今、葉留佳と私の二人でフローリングの部屋で思い思いのことをしている。
……はずなんだけど、葉留佳は本を読んでいる私の近くにわざわざ陣とって携帯をいじっている。
「お姉ちゃん、暑いーっ」
服の胸元を開け、うちわで風を送り込んでいる。
「暑くて何もやる気が起きないーっ」
「だから?」
「……ム~っ」
ムスッ、と膨れる葉留佳。
はぁ…結局は暇を持て余しているようね。
私は無視を決め込み、本のページをめくる。
「……」
「……」
――じ~っ
横からじとっとした目線。
「お姉ちゃん」
「……」
「お姉ちゃ~ん」
「……」
「お姉ちゃんってば」
「はぁ…何よ?」
横を向くと、葉留佳の口元がわずかに上がった気がする。
「……お姉ちゃん、汗臭い」
「え!? うそっ!?」
慌てて自分の服の臭いを嗅いでみる。
「…そ、そんなに臭うかしら?」
「あれ、お姉ちゃんからじゃなかったかな? ちょっと確認……どれどれ」
葉留佳が、腰をしならせ、まるで猫のようなポーズで私に近づいてくる。
顔は…何か企んでいそうな感じがするんだけど。
座っている私に、四つん這いで覆いかぶさるかのように位置取った。
「くんくん、くんくん」
「ど、どう?」
「ありゃ、おかしいですネ。ミントのいい香りしかしないよ。はるちん勘違いっ」
「はぁぁ…嘘でもそんなこと言わないで欲しいわ」
「ごめんごめん…あ、私はだいじょーぶ?」
「ええ、全然…」
さらに距離を縮めてくる。
「ちょ、ちょっと葉留…」
「しまったーっ! はるちんうっかり手が滑ったーっ!」
――ぽふーんっ
「お姉ちゃんに、ぎゅ~~っ」
「こ、こら葉留佳っ! 抱きつかないでよっ!」
「お姉ちゃ~ん、一人じゃ起き上がれない~っ」
「は、放しなさいっ! あ、暑いでしょっ!!」
「暑いときにくっつくのがまた乙なのですヨ」
「あーっ、もうっ!」
■あとがき?
姉妹百合は最高だと思うんです。
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リトルバスターズ!のSSです。お姉ちゃんが大好きな葉留佳。今日も一緒にくつろいでいた佳奈多にちょっかいを出しているようです。
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