No.173225

真恋姫無双~ありえたかもしれない外史AF~ 第10話 三回戦×獅子 

ちいたさん

投稿です。生暖かく見守ってください。

2010-09-18 14:32:31 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:11725   閲覧ユーザー数:9554

この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。

なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください

 

夕方になったが、闘技場の盛り上がりは最高潮を向かえていた。美羽と七乃もその様子に圧倒されていた。

美羽「すごいの~」

七乃「本日最後の試合ですからね。それに準決勝に進む最後の一人が決まりますからね~」

七乃の言葉通り武闘祭の準決勝の進出者の内すでに三人が決定している。

一人目は前年優勝者の恋。恋は敵なしの強さで決めている。

二人目は魏の大剣である春蘭。こちらは翠と華雄との死闘を潜り抜けて決めた。

三人目は昨年の準優勝者蜀の軍神、愛紗である。愛紗も圧倒的強さで勝ち上がった。

美羽「一刀と雪蓮か……七乃はどっちが勝つと思うか?」

七乃「そうですね~。過去には一刀さんが勝っていますから……順当にいけば…」

華琳「北郷でしょうね」

美羽と七乃の会話に華琳が割り込んできた。

美羽「華琳!」

そのまま美羽の隣に座る華琳。

華琳「しかし、あの雪蓮がそのままのはずがないわ」

七乃「ですよね~」

華琳の言葉に同意をする七乃。そこで華琳は冥琳に視線を向ける。

華琳「あなたはどう思うかしら?」

冥琳「……難しいな。正直、一刀も測れない」

華琳「そうね」

そのような会話をしていると試合会場に審判が現れた。

 

審判に呼ばれた一刀と雪蓮は中央でお互いに向かい合う。

雪蓮「やっほ~、一刀♪」

  「相変わらず元気だな」

雪蓮が一刀に手を振るのを見て、一刀は苦笑をする。

雪蓮「ふふっ…一刀と戦うのってあの戦以来かな?」

  「そうだな」

雪蓮「あれから二年以上たつのね…」

  「……ああ」

審判「……両者そろそろ」

審判に促されて距離をとる一刀と雪蓮。そして、一刀は白夜と月詠を連結させて双剣の形にして構える。雪蓮も南海覇王を抜いて構える。

雪蓮「……一刀」

  「なんだ?」

一刀が雪蓮を見ると、雪蓮が笑みを浮かべていた。

雪蓮「試合…楽しみましょうね~」

審判「始め!!」

 

審判の掛け声と同時に一刀が一気に雪蓮の懐に入り込む。

雪蓮「……」

思わぬ一刀の先制攻撃だが雪蓮は落ち着いていた。一刀が双剣を左から右に振るう。雪蓮はその攻撃を南海覇王で受け止めて弾く。

雪蓮「はっ!!」

一刀の攻撃を弾いた雪蓮はその勢いのまま剣を振り落とす。一刀はその攻撃を双剣で受け止める。そして、両者そのまま鍔迫り合いになる。

雪蓮「相変わらず凄い攻撃ね」

  「…それはどうも」

刃が互いの顔の前にある状態で鍔迫り合いをしている。そして、そのまま鍔迫り合いのまま両者動くことはなかった。

雪蓮(ちっ……このままじゃ押し切られるわ…なら)

雪蓮が南海覇王の刃を僅かに動かして一刀の瞼に近づける。すると一刀の瞼の上が切れてそこから血が流れる。

  「っ!!」

瞼から流れた血が一刀の目に入り、一刀の力が抜ける。

雪蓮「はぁぁぁぁぁ!!!」

僅かに一刀の力が抜けると、雪蓮は南海覇王に力をこめて双剣を弾く。

「くっ!!」

雪蓮「逃がさないわよ!!」

鍔迫り合いに負けた一刀が雪蓮と距離を取ろうとしたが、雪蓮はさらに一刀との距離を詰める。

雪蓮「いやぁぁぁぁぁぁ!!」

雪蓮が片手で南海覇王を一刀目掛けて振り落とす。一刀はその一撃を見て受け止めずにそのまま後方に跳躍する。

雪蓮の一撃は凄まじい音とともに地面突き刺さった。地面には雪蓮を中心にクレーターができていた。

 

雪蓮「ちっ……」

  「おい、こら…雪蓮」

攻撃をかわされて舌打ちをする雪蓮に一刀がツッコミをいれる。

雪蓮「何よ~…一刀」

  「……いやなんでもない」

言いたいことはあったが意味がないと思い、一刀はそのまま血を拭って口を閉じる。雪蓮は地面に刺さった南海覇王を抜いて、構えをとる。

雪蓮「行くわよ!!」

雪蓮が再び一刀に向かって突進する。一刀はそんな雪蓮を見て双剣を分断して二刀流にする。

  「はっ!!」

一刀は向かってくる雪蓮に氣の斬撃を放つ。

雪蓮「ふっ!!」

斬撃が当たる直前でいきなり雪蓮の姿が消える。突然消えた雪蓮に観客席からどよめきが起こるが、一刀の顔に驚きはなかった。

雪蓮「せいっ!!」

消えた雪蓮が一刀の背後に現れて、南海覇王を振り落とす。

雪蓮「っ!!」

しかし、一刀は振り向きもせずに背を向けたまま左手の月詠でその一撃を受け止める。そして、そこから振り向き右手の白夜で攻撃をする。

雪蓮「ぐっ!!」

かろうじて南海覇王で一刀の攻撃を受け止めるが雪蓮の端整な顔が歪む。さらに一刀はコマのようにその場で回転して月詠で攻撃をする。一刀の攻撃を受けて雪蓮は弾き飛ばされる。

