No.180164

真・恋姫無双アナザーストーリー 雪蓮√ 今傍に行きます アフターストーリー第1話

葉月さん

アフターストーリー第一弾になります。
今回は復活した優未のお話になります。

やっぱり、優未が居るとどたばたが耐えない日常は退屈しそうに無いですね!
それでは、ご覧ください。

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2010-10-24 19:29:48 投稿 / 全18ページ    総閲覧数:10326   閲覧ユーザー数:7312

真・恋姫無双アナザーストーリー 

雪蓮√ 今傍に行きます アフターストーリー第1話

 

 

 

 

【あなたの温もり】

 

「あぅ~~~~!終わらないよ~~~~!」

 

――ドサドサドサッ!

 

目の前の書簡を押しのけて机に倒れこむ。

 

――ゴツンッ!

 

「いった~い!うぅ~、なんで私がこんなことしなくちゃいけないの~~勉強嫌~~い」

 

とりあえず仕官する形で呉に入ったけど……

 

「私はこんな事をする為に来たんじゃな~~~いっ!」

 

そうだよ!私は一刀君とイチャイチャラブラブチュッチュする為に呉にわざわざ仕官したんだから!

 

サボっちゃおうかな~……うん、サボっちゃおう!

 

「よし!そうと決まればこんな事してられないよね!一刀君の所に行こ~っと♪」

 

――ガタッ!

 

椅子から立ち上がり扉に向かい慎重に少し扉を開けて外の様子を伺ってみる。

 

一番の障害は冥琳だけど……

 

「……よし、誰も居ない……今のうちに……」

 

私は自分の執務室から抜け出して一刀君を探しに出かけた。

 

「ホント、武官なのになんで行き成り政の仕事をしなくちゃいけないのかなぁ」

 

冥琳が言うには、

 

『武官だろうと、今の呉の状況や、今後どのような戦況になるか把握しておいた方がいいだろう』って言ってたけど。

 

「正直、私ってそこまで頭が良くないからきっと無理だよね」

 

それに昨日の模擬戦のせいでやる気は只今も減少中!

 

「ホント、昨日は酷かったよ~」

 

こそこそと、冥琳や他の人に見つからないように移動しながら昨日の事を思い出した。

 

「あ、あれ?なんでこんな事になってるの?」

 

「ふふふ、さぁて、どうしてかしらね?」

 

私の前に立つピンクの髪の少女がとぼけた様に言って立ってた。

 

「まあいいじゃない。貴女とは、本気で戦ってみたかったし♪」

 

この人、模擬戦のはずなのに凄い殺る気満々だよ!

 

「ちょっと!普通ここは家臣の人で力量を図るもんじゃないの?!例えば、一刀君とか、一刀君とか、一刀君とか!」

 

「優未は一刀だったらなんでもいいんでしょ?」

 

「もちろん!」

 

「……断言しちゃったわよこの娘。でも、だ~め♪ちょっと肩慣らししたかったのよ。付き合いなさいよ。それに一刀の力じゃ貴女の力量は測れないわ」

 

「よ、よくないよ!だって雪蓮は毒でまともに戦えないはずでしょ!」

 

「ああ、そのこと?それなら、管輅から解毒薬とか言って貰ったの飲んだらすっかり良くなっちゃったわよ。おまけに力も大分戻ったし。便利ね。もう一個くらい常備しとこ

 

うかしら?」

 

か、管輅さま……なんて事してくれたんですか~~~~っ!

 

「……っ?(ニコッ)」

 

ニコッじゃないですよ!私が雪蓮に勝てるわけ無いじゃないですか!

 

「――――」

 

え?何々?『だ・い・じょ・う・ぶ・で・す・よ』……だ、大丈夫じゃないですよ~!何処をどう取ったら大丈夫なんですか?!……『し・ぬ・と・き・は・い・っ・しゅ・

 

ん・で・す・よ……(ニコッ)』じょ、冗談じゃないですよ~~?!それにその笑顔は、今の発言とまったく噛み合ってないじゃないですか?!

 

なに管輅さま、恐ろしい事言っちゃてるの?!死んだら一刀君とラブラブ出来ないじゃ~~ん!

 

「と、とにかく、生き残る事を考えないと!」

 

「あら?逝く準備は出来たのかしら?」

 

「逝く準備なんて出来るわけないよ?!」

 

「あら面白くないわね。南海覇王は血が欲しくてウズウズしてるわよ」

 

「それは雪蓮でしょ?!」

 

「ばれちゃった?ほらほら、早くしましょ♪早くしないとホントに首落としちゃうわよ♪」

 

「笑顔で言う言葉じゃないよねそれ?!か、一刀君助けて~!」

 

涙ながらに見学してるはずの一刀君に助けを求める。一刀君ならきっと!

 

「一刀さん!これ美味しいですね!なんて料理なんですか?」

 

「ああ、これはね――」

 

一刀君は桃香に何か食べの者説明をしてて全然こっち見てないし!

 

「き、聞いてないし!うぅ~!もう、やけくそだ~~~!」

 

私は戟を握りなおして雪蓮に向き直る。

 

「やっとヤル気になったのね。一刀にいいところを見せようだなんて思わないほうが良いわよ?」

 

「ふんだ!それの何処がいけないのさ!私の生きる原動力なんだから!」

 

「そんな動機で私に勝てると思ってるの?」

 

「いくら管輅さまから解毒薬を貰ったからって病み上がりの雪蓮に負けるわけ無いもんね」

 

「ふふふ、これを見てもそう言えるかしら?……フッ!」

 

「げっ!何その速さ!ひ、卑怯だ!」

 

「ふぅ、これでも普段の八割くらいかしら?やっぱり鈍ってるわね」

 

……え?今、雪蓮なんて言ったの?普段の八割?あ、ありえないよ?!

 

「さ、おしゃべりはここまでよ。優未、そろそろ行くわよ!」

 

「ちょっ!ああ、もう!私だって本気で行くんだから!後で、泣いても知らないんだから!」

 

「それはこっちの台詞よ。私を悲しませた分、キッチリと後悔させてあげるんだから!」

 

「む?長い口上はもうよいのか?では……始めっ!」

 

黄蓋さんは待ちくたびれたように言った後、張りのある声で単騎の模擬戦が開始した。

 

「やぁぁぁああああっ!!」

 

「はぁぁぁああああっ!!」

 

どちらとも無く相手に向って駆け出す。

 

「はぁぁああっ!」

 

「くっ!こんのぉぉぉおおおっ!」

 

雪蓮の早い剣戟を避ける為に戟を無理やり地面に刺して自分の動きをずらしながら蹴りをおみまいする。

 

「ふん。そんなの当たらないわよ」

 

雪蓮は持ち前の勘なのか、私が蹴りをするのが分かってたのか、いとも容易く避けた。

 

「ぶー!勘で戦うな~!」

 

「それが私の戦い方なんだから無理に決まってるでしょ」

 

参ったな~。得物の長さで言えばこっちが有利だけど、懐に来られると一気に不利になっちゃうよ。

 

「なに~?もう来ないの?ならこっちから行くわよ?」

 

「ふんだ。まだまだこれからだよ!絶対に雪蓮をギャフンと言わせるんだから!」

 

「ぎゃふん。言ったわよ?」

 

(ぷっ……くくくっ)

 

誰かが、観客席で笑ってる声が聞こえた。なんだろ、無性に腹が立ってきた!

