とある戦いをしていたカップル
枯れた桜の樹の道を歩く二人。
当麻「……で、これからどうする?」
美琴「さぁ……どうしようかしらねぇ……」
当麻に片腕で抱えられながら歩く美琴。
当麻「まだ、何にも考えてなかったしなぁ」
澄んだ青空を見上げながら、当麻と美琴はほうっと息を吐いた。
とりあえず、2人の目標は達成した。
敵を討ち、その死体は灰となって消えた。
そして、その仇討ちと何らかのつながりがあっただろう教会は潰れていくのであった……。
当麻「結局、あの教会は敵と命を共存してたのか?」
美琴「たぶんね。それなら、急に潰れる理由になるし」
当麻「本当にどうやってたんだろうな」
美琴「教会?たぶん、地下に自分の研究室とかいろんな施設を作ってたのだと思うけどね」
当麻「それなら、壊さない方がいいじゃねか」
美琴「それは、誰にも見せたくないからでしょ」
当麻「じゃあ、俺はワケ分からん力を全開にして、ただ研究しせつとやらを護るだけのヤツを倒したに過ぎないかもしれねぇんだな」
当麻が皮肉めいて言うと、美琴が思い出したように訊いてきた。
美琴「あれってなんだったの?正直、普通の人間にはおもえなくなったんだけど」
当麻「俺に聞かれても知るかよ。ただ……」
当麻「……誰かが傍にいるような気がしたな」
ふと、あの時の感覚を思い出す。
敵の前で屈しようとした時、誰かが内側から滲み出てくるような気がした。
敵の力を封じて、当麻に体の自由を戻してくれた気がしていた。
だが、それが誰なのか、あの力は何だったのか、正直なところ全く分からない。
当麻は使えるチカラをフルで使い、敵を倒したに過ぎなかった。
当麻「まっ、いいか、あの力も今は無くなってるし、考えたところで時間の無駄ってやつだな」
当麻「……って何だ、その目は?」
気付けば、隣の美琴がじと目で当麻を見ていた。
眉をつり上げ、少しばかり頬を膨らましている。
美琴「誰かって誰よ?」
当麻「はぁ?」
美琴「そばにいてくれた誰かって誰よ?」
当麻「知るかよ、そんなことは」
美琴「あーーーっ、ごまかした!本当は誰か心当たりあるんじゃないのぉ!?」
当麻「ねぇっての!あってもーー」
美琴「あっても……何よ?」
当麻「いや、いい……」
当麻「と・に・か・くだ!」
がばっ、と当麻が美琴を抱き締める。
当麻「俺の傍にいるのは、お前だけでいい」
美琴「…………ん」
頬を朱色に染めながらも、美琴が嬉しそうにうなずく。
当麻「行こうぜ、とりあえず、どっか行けそうなところまでな」
美琴「うんっ!」
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とあるシリーズの主人公達を絡ませたものです。