No.157604

「リトバス」あーちゃん先輩の女子寮放送局その4

arkさん

リトルバスターズ!シリーズの小説コンテスト応募作
連作その4

2010-07-14 07:54:46 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1327   閲覧ユーザー数:1296

「わふー。われながらナイスソングだったのです~。」

「……」

「どうしたのですか。二木さん。顔が怖いのです。」

「……先輩。」

「へ?」

 

ブチッ。

 

「勝手にクドリャフカの歌を流した挙句、この有様は

何ですか!?あの子の言う「わふー」より音程が低い

ですし、あの子はカタカナ語を『ないすそんぐ』と

発音します!!何よりもあの子は、私のことを

『佳奈多さん』と呼びます!!」

「ごめん、ごめん。急な事情で能美さん来られなくな

ってね。前回すでに予告してあったものだから…。」

「ハァハァ…。」

「うう、そんな怖い顔で睨まないで…。」

「ハァハァ…分かりました。今回は許します。あとでクドリャフカにも謝っておいてくだ

さいね。」

「はぁい。」

「まったく…。」

 

「それにしても、かなちゃんは能美さんのことをよく知っているのね。」

「っ……。風紀委員でいろいろと話す機会も多かったですから。」

「そう……。さっきの『わふー』の発音についてはすごかったわね。正しくは『わふー』!

こんな感じ?」

「強すぎます。」

「こう?『わふ~』。」

「まだまだ。かわいらしさが足りません。」

「難しいわね……。見本を見せてくれない?」

「難しい……確かにそうですね。分かりました。こう、息をお腹にためて、ゆっくりと息を

吐き出す形で……」

 

『わふ~~!!』

 

「……あの、先輩。今の私の『わふ~~!!』、やたらとエコーがかかっていませんでし

たか?」

「番組に寄せられたお手紙より

 『私としては、女子ラジが盛り上がるために、もっとかなちゃんに頑張ってほしい

  わけですヨ。例えば、2年生のクー公みたいに「わふー」と言ってみるとか。

  ぜひともチャレンジ精神を見せてほしいですネ。』

 今回の番組は、このお手紙の意見を参考に作らせていただきました。

 いや~かなちゃん、私も目からウロコだったよ。」

「へ!?」

「ちなみにペンネームは『イタズラ好きのハルちん』さん。」

「はっ、ははははははははははははははは。」

「実は、能美さんは隣の部屋に控えていて、さっきの歌も直接歌ってもらって……って私

の話聞いてる?」

「はははははははははははははははははは。」

「まぁ、まさかここまでうまくいくとは…。」

「あ・い・つ・め~!!!!」

 

 

バタン!!

ダダダダダダダダダダ!

 

「えーと、こういう結果になるのをどう言うんだっけ。たしか恭介くんから借りたマンガ

では……。」

「そう!『計画通り!!』ってやつね!」

パタン。

「あの~、部長さん。そろそろ入ってもいいでしょうか~。」

 

             その5に続く

 


 
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