 

「もう許さないんだから~~~っ!大体、雪蓮は我儘すぎるんだよ!」

 

「あら、あなたに言われたくないわ、ねっ!」

 

――ガキンッ!

 

「てやっ!」

 

「はぁあっ!」

 

戟は基本的に振り下ろし・横払い・突きの三動作しかないけど太刀はそれに加えて戟より短いから小回りに優れてるんだよね。その分、一撃に大きな差があるんだけど、長期

 

戦になると俄然、戟より太刀の方が有利になってくる。

 

早いところけり付けたいんだけどなぁ。まあ、雪蓮が相手だとそうも行かないかぁ……

 

お互いに斬りかかっては避けるの繰り返しだし。正直、これだけ振り回してるのってしんどいんだよね。

 

「はぁ、はぁ」

 

「あら、もう息切れ?だらしないわね。そんなんじゃ、仕官なんてさせられないわよ?」

 

「む~~~~っ!ああ、もう!止め止めっ!やっぱり、この得物じゃ無理!」

 

――カラーンッ!

 

私は持っていた戟を放り投げて管輅さまに近づく。

 

「管輅さま、あれ出してください。私の得物」

 

「あらあら、こんな所で出しちゃっていいの?」

 

「いいんです!あれじゃ雪蓮とまともに戦えませんから」

 

「仕方ありませんね……では、これを」

 

管輅さまは何処からとも無く布で包まれた私専用の得物を手渡してくれた。

 

「ありがとうございます管輅さま。それにしてもいつも何処から出してるんですか?」

 

「ふふふ、それは秘密です♪」

 

……うん、なんか怖いからこれ以上聞くのは止めとこう。私の勘がそう告げてるから。

 

「なに?出し惜しみなんてしてたの?それって私をなめてるって事かしら優未?」

 

布で巻かれたままの獲物を持って戻ってくると雪蓮は少し不機嫌そうにしてた。

 

「本当は使いたくなかったんだけど私にはこっちの方が使いやすいから」

 

布を解くと中から二対の両端に刃が着いた戟が姿を現した。

 

「さっきのより少し短い戟ね。しかも二刀?手数が増えたからって私に勝てるとは思わないほうがいいわよ?」

 

「この子の名前は『双虎戟』。まあ、戦ってみれば分かるよ。結構苦戦するかもよ?にしし」

 

「そこまで言うならやってもらおうじゃない……はぁあっ!」

 

「うわ、行き成りなんて卑怯な!よっと」

 

「くっ!これならどう!」

 

「へへーんだ。当たらないよ!」

 

二対の戟を交互に出し、雪蓮の攻撃を防ぐ。

 

「憎らしい武器ね。でも、それだけじゃないんでしょ?」

 

「なんのこと~?」

 

「とぼけたってむだよ。その武器に仕掛けがあるって事くらいわかるわよ」

 

「それも勘?」

 

「それもあるけど、あなたの戦い方を見ててそう思ったのよ」

 

「あはは、やっぱり雪蓮には敵わないな~。そうだよ、これにはもう一つ形があるんだよ」

 

私は二つの戟の中心にある窪みをかみ合わせた。

 

「『双虎十字戟』これがこの子の本当の姿だよ」

 

「やっぱりね。それにしてもなんて厄介な武器なのかしら」

 

「わかる?これってさ矢も結構防げるんだよね~♪それじゃいっくよ~!」

 

「いいえ、もうこれでいいわ」

 

「うぇえ?!っとっと!」

 

手合わせ終了って言われて走ってた私は前のめりになって転びそうになったところをなんとか踏ん張った。

 

「皆ももういいわよね」

 

「うむ、力も策殿と同等なら問題と思いますぞ」

 

うわ~、何あの胸、大きいとは思ったけど寄せるとホント大きいなぁ。私や雪蓮より大きいんじゃないの?!あれで一刀君を虜にしてる、とか?……ま、負けるもんか!

 

「そっ、蓮華貴方はどう思うの?」

 

「わ、私ですか?!い、いいのではないかしら?姉様に後れを取っていないから……し、思春はどう思うかしら?」

 

あれが雪蓮の妹の孫権か。まだまだ武は未熟らしいけど……あのお尻、侮れない!

 

「いいと思います。戦力が増えるのはいいことです。が、少々気が抜けすぎているとは思いますが」

 

むっ、昨日と言いホント一言多いいよね。あの無表情女は!たしか、甘寧って言ったっけ?

 

「相変わらずね思春は。明命、あなたはどうかしら?」

 

雪蓮ももっと言ってやってよ!どうせ、あの無表情で一刀君を困らせてるんだから!

 

「そうですね。私よりお強いと思いますよ。太史慈様は」

 

うわ、何あの娘、ちんまくて可愛い~♪お持ち帰りしても良いかな?かな?

 

「武官皆がそう言うなら大丈夫そうね。一刀は何かいいたことある?」

 

「え、俺か?う~ん……」

 

急に振られて一刀君は腕を組んで考え始めた。私はそれをドキドキしながら待っていた。

 

「……うん。いいんじゃないかな。それに優未が仲間になってくれるなら心強いよ」

 

いや~ん!そんなに褒めないでよ一刀君!もう襲っちゃうぞ!でも、それよりも……

 

「あら、一刀?それは私たち魏に対する挑戦と受け取ってもいいのかしら?」

 

「うぇ?!な、なんでそうなるんだよ」

 

「そりゃそうでしょ。今、魏と呉、蜀は敵対してるんだから、今は一年間の停戦協定を結んではいるけど一年後にはまたお互いの領土を奪い合う戦いが始まるのだからそれま

 

でに軍備を整えておくのは当然じゃないかしら?」

 

「う、確かに……なあ、華琳、話し合いで何とかならないのか?」

 

「そうですよ!話し合いで解決すれば皆悲しまなくて済みます!そうですよね雪蓮さんも!」

 

「絶対にありえないわね。頂点はこの世でただ一つでいいのよ。その為には力で相手を屈服させるのが一番なのよ」

 

まあ、華琳の言うことはもっともなんだけどね。それよりあれには誰も突っ込まないのかな?

 

「……それよりも、その娘はなに」

 

そう思ってると、雪蓮が私が思っていることを言ってくれた。

 

「え?ああ、璃々ちゃんだけど?」

 

「そんなのは知っているわよ。なんで、あなたの膝の上に居るのかって聞いてるのよ」

 

「なんだか気に入られちゃったみたいでさ」

 

「ねえねえ、おにいちゃん!もうしあいって終わったの?璃々、お腹空いちゃった」

 

璃々ちゃんは雪蓮と話してる一刀の袖を引いてお腹が空いたと伝えてた。

 

「そっか~、なら何か食べに行こうか」

 

「うんっ!」

 

「こら璃々!申し訳ありません北郷さま。璃々、ご飯ならお母さんと一緒に行きましょ」

 

「やだ~、璃々、おにいちゃんと行きたいの!」

 

「もう、我儘言っちゃだめですよ」

 

「ははは、別にいいですよ。なんなら、紫苑さんも一緒に如何ですか?」

 

「え?ですが……」

 

「この街に詳しくないんですから遠慮しないでください」

 

「そうですか?では、お言葉に甘えさせていただきます」

 

あ~!か、一刀君!なんで他の人たちとあんなに仲良くなってるの?!

