ようやく、【許昌】についた、孫呉一行。
この付近の鎮圧は上手くいったのか、比較的平穏な行軍だった。
一応、ここが司令塔的役割を果たす場所なのか、そこにいたのは、漢の大将軍『何進』である。
何進「遠路はるばる大義じゃ。」
雨蓮「現状をお聞かせ願いますでしょうか?」
何進「せわしないのぅ…現状はこうじゃ。」
黄巾・占拠拠点
【徐州】の【小沛】、【兗州】の【陳留】と【濮陽】、【冀州】の【平原】。
討伐軍、陣容
【北平太守・公孫瓉】が北方より【冀州】の【平原】へ
【徐州刺史・陶謙】【南皮太守・袁紹】が東方より【徐州】の【小沛】へ
【官軍・曹操】と【義勇軍・劉備】が西方より【兗州】の【陳留】と【濮陽】へ
何進「お主には、【兗州】へ行ってもらいたい。わらわは【徐州】へ向かうのでのう」
雨蓮「何ゆえ、もっと早く【徐州】へ向かって無かったのですか?」
何進「お主を待っておったからのぅ。ようやく、駒がそろって、わらわも動ける…そうゆう寸法よ。」
雨蓮「失礼しました。では早速【兗州】に向かいます。」
何進「まかせたえ」
雨蓮「とゆうことになった。」
一刀「一番の激戦区か…【太平妖術の書】も一番可能性が高いといえるな。」
冥琳「何進が何も考えない愚将で無かっただけ、良しと考えましょう。」
雪蓮「何気に酷いこと言ってるわね、『邪琳』?」
冥琳「もう言わないって約束しなかったかしら?」
雪蓮「ゴメン、ゴメン。」
冥琳「約束を破った事に変わりはないから……帰ったら楽しみよね~。」
祭「いちゃつくのはそれ位にして、さっさといくぞ!」
---兗州、陳留付近---
【官軍・曹操】は、苦戦を強いられていた。
【宛】と同じく、数が多いのである。その数、150000……十五万である。
曹操はあらゆる手を尽くしたが、膠着させるのがやっとであった。そんな時、孫呉が援軍にやってくる。
曹操「孫堅、援軍感謝する。」
雨蓮「状況は…まだましじゃのう」
冥琳「曹操殿、誰か最前線で戦った者をここに連れて来てもらえないでしょうか?」
曹操「??、まあいいわ。春蘭を此処へ…」
兵士「はっ」
しばらくして…
夏侯惇「お呼びでしょうか、華琳様」
曹操「この者が話を聞きたいそうよ?」
夏侯惇「はぁ…私でよければ…」
冥琳「では、手短に…黄巾の中に『紅い眼』をしたものは居ましたか?」
夏侯惇「そんなの、うじゃうじゃ居たぞ。それがどうした?」
冥琳「次に、この戦で火計は仕掛けましたか?」
夏侯惇「ああ、よく効いたぞ。火を見たとたん、一目散に逃げて行ったぞ」
曹操「まあ、それが有ったから何とか20000の兵で150000と膠着出来ているのだけどね…」
一刀「冥琳…」冥琳「やはり、【太平妖術の書】かと…」曹操「!!」
【太平妖術の書】に反応したようで…
曹操「何であなたが、その本の事を知っているの!?答えなさい!」
そう言って、『絶』を構える。
一刀「逆に聞くが、どこまで【太平妖術の書】について知っている?内容によってはこちらも話す内容が変わるな。」
曹操「命が惜しくない様ね…」『絶』が一刀の首にかかる。
雨蓮「今ここでそいつを刎ねたら、われらは貴様らを滅ぼすぞ。」
言は静かだが、殺気は凄い。
夏侯惇「貴様!、ゆうに事欠いて…」曹操「やめなさい春蘭!!」
おとなしく引き下がる夏侯惇…『絶』を退く曹操…
曹操「ふぅ…【太平妖術の書】については、『妖術書とゆう認識』だけよ。それで、どこまで話してくれるのかしら?」
一刀「『妖術書とゆう認識』は正解、【呪】の中身は全て【人に仇なす】ものばかりだ。それと、今回の黄巾の乱にも使われている。『紅い眼』はその証拠だ。【惑わされてる】だけだがな。そして、火計…軽い【解呪】は、軽い火傷で出来るんだよ。ちなみに、【解呪】は経験済みだ。」
曹操「なら、あなたたちに従った方が、効率がよさそうね。誰かある!」
兵士「はっ、ここに」
曹操「劉備達を呼んできなさい。作戦会議をするからと」
兵士「御意」
一刀はふと思った…(そういや劉備とは初対面か…)
しばらくして、劉備一行がやってきた。
整理にために現時点での各陣容は以下の通り…
