反董卓連合が汜水関と対峙していた
「とりあえず孫策さんの策でいきましょう」
「「おう(なのだ~)!」」
桃香陣営は雪蓮の策通り愛紗,鈴々を汜水関の前に出し華雄を愚弄した。
「わわわ忘れ物~♪真名の忘れ物~♪あの日あの時付け忘れてた伝説の真名を~♪」
「ただの華雄には興味ないのだ~!この関の中で真名が無い!やられ役!弱い華雄がいるなら鈴々の所に来るのだ~!以上なのだ~!」
「弱い華雄が出てこない…この任務絶対成功させてくれる!祖父の名にかけて!」
「弱い華雄はいないのか~!チェックだチェックなのだ~」
しかし汜水関の方では何度か『華』の旗が動くがすぐひっこんでしまうのだった。
「まずいな…」
確かに…いろいろまずいと思います…じゃなくて、冥琳は華雄がなかなか出てこない事に焦っていた。
雪蓮もそう思っていた。
「きっと張遼あたりが止めているわね……。私も出るわ…」
「却下だ!」
「却下は却下よ」
「もしかして文台様の事を…」
「せ~かい!」
「しかし!」
「でも今のままじゃいくら待っても状況は変わらないわ」
「そうだが…」
「一番有効な手はこれしかないわ!」
「そうだな…」
「そういう事で袁術ちゃんに言ってくるわ~」
そう言うと雪蓮は袁術の所に行ってしまった。
その頃レイは思春とともに待機していた。
「なあ…レイ、カスミの事心配…なのか」
思春はレイに問いかけた。
レイはずっと霞の旗を見ていたからだ。
(そうだよな…恋人だもんな…でも)
心の中では仕方がないと諦めてはいたがどこか面白くなかった。
しかしレイの答えは意外なものだった。
「心配はしてないよ。カスミは仮にも俺のいた解放軍では将として働いてくれていたからね。どちらかと言うと思春の方が心配かな…」
(一緒に寝るようになって何かおかしくなったのかな…俺)
レイは思春と一緒に寝るようになってから彼女を守りたいという気持ちが強くなっていった。
「!!……そうか」
(それは弱いと言う事なのか……)
思春は自分が弱いといわれていると思い少し落ち込んだ。
その事に気付いたレイはあわてて訂正した。
「し…心配っていうのは弱いとかじゃなく女の子だからとかそういう…なにいってんだ!……とりあえず守りたいと思っただけだから」
それを聞いた思春は顔を赤らめた。
(弱くなくて守りたいって…もしかして…)
思春は顔を赤らめたままして欲しい事を言った。
「…手を握れ」
(戦いに行く前に力をくれ…)
「…うん」
レイは思春の手を握った
(……思春の手やっぱりちっちゃくて柔らかい…)
(レイの手は暖かいな…)
そうしていると袁術に許可を貰ってきた雪蓮が戻ってきた。
「二人とも…今から劉備軍の所に行くんだけど…」
「「!!」」
雪蓮の声にびっくりした二人。その勢いで手を放してしまった。
思春はさらに顔を赤らめてしまった。
「ふ~…しかし、まだ敵軍は動いていませんよ」
レイはすぐ正気に戻り雪蓮に聞いた。
「それと関係あるのよ。今から私も行くから二人に先鋒を任せたいの」
「しかし本陣はどうするのですか?」
レイは不安になった。大将である雪蓮が前に出た場合の事は考えていなかったのだ。
しかし雪蓮の答えに安心した。
「本陣には冥琳と明命に指揮を取らせるわ…私も相手が釣れたら急いで本陣に戻るから…それですぐにでも出れる?」
「はい!……思春」
「は…御意!」
思春はレイに揺すられ正気に戻った。その後劉備軍と合流する為すぐ移動した。
「劉備…調子はどう?」
雪蓮は劉備軍に合流すると桃香に現状を確認した。
「孫策さん、全然だめです。ところでどうしたんですか?」
「華雄を釣るの手伝いにきたわ」
「でも作戦と違うんじゃ…それに袁術さんの目があるって…」
「大丈夫よ…。それに袁術からは許可を貰ってきたから。…それじゃあ、甘寧!レイ!」
「「はっ!」」
「今から華雄を釣りに行く!行くぞ!」
「「御意!甘寧隊(レイ隊)旗を掲げよ!進軍!」」
雪蓮を先頭にレイと思春は愛紗たちの所に向かった。
「関羽、張飛…ご苦労様」
「孫策殿…どうして」