 

「なら私も~!ね!愛紗ちゃんも一緒に行こう!」

 

「ええ?!し、しかし、大勢で行っては一刀さまにご迷惑が……」

 

「ははは、ご飯は大勢で食べた方が美味しいよ。だから愛紗も一緒に行こう」

 

「ほら、一刀さんもそう言ってるし。ね!愛紗ちゃん!」

 

「で、では私もご一緒させていただきます」

 

「ごめん、冥琳。お昼食べに行きたいんだけどいいかな?」

 

「構わんぞ。……ただし、なるべく早く帰ってきてくれると助かる。今後についてみなで話したいことがあるからな」

 

「了解。それじゃ璃々ちゃん、食べに行こうか」

 

「うん!」

 

「それじぇ雪蓮、話はまた後でね」

 

「ちょ!一刀!まだ話は終わってないわよ!」

 

雪蓮の話をそこそこに切り上げて、一刀君は黄忠さんの娘さんの璃々ちゃんを肩車して中庭から出て行っちゃった。

 

……なに、あのほんわか空間は!

 

まるで、璃々ちゃんが一刀君の娘で黄忠さんが一刀君の……っ!ブルブルブル!違う違う!そんな事ないよ!うん、あるわけが無い!

 

「ちょっと雪蓮!あれいい(ヒュンッ!)の?……え?あ、あ~~~~っ!私の髪が!ちょっと、雪蓮なにすん、の……よ?あ、あの雪蓮?どうかしたのかな~?」

 

あわわ、雪蓮の後ろから黒い瘴気が!

 

「お、落ち着こう雪蓮?そ、そうだ!お酒の呑もう!ね?そうしよう!」

 

「……優未」

 

「え、なに?」

 

「ふふ、ちょっと私のうさば、調練に付き合いなさい」

 

雪蓮は伏せていた顔を上げるとニッコリと笑ってとんでもない事を言ってきた。

 

今、憂さ晴らしって言おうとしたよね?!

 

「のわっ!い、行き成り切りかからないでよ!」

 

「うるさいわね!ほらほら!ちゃんと避けないと死んじゃうわよ?うふふふふ♪」

 

「こわっ!雪蓮怖いよ!ちょ、ちょっと!そこで見てないで助けてよ!無表情女!」

 

「……明命よ。やつは、誰の事を言っているのだ?」

 

「えっ?!あ、あの、思春さま?」

 

「なんだ、明命」

 

「い、いえ!なんでもありません!」

 

ぬぬぬ!あの無表情冷酷女め!後で覚えてろよ~!

 

「そ、そこの黒髪の!えっと、えっと周泰ちゃんだっけ?助けて!」

 

「は、はうあ!わ、私ですか!」

 

「そ、そうだよ!このままじゃ私死んじゃうよ!」

 

「あ、あのその!雪蓮様お、落ち着いてください!」

 

いや、そこから叫ばれても効果ないから!

 

「ええい!そこの片眼鏡ちゃん!助けて!」

 

「ええぇぇええ?!わ、私ですか?!わ、私じゃ雪蓮様を止められませんよ。そ、その……冥琳さま!」

 

「はぁ、こうなっては暫くは放って置くしかないだろうな。諦めろ、太史慈よ」

 

「あ、諦められるわけないでしょ~~?!のわっ!」

 

「ふふふ、ふふふ……あははははっ!優未~もっと楽しみましょ~♪」

 

「か、一刀君のばか~~~~~~っ!」

 

「はぁ、思い出すだけでも憂鬱になるよ」

 

それから一刻近く雪蓮の攻撃を避け続けたんだけど、正直、もうあれは勘弁して欲しいよ~。

 

「まあ、管輅さまが止めに入った時はびっくりしたけど。あの後、雪蓮が物凄い笑顔だったのが気になるんだよね。管輅さま、なにしたんだろ?管輅さまに聞いても教えてく

 

れないし、雪蓮に聞いたら」

 

『私はこれであのちびっ子に勝つのよ!』

 

「なんて言ってたけど……凄い嫌な予感がするのは私だけかな?」

 

あの時の雪蓮はなんていうのかな~、そう、例えるなら、獲物を狙った餓えた虎みたいだった。

 

「~~っ!背筋が寒い!とりあえず、まずはかず「あれ?優未さま?このような所でなにをしているのですか?」っ!ご、ごめんなさい!……ん?なんだ明命ちゃんか~急に

 

声掛けられたからビックリしたよ」

 

「す、すいませんでした!それでこのような場所で何をしておいでなのですか?それに、ごめんなさいって……」

 

「え?あ~、なんでもないよ!気にしない気にしない!」

 

「は、はぁ」

 

「それよりさ。一刀君見なかったかな?」

 

「一刀さまですか?それでしたらお庭の方で祭さまと剣の稽古をしておいででしたよ」

 

「ホント?ありがとう。明命ちゃん!う~ん、お礼に頬ずりしてあげる~。すりすり~」

 

「はうあ!ゆ、優未さまくすぐったいです!」

 

「あ~ん、このスベスベのほっぺ堪らないよ~。もう食べちゃいたいくらい!」

 

「ええ?!そ、それはダメなのです!食べていいのは一刀さまだけなのです!」

 

「え?」

 

「はうあ?!な、なんでもないのです!あっ!急用を思い出したので私はこれで失礼させていただきます!ではっ!」

 

明命ちゃんは顔を真っ赤にさせて走りさって……!

 

「って、早すぎでしょ!もう、あんな先まで行っちゃってるよ」

 

凄い気になることを口走ってたけど……

 

「……一刀君って、ちっちゃい子の方が好きなのかな?」

 

自分で言っていてすごく、憂鬱になってきた。

 

「うん、今は気にしないでおこう!気にしたら負けだよね!うんうん!」

 

自分に言い聞かせるようにして何度も頷き明命ちゃんが言っていた中庭に行って見る事にした。

 

――カンッ!カンッ!ガキンッ!

 

「お、やってるやってる♪」

 

中庭に近づくと金属がぶつかり合う音が聞こえてきた。

 

「ほれ、どうした一刀!段々と剣筋が遅くなってきているぞ!」

 

「はぁ、はぁ、そ、そりゃ一刻も続けてればそうなるよ!」

 

「なんじゃ、だらしがないの。儂はまだまだ余裕だぞ。ん?……仕方ない、少し休憩するか」

 

「はぁ、はぁ……や、やっと休める~っ!」

 

「大袈裟な奴じゃ。ほれ、これで汗を拭え」

 

「ありがとう祭さん」

 

「ふん、礼なぞよい。それより、一刀が強くなってくれればそれでよいのだ」

 

「うん、祭さんに認めてもらえるように頑張るよ」

 

「な、ならよいのじゃ」

 

うわ~、なんかすっごくいい雰囲気なんですけど。

 

物陰から一刀君と祭さんの手合わせを見てたんだけど出るに出れなくなっちゃったな。

 

「それにしてもこの十日間で随分と腕を上げたな。いつの間に鍛錬をしておったのだ?殆ど策殿に付ききりだったであろう」

 

「えっと……あはは、秘密かな」

 

「なんじゃ、儂に教えてくれんのか?まあよい。一刀が強くなってくれればそれでな」

 

祭さんは一刀君が行き成り強くなってる事に不思議に思ってたみたいだけど、まあ無理も無いか、ここでの九日間があっちだと九ヶ月だもんね。その間、愛紗に稽古つけられ

 

てたんだから強くもなるよ。って言っても、私は十月くらいに消えちゃったからその後のことは管輅様から聞いたんだけどね。

 

「さてと……そんな所に隠れてないでそろそろ出てきたらどうなのじゃ?」

 

っ?!あ、あれ?私、気づかれてた?まさか~。

 

「なんじゃ、出てこんのか?なら、儂の多幻双弓で炙り出してやろうかの」

 

ちょっと待った!射抜くつもり満々だよねその構え!それに、何その笑顔!

