俺は、確かに求めていた
『刺激』ってやつを
今までとは比べ物にならないくらいの、『ワクワク』ってやつを
本気で、望んでいた
それが・・・どうしてこうなった?
「だから何度言ったらわかるの!?
一刀は、その・・・わ、私の・・・私達のモノなんだからっ!!」
右をみる
そこには顔を真っ赤にしながら、俺の制服のはしをぎゅっと掴む金髪クルクルツインテの美少女が・・・
なにこの子可愛い
「そっちこそ、何回言ったらわかるんですか!?
一刀さんと私達は転生を繰り返すこと遥か昔、一億と二千年前からのお付き合いなんだから!!」
左をみる
そこには『キターーーーーーー、電波受信したお♪』って感じの発言をする、胸の大きな美少女が
うっ・・・動くたびに、揺れてやがる
そして・・・
「ハァハァ・・・キタ、キタわよ蓮華!
今なら堂々と、一刀のことを盗撮できるわ!!
色んな角度、色んな表情、あわよくば制服の下まで・・・もう毎日、寂しく盗聴する生活とはオサラバよ!!
今日からは、一刀の画像でウッハウハ!今夜は徹夜よーーーー!!」
「蓮華様、いけません!本音が口からダダ漏れです!今通報されたら終わりですよ!?」
「邪魔しないで思春!!今しかない・・・今しかないのよ!!」
「その無駄に凄まじいやる気でもって、普通に写真を撮らせてもらえばよいでしょう!?
なんで本人を目の前にして、わざわざ盗撮とかしようとするんですか!?
っていうか、堂々と本人に見られながら盗撮をするってそれは最早盗撮ではありませんよ!?」
「一刀と普通にお話をするなんて・・・そんな勇気があったら、とっくに一刀とは友達になってるわよ!!」
「大丈夫ですって!!さっきから普通じゃ言えない様なことばかり仰ってるんですから、もっと自信を・・・って、ああ!?待て黒崎! 警察に電話するのだけはやめてくれ!!
蓮華様はあれなんだ、ちょっと考えてることがかわいそうなだけなんだ!! 」
俺のすぐまん前では、カメラ片手にハァハァと荒く息をする桃色の髪をした美少女が・・・黒髪の少女に羽交い絞めにされ、それでも尚動こうとジタバタと暴れている
おぉ、あのお尻の形は・・・エクセレント!
ちなみに華雄は、冷めた目で二人を見ながら警察に電話をしている
しかしこの状況・・・
あぁ・・・快なり
・・・って、そうじゃないだろ北郷一刀!
考えろ、考えるんだよ!!
いったいどうして、こんなことになってしまったのか・・・この桃色の頭脳をもってして考えるんだ!!
思い出せ!思い出すんだ!!
確か俺は数分前、華雄と一緒に学園へと向かっていて
それから・・・
《太陽みたいな君と乙女♪-恋姫†乙女伝-》~略して《キミオト♪》~
第3話 シャイと電波と駄目人間~新学期だお、全員集合♪~
「なぁ、華雄・・・アレ、なんだ?」
校門の前
俺はその場に立ち尽くし、上を見上げながら呟く
「見ればわかるだろ?
校舎の壁じゃないか」
「違う、そうじゃない
その壁にデカデカと貼られているあの紙はなんだろうって聞いてるんだよ」
「・・・夢でもみてるんじゃないか?」
「今日は【桔梗】さんに叩き起こされるまでバッチリ睡眠をとってたんだぜ?」
「じゃぁあれだ・・・見なかったことにすればいいさ」
「ああ、そっか
その手があったな」
なんだ、そっか
そうすればよかったんだ
そう思いながら、俺はもう一度・・・校舎にデカデカと貼られているソレを見つめる
《北郷一刀を愛でる会!!会員大募集中♪
・・・ポロリもあるよ♪》
「・・・って、できるかあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
こんなん見なかったことにできるわけないだろ!?
なにこれ!?本人の知らないところで何が起こったの!?
ていうか、ポロリなんてねーーーよ!!
あれか、イジメなのか!?
「なんだアレ!?俺、何かしたか!?」
「したさ、お前は大切なモノを盗んでいった
彼女達の・・・ハートだよww」
そう言って爽やかな笑みで、俺に向かってサムズアップする華雄
いやいやいや、意味がわからないから!