曹操軍→曹操、夏侯惇、夏侯淵、荀彧、許褚、典韋、楽進、于禁、李典。
劉備軍→劉備、関羽、張飛、諸葛亮、龐統。
そして、劉備にも【太平妖術の書】に関して話し、作戦の基本は火あぶりと聞いたところで…
劉備「流石に酷すぎませんか?他に方法はないですか?」
一刀「在るには在るが…」劉備「教えてください!」
劉備も必死なんだろうと思うが…
一刀「離れてもらえます?胸が当たって…」
劉備「ふぇ…ご、ごめんなさい///」
関羽「その他の方法とは?」眼が冷たい…
一刀「火の代わりに、塩を使う。それも一人当たりお椀に一杯程…」
先の【宛】での戦いで、実験として【呪】に掛ったものを生け捕り、【解呪】にどれ位塩が必要か調べていた。
解りやすく、こっちの単位で言うと【解呪】に約『100g/人』必要で、仮に150000人全員にこの方法をとると、
150000人×100g/人=15000000g=15000kg=15トンになる。
ただし、これで最低必要量である。当然、『塩』の無駄撃ちも考えられるので、もっと必要になる。
15トンでこの時代の、塩の年間生産量の、約六割に匹敵する量である。今の【長沙】でも銭でどうこう出来る話ではないし、銭があったとしても、銭でどうこうした時点で塩相場が暴騰して、市民生活に支障が出るのは目に見えている。塩の年間生産量がこの程度である。『塩が貴重』というのもうなずける話である。
諸葛亮「はわわ、そんなに要るんですか?」
龐統「あわわ、とても無理です…」
流石は、天才の二人、すぐに計算出来ました。(それも尺貫法で)
劉備「え…えっと……朱里ちゃん?」
諸葛亮「桃香様、こそこそ…」そっと、必要な量を耳打ちする。
劉備「えぇぇぇぇぇ!!そんなにぃ!?さすがに無理だよぅ…」
関羽「これ以外に方法はないんですか?」
冥琳「あとは、【太平妖術の書】の『封印・浄化』しかありませんね。尤も、この敵部隊の中にあればの話ですが…」
曹操「諦めなさい、劉備。いろいろな意味で、民を守るには、『力』が要るとゆうことよ。悔しかったら、『力』をつけなさい。」
劉備「はい…」すっかり、しおれた劉備である。
冥琳「それに、さっき『火あぶり』と言ったが、焼き殺す必要はない。火傷程度で良いのだ。そう気に病むな。」
劉備「お気使いありがとうございます。周喩さん。」
軍議の結果、火計を中心に敵に当たることが決まった。
ただ、敵は城の中に籠城している。さらには、挑発が効かない。
そんな中、火矢は有効で、中で混乱が起きた。その隙をついて、関羽が張飛を城壁の上へ投げ飛ばし、張飛が城内から、門扉を開け放った。黄巾は討って出るしかなく、火矢でさらに数を減らした。
【呪】に掛らずに、黄巾に参加している【賊】も結構いたが、曹・孫・劉連合軍の敵ではなく、陳留の奪還に成功する。
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曹操「それにしてもあなた達、凄いことするわね。どう、関羽、張飛、私に仕えないかしら?」
関羽「申し訳ありませんが、桃香様を主と決めておりますので…」
張飛「鈴々もなのだ。だからごめんなのだ。」
曹操「まあいいわ。引き続き【濮陽】の攻略に向かう。良いわね?」
劉備「はい。」雨蓮「了解。」
その裏で、百合が、諸葛亮に対して、頭を両拳で『ぐりぐり』しながら、説教をしていたのは、誰も知らない…
百合「心配したんだからねー」
諸葛亮「痛い痛い痛い…」
あとがき
どうもnakatakです。
まず、塩の生産量について、基本出鱈目です、はい。
大量に塩が要ることを強調したかったのでこうなりました。
それと、百合と朱里が、再会しました。無事に良い人の下に仕官出来たことを素直に喜びつつ
ああゆう態度になってしまうんですね、姉として…
次で黄巾はラストになると思います。お楽しみにしてください。
ではまた。
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対黄巾戦、後半といったところでしょうか。
主要キャラがここで出てきます。
それでは、どうぞ。