雪蓮「くっ…」

一刀の攻撃で弾き飛ばされた雪蓮であったがすぐに立ち上がる。ダメージはそれほど受けていないようであった。

 

起き上がった雪蓮を一刀は冷静に観察をする。

  (飛ばされる直前に自分から飛んでダメージを抑えたか……さすが雪蓮)

雪蓮の身のこなしを心の中で賞賛する一刀。雪蓮は戦闘の天才であることは自他共に認める所である。そこで一刀は雪蓮を見てあることに気づく。

  「うわっ……」

思わずそう呟いた一刀。起き上がった雪蓮の雰囲気が先程までとは全然違っていたのである。

雪蓮「くっ……あーははははははっ!!!!」

起き上がった雪蓮が狂ったように笑い声をあげる。ただでさえ容姿が整っているのでその笑い声はより狂気を増している。

雪蓮「ほんの少しの攻防でこんなにも身体が熱くなるなんて…やっぱりあなたは最高ね…一刀!!」

そう言って南海覇王の刃先を一刀に向ける雪蓮。そして、再び雪蓮は構えを取るが。その構えは先程までとは全く異なっていた。それは果たして構えと言えるのであろうか。雪蓮は剣を構えることをせずにただその場所に立っていた。しかし、雪蓮は笑っていたが一刀を見つめる瞳は獲物を前にした獅子のような目をしていた。

雪蓮「さあ…一刀。死合いを楽しみましょう」

  「雪蓮……字が違うぞ」

雪蓮「間違っていないわ…よっ!!」

そこで雪蓮が一気に一刀との距離を詰める。一刀も剣を構えて雪蓮を迎え撃つ。

雪蓮「はっ!!」

  「ふっ!!」

両者の武器がぶつかり、そこから数合打ち合う。しかし、徐々に雪蓮が一刀を押し始める。

雪蓮「あははははは!!一刀、どうしたの?あなたの力はそんなものじゃないでしょう」

  「くっ!!」

雪蓮の苛烈な攻撃に一刀の顔が歪む。そこで一刀はたまらず雪蓮と距離を取る。雪蓮は一刀に追撃をかけることもせずにそのまま止まる。

  「はぁ…はぁ…はぁ……」

一刀は乱れた呼吸を整えつつ雪蓮を見る。雪蓮は笑顔で一刀を見ていた。

  (追撃をしてこないのか……だったら)

一刀は白夜と月詠を強く握りなおして、左足を前に出して構えを取る。そこから一刀の全身が青白い氣で包まれる。

 

  「行くぞ…雪蓮」

一刀が一気に雪蓮の懐に入り、白夜を振り上げる。雪蓮も一刀に負けじと攻撃を仕掛ける。

再び両者が激しい打ち合いをする。

  「……雪蓮、これで終わりだ」

一刀がそう呟いた瞬間、雪蓮が攻撃を仕掛ける。

 

 

雪蓮「っ!!」

雪蓮が振り落とした南海覇王が一刀にあたる瞬間にその姿が霧散する。それは一刀が星や霞を倒した技と同じものであった。しかし、そこで雪蓮が不意に誰もいない空間に剣を振る。

雪蓮「そこ!!」

  「なっ!!」

雪蓮が攻撃をした場所に、驚愕の表情をした一刀が現れる。そして、一刀はそのまま雪蓮の攻撃をくらう。

  「がぁ……」

雪蓮「捕まえたわよ…一刀」

雪蓮の攻撃をくらい、一刀の動きが止まる。もちろん雪蓮がその隙を見逃すはずがない。

雪蓮「はぁぁぁぁぁぁ!!!」

さらに雪蓮は追撃をかける。激しい雪蓮の攻撃を一刀はかろうじて防いでいく。

雪蓮「これで……終わりよ!!」

雪蓮は足を強く踏み込んで南海覇王を強く握り一刀に攻撃をはなつ。

 

後書き

雪蓮との戦いですが、何とか書けました。ただ…何か雪蓮を強くし過ぎた感があります。大丈夫かな?はやく執筆すると言っておいて決着がつかずにすみません。次回でケリはつきますので頑張ります。

ではみなさんまた

 

設定 一刀の技

『残月』 氣を使い周辺に結界をはり、相手に幻影を見せて相手の隙をつく技。

     イメージは某妖怪漫画の若頭の劣化版アレ。

     莫大な氣を消費し、使用した直後は身体が思うように動かないという欠点がある。

     何となくイメージつきました?…不安です


 
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