「とにかく、あんなもの早く取ってもらおう」
言って、俺は早足で歩き出す
その時・・・
「その必要はないわ」
聴こえたのは・・・どこかで聞いたことのある、凛とした声
その声に反応し、振り返った先
そこにいたのは、やはり見覚えのある・・・一人の少女
入学式のとき、俺のことを助けてくれた(主にアッーーーーな意味で)金髪クルクルツインテの少女だった
彼女はたくさんの生徒を後ろに引き連れたまま、俺を見つめているのだ
「おはよう・・・一刀」
「ああ、おはよう・・・ございます」
そのまま、微笑みながら言う
そのことに、俺は若干驚きつつも挨拶を返した
何故、驚いたかって?
だって俺は・・・入学式からしばらくしたある日を境に、今までずっと女子の方から挨拶なんてされなかったんだから
こっちからしたら、向こうも返してはくれるが・・・皆顔を赤くしたまま、走って逃げていったっけ
あれ、本気で凹んだなぁ
・・・って、あれ?
今この子、俺のこと『一刀』って呼ばなかったか?
「あのさ俺、君に名前・・・」
「知ってるわよ、貴方のことなら・・・それよりも」
言いながら、彼女はスッと前に出る
それから・・・
「も、もう限界・・・うぅ、恥かしぃ」
頬を真っ赤にしながら、俺の制服のはしを・・・キュッと掴んだのだ
え~と・・・なにこの可愛い生き物?
ていうか、なにこの状況?
「華琳様あああぁぁぁぁ!!お見事!お見事です!!
よくぞ、よくぞそこまで我慢なさいましたああああぁぁぁぁああ!!
この春蘭!!感動のあまり、眼帯から鱗ですぞおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
「姉者、それは言葉も違えば使うタイミングも違うぞ?
それよりも・・・華琳様、よくぞやってくれました」
そんでもって、さらに理解不能な状況に・・・何故か彼女の後ろにいた人たちが、一斉に泣きはじめたのだ
もう、所謂マジ泣きってやつで
正直、ものすごく恐いです
「え~っとさ、とりあえずいいかな?
君は・・・」
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!?
華琳さん、何してるんですかああぁぁぁぁ!!!!」
ああ、なんかさらに状況がややこしくなりそうな予感
胃が痛くなる思いを感じながら、振り向いた先
いたのは・・・たくさんの生徒
その前にいるのは、赤茶色の髪をした少女だった
可愛い・・・彼女を見たときの第一印象がそれだった
「一刀さんと会うって約束は、私たちが先にしてたんだよ!?
前世から!!!!!!」
「前世からっ!?」
・・・うん、あくまで第一印象はね
それも、今の一言で吹っ飛んだけど
あいたたた、なんかまた凄い子が出てきちゃったよ?
「ふん、何が前世よこの電波!!
アンタなんか、一刀には相応しくないわ
その・・・私のほうが・・・・・相応しいんだから・・」
最初はかなり強気に
最後なんて、もう全然聴こえないような声で・・・彼女は反論する
相変わらず、俺の制服のはしを掴んだまま
てか、あれだ・・・この二人、知り合いなんだな
「一刀さんは、私のこと可愛いって言って抱きしめてくれたもん!!
一億と二千年前に!!」
「はん、どうだか!
本当に前世があるとしても、一刀と結ばれていたのはこの私なんだから・・・って、やだ・・・私ってば、なに言って・・・」
「ちょ、まっ・・・」
なんだ、この状況!?
理解できないし、しようとするヒマさえ与えてくれないぞ!?
っていうか、誰か助けてくれよ
誰か・・・
「ハァハァ・・・一刀が、本物の一刀が私の目の前に・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
助けを求めた
確かに求めたさ
けど神様は、俺のことがよほど嫌いらしい
求めたはずの助けはこず、変わりにきたのは・・・やたらとハァハァしている、桃色の髪をした少女だったんだ
その距離、僅か五センチ・・・
「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!?(驚)」
「一刀の生叫びキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!(悦)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・んで、冒頭に戻るわけだが
「一刀さんと私が結ばれるのは、もう決まってることなの!!
二人で一緒に、アクエリオンするんだもん!!」
「わ、私なんてアレよ・・・もう・・・ね・・・ああもう、恥かしくて言えないわよ!!
でもそれくらいのことを約束したんだから、この電波!!」
「ああ、もう駄目!駄目なのよ!
もう盗聴だけじゃ満足できないの!そろそろ、限界なの!!」
「蓮華様、いいかげん落ち着いて・・・」
「・・・もしもし、警察ですか?」
「黒崎いぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!?
ストップだ!頼むから、電話を切ってくれ!!
