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猫目に、猫舌に、猫っ毛。
そういやあの子は猫みたいに可愛かった。
冗談で猫の鳴き真似をしてみてよ、と言うと特に抵抗するまでもなくちょっとだけ顔を赤らめ視線を外して、
「…にゃぁ……」
と小さく鳴いてくれた。
可愛い可愛い、俺だけの猫だった。
首輪を付けなくても誰のとこにも行かない忠実な猫。
そう、可愛すぎて連れ去られるなんて思ってなかった。
「………零(ぜろ)…」
誕生日にあげたネックレスを見て、ふわりと微笑んでくれた。
それから毎日、そのネックレスを付けてくるあのこの姿がたまらなく愛しかった。
『硝太(しょうた)さん』
最後に会った時、わかっていたのかもしれない。
猫は、自分の死期がわかるそうだから。
『さよなら』
いつも通りのまた、ではなくさよなら、を告げたあのこ。
また会おうという約束をせずにあいつと別れた。
猫目に、猫舌に、猫っ毛。
あいつは、猫みたいに可愛い。
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なにしたかったのかが、全くわからない 笑
高校生同士っていいと思う。