「華雄を釣りにね…だから二人は少し下がっていて」
「わかりました…鈴々」
「おうなのだ~」
二人が下がったのを確認した雪蓮は華雄を愚弄した。
「覚えてますか?あの時の戦い……
覚えてますか?孫文台に祝福を与えたあの戦いの伝説を……
それも今は遠い昔……思い出になってしまった戦いの音……
でも……目を閉じれば聞こえてくる……
だって、華雄は孫文台に負けて今ここにいるから。
だから忘れないで……
わたしの想いが……再び華雄を倒せることを……」
雪蓮が言い終わると「華」の旗が上がり関が開いた。
それを確認した雪蓮は指示を出した。
「相手を釣った!今から引っ張っていく。張遼は頼むと劉備軍に伝えよ!」
「了解!」
伝令は雪蓮の言葉を聞くとすぐ劉備軍に伝えに行った。
「さてと…私はいったん引くけど二人とも頼むわよ」
「御意!」
「大丈夫ですよ」
二人の返事を聞いた雪蓮は本陣に急いで戻った。
開かれた関に一人出てきた。
「我が名は華雄!貴様ら今まで言いたい事言ってくれたな!その落し前きっちり付けてもらおうか!華雄隊突撃!」
華雄は名乗りを上げ思春たちに突撃をかけた。
「さて…どうする」
「少し後退してから戦おう!」
そう言うとレイと思春は隊を少し後退させ敵を誘導した。
「待て!逃げるな!」
華雄は今まで愚弄された事で頭に血が上っていた。
そして汜水関から完全に分離出来たのを確認したレイと思春は隊を反転させた。
「「今から反転して攻撃に移る!甘寧隊(レイ隊)反転しながら抜刀!」」
そして華雄隊との戦闘が始まった。
兵数では華雄隊の方が多いが華雄は冷静ではなく、百戦錬磨のレイに隠密部隊筆頭の思春が隊を率いていた為兵数差を物ともせず戦っていた。
「レイ…すまんが隊を任せていいか?」
「わかりました…頑張ってね」
思春は華雄と一騎打ちをする為に隊をレイに任せ敵陣に乗り込んだ。
(レイに頑張ってって言ってもらっちゃった!!)
思春は上機嫌で華雄を探した…。
ほどなくして華雄を見つけた。
「華雄!…我が名は甘寧…呉王孫策様の為命を頂こうか…」
「出来る物ならしてみろ!」
そう言うと華雄はを振り下ろした。
しかし思春は一歩下がり避けた。
(やはり…レイに比べたら攻撃が遅い…)
レイと一騎打ちをするようになってから思春は敵の攻撃が今まで以上に見えるようになり、又行動もすばやくなった。
なので華雄の攻撃を次々避けていった。
「えーいちょこまかと…」
「(チリーン)…鈴の音に気を付けろ…」
そう言うと思春は華雄の後ろに立ち鈴音を振り上げた。
「ぐぁ!」
「華雄…討ち取ったり…」
周囲を確認した思春はレイの所に戻った。
その後汜水関は桃香たちにより制圧された。
雪蓮の策が見事ハマったのだ。
そして桃香の信用を得ることに成功し同盟を結んだ。
この戦いの夜、天幕の中レイは思春と一緒にいた。
「思春…怪我してない?」
「…大丈夫だ……一騎打ちで大分鍛えられたからな」
「良かった…でも一応…水の紋章よ…主より命じる…優しきしずく」
レイはもし何かあったら嫌だったので水の紋章を発動させた。
思春も少し呆れたが嬉しかった。そしてある事を思い出した。
「ホントに…一騎打ちと言ったらあの時のご褒美貰ってなかったな…」
「う…でも今は」
「大丈夫だ…レイ」
「…はい…」
レイはいつも家でご褒美をする時は慣れてしまったが、さすがに恥ずかしかった。
しかし覚悟を決めてレイは思春の前に立った。
ギュ…
レイは思春を抱きしめた。
もし一騎打ちで思春がレイに勝った時は抱きしめると約束したからだ。
(…恥ずかしい…でも思春…いい香りがする…)
(レイ~!やっぱりいい抱き心地だ~!)
その後二人は一緒に寝た…。
レイたちは気づいていなかった。誰かが見ていた事に…。
朝になり連合軍は虎牢関にむかう為移動を始めた。
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第3章3部です。
あらすじは題名通りです。
う~ん大丈夫だろうか…。
今回はいろいろオマージュしました。
わからない人ごめんなさい。