 

――ガサガサッ!

 

「なんじゃ、居るなら居ると直ぐに出てくればよいじゃろうが」

 

「居るの分かってて構えてたくせによくいうよ~」

 

「はて、なんのことやら儂にはわからんな」

 

「はぁ、もういいよ。それよりさ。もう、一刀君との調練って終わったの?」

 

「うん?休憩していたところだったが、なんじゃ、逢引か?」

 

「えへへ~、そんなところかな」

 

「はっ!なんとも潔い返事じゃの。明命や亞莎も見習ってもらいたいものじゃ」

 

「あ~、でも、あのモジモジしてるところが可愛くない?」

 

「確かにの保護欲がくすぐられるわい」

 

「だよね~。それで、一刀君は貰って行っていいの?」

 

「おお、構わんぞ。たっぷりと甘えてくるがよい」

 

「ちょっと!俺の意見は?」

 

「なんじゃ、一刀は女子の誘いを断るのか?」

 

「いや、そんな事はしないけどさ。話を振るくらい……」

 

「断らないなら話を振る必要も無かろう」

 

「だ、だけどさ」

 

「ええい!女々しい奴だ。男ならもっとシャキッとせんか!」

 

「は、はい!」

 

「よし!楽しんでくるのじゃぞ」

 

「は~い!祭さん、いってきま~す♪」

 

一刀君の腕に抱きついて祭さんに手を振って街へとくり出した。

 

「へ~、建業って結構海産物が多いんだね」

 

「まあ、海の近くだしね」

 

「へ~……で?」

 

「でって?」

 

「なんで一刀君とデートしてるのにこんな所に居るの?もっとおしゃれなところあるでしょ?」

 

はぁ~、一刀君はホントこういった所が鈍いよね。

 

「まあ、私が一刀君の行きたいところでいいって行ったのが悪いんだけどさ。もう少し気を利かせて欲しかったなぁ」

 

「ご、ごめん。それじゃ、お茶でもしようか。最近、ここいらで人気の茶屋があるんだよ」

 

「いくいく~!もちろん、一刀君の奢りだよね?」

 

「ああ、そのつもりだよ」

 

「やった~!だから一刀君だ~い好き!ちゅっ♪」

 

「ゆ、優未、こんな人通りの多いところで……」

 

「えへへ~♪」

 

一刀君の頬にキスをすると頬を赤くして周りを気にしだした一刀君に有無を言わさず腕に抱きつく。

 

「う~ん、一刀君の匂いだ~♪いい匂い」

 

雪蓮の花の様な匂いも好きだけど、やっぱり一刀君の匂いが一番だよね!

 

「ほらほら、早く行こっ!時間がなくなっちゃうよ!」

 

「お、おう。それにしても」

 

「うん?」

 

「優未とこうやって出かけるのも久々だよな」

 

「そうだね。あっちだといつも雪蓮とか愛紗と一緒で二人っきりに中々なれなかったよね」

 

「そうだったか?」

 

「そうだよ~。それで偶に一緒になったと思えば、何処からか嗅ぎ付けて来るのか雪蓮がいつも先回りしてたんだよ!」

 

「あ~、そうだったな。あれには驚いたよ」

 

その時の事を思い出したのか苦笑いを浮かべる一刀君。

 

「お、もう少しで着くぞ。あの曲がり角を曲がって直ぐだよ」

 

「よ~し、レッツゴ~……ん?」

 

あれ、今、凄い嫌な気配がしたんだけど……まさか!

 

「か、一刀君ちょっと、ちょっと待って!」

 

「え?うわ」

 

「あ、ごめん!ホント直ぐに戻ってくるから!」

 

「あ、ああ……」

 

一刀君をその場に居るように言って曲がり角まで行ってこっそりと覗き込んで見ると。

 

……っ!や、やっぱり、雪蓮が居る!も~!折角の一刀君とのひと時を邪魔されてなるものか!

 

「一刀君!一刀君が言った茶屋はまた今度にしよう!」

 

「え?え?き、急にどうしたんだ?」

 

踵を返して戻ってきて一刀君の手を取り、来た道を戻りながら一刀君に伝えたけど、一刀君は状況が飲み込めてないのか頭の上に疑問符を浮かべてた。

 

「さっき話してた通りになったんだよ」

 

「話してた通りって。まさか、雪蓮が?」

 

「そっ!なんで分かったのかな~?とにかくまた今度誘ってよ!」

 

「別にいいけど、それじゃ何処に行く?」

 

「そうだな~……少しここら辺は賑やか過ぎるから、静かなところ……川原の方に行ってみようよ!」

 

「ああ、わかった」

 

雪蓮には悪いけど、今日は一刀君を独り占めするんだから♪

 

私は一刀君を急かすようにして腕を引いてその場から離れた。

 

「ん~~~~~っ!空気が美味しいね!」

 

川原に着くと私は両手をいっぱいに広げて深呼吸をした。

 

「すー、はー……うん。落ち着くね」

 

「だよね~♪わっとっと!」

 

「優未!大丈夫か?」

 

「う、うん、ありがとう……」

 

こけそうになった所を一刀君が手を取って引き寄せてくれたおかげでこけずにすんだ。すんだんだけど……

 

「あ、あの、もう大丈夫だから、その、離してくれると」

 

咄嗟に抱き寄せられたから全然心の準備が出来てなくて、目の前に一刀君の顔が急に来たから恥ずかしくなっちゃった。

 

「え?ああ、ご、ごめん」

 

一刀君は手を離してくれたけど、私の胸のドキドキは直ぐには収まりそうも無かった。

 

「そ、そうだ。お腹空いたよね。来る途中で買った肉まん食べようよ!」

 

私は誤魔化すように肉まんを頬張って食べた。

 

「はふはふ、う~ん。美味しい!」

 

一刀君はそんな私を微笑みながら見ていた。

 

「な、なに?」

 

「え?いや、美味しそうに食べるな~って思ってさ」

 

「だって美味しいんだもん!はむっ!……っ!あひひ」

 

「大丈夫か?!ほ、ほら水!」

 

「ごくっ!ごくっ!ごくっ!ひ、ひひゃがひりひりしゅるひょ~」

 

あぅ~、思うように喋れないよ~。

 

「……」

 

「あへ?どーひひゃひょ?かひゅひょくん」

 

「……ぷっ」

 

「へ?」

 

「あはははははっ!」

 

「でゅおひへはらうのひょ!」

 

「ご、ごめん、でも、ぷっあははははははっ!」

 

「も~!わひゃいひゅぎ!」

 

――ポカポカッ!

 

「痛てて。わ、分かったからもう笑わないから」

 

「ほんひょ?」

 

「うん……ぷっ」

 

「わらっひゃーーーーっ!」

 

「ご、ごめん。思い出すと笑いが止まらなくて。くっふふふふ」

 

「もーかひゅひょくんひゃんへひひゃにゃい!」

 

笑い続ける一刀君から目を背けて一人岩場に座っていじける私。

 

「ホントにごめん。もう笑わないからさ」

 

「つーんだ」

 

「機嫌直してくれよ。ほら、もう一個肉まんがあるぞ」

 

「そうひゃっへ、まひゃ、わひゃひのひひゃをやへどさへるつもりひゃんでひょ!」

 

「う~ん……どうしたら許してくれるんだ?」

 

「……ふるひへほひいの?」

 

「うん、許して欲しいな」

 

うっ……その笑顔は反則だよ。やっぱり一刀君は女たらしだよね。まあ、私もこれで許そうとしてるんだから人の事言えないよね。

 

「なんでも言う事聞くからさ」

 

――ピクッ!

