No.172129

大好きだから… ~They who are awkward~ 第6話

みーくんさん

気づくとそこは病的なまでに白い病室……ではなく

2010-09-12 23:03:38 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:416   閲覧ユーザー数:416

 

 

「おーい、生きてるかー?」

 

恭一の声で俺は目覚めた。

 

「俺は優しくて友達思いだから差し入れを持ってきてやったぞ」

 

さくらんぼだった。

 

「いや、ここ学校だし……」

 

辺りを見回して確認するとここは病院などではなく学校の保健室だった。

窓からはグラウンドが見えるし。

 

 

「細かいことはいいんだよ」

 

恭一はさくらんぼを自分で食べ始めた。

 

フリーダムである。

 

「ところで悠樹。言いたいことがあるんだがいいか?」

 

「どうしたんだ?」

 

いきなりなんだろうか。

 

「実在している方が大事だと言うのはわかる。

だがな実在していないほうの児童がいる方が悪いみたいなのはおかしいと思わないか?

まずそもそも確認しろと。そして最後にぶつかってきたのはそっちだろうと」

 

恭一が真面目な顔をして俺に言う。

 

「まぁそうだな。つまりは実在していようがいまいが俺は児童の味方なんだ」

 

と、最後に満足したように恭一が締めくくった。

 

「ごめん。まったく意味がわからない」

 

ちんぷんかんぷんである。

 

「素直に自分の非を認めようぜって話だ」

 

そこでチャイムが鳴る。

 

 

 

……チャイム!?

 

 

そういえば何時だ今。

 

時計を確認すると最後の授業が終わったみたいだ。

 

「なんでここにいるんだよ……」

 

「だから俺は優しくて友達思いなんだよ」

 

「ただ単にサボってただけじゃ?」

 

「結果としてそうなっただけだ。確かに結果も大切。でも過程も大切。どっちも大切。」

 

「まったく……」

 

 

 

 

 

それでも心配してくれていたようなので口には出さないが素直に嬉しい。

 

「まぁショックなのはわかるが元気出せよ」

 

「なんの話だ?」

 

「朝の話だよ。聞いてなかったのか?」

 

「いや、朝から頭痛がひどくて耐え切れなくて俺倒れたんだ」

 

「ん?そうなのか?なんだ俺らはてっきりそのせいかと。だったら急いで病院に行くか?」

 

「いや、なんか今はまったく痛くないから平気」

 

そう、朝の痛みが嘘のようになくなっていた。

 

それよりも恭一の話が気になる。

 

「なぁそれよりも朝の話ってなんだ?」

 

「あ、あぁ………まぁ落ち着いて聞けよ?」

 

「わかったよ」

 

「昨日の夜……な。澪サンが病院に運ばれたらしい

今、治療しているらしいが重症らしくてなそれで……」

 

 

 

意味が         わからなかった

 

 

 

目の前の景色が歪む。

 

えーと俺昨日屋上に行ってそれで俺澪先輩とあってそれで上に登って隣に座って話して、

でも澪先輩は元気で、昔と違って満足してるって言ってくれて、

あれ、俺澪先輩が最後に言った言葉になんて返したんだっけ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………い……おい!!!! しっかりしろ!!!!」

 

恭一が俺を揺する。

 

「いいか、人の話は最後まで聞けよ。確かに重症で運ばれたが………」

 

 

 

 

 

 

 

「えぇと、まず悲しいお知らせがあります。非常に言いにくいのですが、

私達の一つ上の学年の佐久島 澪さんがですね、

詳細は不明なのですが昨夜に重症で病院に緊急で運ばれ、

大手術の末、一命を取り留めました。

なお、発見された場所が公園で、警察は事件、事故両方で捜査をしているそうです。

ですので皆さんには必要が無い限り夜に出歩かないこと。

また一人きりでの行動を謹むことにしてください。

それから………………………………」

 

 

 

 

「とのことらしい。いいか、悠樹、先走って早いのは女には嫌われるぜ」

 

恭一が笑いながら言った。

 

 

「ま、意識はまだ戻ってないらしいが…… あの人なら大丈夫だろ。

だからそんな辛気臭い顔すんな。お前が落ち込んでたり、そんな面したところでどうにもならねぇだろうが?