あれなんだ、今丁度思春期まっさかりでちょっと情緒不安定なだけなんだ!!
普段は優しくて良い御方なんだ!!」
「思春が思春期って・・・ぷっww」
「蓮華様ああああぁぁ!!?
貴女は私が誰のためにこんな頑張っていると思って・・・!」
か、カオスだ・・・本当に、何なんだこの状況は?
とりあえず頼むから、誰か助けてくれよ
「ふっ、お困りのようだな」
そんな俺の前に現れたのは、三人の少女
その三人はそれぞれ別れ、未だ騒ぎ続ける少女のもとへと歩いていく
関係者・・・というか、友達か何かかな
ただ、その背中が語っているような気がしたんだ
『私に任せろ』ってね
とにかく、これでよかったのか・・・よかった、普通の人がいてくれて
「華琳様、どうか落ち着いてください
ほ~ら・・・一刀くん人形(全裸ver)ですよ~」
「一刀っ、私の一刀!!
秋蘭!早くそれを渡しなさい!!私の一刀~~~!!」
普通の・・・
「桃香様、落ち着いてください」
「愛紗ちゃん、でも・・・」
「ご安心ください、きっと一刀様は記憶を失っているだけですよ
一億年もの月日が流れたのです・・・無理もないことでしょう
ならば今は・・・すぐに『サバト』の準備をいたし、記憶の復活に努めましょう」
「愛紗ちゃん・・・うん、そうだね♪」
普通n・・・
「蓮華様~、これな~んだ?」
「穏!今は貴女に付き合っているヒマは・・・
『それ・・・普通、逆じゃね?』
ちょ、ま、これはまさか!!?」
「はい~、今朝の一刀さんの登校風景を隠し撮りしちゃいました~
そういえば一刀さんのクシャミ、可愛かったですよ~?」
「買った!!!!」
「蓮華様・・・ようやく正気に・・・」
普t・・・
うん、『類は友を呼ぶ』って言葉の意味がよくわかった瞬間だったよ
「はぁ・・・わけわかんね」
もう、考えるのも疲れてきたよ
そんな俺の肩が・・・ポンと、優しく叩かれる
見てみると、そこには意味深な笑みを浮かべる華雄の姿が
「よかったじゃないか
早速、『望みが叶った』みたいで・・・」
「え・・・?」
一瞬、意味がわからなかったが・・・すぐに思い出す
「『刺激』・・・欲しかったんだろ?」
ああ、そうだった
俺は、確かに望んださ
新しい『刺激』を
『ワクワク』するような毎日を
けどさ・・・
「華琳様、一刀くん人形の触り心地はいかがですか?」
「実にいいわ
パーフェクトよ秋蘭
ただ・・・やっぱり、本物のほうが気持ち良いわ」
「それは是非・・・次は皆でいただくとしましょう
一人だと、その・・・恥かしいですし・・・」
「それじゃ皆、早速グラウンドに魔法陣を書くところから始めよっか♪」
「「「おーーーーーーーーーー♪」」」
「これは、イイ・・・実にイイわ穏!!
これはもう部屋で一刀のことを盗聴しながら、はぐれメ■ルを狩ってる場合じゃないわ・・・しばらく、学校は休みましょう」
「蓮華様!?」
なぁ神様よ・・・これはもう、俺の望んだものの二倍とか三倍とかってもんじゃないぞ?
「いくらなんでも、これはやりすぎだろーーーーーがああぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!」
広がる青空
響き渡る、俺の声
春・・・始まりの季節
俺の物語は、新しくその1ページを刻みだしていった・・・
《太陽みたいな君と乙女♪-恋姫†乙女伝-》~略して《キミオト♪》~
~一学期編~
開†幕
「私としたことが・・・つなぎを着るのに時間をかけすぎて、出るタイミングを失ってしまうとは
くっ、鬼畜眼鏡・・・一生の不覚!!」
★あとがき★
はい、いよいよ本編的な感じですww
もうあれだ、これは酷いww
こっから、色々キャラを出していこうかなと
全キャラ出るかな・・・だしたいけど、難しいだろうなぁ
もうあれですよ、どんどんツッコミ入れちゃって下さいって感じでこれからも進めていく予定です
それでは作者は、オロナミンCでも飲みながら絵の練習でもしています
あ、あと最後に一言
だから、中の人なんていませんってww同一人物ですからwwww
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いよいよ、混沌としてきた今作w
だけど、ボクは立ち止まらない
その先に・・・希望の光があると信じて
華雄救済とかww