No.180790

恋姫†無双 『蒼天已死 黄天當立』 壱拾

かなり短いです…

ですが、きりが良いので今回は許して下さい。

それとテスト期間に入るんですが、

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2010-10-27 22:01:05 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2342   閲覧ユーザー数:2104

 

「お初にお目にかかります。私、黄巾党の指揮を行っている張梁という者です。この度は此方の無茶を聞いて頂き誠にありがたく思います」

 

人和が董卓の前で頭を下げる。

 

「いえ、構いませんよ。それでどういったご用件ですか?」

 

「はい、私共はここで歌を歌わせて頂きたくそのお願いに参上致しました」

 

「歌・・・・・・ですか」

 

董卓はお願いの内容に驚きを隠せないでいる。

 

「はい。私たち姉妹は元々、旅芸人をやっておりました。結構な人気があり次第に追っかけが出てきました。最初は純粋に喜びました。しかし、私の姉である張角の『歌で大陸を取る』の一言を勘違いしてしまい追っかけは黄巾党へとなってしまったのです。私たちはただ、歌を歌いたいだけなんです。略奪などを行うつもりはありません。他の者には決して迷惑を掛けません。周りに軍を配備してもらっても構いません。ですから、どうか歌う許可をいただけないでしょうか?」

 

人和が董卓に頭を下げてお願いする。

 

董卓は許可を出したいと思った。

 

今までの黄巾党の行動を見れば止めさせるべきだろう。

 

しかし、両者が互いにいがみ合っていても乱は終わらない。

 

ならば、どちらからが手を取り合うのが解決への近道だ。

 

ここで自分が張遼の思いをきちんとした方向に持って行けば黄巾の乱は終わると思ったのだ。

 

軍師である賈駆も許可を出しても構わないと考えていた。

 

もし、一刀達が何か問題を起こしたなら軍で即刻鎮圧を行う。

 

そうすれば黄巾党が来ることを事前に察知し殲滅を行ったという実績が残る。

 

本隊ということなので頭も取れれば今後、群雄割拠の中で優位になる。

 

「あなたは今後、略奪などを行うつもりはないんですね?」

 

「もちろんです」

 

董卓の問いに目を見て頷く人和。

 

董卓はその眼を見て真っ直ぐな瞳だと思っていた。

 

これなら信用に足るだろうと判断し賈駆を見る。

 

賈駆は董卓に頷き返す。

 

董卓が許可をだそうとする。

 

「なんやそれ・・・・・・」

 

そこで、壁際に控えていた女性が呟くように言葉を発した。

 

女性の声は決して大きいものではなかったが玉座にいた全員が女性の方を向いた。

 

俯いて他の者には女性の表情は見えなかった。

 

「ただ、歌いたいだけやて?何ふざけたこと言っとんねんっ!!!」

 

女性は声を最大限にして叫んでいた。

 

声にはあらん限りの怒気が含まれていた。

 

 

全員が息を呑んだ。

 

女性の怒気にもだが、あまりにも悲痛な表情。

 

「黄巾党を作っておいて歌いたいだけやなんてそんなことが許されると思ってんのかいっ!!」

 

「ちょっと、霞!」

 

「詠は少し黙っとき」

 

女性は賈駆を制す。

 

そこに優しさなどは微塵もなく仲間に発する声ですら怒気が込められていた。

 

「あんたは黄巾党に襲われた村を見たことがあんのかいな?」

 

「・・・・・・ありません」

 

人和は女性の怒気に臆することなく答える。

 

人和の返事に女性から怒気と共に殺気が溢れ始めた。

 

殺気に気づいた一刀はいつでも人和と女性の間に入れる位置に移動する。

 

「ありません・・・か。最低やな。おのれがやったことすら知らんのかい」

 

「っ!」

 

人和は下唇を噛む。

 

正確に言うなら人和達がいる本隊は略奪行為を行ってはいない。

 

本隊にいるのは過去に行ったことのある者がほとんどだが黄巾党になってからは人和達がいるので襲撃はやってない。

 

もちろん、略奪を行わなかったら食料は減っていく。

 

なので人和達には他の黄巾党が奪ったものが送られてきていた。

 

それでも補いきれない場合のみ他の賊から奪っていた。

 

最近では一刀達が加わり官僚を襲うようになった。

 

つまり、略奪をされた村を見る機会など人和達には無かったのだ。

 

しかし、周りから見れば本隊だろうがそうでなかろうが黄巾党は黄巾党なのだ。

 

それを理解しているために人和は女性の言葉に何も言えなかった。

 

 

「部下に襲わせて、おのれは高みの見物かい。挙げ句の果てには歌やて?人をバカにするもの大概にしぃや!!」

 

女性は今までの想いを人和にぶつける。

 

想い半ばで散っていった部下達のこと。

 

ただ、平和に生きたかったであろう民のこと。

 

女性は黄巾党の指導者に想いをぶつける。

 

「あんたらのせいでどれだけの人間が犠牲になったと思ってんねん!」

 

「・・・・・・」

 

人和は俯く。

 

「女も子供も年寄りだって関係なしに殺して村をむちゃくちゃに荒らしてどんだけの人間が辛い思いをしとるのか分かってんのかっ!!」

 

女性は俯いている人和を睨み付ける。

 

「黄巾党の討伐の兵のなかにはな。ワイの部下も・・・仲間もおったんや。いつもいつもワイと酒を飲むやつもおったんや・・・。どうしてあいつらが犠牲にならなあかんねん・・・」

 

女性は涙を流し始める。

 

肩を震わせ声を出さないようにしていた。

 

先ほどまでの怒気と殺気は完全に消えていた。

 

「すみませんが面会はまた今度にしてもらってもいいですか?」

 

女性の様子を見ていた董卓が謁見の延期を申し出る。

 

「分かった。こっちも次の機会がいい」

 

一刀は俯いている人和を見ながら答える。

 

「その前にあなたの名前は?」

 

一刀は壁際にいる女性を見る。

 

「・・・・・・張遼や」

 

「俺は絽望。もし、黄巾党に対する恨みが消えないようなら俺が相手になる。だから、彼女達には手を出すな」

 

一刀は人和の手を引きながら張遼に言う。

 

張遼からの返事を待たずに一刀と人和は玉座の間から出て行った。

 

「すまん、少し一人にしといてくれ」

 

一刀達が出て行ったのを見届けると張遼も玉座から出て行った。

 

「はぁ」

 

玉座で軍師は深いため息をした。

 

 

『懺悔室』

 

なにはともあれすみません。

 

今回はきりが良いとこで終わらせたらこんなことに……

 

短いですね……

 

その分、次回は長くなる!!……かも

 

 

さて、今回は人和が董卓と面会しました。

 

最初は董卓と人和が会話をする予定だったんですが…

 

途中からなんとなく“霞姉さんは姉御肌だから情に厚そうだなぁ”とか思ったらこんなことに…

 

全く無計画ですねぇ

 

おかげでこの後の展開がどうなるのか作者も分からなくなりました。

 

次回までには整理してお届けできると思うので何卒ご容赦を。

 

 

それではここまで見て下さった皆様に多大なる感謝を!!

 


 
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