今お前が出来ることをしやがれ」

 

 

 

「そう……だよな…」

 

事件事故か……… 自ら命を絶とうとしたって訳ではないと思う。

 

昨日の澪先輩を信じるならそんなことは有り得ない。

 

だとしたら誰が澪先輩を……

 

 

 

 

そこで保健室のドアが遠慮がちにノックされた。

 

「あのぅ、失礼します」

 

茉莉子だった。

 

「兄さんは起きていますでしょうか?……兄さんっ!!」

 

俺が起きているのを確認した途端俺に抱きついて来る。

 

「ふぐっ!!!茉莉子痛いって」

 

「あぁよかった。兄さん倒れたって聞いた時すごく心配で昼休みに様子を見たときもずっと寝てて、

このまま起きなかったらどうしようって……」

 

 

茉莉子が涙を浮かべながら俺を上目遣いで見てくる。

 

あぁすごく可愛いなぁ。これで心が動かない男がいるわけがない。

 

「ありがとうな茉莉子。それとごめんな心配かけて」

 

定番のように茉莉子の頭を俺が撫でる。

 

するとこれまたいつもどおり、茉莉子があぅあぅと言いながら顔を赤くするのであった。

 

 

 

「悠樹…………お前、俺と代わりやがれ!! なんだそれは?

俺へ見せ付けるためにやっているのか!? 羨ましいヤツめ!!!」

 

恭一がさっきまでと打って変わって俺を糾弾する。

 

 

 

 

 

「失礼しまーす。悠樹起きてますかー?」

 

美樹もやってきた。

 

「あ、悠樹目が覚めたんだ… よかった。具合は悪くない?」

 

美樹も俺たちの輪に加わる。

 

「ああ、別に平気だよ。あー、ありがとな心配してくれて」

 

美樹にも礼を言う。

 

美樹もおせっかいというか、茉莉子と同じくらい心配性というかなんというか。

 

「う、うん。あ、そうだ先生に佐久島先輩のがいる病院聞いたけど、

今はまだ面会謝絶なんだって。意識が戻って元気になるまで待ちなさいって言われたんだよね」

 

「そうなのか……でもしょうがないか」

 

意識が戻るまで我慢しよう。無理に行っても迷惑かけるだけだしな。

 

「あれ、そういえば保健室の先生はいらっしゃらないんですか?」

 

茉莉子が落ち着いたのか俺から少し離れ、先生がいないことに気づく。

 

そういえばいないな、どうしたんだろうか。

 

「先生なら職員室にいると思うぜ。俺がここに来て、悠樹見てるって言ったら、

少しやらなきゃいけないことがあるからなんかあったら呼んでくれってよ」

 

「ここの学校、存外テキトーだったのね。ま、別にいいんだけど」

 

美樹が少し呆れていた。

 

「ま、いいわ。とりあえず今日は終わったことだし帰りましょう?」

 

「美樹さん部活はないんですか?」

 

美樹に茉莉子が尋ねた。

 

「うん、なんか今後について話し合うから全部活今日は休みだってさ。

ま、もともとテストが近いから休みになってトコが大半だったけど」

 

そうして四人で帰っている途中、

 

「あ、そうだ。俺さっきお前に出来ることをしろって言ったよな?」

 

恭一が俺に思い出したかのように俺に言う。

 

「いいか悠樹、とりあえず見舞いに行くのはちょいと厳しいが今のお前にはやることがある。

 

 

それはな――――――――――――――――――」

 

 

 

 

 

 

*** あとがき ***

 

第6話ですね。

ホントは7話もあげる予定でしたがまだ出来ておらず投稿するには至りませんでした。

途中まで書いてるんですけどね。

投稿する間隔ってどれくらいが普通なんですかね?

自分は、まぁ遅くて1週間、早くて2日、3日ぐらいだと思うんですけどどうなんですかね…

出来るだけ早く投稿出来るよう頑張ります。

それと2話に誤字あったんで訂正しときました。

「いつもどうり」× → 「いつもどおり」〇

でしたね。もうね、小学生以下かと…………

誤字とかありましたら報告をお願いします。

読んでいる時に誤字とかあったら多少なりとも読む気を損なわせてしまうと思いますので。

最後に、自分の書いている作品にまだ愛想をつかさず見ていただいている方達に激しく感謝です。

頑張ろうという気が沸いてきます。

ではまた次の話ににて。


 
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