苦しい・・・・
そろそろ・・・なのかな・・
「魂狩らせろ」
「うるさい・・」
このお喋りネコは狩る事しか知らないのか・・・
白い毛に覆われた、見た目愛らしいネコは妙にドスい声で毎回毎回脅してくる。
外ヅラはいいけどボクと二人だけになるとまん丸の大きな目で一言「狩らせろ」。
舐めてるのか・・コイツは・・・
「苦しいだろ」
またお喋りネコはボクのひざの上にのって言った。
「・・・まぁね。寿命も減ってきてるし。なんせ病気もちだから・・・」
「さぞかし苦しいだろ。苦しいだろ。苦しいだろ」
うるさい、と言った瞬間にネコの姿はなく、れっきとした「人間」の姿になっていた。
「・・・諦めるか?死ぬか?」
ぐっと力を入れられた瞬間に力の抜けたボクの身体はすぐに押し倒された。
「・・・・・・まだ死にたくない」
「何故 もう残り少ない命だろ。それとも未練でもあるのか?」
「ある訳じゃない・・ただ・・・」
「別にお前を傷つけたい訳じゃない。狩らせろ。」
上をまたいで短剣をノドに突きつけるネコ・・・いや
―死神―
今にも殺されそうなのに何故かそれ程恐くない・・・
「イヤだと言ったら?」
「・・・・・・狩るのみだ。」
知ってる。
この死神はボクの命を狩る事は出来ない。
何故なら・・・
こんなに愛しい物を撫でる様にボクの髪を撫でるヤツが
殺せる訳がない・・・
「ほら、・・狩るんでしょ?」
わざと首を差し出してみた。・・・ちょっとだけ意地悪してみたかった。
少しでも動かそうものなら切れる程に押し付けられた首はヒリヒリとうずく。
「・・・」
「・・・」
黙ってしまった。お互いに・・・
何か言ってくるのかと思ったら意外だった。
「・・・本当に我は死神の落ちこぼれだな・・・」
優しい笑み。でも何処か寂しそうだ。
「ほんと、落ちこぼれだよ」
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ボク=主人公(ボクしか言いませんけど)
ネコ=普段
死神=ボクの命が尽きる時、魂を狩る時だけ死神
こおゆうのを最近暖めてました。
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