 

「ほんひょ?」

 

「え?」

 

「なんへもゆうこひょきくっへほんひょ?」

 

「ああ、俺の出来る範囲なら何でも」

 

「なりゃ……きしゅひて」

 

「……へ?ええええ?!き、きすってあのきす?口にする?」

 

「ほへひがいにゃいへしょ」

 

「で、でもさ……」

 

「やっひゃりいひゃなんだ」

 

「嫌なんかじゃないよ!その、俺なんかでいいのか?」

 

「……しゅっごいいまひゃらだよぉ~~~」

 

「のわっ!んっ?!」

 

そのまま一刀君に飛びついてキスをする。

 

「んっ……ちゅっ」

 

一刀君を押し倒すようにしてキスをする。でも……

 

「あぅ~、ひひゃがひりひりひゅるひょ~」

 

一刀君との待ちに待ったキスだったけどやっぱり火傷の事は忘れる事が出来なかったみたい。うぅ、痛い。

 

「……優未、口開けて舌出して」

 

「ふえ?こ、こう?……ひゅふ!」

 

な、なに?今の感覚!

 

「んっ……ちゅっ、じゅる……ちゅぱ」

 

え?え?えええ?!か、かかか、一刀君が私の舌を、舌を?!

 

「ひゃ!ひゃふひょふん、ひゃ、ひゃめ、あふ!」

 

「ちゅっ……じゅるじゅる……んっ……」

 

「ひゃふ!こ、こんひゃのひゃひめへぇ!お、おひゃひくひゃっひゃうよぉ~!」

 

一刀君は私の舌を舐る様に舐めたり突っついたりしてくる。その度に、私は体を震わせてた。

 

「ひゃ、ひゃに?!にゃ、にゃにきゃきひゃうよ!」

 

体の奥底から湧き上がる感覚に私は途惑ってどうすればいいか分からなくなってた。

 

「も、もうだゃめ、ひゃっひゃっあく!、い、いふぅぅぅぅうううううううう!!!!」

 

体中に電気が走ったみたいに痺れて私はくたりと一刀君倒れこんだ。

 

「どう?痛くなくなってきた?」

 

「はぁ、はぁ……ふぇ?」

 

一刀君は私から離れてニッコリと微笑んでた。

 

「……っ!~~~~~~~!!!」

 

あ、あれ?も、もしかして私、今……ぜ、絶頂しちゃったの?!うそ?!

 

顔が火傷でもしてるみたいに熱くなってきた。

 

あぅあぅ!恥ずかしくて一刀君の顔みれないよぅ!

 

「優未?どうかした?」

 

「な、なんでもないよ!」

 

うぅ~!……ん?待てよ……

 

そこで私の頭の中である事を閃いた。

 

――すっ

 

「ゆ、優未?」

 

無言で立ち上がり一刀君の前に向う。

 

「ご、ごめん。もしかして、また怒らせちゃったかな?」

 

一刀君は私の顔が見えないらしく怒ってるって勘違いしてるみたい。

 

――ぎゅっ

 

「え?」

 

一刀君に抱きつくと一刀君は途惑った声を出した。

 

「優未どうし「ねえ、一刀君。同意の上ならいいんだよね?」え?」

 

言葉を遮って一刀君に聞く。

 

「えっと、何のことかわからないけど。相手が同意してるならいいんじゃないかな?」

 

「そうだよね。それじゃ、いいよね?一刀君♪」

 

「え?どわっ?!ゆ、優未?!」

 

「えへへ~。それ~~~っ!」

 

「ちょ!ゆ、優未何を?!」

 

「え?何って服脱がしてるんだよ?」

 

「なぜ脱がしているのでしょうか?」

 

一刀君は状況が掴めてないのか頭に疑問符が浮いてるみたいだった。

 

「じゃ、ヒントその一!一刀君のお仕事は?」

 

「え?街の警備?」

 

「ブッブー!ヒントそのニ!一刀君が呉に居られる理由は?」

 

「えっと天の御遣いだから?」

 

「ブッブー!もしかして、ワザと?最後のヒントだよ。一刀君が雪蓮に拾われた時に言われた条件は何?」

 

「ま、まさか……子作り?」

 

「ピンポンピンポンピンポ~ン!大正解で~す」

 

そう、私が思いついたことは……

 

『既成事実を作って一刀君を独り占めしちゃおう!』

 

だった。

 

「ま、まて優未!まだ、俺たちお互いにそんなに知らないだろ?」

 

「あっちの世界だと七ヶ月くらい一緒だったけど?」

 

「で、でも、まだお互い未成年じゃ!」

 

「こっちの世界だと私は雪蓮と同い年だし、成人の儀は済ませてる年齢でもあるし問題ないよ?」

 

「えっと、えっと!」

 

「ねえ、一刀君、私とするの嫌なの?」

 

「え?」

 

私は悲しくなって俯いた。

 

「私は一刀君の事、好きなのに一刀君は私の事嫌いなんだね……」

 

「ちがっ!そんなわけ無いだろ!」

 

「だって……ふぇ?」

 

一刀君は私の頭を撫でながら優しく話し始めた。

 

「そんな事ないぞ。優未は可愛くて元気だし、俺はそんな優未が好きだぞ」

 

「ホント?」

 

「ああ、本当だよ」

 

「……それじゃ、いいよね♪それ~~~~♪」

 

俯いた顔を上げてニッコリ微笑むと一刀君が着ていた最後の一枚の上着を脱ぎ捨てた。

 

ホント、一刀君は女の子の涙に弱いんだから。でも、そこが一刀君のいいところだよね。

 

「なっ!だ、騙された?!」

 

「えへへ♪やっぱり、一刀君は私が思ってた通りの人だよ!だから好きになったんだから」

 

「な、何恥ずかしいこと言ってるんだよ優未」

 

「あっれ~?知ってる?一刀君の方が恥ずかしい台詞言ってるって事」

 

「う゛……」

 

自覚があったのか顔を赤くして明後日の方向を向いて頭をかきだした。

 

「はぁ、負けたよ。優未には勝てないな」

 

「えへへ♪」

 

一刀君は優しく抱き寄せて頭を撫でてくれた。

 

「優しくするけど。痛かったら直ぐに言ってくれよ?」

 

「うん……好きだよ。一刀君」

 

「俺もだよ。優未」

 

「「んっ……」」

 

触れただけの軽いキス。だけど、それだけで、私の中に一刀君の想いが満たされていくようだった。

 

「うぅ……こ、腰が痛い」

 

「ご、ごめん優未。大丈夫か?」

 

「平気だよ。少し歩き難いけどね」

 

あの後、一刀君を初めて受け入れた私はその痛みに顔を歪めながらも、一刀君と一つになれたことに大きな喜びを感じた。

 

そこまでは良かったんだけど、なんか一刀君にスイッチが入っちゃったらしくその後は……まあ、ご覧の通り腰が抜けちゃったって状況です。

 

それでもって、もう陽は沈んで空には月が輝いていた。

 

「……ほら、優未」

 

一刀君は中腰になって背中を指差してた。

 

「え?い、いいよ!わ、私重たいし!」

 

それに恥ずかしいし!

