この小説は、北郷一刀にいろいろな設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。
その点を踏まえて、お読みください。
修行をしているうちに、一刀が何故その年で喋れて、二本足で立てるのかが判明した。
氣の修行をして、一刀が誤って体の中にある殆どの氣を使ってしまったときがあり、
その後1日だけ、は全く立つ事ができず、喋る事も出来なかった。
実は、一刀は無意識に、喉と足の筋肉に、注意してよく見なければ分からないほどだが、
氣を送り強化していた事が、祭から告げられた。
そして一刀はこう考えた。
「(立つ事が出来れば今度は全身に氣を送り、自分の記憶に印象に残る運動能力を再現し、
感謝の正拳突きで自覚していなかったけど、この身体の持っていた氣の才覚が完全に開花した、ってことか。)」
と言う、かなり無茶苦茶だが、実は的を射ている仮説を立てた。
その後一刀は、雪蓮とその後に生まれてくるであろう自分の妹達を、その名の通り護るため無理しない程度に修行を続けた。
そして、祭(途中で入ってくる江東の虎にも一緒)に、修行をつけてもらって10年がたった。
一刀はその日、出かける準備をしていた。
今の服装は、赤いズボンに黒のシャツに赤い半そでの上着を着ている。
そして、白乾児と花を小さな籠に入れ準備も整った所で、さぁ出ようとしたその時―――。
ドンッ!
行き成り部屋の戸が開き、
「一刀~~! 一緒に市に行こう!」
キュッ!
そう言って、一刀にタックルして、右腕に自身の腕を絡めて胸を押し付ける雪蓮。
「うおっ!? ちょ、抱きつくな雪蓮!?(止めて! お兄ちゃん最近、理性にあんまり自信ないから!? お兄ちゃんのアレがおっきしちゃいそうです!!)」
もうカップにしてD近くほどは膨らんでいる雪蓮の胸、とても11歳とは思えない。
雪蓮の奇行は今に始まった事ではないが、毎回、特に胸が大きくなり始めた頃から胸を押し付けてくるようになってきてチョット困っている。
何せ、一刀は見掛けは11歳だが、精神年齢は祭より年上なのだから(正確には現在、精神年齢29歳)。
まぁ、それは彼が耐えれば済むことなので、良いのだが問題は―――
「だめよ雪蓮、一刀は私と是から、兵法を学ぶ約束をしているんだから。」
キュっ!
「そんなこと言ってませんよ!? と言うより、何時入ってきたの!? (あと、貴女も止めて!? お兄ちゃん、徐々に(バキューン)が(ドッカーン)してきたんだから!!)」
そして、逆側からは何時入ってきたか分からないが、冥琳がそう言ってあいている左の腕を、これまた発育の良い雪蓮と負けないほどに
11歳とは思えぬ、胸を押し付ける。
そう、困るのは、こうして出会った当初から雪蓮と対抗して、なにかと自分に抱きついてくる周家のご令嬢だったりする。
是だけで一刀の、心のゲージはもう点滅状態なのだが―――
クイックイッ。
「あ、あの……お兄様、れ、蓮華も……遊んで、欲しい……です。」
そう言って後ろから、おずおずと手を伸ばし服の袖を掴んで、せがむ7年前に生まれた孫権こと蓮華ちゃん七歳。
不安に顔をすこし赤くしながら、上目遣いでうるうるとした瞳で見つめてくる。
こういう風に、おしとやかな人物が周りにいないため一刀は
「え、えと……(だ、ダメだ蓮華! その捨てられた子犬のような瞳で見つめないでぇぇ!! お兄ちゃん思わず『うん!』って言っちゃうよ!?)」
と、もう精神的に、かなりきている一刀。
最早、心のゲージが1パーセントも残ってない、其処にとどめの一撃。
「どぉ~ん! おにいしゃまぁ~、しゃおと、あしょぼぉ!」
と、一刀の足に、小さな衝撃をあたえて現れた、4年前に生まれた孫小香こと小蓮ちゃん、4さい。
キラキラした無邪気な、瞳で此方を覗き込み、舌足らずな言葉で一刀を遊びに誘う。
「(あぁ、シャオ今は君の無邪気さに、お兄ちゃんはノックアウト寸前です……。)ゴメンな皆。今日は、行かなきゃいけない場所があるんだ」
普段は、ちゃんと順番を決めてみんなの相手をする一刀だが今日は違った。
もう末期な、精神患者のような状態になっているにも拘らず、そう言ってやんわりと断る。
その一刀の返事に、
「むぅ~。 私より大切な用があるの?(もしかして、女が出来たの!? は!? まさか、また祭!? ダメよ! 一刀は誰にも渡さないんだから!)」
と、頬を膨らませ文句をいい、内心とんでもない事を言う雪蓮。 絶対この子、11歳じゃない。
「むぅ……。 私の約束より大切なのか?(もしかして、他の女の人のところに行くのだろうか? まさか、また祭殿のところなのか?)」
