No.179336

本・恋姫無双第二十九話

nakatakさん

まずは、スペシャルサンクス『そ』さん。
イラスト使わせて頂きありがとうございます。
とりあえずは対袁術の終盤です。
それでは、どうぞ。

2010-10-20 05:14:18 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:7578   閲覧ユーザー数:5750

出陣前に、雪蓮の体調不良(悪阻(つわり))が発覚、戦力ダウンが必至の孫呉軍。

 

 

とはいえ、敵は待ってくれる筈も無く、やむなく雪蓮を除いて出陣。

 

 

---襄陽付近・孫呉本陣---

 

 

雨蓮「それでは、現状を報告してくれ。」

 

 

冥琳「まず、敵将は不明です。将旗が一本も立ってないので。敵兵力は約50000、全てが『屍兵(しへい)』です。」

 

 

祭「厄介な…」

 

 

蓮華「数が多すぎる。」

 

 

明命「ただいま戻りました。」

 

 

そういって、明命が本陣に入ってくる。

 

 

雨蓮「偵察、御苦労。して、どうだった?」

 

 

明命「先に報告の通り、敵将不明、敵兵50000全て『屍兵』。ただ、現在はその『屍兵』は同士討ちを始めています。」

 

 

冥琳「同士討ち?…まだこちらは、何の手も打ってないぞ?」

 

 

祭「将が不明、というのも気になるのう。」

 

 

一刀「単に『将が居ない』んじゃないかな?同士討ちというより、統率が執れて無いようにも見える」

 

 

望遠鏡を覗きながら言った。

 

 

冥琳「どれ………確かに、一刀の言うとおりだな。」

 

 

そう言って、一刀の背中に身体を預けて、もう一個の望遠鏡で戦況を確認した。

 

 

一刀「冥琳さん?そんなにくっつかなくても良いんじゃないのかな?」

 

 

冥琳「気にするな…ウッ…」

 

 

呻き声を出した後、望遠鏡から目を離す冥琳。

 

 

一刀「どうした…って気持ち悪!!。この光景は冥琳でもきついか…」

 

 

同士討ちが更にエスカレートして、共食いを始めた『屍兵』。その光景はまさに、地獄絵図である。

 

 

清「どうやら、『召喚しただけ』のようですね。」

 

 

地獄絵図を見ながら、涼しげに語る清。

 

 

雨蓮「どういう事じゃ?」

 

 

清「要は、呼ぶだけ呼んで、野放しにしている、という事です。こうなると、術者でも手に負えません。」

 

 

祭「なぜじゃ?」

 

 

清「『召喚』してすぐは『支配』が容易に出来ます。時間がたつと、『支配』が1000倍、効き難くなるんです。」

 

 

冥琳「要は、最初から『支配』していれば、1000体操れる所を、1体しか操れず、残り999体は敵になる…こう言う事か?」

 

 

清「はい。」

 

 

一刀「そうなると、袁術…無事かな?襄陽だけで50000…少し減ったかな?…本拠地はもっと壮絶だろうな…」

 

 

冥琳「何を呑気な…とりあえず、此処を片づけるぞ!!兵に伝達、戦う際は四人一組で、既に渡してある『三つ又』を有効に使え、以上だ。」

 

 

雨蓮「全軍、出撃!!」

 

 

統率が執れておらず、一体一体は凄く鈍重な『屍兵』は孫呉の敵ではなかったが、如何せん、数が多い。

 

 

襄陽から『屍兵』を一掃するのに、三日掛り、新野も含めると、一週間掛った。

 

 

流石の孫呉軍も疲労困憊で、今は新野に駐留し、四交代で周囲の警戒に当たっている。

 

 

---新野・とある部屋---

 

 

一刀「『屍兵』に昼も夜も無いってか?…流石に疲れた……Zzz…」

 

 

一週間、戦闘を続けたのである。一刀に限らず、主だった武官は休憩時間になったとたんにこの有様である。

 

 

---6時間後---

 

 

一刀「ん………良く寝……えっと…どゆ事?」

 

 

すぐ隣、一刀と同じ寝台に、冥琳が居た。裸で…

 

 

---武関・本陣---

 

 

少し時を遡り、孫呉軍が襄陽を攻略している時…

 

 

孫呉より曹操の所に伝令が来た。

 

 

内容は「『屍兵』の倒し方」と「袁術は既に死亡している可能性がある」の二点である。

 

 

曹操「袁術の方はともかく、これであの『屍兵』は何とかなりそうね。全軍、討って出るわよ!!目標は宛、そして南陽よ!!先陣は季衣と流流に任せる。」

 

 

許褚、典韋「「御意」」

 

 

そして、孫呉が、新野を攻略している頃、曹操は南陽を攻略していた。流石は許褚と典韋、叩き潰すのは得意らしい。

 

 

---南陽・とある部屋---

 

 

城の中に袁術らはおらず、今は『屍兵』の残骸がそこらに散乱していた。

 

 

そんな中、曹操は『探し物』を見つけた。

 

 

曹操「やはりね…あんな化け物が出てくるんですもの。これ以外、説明が付かないわね…」

 

 

そう言う曹操の脇に、一冊の本が黒く輝いていた。

 

 

---廬江付近---

 

 

袁術と張勳は城、将、兵、民等全てを見捨てて、此処まで逃げてきた。

 

 

袁術「七乃…もう動けないのじゃ…」

 

 

張勳「美羽様…仕方ないですね…あら?むこうから何か来ますね?」

 

 

やってきたのは数人の兵士と一人の将であった。

 

 

張勳「あ、あれは…『深紅の呂旗』!!」

 

 

袁術「りょ、りょ、呂布なのじゃ~!!ぴぃーーーーーーーー!!」

 

 

数刻追い回された後、二人は、牢獄に入る事になる…

 

 

呂布「月…ほめてくれる…」

 

 

---長沙・北郷家---

 

今回留守番の睡蓮は、数少ない彼女の荷物の中から、一枚の絵を取り出した。

 

 

睡蓮「姉さまに、こうなって欲しいと思ったことも有ったけど…本当になると複雑なものね…」

そして、もう一枚の絵を取り出し…

 

 

睡蓮「冥琳もこうなるのかしら…」

一人、感慨に耽っている睡蓮であった…

 

 

あとがき

どうもnakatakです。

今回、使用したイラストはプロットを書きあげた後に見つけたものですが、

この話の中でちょっとしたアクセントになると思い、使いました。

一応、睡蓮が一刀の世界で見つけた『絵』という設定です。

彼女もtimamiを見ていたのでしょうか…

 

最後に『千葉ロッテにあっぱれ!ホークスに喝!』

 

それでは、また。

 


 
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