し不満であった。もし、焔耶が北郷達とこの城を出るのではないかと。しかしその不満が現実になるとは今の厳顔には思ってもいなかった。
第六話 完
「・・・・・」
「「「?」」」
「・・・・」
「「?」」
「あの~~~黒竜。いつもの『第○話終了』は、どうした?」
「・・・よくも」
「ん?」
「よくも俺を殺したな!!」
「「キャァァァァァァァァァァ」」
「貴様ら。生きて一刀の顔を拝めると思うなよ」
「いや。あの時はすまなかった」
「だから、許してくれ」
「二人で俺にあんなことをして許してくれだと。こうなったらこちらも手段を取らせていただきます」
「「!?」」
「それで、その手段とは?」
「一刀の初めての相手を咲にしようと思ういます」
「「「!?」」」
「ど、どうしてだ?」
「そうだ。なっとくがいかん」
「うるさい!!俺が決めた事に口出しするな」
「「そんな~~~」」
「え~~と。思春と焔耶が落ち込んだので今日はここまでとします。まず第六話をここで終了です。それでは皆さんまた会う日まで、BY]
「BY]
「「シクシクシクシク」」
「そこで泣いている二人今なら一刀の胸で泣ける権利をやるぞ」
「!?」
「「一刀~~~~!!」」
「あ~~、よしよし」
「「うぅぅぅぅ」」
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のちの王劉備玄徳が巴郡まで来た。彼女たちの目的は鈴の三人集を仲間にする事。しかし、今の巴郡には焔耶しかいない事を知らず。三人に会いに厳顔の所に行く。はたして焔耶はどうするのか