 

「そんな事気にしないよ。ほら……」

 

「う、うん……それじゃ」

 

っと、一刀君におぶさろうとして動きを止めた。

 

「優未?」

 

どうしたのかと一刀君が振り向いてきたから私は思い切って言って見ることにした。

 

「おんぶじゃなくて抱き上げて欲しいかな~なんて……ダメかな?」

 

自分で言っていて物凄く恥ずかしくなってきた!うわっ!私何言ってるんだろ!

 

「あ、あはは、な、なんでもないよ。気にしないで!」

 

あぅ~、変な子に見られちゃったかな。

 

「……うわっ!」

 

一刀君は私を抱き上げてニッコリ微笑むと……

 

「これでよろしいでしょうか?優未姫」

 

――ボンッ!

 

「あっ、うっ……きゅ~~~」

 

「ちょ!優未?!」

 

一刀君、それは卑怯だよ。私の心を鷲掴みだよ!

 

「だ、大丈夫だよ。ちょっと許容量超えただけだから」

 

一刀君に抱き抱え上げられながら顔を赤くして微笑む。

 

「それにしても遅くなっちゃったな。皆心配してないといいんだけど。いてっ!」

 

「一刀君?女の子と二人っきりの時は他の女の子の事は考えちゃいけないんだよ?」

 

私は少しむっとして頬を膨らませながら一刀君の頬を摘んだ。

 

「そうだね。ごめんな優未」

 

「うん。分かればよろしい♪」

 

私はそのまま一刀君の肩に頭を預ける。

 

「ねえ、かず「随分と遅いお帰りで」……」

 

物凄い不機嫌な声が場の雰囲気を一気に破壊した。

 

声のした方を見てみると三人の姿があった。

 

「はぁい、一刀、優未♪」

 

笑顔の雪蓮。

 

「「……」」

 

押し黙る、私と一刀君。

 

「随分と遅かったではないか優未、それに一刀」

 

「……」

 

眼鏡が反射して表情の分からない冥琳。

 

「おおっ!中々良い逢い引きであったようじゃな!」

 

「「「っ!?!?!」」」

 

祭さんは笑顔で場の緊張感をさらに高めてるし。

 

「ねえ、冥琳」

 

「なんだ雪蓮」

 

「今日の一刀と優未の予定って何だったかしら?」

 

「ああ、一刀は黄蓋殿と調練それに街の警邏。優未は執務室で一日中政の予定だ」

 

「そう。その、会うことの無い二人がどうして『一緒』に『こんな遅く』に『二人』して『帰って』くるのかしら?」

 

うわ、物凄い強調してるし!そうとうお怒りだな雪蓮……

 

「そうだな、私が課した仕事も半分も終わらせてないものも居るようだしな」

 

訂正!冥琳の方が物凄く怖いです!

 

「えっと、その……」

 

「まあいいわ。こんな所で話していても埒が明かないわ。中でじっくりと聞きましょうか。皆の前で、ね」

 

「そうだな。それと太史慈、いい加減、一刀に甘えるのは止めて自分で歩け」

 

「えっと。無理」

 

「「「はっ?」」」

 

三人とも間抜けな声を出して私たちを見ていた。

 

「何が無理なのよ。降りればいいだけじゃない」

 

「だから無理なんだってば雪蓮」

 

「だから何が無っ……!まさか」

 

「ん?策殿何かわかったのか」

 

「優未、抜け駆けしたわね」

 

「「っ?!」」

 

「ぬ、抜け駆けって雪蓮はもう一刀君とやってるくせに!抜け駆けなんかじゃないんだからね!」

 

「や、やってるって言わないでくれるかしら?あれは衝動を抑えられなくて仕方なく……って、なんで優未がそんな事知ってるのよ!」

 

「そんなの決まってるよ。私は雪蓮の記憶を引き継いでるんだからそってて当然」

 

「なっ!聞いてないわよ、そんなこと!」

 

「管輅様は知ってるって言ってたよ」

 

「そんな事は聞いて……聞いたかも」

 

「ほら~」

 

「だ、だからって、仕事をサボるなんて許される事じゃないわよ!」

 

「なにさ!雪蓮だって御茶屋でお茶飲んでたくせに!」

 

――ぴくっ

 

「……雪蓮?」

 

「な、なによ。ちょっと休憩に街に出ただけよ」

 

「はぁ、もういい。とりあえず一刀、優未を降ろすんだ」

 

「あ、うん」

 

冥琳に言われて一刀君は私を降ろしちゃった。残念……

 

「さて。では、祭殿。皆を玉座の間に招集しておいてください」

 

「おう。任せておけ。優未よ。覚悟しておくのじゃな♪はっはっは!」

 

「さ、祭さん。笑い事じゃないよ~」

 

祭さんは笑いながら城内に戻っていった。

 

「では、一刀。お前は自分の部屋に戻っていいぞ」

 

「え、いいのか?」

 

「ああ、優未と雪蓮の後、お前の処罰を決める。それまで大人しく部屋で待っているんだな」

 

「……はい」

 

「ちょっ!なんで私まで?!」

 

「なんで、だと?」

 

「あは、あはは~な、なんでもないわよ冥琳」

 

「そうか、では行くぞ」

 

「ちょ!ちょっと待ってよ!わ、私そんなに早く歩けないんだから!」

 

「おっと、そうだったな……」

 

冥琳は私の所に歩いてくると私を背後に向かせて襟首を掴み、

 

「では行くぞ」

 

「あぅ!く、苦しいから!ひ、引っ張らないで~~~」

 

あろう事か冥琳はそのまま私を引き摺って城内へ歩き出した。

 

「おっと、雪蓮。お前も何処に行くのだ?お前もこっちだろ?」

 

「う~、仮にも前王なのよ?もう少し労わってよ」

 

「労わって欲しいなら、それなりの仕事をしてもらおうか」

 

私と雪蓮二人そろって冥琳に引き摺られて王座の前と向った。その場に一刀君を残して……

 

その後は本当に酷かったよ。

 

王座の間に引き摺られて来て見たら呉の将だけじゃなくて桃香や愛紗、華琳まで居たんだから。何で居たのか聞いてみると……

 

「えっとね。黄蓋さんが一刀さんの事で重大な話があるから気になるなら来て見ろって言われたんだよ。それで一刀さんがどうしたの?」

 

祭さん、なんて事言ってるんですか~~~~~っ!あ、あれ?なんで管輅様も居るの?!

 

「なんだかお城で面白いことが起こると占いで出たので許可を頂いて待っていました」

 

占い師、恐ろしい人!

 

「それで?なんでしぇ、孫策も引き摺られているのかしら?」

 

「ん?ああ、いつもの事だ気にするな曹操」

 

「ちょっと、いつもの事って酷くない冥琳」

 

「本当の事だろ?」

 

「ぶーぶー!」

 

「うむ、みんなそろっているようだな」

 

冥琳は雪蓮の文句を無視しては話を進め始めた。手馴れてるな~。

 

「冥琳、一刀の事で話があるってどういうことなの?もしかして引き摺られている姉様と優未に何か関係が?」

 

「ええ、ですが雪蓮に関してはただの職務放棄なのでこの際、気にしないでください。まず、問題なのは……」

 

「優未が一刀と愛し合ったそうなのだ!なんとも羨ましいのう!」

 

「「「「な、何(だって)(ですって)~~~~~~~っ?!?!?!?!」」」」

 

さ、祭さん、なに笑いながら言ってるの~~~~~?!

