過去、多くの画家たちが、多くの詩人が、多くの人間達が、後世に伝うるべく天使の姿を残してきた。その多くが、人間に受け入れられる容姿、崇めざるを得ない程美しいものとして描かれてきたが、それは大きな間違いである。なぜ、姿を変幻自在に変えうる彼らが、人間に媚を売るかのように端麗な姿で現れるだろうか。それでは甘言を持って人を謀る悪魔そのものではないか。信仰心を試す時、最も効果的なのは寧ろ醜悪な姿ではないか。神は人の欲を満たすために存在するのではない。神は人に誇示する必要すらなく神なのだ。天使もまた然るべく、彼らは彼らのままであるのである。そして、それは前触れもなくあなたの前に現れて、第一の笛を吹くだろう。終焉を呼び、審判を下すカギとして。