今年の夏は暑い…現代の話だけじゃないよ?この外史もです。
漢全土で記録的猛暑になったこの夏…此処も例外ではありませんでした。
---長沙・華陀の診療所…の横の天幕---
熱射病の患者が大量発生してんてこ舞いの状態です。数が多すぎて診療所に収まりきらず、天幕が増設された。
幸い、華陀の弟子がある程度、使えるようになっていたので、熱射病での死亡者はいない。
そんな時、一刀が華陀に呼ばれた。
華陀「一刀、なにかいい案は無いのか?…このまま暑いとそのうち死人が出るのは確実だ。」
一刀「熱射病に夏バテねぇ…これに関しては医術の心得が無い俺でも対処出来るな…」
華陀「氷や水で冷やす…なんてのは無しだぞ?」
一刀「氷はともかく、水は馬鹿にしては駄目だよ?。冷やし方次第なんだよ…ただ、『霧吹き』があればの話だな。」
華陀「他には無いのか?」
一刀「初期症状ならば水分と塩分を補充すればいい。汗、なめると塩味がするだろ?身体から塩が抜けている証拠なんだよ」
華陀「それから?」
一刀「夏バテが解消されれば熱射病の症状も少しましになる。『甘酒』なんていいな」
華陀「酒なんか飲ませたら、脱水を起こすぞ?」
一刀「『酒精』が入って無ければ脱水にはならないよ。作り方は酒と一緒、『酒精』が出来る前に樽からあげれば良いだけ。すぐ供給出来る…雨蓮さんの許可が下りればの話だけど…」
ここで解説、『甘酒』は江戸時代、夏に飲まれていました。今でいうところの、栄養ドリンクとして飲まれていました。
売り子が天秤に担いで、冷たく冷やした甘酒を売り歩いていたそうです。
一刀「まあ、『塩』の供給量を上げて、塩の値段を下げるしか、手が無いな。幸い、在庫は山ほど有る。これは、金庫番の百合を説得か…」
華陀「さっき言った『霧吹き』はどうなんだ?」
一刀「図書館の中を探してみるよ。構造が解れは職人に作ってもらうよ。」
華陀「今年の暑さは尋常じゃ無い。緊急ではないが、急いでもらうとありがたい。」
一刀「善処するよ。じゃな!」
そんなこんなで、百合ちゃんこと、諸葛瑾に塩の緊急流通をお願いし…
図書館の蔵書の中から『霧吹き』に関する資料を探すように、睡蓮にお願いし…
雨蓮さんをどうやって説得するか冥琳に相談していた。
冥琳「無理難題にも程があるな。甘酒を生産すれば当然、酒の生産量が減る→自分の飲み分が減る…なんて思考に行くのが目に見えている…」
一刀「そこを何とか…博打的でも良いから…」
冥琳「博打か………ひとつあるな。」
一刀「なになに?」
冥琳「囲碁だよ。ただこの前、対局したのだ。珍しく雨蓮様が先手を所望されて、それに乗ったのだが…負けてしまった。」
一刀「何それ、強くなってるの?」
冥琳「いや、接戦だったのだが、一目差でな…」
一刀「……?、さっき『珍しく先手を所望』とか言ってたけど、雨蓮さんて基本、後手番で打ってたの?」
冥琳「普段は『白が好き』とおっしゃっていてな。それがどうした?」
一刀「平手で?置き石無しで?」
冥琳「そうだが?」
一刀「…冥琳、雨蓮さんから、『コミ』って聞いたことある?」
冥琳「??、聞いた事が無いな…」
一刀「雨蓮さん、ひどいな…『コミ』っていうのは……」
説明中………
冥琳「くっくっくっ…雨蓮様もお人が悪い…私の本気を見せてやる…北郷、甘酒の件、任せておけ。」
一刀「う、うん。任せたよ、冥琳。じゃあね…」
そそくさと、部屋を後にする一刀…
一刀(冥琳、怒ってたね………しーらないっと………)
数日後、天式の囲碁のルールを熟知した冥琳が雨蓮さんをコテンパンに負かして、甘酒の生産を認めさせたのは言うまでも無い…
雨蓮「先手が圧倒的有利なんて、本を見るまで、知らなかったんじゃ…冥琳に勝ちたかっただけなんじゃ…」
あとがき
どうも、nakatakです。
私自身は将棋はやっても囲碁はやらないんです。故に最初、私も『コミ』って何?な人でした。
新聞の囲碁欄に『コミ六目半』とか書いてあって、何の事かいなって思ってましたね。
ほんとに『先手必勝』なんですよね囲碁って、『コミ』が無いと…
それでは、また。
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少し拠点っぽいものを…
昔の人の夏バテ対策を調べていたら、こんな話になりました。
それでは、どうぞ。