No.160995

真・恋姫†無双 頑張れ一刀くん改 その4

ご都合主義だm9(゚д゚)っ

2010-07-26 23:28:07 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:15640   閲覧ユーザー数:11328

 

 

 

一刀が義勇軍を発足してから約二月が経過した。

その頃、既に義勇軍は一万人を超えていた。

風と稟によって北郷義勇軍の勇名は大陸各地に喧伝され、勇猛な兵士たちが集まるようになっていた。

 

 

ここに来てようやく重い腰をあげた漢王朝は各地の諸侯に黄巾党討伐のお触れを出す。

名門である袁家は大将軍何進の下で黄巾党征伐をしているために冀州にはいなかった。

 

 

 

「軍の規模が大きくなるのはいいのですが、それを率いる将が不足していますねー」

「確かに。現在進行中でどんどん人が集まってくるのでさすがに星だけでは調練が追いつかないでしょう」

 

 

これはなかなか深刻な問題となっていた。

軍備拡大にともなって戦う相手の規模も大きな相手と戦うようにもなっていた北郷軍だが、ここ最近では被害が大きくなっていた。

 

 

「兵としては申し分ないのだが将としては物足りない者が多くてな……」

 

 

星は苦言を呈する。

 

 

「これはなかなか急を要するのですよー」

「星には将の育成も行ってもらわなければなりませんね」

「やれやれ。これでは私が休む暇がないな」

 

 

星はここ最近調練などで忙しく、休みをほとんど返上していた。

 

 

「ごめんね星お姉ちゃん……」

 

 

一刀もそれを知っていたので、少し心苦しかった。

 

 

「はっはっはっは。一刀くんのためならこの趙子龍、なんでもいたしますぞ!」

「ありがとう星お姉ちゃん!」

 

 

一刀は星に抱きついた。

 

 

「ふみゅ~」

 

 

(これでしばらくは大丈夫だな)

 

 

策士北郷一刀だった。

 

 

 

 

 

 

しかし一朝一夕で将が育つわけもなかった。

 

 

「右翼の展開が遅いです!」

「左翼も押されています!」

 

 

その様子を見ていた風と稟は少し苦い表情をしている。

 

 

「不味いですね」

「はい。星ちゃんが中央の部隊で頑張ってくれてますが時間の問題ですねー」

「やばいな……」

 

 

数で攻めてくる黄巾党に対し、北郷軍は瓦解寸前であった。

もし星がいなければあっという間に押し切られていたであろう。

 

 

風と稟も打開策を考えるがなかなか浮かばない。

そして、一刀が退却命令を出そうとした時、どこからか銅鑼の音が響き渡る。

 

 

「敵の援軍か!?」

 

 

稟が叫ぶ。

ここで敵の援軍が来れば北郷軍は逃げることもままならなくなるからだ。

 

 

「報告します! 敵後方に官軍在り!」

「旗印は何ですかー?」

「旗印は漆黒の華旗、紺碧の張旗、真紅の呂旗です! そのところどころには『董』の牙門旗が見受けられます!」

「董卓だって!?」

 

 

一刀は驚嘆する。

三国志好きなら誰もが知っている暴君董卓だったからだ。

それに加えてその部下であろう三人。恐らく、華雄、張遼、そして呂布であろうと一刀は予想した。

 

 

 

「官軍はそのまま敵後方に突撃しました!」

「伝令は前方の趙雲に官軍と協力して黄巾党を挟撃するように伝えなさい!」

 

 

稟は素早く指示を出す。

この好機を見逃すはずがなかった。

 

 

 

 

 

「申し上げます! 天の御遣いと名乗るお方が董卓さまにお目通り願いたいそうです!」

「へぅ~、え、詠ちゃんどうしよ~」

「月は天の御遣いに会いたかったんでしょ? なら会うだけ会ってみればいいじゃない」

 

 

兵士からの報告を受けた董卓――月は頬に手を当て恥ずかしがっていた。

 

 

「そうやで月っち。義勇軍の割には骨のある奴が多かったわ」

「そうだな。特にあの青髪の奴はなかなかの実力と見える」

「……………………(コクコク)」

 

 

張遼――霞、華雄――華雄、呂布――恋の三人も賈駆――詠の意見に賛成のようだった。

 

 

「で、でも怖い人だったらどうしよう~」

 

 

その真逆の存在だった。

 

 

月は、天の御遣いが舞い降りたという噂を聞いた時から、一度会ってみたいと思っていた。平和を愛する月は、大陸を平和に導いてくれるという天の御遣いに憧れていたのである。

そして今回、天の御遣いが戦っているという冀州に派遣されることが決定した時、小さくガッツポーズするくらい嬉しかった。

 

 

「大丈夫よ。もし月に何かしようとしたらボクたちが守ってあげるんだから」

「せやで。やから安心してええで月っち」

「ふふふ。天の御遣いはいかなる武を持っているのか楽しみだ」

「……………………月は恋が守る」

「皆さん……」

 

