No.177196

私のことを、夢の中へと 第一話

みかどさん

初めての投稿になります。

真・恋姫†無双 〜乙女繚乱☆三国志演義を題材に魏ルート後の一刀と華琳を中心にした魏メンバーのお話を書く予定です。

恋愛ものにするつもりですが、私個人としてシリアステイストが好きなので暗めなお話になってしまうかもしれません。

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2010-10-09 03:05:32 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2866   閲覧ユーザー数:2498

 

 

あの別れから何度も同じ夢を見る。

 

 

「……逝かないで」

 

 

それはすごく鮮明で、手を伸ばせば届いてしまうくらいに――――

 

 

「一刀……」

 

 

だが、いくら声を張り上げようとも変わることのない記憶の欠片。

 

 

「一刀……」

 

 

少女の口から俺の名が紡がれようとも答えることは適わず。

 

 

「一刀……!」

 

 

そして、別れの言葉と供に彼女の物語は終わりを迎える。

 

 

きっと、彼女は泣いてくれただろう。

枯れるほどの涙を流し、未練を断ち切り前へ進むんだ。

 

だから俺も進まなくちゃいけない。

あの言葉を嘘にしない為に、俺の物語を――――

 

 

 

 

朝の日差しを瞼越しに感じ、眠りから覚める。

 

 

「これで何度目かな……」

 

 

目尻に溜まった涙をふき取り、覚醒していない身体を起こして時間を確認する。

 

 

「後悔はしていない……ね、未練たらたらじゃないか」

 

 

あれから3年の月日が流れた。

可笑しなもので、あちらの世界で過ごした日々はこちらだと僅か1日の出来事だったようだ。

 

そのおかげもあり、無事に高校を卒業して現在は大学休学中である。

 

 

「それじゃ行きますか」

 

 

今日、俺は旅立つ。

彼女達と供に過ごし、駆け抜けたあの舞台――――中国大陸へ。

 

 

 

 

『私のことを、夢の中へと 第一話』

 

 

 

 

手続きを済ませ、搭乗ゲートへ移動する。

あと10分もすればアナウンスが入り搭乗の為、列ができるだろう。

 

 

「休学して中国に旅行なんて、かずピーも変わっとるなぁ」

 

「お前ほどじゃないよ」

 

 

こいつの名前は、及川佑。

高校時代からの悪友であり、九州生まれのくせに関西弁を話す可笑しな奴だ。

 

 

「それにしても寂しいやっちゃで、見送りがわて一人って……」

 

「俺と親しくしてくれる奴なんてお前くらいしかいないよ」

 

 

こちらに戻ってきてからは暇があれば竹刀を振るい、知識を求め本を漁っていた。

剣術については祖父から才能がないと言われ、あまり上達してはいないのだが……

 

そんなことをしていた為か、周りからは一人でいることが好きな奴という印象を持たれてしまったようだ。

 

 

「嘘いうたらあかんで!かずピーが今までどれだけの女の子たちを泣かしてきたことか!」

 

 

たしかに、この3年間で何度か告白されたことはあるが全て断ってきた。

女々しいと言われるかもしれないが、彼女達を忘れるなんて俺にはできなかったからだ。

 

 

「わいだったら、来る者拒まずでハーレムを作っとるのになぁ……」

 

「お前いつか刺されるぞ。俺が帰ってきた時、遺影に帰郷報告なんてさせないでくれよ……」

 

 

俺が言えた義理ではないかもしれないが、一応釘を刺しておくことにする。

 

 

「冗談はこれくらいにしてっと、そろそろ時間やな」

 

「そうだな……。それじゃ行くよ、またな、及川」

 

「かずピーも元気でな!」

 

及川との別れを告げ、搭乗ゲートへと歩を進める。

俺の物語を始める為、彼女達との決別の旅を――――

 

 

 

 

『あとがき』

 

 

『私のことを、夢の中へと 第一話』を見ていただき、ありがとうございます。

 

小説を書くなんてことが始めての為、あまり長い文章が書けず申し訳ないです。

 

 

この小説を読んで一刀と華琳は再会できないのではないか?と思われた方もいらっしゃると思いますが、そんなことはないのでご安心ください。

 

とは言っても、まだ話の構成が頭の中にあるだけで文章に落とせていないので再会するまでにかなり時間が掛かってしまうかもしれませんが……

 

小説というのは構成をしっかり考えて作るものだと思っているので勢いで作ってしまったことにちょっとした不安もあったり……

 

 

そんな愚痴はともかく、皆さんに楽しんでいただけるような物語を書けるよう頑張っていきますので暖かく見守っていただけると幸いです。

 

それでは、『私のことを、夢の中へと 第ニ話』でまたお会いしましょう!

 

 

 

 
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