と、探るような視線を向けて不満を言う冥琳。 だが、内心で思っていることは雪蓮と変わらないので、この子も絶対11歳じゃない。
「そう……ですか……ぐすっ。(蓮華は、もっと構って欲しいです……。)」
と、蓮華は寂しそうに目に涙を溜めて、顔を下に伏せる。 ハッキリ言って一刀に罪悪感がジワジワと這い上がってくる。
もし、思っていることも口に出されていたら、罪悪感はさらに計り知れない物となっていただろう。
「やぁー! おにいしゃま、しゃおと、あしょんえくれないとやぁー!」
と言って、服の袖を引っ張って不機嫌そうな顔で我侭を言う小蓮。 小蓮の不機嫌そうな顔は極力見たくない、何故ならそれが直ぐに泣き顔に変わってしまうからだ。
そんな四人にハァと溜息をつき、
「じゃぁ、皆も来る?」
と言うと、
「行くわ!!」
雪蓮と冥琳は間髪いれず返事をし、
「あ、あの……良いのですか?」
蓮華は遠慮がちだが、先ほどの涙を浮かべていた悲しい表情から、ぱぁっと花開いたような嬉しそうな顔を向ける。
「ほんと! うん! いく、いく! しゃおも、いくぅ~!」
小蓮も不機嫌な表情で、我侭を言っていたさっきとは違い今度は素直に、笑顔を向けてくる。
「じゃ、外に行くから、ちゃんと準備してきてね。」
皆が一刀に引きつられてやって来たのは、私有地の中にある山の森。
其処には、川がありもう少し行けば瀧になっている。
だが、一刀の目的はその森の中にある、小さな墓標。
其処には、先客がいた。
「あら、貴方達……。 随分と豪華な墓参りね。」
美蓮が、その墓標に参り終わった所だった。
其処には、『孫 陸海(りう) 子虎(シフー) 真名 水呉(シュイゴ) 此処に永眠る』と、掘ってあった。
「うん。今日は父さんの命日だからね。 父さんが好きなお酒、祭さんに頼んでもらったんだ。」
そう言って、一刀は徳利の栓を取り墓石にかけていく。
今日は、自分を拾ってくれた我が父、水呉の命日だった。
死因は……病死と言う事になっているが、実は、腹情死では無いかと一刀は思っていた。
母が、戦場から帰ってくるたびに、艶のある声が壁越しに響き渡って寝るに寝れなかったし、その声で起きてしまった雪蓮達の質問を、誤魔化すのにも随分と苦労した……。
そしてその次の日の朝の父の顔は、必ずやつれていた……。
そんな事はさておき、酒が無くなった所で、徳利に栓をして籠に戻す。
そして籠から、父の好きだった季節の花を添える。
「……。」
そして、一刀は黙祷をささげる。
その姿に、普段はちょこまかしている小蓮までもが、じっと見ていた。
今日の目的の墓参りも、無事終了したので、皆で帰ろうとしたところを一刀だけが美蓮に呼び止められた。
皆も、最初は抵抗したが、美蓮には頭の上がらない者たちばかりなので、渋々来た道を引き返した。
一刀と美蓮は墓から少し行った所にある瀧まで来ていた。
「如何したの? こんな所までつれてきて。」
「一刀……。貴方に昔私が行った修行をしてもらうわ。」
その時の美蓮の顔が、笑顔で面白そうと訴えていたのは忘れられない。
「どんな修行方法なんだ?」
「獅子は我が子を千尋の瀧に突き落とす。 そういえば分かるかしら?」
その言葉に、一刀の思考は暫し、停止してしまった。
「……(は? それって谷の間違いじゃ……! チョット待って、その言葉、この場所じゃ、冗談になんないんだけど……。)」
「分からない?」
そう言って、後ろを向く。
「私がやっていた修行。 それは、其処の瀧より落ちて、1年下に広がる森で生き抜くこと。まぁ、落ちるなんて冗談だけ……ど?」
と言って、振り向くと今度は、美蓮が固まった。
何故なら、目の前には、自ら瀧に飛び込む息子の姿……。
「じゃ! いってきまぁぁぁぁ…………。」
ドップラー効果で最終的には聞こえなくなってしまった。
「……ゴメン。 一刀……母さんあなたを甘く見ていたわ。」
冗談で、此処から落ちろなんていったのだが、まさか本当に飛び降りるとは思わなかった。
まぁ、一刀なら大丈夫だろうとは思っているが。
此処に来る前の昔の一刀なら絶対に逃げていただろうが、
今の一刀は家族を護るため強くなる事には、人道に反しない修行だったら、きつくても何でもやる。
是も、日々の弛まぬ鍛錬の賜物(?)だろう。
ただ、その後美蓮は、みんなの元に戻ったとき、先ほどは居なかった祭が、一刀に修行をつけてやると言っていたのだが、
自分と同じ修行をしに、瀧から落ちたと言ったら、祭が倒れて子供達がその内容を聞いて心配と寂しさで泣き出し、美蓮が苦労することとなった。
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ちわっす!
ちび一刀君が一刀Boyになりました。
少年ですよ少年。
では、どうぞ!