「わふー。われながらナイスソングだったのです~。」
「……」
「どうしたのですか。二木さん。顔が怖いのです。」
「……先輩。」
「へ?」
ブチッ。
「勝手にクドリャフカの歌を流した挙句、この有様は
何ですか!?あの子の言う「わふー」より音程が低い
ですし、あの子はカタカナ語を『ないすそんぐ』と
発音します!!何よりもあの子は、私のことを
『佳奈多さん』と呼びます!!」
「ごめん、ごめん。急な事情で能美さん来られなくな
ってね。前回すでに予告してあったものだから…。」
「ハァハァ…。」
「うう、そんな怖い顔で睨まないで…。」
「ハァハァ…分かりました。今回は許します。あとでクドリャフカにも謝っておいてくだ
さいね。」
「はぁい。」
「まったく…。」
「それにしても、かなちゃんは能美さんのことをよく知っているのね。」
「っ……。風紀委員でいろいろと話す機会も多かったですから。」
「そう……。さっきの『わふー』の発音についてはすごかったわね。正しくは『わふー』!
こんな感じ?」
「強すぎます。」
「こう?『わふ~』。」
「まだまだ。かわいらしさが足りません。」
「難しいわね……。見本を見せてくれない?」
「難しい……確かにそうですね。分かりました。こう、息をお腹にためて、ゆっくりと息を
吐き出す形で……」
『わふ~~!!』
「……あの、先輩。今の私の『わふ~~!!』、やたらとエコーがかかっていませんでし
たか?」
「番組に寄せられたお手紙より
『私としては、女子ラジが盛り上がるために、もっとかなちゃんに頑張ってほしい
わけですヨ。例えば、2年生のクー公みたいに「わふー」と言ってみるとか。
ぜひともチャレンジ精神を見せてほしいですネ。』
今回の番組は、このお手紙の意見を参考に作らせていただきました。
いや~かなちゃん、私も目からウロコだったよ。」
「へ!?」
「ちなみにペンネームは『イタズラ好きのハルちん』さん。」
「はっ、ははははははははははははははは。」
「実は、能美さんは隣の部屋に控えていて、さっきの歌も直接歌ってもらって……って私
の話聞いてる?」
「はははははははははははははははははは。」
「まぁ、まさかここまでうまくいくとは…。」
「あ・い・つ・め~!!!!」
バタン!!
ダダダダダダダダダダ!
「えーと、こういう結果になるのをどう言うんだっけ。たしか恭介くんから借りたマンガ
では……。」
「そう!『計画通り!!』ってやつね!」
パタン。
「あの~、部長さん。そろそろ入ってもいいでしょうか~。」
その5に続く
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