 

「さ、祭?何を言っているの?まさか、昨日、仕官したばかりで一刀と、そ、その……なんて、ありえないわ!」

 

「蓮華様、事実ですぞ。それに、どうやら以前から知っている中だったご様子。ほれ、優未を良く見てくだされ」

 

「え?……?特に変わったところは無いと思うけど……思春わかる?」

 

「いえ、私にもわかりません」

 

「あはは~、優未さん羨ましいですね~。私も初めての時はそうでした~」

 

あ、あの胸で一刀君を虜に?!穏の胸って魔乳だ!

 

「なんじゃ、蓮華様たちはまだ一刀と愛し合ってはおらんのか?」

 

「あ、あああああるわけ無いでしょ!そ、そんな、心の準備が……」

 

「……興味ありません」

 

「うわ、人生無駄にしてる発言だ」

 

――ギロッ!

 

「ふ~んだ。睨まれたって怖くないも~ん。女の喜びを知らないなんて思春は人生の半分無駄にしてるよ。そう思わない雪蓮」

 

「そうね。それについては私も同意見だわ」

 

うんうん。だよね~。やっぱり好きな人に抱かれてこそ、女の子はもっと可愛く綺麗になるんだから。

 

「なっ!し、雪蓮様?!」

 

「思春ももう少し一刀に心を開いてみたら?」

 

「……考えておきます」

 

「考えなくていいよ~。そんなことしたら一刀君独り占めがもっと大変になっちゃうよ」

 

「まあ、その話は後にして、今は優未の事よね?」

 

「ああ、政を放棄して一刀と逢い引きとは呆れてものが言えんな」

 

「だ、だって~。私、勉強とか嫌いだし、政なんて持っての外だよ!動いてる方が好きなんだもん!」

 

「それが抜け出した理由か?」

 

「それもあるけど、一刀君に会いたかったし♪」

 

「はぁ、まるで雪蓮が二人居るようだわ」

 

「えへへ~、そんな褒めないでよ」

 

「褒めてないんだがな。はぁ」

 

「心労が絶えないわね。冥琳」

 

「お前が言うな雪蓮」

 

「そ、そんなことより!ど、どうだったんですか優未さん!」

 

「ふえ?と、桃香?」

 

声を上げて聞いてきた人が桃香で驚いた。桃香ってこんなに積極的だったっけ?……ああ、一刀君絡みだと結構そうだったかも。

 

「と、桃香様!落ち着いてください!」

 

「いいえ、落ち着いてなんて居られないわね。教えなさい優未」

 

「ちょっと、華琳まで?!」

 

「あ、あの実は私も……」

 

呉の人たちを差し置いて桃香と華琳、それに愛紗までも出てくるとは思わなかったよ。

 

「わたくしも聞きたいですわ」

 

「って、管輅様もですか!?」

 

「あら?良いではありませんか。男女の営みは女の喜びなのですよね?」

 

「だ、だからって態々、私と一刀君のを聞かなくても」

 

「ふふふ、だから聞くのではありませんか」

 

「え?それって……え、ぇぇぇえええ?!も、もしかして管輅様、一刀君のこと?!」

 

「ふふふ、さあ、どうでしょうね」

 

いや、そこで笑顔で返されても!なんで管輅様が一刀君のこと好きになったんだろ?

 

「一刀さんの笑顔を見ていると心が安らぎますからね。不思議と」

 

「ああ、なるほど……って、そんなので納得できませんよ管輅様!」

 

「あらあら、恋愛は自由ですわよ?」

 

「そ、それはそうですけど~。だって、管輅様は管理者じゃないですか」

 

皆には聞こえないように管輅様に伝えた。すると、

 

「ふふふ、そろそろわたくしの跡継ぎを作らないといけませんから」

 

「「「え?」」」

 

今ここに居る全員同じこと思っただろうな、もちろん私も思った。

 

管輅様って歳いくつなんだろ?

 

「あらあら、何ですかみなさん。私は黄忠さんと同じくらいの歳ですよ?」

 

「「「う、嘘~~~~~~~~っ!!」」」

 

え、こ、黄忠さんの年齢知らないけど。どう見ても実年齢より若く見えるんだけど!

 

「ねえねえ、桃香。黄忠さんって歳いくつなの?」

 

「そ、それがね、聞こうとすると物凄い笑顔するだけで教えてくれないんだよ。しかも、その笑顔が微妙に笑ってないって言うか、思い出すとあれって、い、威嚇してたのか

 

な?」

 

「あ、愛紗も知らないの?」

 

「ああ、私も聞いたことは無い、が、一度たんぽ、馬岱がしつこく聞いているところを見たが、最後には笑顔で弓矢を取り出していたな……」

 

「……どれだけ知られたくないんだろ……ところで管輅様はいくつなんですか?」

 

「知りたいですか?」

 

「えっと……」

 

なんで笑顔?

 

「知りたいですか?」

 

「……」

 

そしてなんで近づいてくるんですか?!

 

「しり「け、結構です!」あらあら、懸命な判断ですね優未さん。ふふふ」

 

む、無理だ。聞けるわけが無い……聞いたらきっと……生きていけない!

 

「ごほん、話がそれたがそれで、どうなのだ優未」

 

「な、なんで冥琳までも聞きたがってるのさ。それにさりげなく話し戻しすぎ」

 

「き、気にするな。私はみなの代表としてい聞いているだけだ」

 

その割には、顔赤くして興味津々ぽいんだけど……

 

「ええい!いいからさっさと吐かぬか優未よ!じれったいではないか!良かったのか?良くなかったのか?どっちなのだ!」

 

「ちょ!直球過ぎるよその発言!」

 

うわっ!皆の目がこわっ!ここはとりあえず……

 

「明命、思春!扉を押えろ!」

 

「「はっ!」」

 

「ちょ!なんで分かったの?!」

 

「ふっ、軍師を舐めてもらっては困るな。さあ、大人しく話してもらおうか」

 

「ひっ!か、管輅様助け~るわけ無いですよね……」

 

管輅様に助けを求めようと思ったけど管輅様も聞きたい側だったのを忘れてた。

 

「ふふふ、夜は長いわよ♪冥琳、優未の話を肴にお酒呑みましょ♪」

 

「はぁ、まあ、体の事を考えて、程ほどにするならいいだろう」

 

「さっすが冥琳!話がわかる~♪それじゃ、さっそく、祭お酒よろしくね♪」

 

「先に始めてくださるなよ?なんなら一刀も連れてきてあやつの途惑うところも見ると言うのはどうじゃ?」

 

「あ、それもいいわね。それじゃ冥琳、優未は私が捕まえておくから一刀を連れてきてくれるかしら?」

 

「ふふふ、いいだろう。一刀にも処罰が必要だったからな。丁度いいだろう」

 

冥琳はそのまま扉へと歩いていって王座の間から出て言っちゃったよ!

 

「か、一刀君逃げて~~~~~っ!」

 

「ふふふ、誰も逃がさないわよ~♪」

 

もう、その後のことはここで言い表せないほどだった。

 

一刀を連れてきて無理やりに状況を話させたり。

 

お酒で酔った蓮華様と桃香と愛紗が一刀を取り合いしたり。

 

雪蓮はそれを煽るし、華琳は睨むように見てるし。

 

その横では、管輅様と祭さん、黄忠さんが楽しそうにお酒飲んでるし。ってあの三人何話してたんだろ?

