南の島の雪女
【プロローグ】
日本の北の山中には、雪女たちの住処があった。
みんな仲良く暮らしていた。
しかし、一人だけ仲間外れにされ、孤立している雪女がいた。
名を「白雪」といった。
白雪は、孤独な暮らしに耐え切れず、外界への憧れもあり、山を脱走。
雪女たちは、掟をやぶり、脱走した白雪を許さなかった。
白雪を連れ戻そうと、追っ手を差し向ける。
白雪は追っ手を巧みに撃退していくが、
追っ手と連戦を続けるうちに、身も心も疲弊する。
しつこい追っ手に手を焼いた白雪は、沖縄への移住を計画する。
沖縄は雪がなく、雪女たちが絶対に近寄れないと判断したからである。
そして、白雪は沖縄へ渡ることに成功。
南国沖縄は、雪が降らないため、白雪は自分の生活に不安をおぼえていたが、
追っ手が来ないことについては安心していた。
白雪の思いどおり、雪女たちは、沖縄へ近づけないでいた。
白雪は、住むところもないので、とりあえず近くの学校に潜むことにした。
だが、あきらめる雪女たちではない。
沖縄の妖怪たちに、白雪をつかまえるよう要請。
沖縄の妖怪たちは、半分は従い、半分は興味のない様子だった。
白雪は、沖縄の妖怪たちの魔の手が迫っていることなど
知るよしもなかった…
南の島の雪女
【登場人物】
・白雪(しらゆき)
雪女。吹雪を発生させることができる。
雪のない沖縄では吹雪を発生させることが
できないので、かわりに紙吹雪を発生させている。
結構な暴れん坊で、自分のことを「俺」と言い、たくましい。
今日も紙吹雪を作るために、ハサミでチラシを切っている。
・宇久田風乃(うくた ふうの)
沖縄県立金城高校の1年生。霊感に優れており、幼少のころから
見えないはずのものをよく見ることができる。お話もできる。
家が高校と隣接しているため、今まで遅刻したことはない。
夜の校舎をうろつき、「人でないものと交流する」
という変わった趣味を持っている。
霊と仲良くなり、家に連れ帰ることもある。
妖怪から白雪を守る役割を果たす。
風乃自身の力は弱いため、先祖の霊の力を借りて戦う。
・先祖の霊
宇久田家の先祖の霊たち。何人かいるようだが、詳細は不明。
風乃にアドバイスしたり、戦う能力そのものを授けたりする。
おじいちゃん、おばあちゃんばかりではなく、
青年や少女など、若くして命を落とした先祖も含まれている。
・風乃のおじいさん
故人。
風乃が死にそうになると、よくあらわれては
一緒に三途の川を渡ろうとする、
孫大好きなおじいちゃん。
・風乃の両親
風乃がよく「人でないもの」を家に連れてくるので、
妖怪や幽霊には耐性があり、理解もあり、比較的寛容である。
まだまだ続きます。
南の島の雪女
【登場人物】
・厚雪(あつゆき)
雪女の中では、偉い地位の人。
白雪をつかまえるよう、
沖縄の妖怪たちに依頼している。
・南国紳士
物腰やわらかい美形の青年紳士。
その正体は、「ハブの主」という大蛇。
大勢のハブを操ることができる。
普段は、妖怪と人間の間のトラブルを取り締まる仕事をしている。
厚雪の依頼により、白雪を追っている。
「南国紳士」というのはあだ名で、
人間の前では「鎌田」と名乗っているが、
誰もそう呼んでくれない。
・茜
風乃と同じ高校に通っている女子生徒。
その正体はキジムナー。
普段は黒髪だが、正体を現すと、髪が赤くなる。
真面目な性格をしており、人間に関する物事を習得し、
キジムナー社会に役立てようと学校に通っている。
成績は良く、先生たちによくほめられる。
厚雪の依頼により、白雪を追っている。
沖縄の外への憧れが強く、厚雪からは
「白雪をつれてくれば、北日本を自由に旅行させてやろう」と言われ、
「初めて雪が見れる」と期待に胸躍らせ、わくわくしている。
爬虫類を苦手としており、南国紳士を毛嫌いしている。
・緋那(ひな)
茜の友達。正体はキジムナー。
茜同様、正体を現すと髪が赤くなる。
「一人で学校に通うのはさびしいから」という
理由で、茜に無理やり高校進学させられる。
おとなしく、気の弱い性格。
白雪の捕縛に興味はないが、茜に無理やり加担させられている。
※人物はまだ増える予定ですが、ひとまずここまでとします。
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沖縄県が舞台のコメディ作品。
雪のふらない沖縄に雪女がやってきたらどうなる?という発想が元になっています。
【あらすじ】
雪山を脱走した雪女「白雪」は、南国沖縄まで逃げてきます。
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