 

頼もしい部下たちに勇気づけられた月は天の御遣いに会う覚悟をする。

 

 

「それでは御遣い様を通してください」

「はっ!」

 

 

 

 

「えっと、義勇軍を率いている北郷一刀です。この度は危ないところを助けていただきありがとうございました」

「へぅーん!」

 

 

月は衝撃を受けた。

天の御遣いがこんなに愛らしい存在なのかと目を疑った。

こんな可愛い生物が存在していいのかと。

月にはすでに一刀しか見えていなかった。

 

 

「…………あ、あんたが天の御遣いなの?」

「あ、一応そう言われてます」

 

 

同じく固まっていた詠も正気に戻る。

 

 

「なんや、ごっつい抱きしめたくなるような衝動が……」

「凄まじい破壊力だ……」

「…………可愛い」

 

 

三人も同様に一刀に衝撃を受けていた。

 

 

「おお、やはり一刀くんは凄いのですよ」

「あれ見て落ちない者は人ならざる者ですね」

「これは面白くなりそうだな」

 

 

北郷軍側の三人は、一日の長があるのか余裕の態度だった。

 

 

(わー、みんなすっげえ可愛いじゃん! 絶対暴君とかありえないでしょ!)

 

 

一刀は董卓軍の面々を見てそう思った。

 

 

「へぅっ!?」

 

 

ようやく正気に戻った月を含めて自己紹介を行った。

そして華雄以外から真名を許された。

 

 

(本当に真名は重い物なのだろうか?)

 

 

真名の重要さが分からくなってきた一刀だった。

 

 

 

 

「へぇ。それじゃあ朝廷から討伐命令が出てたんだ……」

「そうよ。この辺りで義勇軍が奮闘してるって聞いたとたん月が助けに行くって言い張ったのよ」

「詠ちゃ~ん」

 

 

恥ずかしそうにする月を見て笑いがこぼれる。

 

 

「ありがとうね月お姉ちゃん!」

「へぅーん!」

 

 

とびっきりの笑顔に昇天してしまう月だった。

 

 

「ちょっと失礼するで」

「おわっ!」

 

 

霞が一刀を抱き上げて自分の膝の上に乗せて後ろから抱きしめる。

 

 

「おお~! 思ってた通り最高の抱き心地や~!」

 

 

霞は恍惚の表情で一刀の感触を堪能する。

 

 

それを見ていた他の者が動き出す。

 

 

「ね、ねえ霞。ボクにもちょっと抱かせなさいよ」

「ちょ、張遼。つ、次は私だぞ!」

「……霞ズルイ。恋も抱きしめる」

「しゃーないなー。もうちょいしたら変わったるわ」

 

 

一刀は代わる代わる抱きしめられた。

 

 

 

 

「えっと、月お姉ちゃんにお願いがあるんだけど……」

「はいっ! 朝食から夜のお世話までなんでもどうぞ!」

 

 

すでに壊れ始めていた月。

 

 

「えっと、それじゃあ黄巾党がいなくなるまで一緒に戦ってくれないかな?」

 

 

一刀は将が不足しているのを解消するためにこれを提案した。

そして調練なども同時に行ってもらい、星の負担を減らそうと思っていた。

 

 

「いいよね詠ちゃん?」

「そうね。もともとそのつもりだったし。…………もう離れられそうにないわ」

「ウチも賛成や」

「私も異論はないぞ」

「…………仲間が増えるのは嬉しい」

 

 

満場一致で可決された。

 

 

「ありがとうみんな。一緒にこの大陸を平和にしようね!」

『プハッ!』

 

 

本日最高のスマイルをいただき、天幕は血まみれになったとか……。

 

 

こうして一刀率いる義勇軍は董卓軍と共闘することになった。

 

 

 

 

<おまけ>

 

 

「へ~ぅ、へ~ぅ、へぅ、一刀くん、天の国からやって来た♪」

 

「なんだか嬉しそうね月」

 

「あっ詠ちゃん」

 

「何かいい事あったの?」

 

「うん。……えへへ」

 

「へぇ~、どんなことがあったの?」

 

「へぅ~。あのね…………一刀くんと手を繋いじゃったの♪」

 

「それだけ?」

 

「そうだけど?」

 

「ボクはこの前抱きしめたわ」

 

「…………(ピキッ)」

 

「一刀くんって柔らかくて抱き心地いいのよね~」

 

「…………(ピキピキッ)」

 

「でも霞たちもいるからなかなか順番が回ってこなかったのよね~」

 

「…………(ブチッ)」

 

「ん? どうしたの月?」

 

詠ちゃん逃げて!

 

 

完。

 

 

メインヒロイン?登場( ^,_ゝ^)

やっぱり月ちゃんは可愛い(*/∀\*)

 

 

それでは皆さん、へぅ( ゚∀゚)o彡°

 


 
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