 

もうハチャメチャだったよ。

 

でも、それでも楽しいって思えたのは雪蓮や一刀、桃香に愛紗、華琳が居たからかな?

 

「むがっ~~~~~ごぼごぼごぼっ!!!!」

 

ああ~、一刀君が瓶丸々口に入れられちゃってるよ~。

 

「かじゅと~~~!どうひて、ヒック、どうひてわひゃひをだゃかにゃいのよぉ~わらひ、そんなに魅力ないかひら?……グスン……ふぇぇぇええええん!」

 

うわ~絡んで泣き上戸ですか蓮華様は……

 

「あはははは、一刀さん。ううん、ご主人様、私のご主人様になって~~~~♪えへへへへ」

 

桃香は甘え上戸って飲んでなくてもそうだけど拍車が掛かってる!それより、ご主人様ってなに?

 

「一刀さま!あなたと言う人は!私というものがありながらなぜ!なぜですか!私では一刀様の一番にはなれないのですか?!」

 

愛紗は怒り出したし。ただ、怒ってる内容が……

 

「ほ~ら、ほら、なにかわいそうな目をしているの優未。まだ、貴女の話を聞いてないんだからね?」

 

――ピタッ!

 

「え、なんで皆こっち見るの?い、いや……来ないでよ!」

 

「そうよ。まだ優未のはにゃしを聞いていにゃかったわね……一刀とはどうだゃったにょよ!」

 

「私も聞きたいな~どうだったのかな優未さん?あはは~」

 

「……言葉を選んで話すんだぞ優未殿さもなければ一刀様に代わり私がっ!」

 

「あらあら、みんな出来上がっちゃってるわねぇ」

 

「ふふふ、私たちはゆっくりとこの光景を楽しみましょうか。黄忠さん、それに黄蓋さんも」

 

「うむ、中々見ていて愉快だしのはっはっは!」

 

「ちょ!め、冥琳流石にこれはやりす、ぎ……」

 

「むぅ~一刀よ、次は~~むにゃむにゃ……」

 

「ね、寝てるしーーーーーーっ!」

 

「ふふふ、冥琳の扱いならお手の物よ。さあ、歯止め役が居なくなった事だしまだまだいくわよ~~♪」

 

「「も、もう勘弁して(くれ)~~~~~っ!」」

 

私と一刀君の声が王座の間に響き渡った。

 

葉月「はい!アフター第一弾は復活して早々に酷い目に合った優未です!」

 

優未「何てことしてくれたんだよコンチクショー!」

 

葉月「ブベラッ!」

 

優未「はぁはぁ、折角の甘い話だと思ってたのに!踏んだり蹴ったりだよ!」

 

葉月「い、いい蹴りです。ガクッ」

 

雪蓮「まあまあ、いいじゃないの。一刀と一つになれたんでしょ?」

 

優未「そ、それはそうだけど……にへへ♪」

 

雪蓮「うわ、キモッ!」

 

優未「ひどっ!だ、第一、雪蓮があんな所でお茶してなければこんな展開にはならなかったんだよ!」

 

雪蓮「あらいいじゃない。確か、私が本当は死んじゃう章だとまだエッチ出来てるのは祭と穏だけだったじゃないかしら?」

 

優未「え、そうなの?」

 

雪蓮「ええ、まあ、拠点は好きに選べるし誰もまだって事もありえるけど、私は確実にしてるけどね♪」

 

優未「む~、なら仕方ないか」

 

葉月「何が仕方ないんですかーー!」

 

優未「うわ!ビックリしたな。脅かさないでよ葉月」

 

葉月「人のこと殴り飛ばしておいて良くそんな事がいえますね」

 

優未「え?私そんなことしたっけ?」

 

雪蓮「さあ?なんか黒い塊を殴ってた記憶はあるけど、まさかそれが、葉月な分けないしね」

 

葉月「……二人から、物凄い悪意を感じる!」

 

優未「気のせいだよ!きっとね♪」

 

葉月「はぁ、もういいですよ。それで、どこまで話したんですか?」

 

雪蓮「えっと、葉月が幼女好きのド変体って所だったかしら」

 

葉月「んなっ!捏造だ!私は断じて!」

 

優未「じゃ、なんで璃々が出てきてるの?」

 

葉月「……そ、それはですね?。もろもろの事情が」

 

雪蓮「もろもろの事情って葉月にそんな事情があるなんて聞いてないわよ?」

 

葉月「う゛……」

 

優未「好きなんだよね?」

 

葉月「い、いや、だからですね?」

 

雪蓮「好きなのよね?」

 

葉月「……はぃ」

 

雪蓮「最初から素直になってればいいのに」

 

葉月「ぐすん……」

 

優未「それじゃ、紫苑と璃々のアフターもあるって事か」

 

葉月「はい?!な、なんでそうなるんですか!」

 

雪蓮「え?その為に出したんじゃなかったの?」

 

葉月「違いますよ!」

 

優未「えー!もう面倒だから書いちゃいなよ。今更一人や二人増えても変わらないよね?」

 

葉月「人事だと思って……」

 

優未「実際、人事だし♪」

 

雪蓮「そうそう♪」

 

葉月「はぁ~、まあ、書きますが皆さん、期待しないでくださいね!作者もいっぱいいっぱいなので!」

 

雪蓮「それじゃ、期待するって事で。所で、優未が使ってる武器の説明って無いの?」

 

葉月「ああ、それは真・三国無双で十字戟って武器があったんですよ。なんか攻撃方法がめちゃくちゃだっかからめちゃくちゃな優未にはいいかなって思って、適当に決めた

 

だけです」

 

優未「なにその、取って付けた様な設定!もう少しちゃんと考えてよ!」

 

葉月「えー」

 

優未「えー、じゃないよ!」

 

葉月「でも、ゲームだと結構強いですよ?通常攻撃は」

 

優未「通常攻撃はって……そりゃ、全方位攻撃みたいなものだから強いでしょうよ!」

 

葉月「それに、呉って重量武器使ってる人居ないじゃないですか。だから、ちょうどいいかな~って」

 

優未「はぁ、なんでこんなダメ作者の下に生まれてきちゃったのかな私」

 

葉月「ひどっ!」

 

優未「だって、キャラ設定だってまともに公開してないよね?」

 

葉月「う゛……」

 

優未「分かってるのって雪蓮くらいの胸ってだけでそれ以外まったく話に出てきてないよね?」

 

葉月「さ、さ~って、そろそろお開きにしましょうか」

 

優未「私の質問に答えなさいよ~~~!」

 

葉月「そ、それは後日に!」

 

優未「なにぉ~~!あっ!逃げるな!」

 

葉月「ぐぇ!ぐ、ぐるぢぃ」

 

雪蓮「まあまあ、今日はこの辺にして、次回にやりなさい」

 

優未「でも~!」

 

雪蓮「きっと、ちゃんとした設定を書いてくれるわよ。ね?葉月?」

 

葉月「き、期待しないでください」

 

雪蓮「うん、それじゃ期待して待ってるわね♪」

 

葉月「だ、だから期待しないでt」

 

優未「そうだね。それじゃ、みんな~」

 

葉月「だから人の話しw」

 

雪蓮・優未「またね~~~~♪」

 

葉月「私の話を聞けぇぇぇえええっ!!」

 

雪蓮・優未「うるさいっ!」

 

葉月「ぎゃーーーーーーーーっ!!!」


 
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